2001年12月26日(水)
「この娘」映画塾・ろまん派 第33回:『CROSS』周防玲子が看護婦姿で、野波麻帆が白装束で、初音映莉子がコギャル&ホクロでアッピール!!

2001年12月19日(水)
「この娘」映画塾・ろまん派 第32回:『DEAD OR ALIVE FINAL』例え“この娘”がいなくとも!

2001年12月12日(水)
「この娘」映画塾・ろまん派 第31回:『ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃』新山千春、例え父が強面の軍人でも!

2001年12月5日(水)
「この娘」映画塾・ろまん派 第30回:『マネーざんす』野村佑香、丸顔は永遠ざんす!

2001年11月28日(水)
「この娘」映画塾・ろまん派 第29回:『カラー・オブ・ペイン 野狼』後藤理沙の愛称について考える。


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第33回:『CROSS』
周防玲子が看護婦姿で、野波麻帆が白装束で、初音映莉子がコギャル&ホクロでアッピール!!

 根強い人気を持つクロスワードパズル。いや、出版不況と囁かれるなか、パズル誌の数が増え続ける状況を考えれば、“根強い”どころではなく、過熱する一方と言った方が正確だ。ぶっちゃけた話、筆者もパズル作家を志したことがあった。2日間ほど(苦)。いくつかのパズル問題を考え、パズル誌でイラストを描く知人をつてに、編集者に見てもらったのだが、どれも問題外だった(問題が問題外とは、これいかに?)。
 聞くところによると、パズル作家やパズル誌の編集者たちは、何を見ても「パズルにできないか」と考えるらしい。朝起きたら、目覚まし時計でパズルできないか、電車に乗れば『AERA』のダジャレ広告でパズルできないか、『ニュースステーション』を見ても真中瞳のホクロでパズルができないか(できそうだ)と、頭のなかは四六時中、パズルだらけなのだ。そんなところに潜り込もうとした自分が、恥ずかしいやら情けないやら……。

 『CROSS』は、パズル至上主義がはびこる、もうひとつの日本の渋谷での物語だ。文部科学省が制定した、抜き打ちで制限時間内にクロスワードパズルを解かせる“クロス制度”で市民を選別していた――こんな“if”の世界にも、当然“この娘”は存在する。
 クロス制度のせいで、奇病に冒される者も続出し、病人たちを救出すべく現れる“移動式ナース”周防玲子が演じている。いわば流しの看護婦なのだが、ナースルックで渋谷を徘徊する周防の“この娘”指数は高い。ドラマ『女子アナ。』ではADで、今回はナース……彼女は、献身的にバリバリ働く女性がハマるのだ。

 パズルを制作する「白い女たち」の一人には、野波麻帆『愛を乞うひと』(98年)、『案山子』(01年)、『PLATNIC SEX』(01年)と、話題作に出演し続けている彼女が、本作では無機質な部屋で黙々とパズルを作り続けている(ま、国が雇うパズル作家ですな)。全身白装束で身を包み、髪まで白く、表情も少ない彼女は、ミステリアスというか、人間味がないというか……その辺は、作品を見て確認して欲しいが、思わず『月刊野波麻帆』(新潮社)を探したくなるほど、“この娘”指数が高いとだけ触れておこう。

 さらには、抜き打ちクロスを受ける女子高生に、初音映莉子が登場。コギャル風なので、永谷園のCM『松茸の味お吸い物』で、「おふたべちゃおう」と言っている彼女と同一人物とは判別しにくい。しかし、目を凝らして見よう。チャームポイントであるアゴのホクロは、コギャルメイクの下でも存在感を醸し出しているはずだ!
 彼女も数々の映画に出演しているが、筆者にとっては実業団バレーボールチームを描いたNHKドラマ『マッチポイント』が忘れがたい。工場での仕事を終えて練習したり、親会社とのしがらみでチームの存続が危ぶまれたりと、現在の企業スポーツ界がリアルに描かれていた(下記プロフィールにあるVリーグ好きは、ホントなんだってば!)。暴走族や嫁姑問題の渦中にある選手などでチームは構成され、キャプテンが室井滋という、これだけでいかに弱小チームかおわかりかと思うが、初音はそのなかでも控え選手。ベンチから先輩たちを応援する初音……くぅ~! このドラマには、室井滋の弟役(遠征費をくすねたり、ろくなヤツじゃない)として宮藤官九郎も出演。今では脚本家として有名な宮藤だが、『CROSS』では周防と兄妹で“移動式ナース”を務め、同じくナースルックで街を徘徊している。

 さて、実はこの『「この娘」映画塾・ろまん派』、一旦閉塾となる。と言っても『ねらわれた学園』(81年)における英光塾のように、金星人(峰岸徹)が塾生たちをマインドコントロールしていたことが発覚……なんてキナ臭い話ではない。近くに、同じ形で復活することが決定しているので、塾生諸君はその間“この娘”眼を衰えぬよう、トレーニングを続けて欲しい。
 手始めに、1月からスタートするドラマ『ロング・ラブレター~漂流教室』を予習しておくこと。そう、原作は楳図かずおの『漂流教室』! そして脚本は『CROSS』の大森美香監督という、期待と不安が入り交じる本作、注目せずにはいられまい。
 それでは、またお会いする日まで、せーの!

「砂まみれでも“この娘”は“この娘”!」

(佐藤ろまん)

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【佐藤ろまん先生 Profile】

誕生
1968年、うつくしま未来博、あるいは千葉麗子の出身地でお馴染みの福島県生まれ。

最終学歴
秋元康作詞塾(通信教育/中退)。

  薄氷を踏むがごとく、どうにかこうにか文筆業で生計をたてる。書いてる媒体&ジャンルは、本当に雑多で、近いところでは『笑うシネマ~FUNNY CINEMA~』(エンター ブレイン)にて、笑えるアイドル映画について寄稿してます。ほかに、隔月誌『アックス』(青林工藝舎)にて「ろまん子・ザ・ムービー危機イッパツ!」を連載中。好きな映画はもちろん、『おニャン子・ザ・ムービー危機イッパツ!』(DVD化&モー娘。でリメイク希望)。近影のモニターに映し出されているのは、その中で怪演する関根勤の雄姿です。好きなクレージーキャッツのメンバーは、石橋エータロー。好きなドラえもんの道具は、どくさいスイッチ。好きなVリーグのチームは、東レアロー ズ。将来の夢は、バンテリンのCMに出演すること。映画館から出てきて、「映画にはバンテリンだねぇ」なんてセリフを言ってみたい!

□OFFICIAL SITE「デジタルベストガイ」
佐藤ろまん先生を 応援する為に佐藤ろまん先生自ら制作しているHP
http://romang.hoops.livedoor.com/

 



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