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法林岳之の非同期通信レポートMobile
第3回:PacketOne 速報レポート


■ 待ちに待ったパケット通信対応cdmaOne

C302H  IDO C302H by HITACHI 4万2800円(IDO)、連続通話時間:約150分、連続待受時間:約190時間、サイズ:42(W)×130(H)×19(D)mm、約84g。

 1月7日、DDI-セルラー各社と日本移動通信(IDO)が提供する携帯電話サービス「cdmaOne」で、待望のパケット通信サービス「PacketOne」が開始された。対応端末は発表されている5機種の内、2機種がサービス開始当日に用意された。筆者も今まで愛用してきた「C201H」を機種変更し、新端末を入手することができたので、その使用感などを踏まえながらレポートをお送りしよう。



■ 待ちに待ったパケット通信対応cdmaOne

C302H背面  C302Hの背面。全体的に、従来モデルのC201Hよりも高級感のあるデザインに仕上げられている。

 cdmaOneは1999年4月の全国展開以来、クリアな音質と切れにくい通話品質をセールスポイントに、着実に支持を伸ばし、昨年末の速報値では全国で350万もの契約数を獲得している。しかし、cdmaOneのもうひとつの魅力であるWAPを利用したEZサービス「EZweb(DDI-セルラー)」「EZaccess(IDO)」は、まだ本格的な普及に至っていない。

 その理由の1つとして挙げられるのが回線交換という接続方式だ。回線交換はモデムなどで接続するのと同じ方式で、接続するまでの時間がやや長いなどの制約がある。通信料が接続した時間に応じて課金されるという点も、ユーザーにとっては今ひとつEZサービスを十分に楽しめない理由となっていた。

 これに対し、NTTドコモのiモードは、パケット通信を採用することにより、コンテンツサービスやメールを手軽に楽しめる環境を提供した。パケット通信は、送受信するデータを一定の大きさのパケットに区切ってやり取りする方式で、接続までの時間も短く、通信料もやり取りしたデータ量に応じて課金されるシステムが採用されている。

 この結果、通話品質についてはアドバンテージを確保できたcdmaOne陣営だが、コンテンツサービスやメールなどについては、回線交換という接続方式の制限のため、一歩遅れを取った印象は否めない。しかし、cdmaOne陣営も全国展開を開始した当時から「1999年末にはパケット通信サービスを提供する」とアナウンスしており、これを待つと決めていたユーザーも多く見受けられた。

ロゴ  C302Hの背面には「PacketOne」のロゴがプリントされている。

 今回、cdmaOne陣営がサービスを開始したPacketOneは、COM JAPANのレポートなどでも紹介したように、2つのサービスメニューが提供された。ひとつはPacketOne対応端末上でコンテンツサービスやメールサービスを利用するための標準サービス、もうひとつは64kbpsという携帯電話最速の高速データ通信を可能にするオプションサービス「PacketOne64」だ。標準サービスはNTTドコモのiモードに相当するものだが、通信速度はiモードの1.5倍に相当する14.4kbpsを採用している。オプションサービスの「PacketOne64」は、NTTドコモのDoPaに対抗するもので、通信速度はDoPa(最大28.8kbps)の2倍以上となる最大64kbpsを採用している。ただし、この64kbpsという通信速度は下り方向のみで、上り方向は標準サービスと同じ14.4kbpsとなっている。

 PacketOne対応端末を購入すれば、これらのうち、標準サービスは月額使用料などを支払うことなく利用できる。パケット通信の通信料は、EZサービス利用時が1パケット(128bytes)あたり0.27円、14.4kbpsのデータ通信利用時が1パケットあたり0.1円となっている。単純計算だが、EZサービスはiモードの10%安、データ通信はDoPa 9.6kbpsデュアルサービス(スーパーライトプラン)の1/4で利用できることになる。実際にはiモードとPacketOneでは料金の計算方法などが異なるため、一概にどちらが安いとは言えないが、PacketOneの料金設定はかなり意欲的と言えるだろう。

