ノートPCにとって重要なのは、CPUなどの性能はもちろんだが、入力インターフェース、とりわけキーボードこそ注目したいポイントだといえる。デスクトップPCなら気に入った外付けキーボードを選べるが、ディスプレイからキーボードまで一体化しているノートPCの場合はそうはいかないからだ。ノートPCをストレスフリーで使いたいなら、キーボードの仕様も慎重に吟味したいところだ。

　今回紹介する富士通製のノートPC「LIFEBOOK AH77/R」のキーボードはどうだろうか。実際に触りながら、特長を紹介したい。

キーのサイドカラーに注目！

　AH77/Rのキーボードは各キーが独立しているアイソレーション型のデザイン。日本語配列のテンキー付き108キー構成となっていて、キーピッチは約18.4mm、キーストロークは約1.7mmだ。

　単に仕様だけ見ると標準的なキーボードに思えるかもしれないが、デザイン性と視認性を両立したキーボード、“サイドカラードキー”を採用している。見た目の特長は、各キーのトップとサイドでカラーリングが異なっているということだ。サイドカラーが本体のアクセントとなる目を引く色合いで、スタイリッシュな雰囲気だ。

　キーのトップとサイドの色を分けた理由は、見た目のカッコよさだけでなく、各キーのアウトラインを把握しやすくするということもあるだろう。多くのキーボードは全体が単色のため、個別のキーの位置がわかりにくい場合もあるが、AH77/Rのキーはサイドカラーのおかげではっきり判別しやすくなっている。

　PC初心者だけでなく、普段はタッチタイプできる人でも、新しいキーボードを使い始めた時は慣れるまでにどうしてもキーボードに目を落とすことになるはず。そういった場面でもキー配置をチェックしやすいのは、うれしいポイントではないだろうか。

キーボードに触れてわかる使い心地の良さ

　パッと見ただけではわからないが、AH77/Rのキーボードに触れてみると、各キーが液晶側に向かってわずかながら傾いていること、そしてキートップの中央部分がくぼんでいることに気付く。

　これは、押し心地や操作性の良さを実現した「ナチュラルフィットキーボード」によるもので、キー自体が傾斜している「ステップ型キートップ配置」は、列ごとに段差があり、タッチタイピング時にミスタッチを軽減するよう設計されている。また、キートップがすりばち状に変形している「球面シリンドリカルキートップ」により、キーが自然に指にフィットしてタイピングの疲れを軽減してくれる効果があるのだとか。

　実際にしばらく使ってみたが、私用のキーボードと比べてしっくりくるフィット感と、タイプしやすい傾斜からもたらされる心地よい打鍵感は、使っていて苦にならない。ノートPCでこれだけ快適にタイピングできるキーボードはなかなかないのでは、と思わせる使い心地から、富士通のキーボードへのこだわりを感じる。

テンキー付属で使い勝手はさらにアップ

　スペースが限られるノートPCでありながら、テンキーを装備しているのもうれしいところ。しかも電卓にあるような「00」や、入力箇所の移動などに使える「Tab」キーも用意され、数値入力を大幅に効率アップしてくれる。

　ノートPCのキーボードはデスクトップPCのように気軽には交換できないため、入力のしやすさや長時間入力時に疲れにくいものを選びたい。その点、AH77/Rは心配無用だ。使い勝手はもちろん見た目も優れたキーボードで、PCライフをより一層豊かなものにしてくれるに違いない。