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原宿のど真ん中に銭湯誕生 東急「ハラカド」を見てきた

東急プラザ原宿 ハラカド

東急プラザ原宿「ハラカド」が4月17日に開業する。東急不動産は開業に先立ち、メディア向け内覧会を実施した。

ハラカドは、屋上テラス、雑誌ライブラリー、銭湯などを展開するほか、クリエイターを育成・支援・共創するプラットフォームや、リアルの価値を活用する体験型メディアを実装するという複合施設。東急不動産は、新しい体験価値を享受できる「創造施設」としている。

明治通りと表参道が交差する「神宮前交差点」に立地し、交差点を挟んだ向かい側に東急プラザ表参道「オモカド」、表参道を挟んで「ラフォーレ原宿」がある。地下1階から地上6階に店舗等を設置し、7階には屋上テラスを設けている。

ハラカドの6階から見た東急プラザ表参道 オモカド
ラフォーレ原宿(写真右)の並びに位置する
ハラカド 1階エントランス

地下1階に銭湯を中心とした街

地下1階では、銭湯「小杉湯原宿」および湯上がりゾーン「チカイチ」を展開。フロアのプロデュースは創業91年となる高円寺の銭湯「小杉湯」で、「銭湯を中心とした街」を創造する。料金は東京都が定める入浴料金の520円。多くの人に銭湯の体験価値を届けるため、営業時間は通常の銭湯とは異なり、7時から23時までとして朝から利用できるようにしている。ハラカドの通常の店舗オープンは11時。

小杉湯原宿では番台を通ってお風呂に入るという昔ながらのスタイルを採用

高円寺の小杉湯は創業から一度も建て替えをすることなく運営している。都内の銭湯では経済合理性の観点から建て替えをしてビル型にすることも多いが、小杉湯では創業当時の建物で続けていきたいという思いがあり、2021年には登録有形文化財にもなっている。

高円寺の小杉湯

小杉湯原宿の浴槽は3つで、高円寺の小杉湯でも使われている「ミルク風呂」と、熱湯と水風呂を交互に入る「温冷交互浴」が楽しめる作り。洗い場は9つ、2〜3人ほど座れる内気浴スペースがある。大きさ、形は男女でほぼ同じ。

小杉湯原宿

湯上がりゾーン「チカイチ」ではチカイチパートナーとして、花王、アンダーアーマー、サッポロビール、Setsu Planningが参加。チカイチという街の中にそれぞれの区画を持ち、イベント等も実施する。

各区画では、花王は一番最初の純国産石けん展示、アンダーアーマーはランニングステーションとストレッチスペース、サッポロビールはビールスタンド、Setsu Planningはマイトレックスの美容健康家電を試せる場を用意する。それぞれの区画は、風呂上がりにくつろぐ場としても利用できる。

花王の区画
一番最初の純国産石けん「花王石鹸」
花王の商品を試すための水として、水道いらずの水循環型ポータブル手洗い機「WOTA」を設置
アンダーアーマーの区画。ヨガマットを設置するほか、シューズなど商品の体験もできる
畳でくつろげる場所も
サッポロビールのビールスタンド
マイトレックスの家電を試せる
チカイチ内にはプロジェクターを使ったイベントができる場も用意している
フロアの案内表示にはお風呂のマークも

2階に雑誌アーカイブライブラリー「COVER」

2階では、日本出版販売(日販)の子会社・ひらくが企画・プロデュースする雑誌アーカイブライブラリー「COVER」を展開。「雑誌をもっと身近に、手に取る機会を。」をテーマとして、若い人にも紙の雑誌の魅力を届けることを目指す。

COVER

蔵書は、賛同する出版社からの提供や一般からの寄贈によって構築。一定の年代以上の人にとっては懐かしい雰囲気、若い世代の人にとっては目新しい雰囲気の雑誌に出会える。

イベントスペースとしても利用可能で、4月18日から23日まで朝日新聞出版主催「週刊誌『AERA』presents雑誌のつくりかた大解剖展」を開催。また、4月20日にファッション誌「Peche」、4月21日に「NYLONJAPAN」とのコラボレーションイベントを開催する。

2階ではそのほか、オンラインを中⼼に展開していた「Glam Lips」、「SEPLÚMO」、「THREE TREASURES」のリアル初出店店舗、原宿初出店となる「YUBUNE」、“性を表通りに、誰もが楽しめるものに変えていく”をビジョンに掲げるTENGAによる「TENGA LAND」などが出店する。

THREE TREASURES
TENGA LAND
2階の様子

3階にクリエイターが集い、4階にアートを展開する

3階は、ハラカドにおける文化創造・発信拠点の中心となる「クリエイターズプラットフォーム」として展開。会員制クリエイティブラウンジ「BABY THE COFFEE BREW CLUB」、角打ちを併設したスタジオ「STUDIO SUPER CHEESE」、博報堂ケトルのソーシャルクリエイティブ専門のスタジオ「STEAM STUDIO」、J-WAVEによるポッドキャストスタジオとアートギャラリーを併設した「J-WAVE ARRTSIDE CAST」などにより、個人や企業のクリエイティブ活動をサポートする。

3階の様子
BABY THE COFFEE BREW CLUB
STUDIO SUPER CHEESE
STEAM STUDIO
J-WAVE ARRTSIDE CAST

そのほか3階では、BookLiveによるさまざまなマンガ・アニメ・キャラクター関連グッズを販売する「OSHI BASE Harajuku」などが出店する。

OSHI BASE Harajuku

4階は、クリエイターが手掛けた空間、アート、デジタルアートを体験できる「ハラッパ」。フロア内にコーヒースタンドがあるほか、上階の飲食店でテイクアウトしてハラッパ内でアートを楽しみながら食事をすることもできる。

ハラッパ
様々な世界観を楽しめる

グリーンが印象的な飲食フロア

5階と6階には計22の飲食店が出店。屋上テラスとシームレスにつながる6階には、人工芝の上にローテーブルとローチェアがセットされた飲食スペースが用意されており、普段とは違った雰囲気で食事を楽しめる。

5階の様子
6階の様子

6階の壁面には、岡本太郎氏の絵画「夢」を展示。1961年に岡本太郎氏により、長年交流のあった老舗フランス菓子コロンバンの創業家のために制作・寄贈されたもので、コロンバン店内での展示を経て、渋谷区神宮前の旧原宿本社で保管されていたものを、旧蔵の原山優子氏から渋谷区に寄贈され、ハラカド開業に合わせて6階で展示することになった。

岡本太郎氏「夢」の展示(写真左上)

7階の屋上テラスは「交差点メディア」として展開

7階は屋上テラスとなっており、緑豊かな庭園空間と飲食提供可能なPOP UP SPACEとが連動したイベントが開催できる。

7階屋上テラスからオモカドをのぞむ
イベント時のイメージ
7階の庭園空間

4月18日から21日には、バカルディ ジャパンがウイスキーブランド「デュワーズ」のプレミアムイベント「ハラカド開業記念ルーフトップバーイベント」を開催。ARを使ったコンテンツなどを用意する。会場内でQRコードを読み取り、神宮前交差点を挟んだオモカドに向けると、幻のデュワーズ橋が出現する。

神宮前交差点を挟んだ AR コンテンツイメージ

エントランスのある1階には、広島から東京に初進出となるクラフトチョコレートの「rit.TOKYO」、東京駅に次いで都内2店舗目となる常設店「ヒトツブカンロ」などが出店する。

rit.TOKYO
ヒトツブカンロ

ハラカドの所在地は東京都渋谷区神宮前6-31-21。店舗数は75店舗。竣工は2023年8月31日。