 一方のPacketOne64は、月額600円の使用料が必要で、パケット通信料は標準サービスと同じ料金体系が採用されている。ただし、2000年3月末までは月額使用料は無料となっている(IDOは2000年2月末まで)。この他にも、毎月一定額を支払うことで、一定量のパケットまでが利用できる料金割引サービスも提供されている。


■ 第一世代の実績重視で「C302H」を購入

 さて、今回のPacketOne対応端末は、東芝製「C301T」、日立製「C302H」が発売日に販売されることになった。このニュースを聞いたとき、筆者もかなり悩んだ。東芝は各携帯電話事業者向けに目立ったヒットこそ出してないものの、展示会でのデモンストレーションで使われたり、テレビCMでイメージキャラクター(IDO及び一部のDDI-セルラーエリアの織田裕二)に持たせるようにするなど、cdmaOne陣営のプッシュが強く感じられた。

 これに対し、日立はcdmaOneシングルモード機の第一世代で、当初は唯一のEZサービス対応端末を発売しており、筆者も半年間利用してきた経緯がある。ただ、従来モデルのC201Hに対する不満もかなりあった。たとえば、オフラインでEメールを作成して送信するのが面倒なことやバックライト点灯時の液晶ディスプレイの視認性が悪かった点などが挙げられる。そのため、一時は真剣に東芝製を購入するか、後発の他社製の購入も検討したが、結局、最後は第一世代での実績を重視し、日立製「C302H」を購入するに至った。

 ちなみに、1月中旬には腕時計のG-Shockを彷彿させるカシオ製「C303CA」、DDI-セルラーやツーカーグループのデジタル携帯電話でEZweb対応端末の販売実績がある三洋電機製「C304SA」、そして2月にはソニー製「C305S」も発売される予定だ。現時点で、どれがおすすめとは言えないが、筆者個人としては今回選んだC302Hの他に、ストロークベースフォントを採用し、メールやコンテンツサービスの使いやすさを追求したと言われるC304SAが非常に気になっている。

 今回のPacketOne対応端末の2機種の発売後、販売店などで少し反響を聞いてみたが、両機種ともバランス良く人気を得ているようで、発売日は予約分のみで売り切れてしまったところも多かったようだ。その後の入荷状況は比較的良好なようで、先月のJ-フォン端末「J-SH02」のような争奪戦にはなっていないという。ちなみに、首都圏における機種変更での販売価格は、1万円〜1万5000円程度が多いようだ。


■ パケット通信対応になったEZサービスの実力は?

 PacketOneで注目と言えば、やはりパケット通信対応になったEZサービスの実用性だろう。C302Hでは本体前面左側にある「EZボタン」を押すことで、EZサービスのコンテンツやメールの利用を開始できる。ちょうど、iモード端末のiモードボタンに相当すると考えればわかりやすい。ちなみに、本体前面右側にある封筒のマークは、cdmaOneで提供されているCメールを利用するためのボタンだ。

 まず、使い始めて驚くのがレスポンスの良さだ。発信前の状態からEZサービスのトップメニューを表示するまでに、5〜6秒しか掛からない。長くても10秒もあれば、トップメニューが表示される。回線交換で接続していたときが20〜30秒だったことを考慮すると、かなり快適になった印象だ。メニュー内の移動も軽快で、回線交換のときのように待たされることもほとんどない。iモードのコンテンツサービスと比較しても、同等以上のレスポンスが得られていると言えそうだ。ただし、このレスポンスは電波状態や回線の混雑状態などによって、大きく変わってくることを付け加えておく。

 次に、第一世代のC201Hで面倒だったメールの送信だが、C302Hではパケット通信のおかげでレスポンスも良くなり、すぐにメールが送信できるようになっている。あらかじめメールの宛先や件名、本文などをC302Hに登録しておき、登録されたものの中から選んで送信することができるのだ。ちなみに、本体にあらかじめ登録しておくことができる送信メールは10件までとなっている。もちろん、従来同様、EZサーバに接続した状態でメールを作成し、送信することも可能だ。

 また、文字の入力については、C302HではC201H同様、独自の3WAY文字入力を採用している。一般的なダイヤルキー入力、ダイヤルカーソルキー入力、文字コード入力の3つから選んで使うことができる。ちなみに、漢字、英字、カナなどの文字種を選ぶとき、半角の定型文を選ぶと、「.ne.jp」「.co.jp」「.com」などの文字列が登録されており、簡単に入力することが可能だ。メールやWebブラウズを頻繁に使うユーザーには、非常に便利な機能だ。

オープニング   サービス案内   メール
 EZサービスに接続するときのオープニングアニメーション。    EZサービスのメニューから「サービス案内」を表示。    EZサービスのメニューから「メール」を選択し、受信メールを表示。

 細かいところでは、C302Hに付属している充電台がなかなか面白い。写真だけではわかりにくいのだが、通常は縦置きの状態で利用し、充電台の後部を回転させることにより、充電台に設置したままデータ通信ができる仕組みになっている。屋外で利用するモバイルユーザーには無関係だが、オフィスなどで利用するモバイルユーザーにはなかなか有効なアイデアと言えるだろう。

充電台1   充電台2
 通常の状態の充電台にC302Hを置いた状態。    充電台の背面部分を回転させ、データ通信ができる状態に変更。データ通信ケーブルは底面のコネクタに接続する。

 逆に、不満に感じられるのは、パケット課金の参照ができない点だ。iモードではおおよその目安として、今月どれだけのパケット通信を行なったかを確認できるメニューが用意されているのだが、EZサービスにはこれに相当するものがない。マニュアルやサービスメニューも随分と探したのだが、結局、見つけることができなかった。もし、参照方法があるのであれば、ぜひとも教えていただきたいし、ないのなら早急に用意すべきだろう。

 ちなみに、C20xシリーズで既存のEZサービスを利用していたIDOユーザーが機種変更した場合は、ひとつだけ注意したい点がある。C302Hに標準で設定されているEZサーバのドメイン名が「@ezb.ido.ne.jp」になっており、出荷時設定のままではEZサービスにアクセスできないのだ。C302Hを購入したら、本体のメニューから既存のEZサービスで利用していたEZサーバのドメイン名の「@eza.ido.ne.jp」に忘れずに変更して欲しい。マニュアルにも記載されているのだが、筆者もここで一瞬、つまづいている(笑)。

 トータルで見ると、cdmaOneのEZサービスはPacketOneでのパケット通信対応により、ライバルであるiモードと肩を並べるレベルに来たと言えそうだ。こうなると、あとはどちらがどれだけ魅力的なコンテンツを提供できるかが勝負のポイントになるのだが、ユーザー自身が作成した対応ページなども加味すると、現時点ではiモードには一日の長があるというのが正直な感想だ。ただ、EZサービスは世界標準規格であるWAPを採用しており、世界中のWAP対応コンテンツが見られるというメリットもある。今後、cdmaOne陣営がコンテンツサービスでどのように巻き返しを図ってくるのかが非常に注目される。

 DDI-セルラー各社とIDOのCMなどにもあるように、cdmaOneはPacketOneの開始により、第二のステージへ進むことになる。すでに、cdmaOneを契約しているユーザーなら、PacketOne端末に買い換えることを迷わずおすすめしたい。今回は筆者が購入したC302Hを紹介したが、EZサービスの使い勝手やレスポンスの良さは、基本的に残りの4機種でも変わらないはずだ。自分のお気に入りの端末を見つけ、ぜひともEZサービスとcdmaOneの通話品質を体験してもらいたい。なお、64kbpsパケット通信サービスについては、来週の「週刊モバイルCATCHUP」で詳しく紹介する予定なので、そちらをご覧いただきたい。


◎関連URL
■「PacketOne」ニュースリリース(DDI-セルラー)
http://www.ddi.co.jp/cellular/release/1999/991125a/
■「PacketOne」ニュースリリース(日本移動通信)
http://www.ido.co.jp/release/news/19991125_3.html
■「PacketOne」サービス情報(日本移動通信)
http://www1.ido.co.jp/digital/mobile/packetone/
■非同期通信レポートmobile「COM JAPAN 1999レポート」
http://www.watch.impress.co.jp/mobile/column/hidouki/1999/11/04/comjapan.htm


法林岳之



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