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ソフトバンク・メディア・マーケティングが傘下各社の事業戦略

  ソフトバンク(9984)の出版メディ関連事業統括会社、ソフトバンク・メディア・アンド・マーケティング(SBMM)は2日、都内で事業戦略説明会を開いた。席上、岡崎眞也社長は市場環境について「国内出版市場は厳しい状況が続いているが、雑誌広告の不況には下げ止まり感もあり、インターネット広告は引き続き拡大していこう」と指摘、「広告モデル依存への反省も考えながらナンバーワンを目指す。ブロードバンドに対応したコンテンツ作りも進めていく」と今後の意気込みを表明した。同社は、多彩なグループ企業を「揺籃期」と「成長期」の段階に分けて戦略を打ち出す方針で、新設企業2社とともに各社の業績概要などを明らかにした。

市場環境

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  ●成長期企業
  出版を手がける「ソフトバンク・パブリッシング」の2000年度上半期の売上高は95億4,500万円で、前年同期比7.5%増加した。部門別では、雑誌が同4.3%増、広告が0.7%減、書籍が9.5%増となっている。売上成長が顕著な雑誌は「Yahoo!Internet Guide」と「PC Japan」としている。経常利益は12億6,400万円で同40.6%増だった。

  一方、広告代理業の「サイバー・コミュニケーションズ」(4788)の2000年度4-12月の売上高は71億4,500万円で前年同期比25%増、経常利益は2億100万円で同11.1%減だった。

  展示会やカンファレンスを行う「ソフトバンク・フォーラム」の2000年12月期売上高は26億8,200万円と前期比41.8%増、経常利益は1億2,300万円と前期の100万円損失から黒字に転換した。売上比率が59%を占める主催イベント事業は年間3本を実施し、同36%を占めるカスタムイベント事業では年間27本の実績だった。また、同5%のマーケティングサービス事業では、25万人の来場者データベースを活用して企業のマーケティング支援を行っている。

  また、IT関連Webサイトを運営する「ZDNet」は、1月月間の実績でユニークビジター数が238万人、総ページビューが5,449万、メール会員数が17万人だった。同社の従業員数は41人。2000年度上半期の売上高は、約2億円。まだ赤字経営だが、2002年度には単年度黒字化を目標にしている。今後は、ブロードバンドに対応したコンテンツを展開していく構えだ。

  PC関連製品の情報サイト「COM-PATH」を運営し製品情報データベースサービスも手がける「コンパス」は、これまでのBtoCのビジネスモデルからBtoBtoCモデルに移行を図る。これまで、製品情報を直接コンパスがエンドユーザーに提供し購入の支援を行ってきたが、これからはヤフー(4689)などオンラインショップや電子モールなど提携サイトに対して製品データベースを供給し、その提携サイトがエンドユーザーに対して提供していくという形にする。

成長期段階企業
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  ●揺籃期企業
  医療情報やそれに伴う各種サービスを提供する「ウェブエムディ」は米国で成功しているサービスを日本で展開する。昨年9月からテストサービスを開始し、今年3月から本格サービスを開始する予定。

  音楽情報をインターネットで提供する「ロンチ・ジャパン」では、これまで洋楽を中心に提供してきたが、邦楽のデータベースも整ってきたため、邦楽中心の展開に移行する計画としている。

  また、スポーツ情報をWebサイトで提供する「ライバルズ」も米国のモデルを日本で展開しているが、単に情報を提供するだけでなく、スポーツファン、記者から選手まで幅広い参加者が議論を行うコミュニケーションの場を提供するサービスも行う方針だ。

  インターネットを通して企業内の学習サービスを提供する「クリック・トゥー・ラーン」は、今年1月から営業を開始。トッパン・フォームズからの出資も新たに受けて、本格展開していく。

  こうしたなかで、一定時間インターネット閲覧すると様々なインセンティブ(報酬)を受けることができるマーケティングサービスを行ってきた「オールアドバンテージ」は、米国の広告不況のなか会員制モデルではビジネス展開が無理だと判断、1月末でサービスを停止した。今後はBtoBtoCのモデルがASPとして展開できないかなどを模索していくという。

  ●2社の新会社
  インターネットを使った競馬情報などを提供する「ジャジャ・エンタテインメント」が昨年10月に設立された。有料会員制のWebサイト「jaja-uma.com」を展開。携帯電話でも実況を聞くことができるサービスを行っている。3月からはJRA(日本中央競馬会)の公式データが利用できるほか、競馬実況のストリーミング中継も行う。2002年にはインターネットを通じて馬券を買うことが可能になり、成長ポテンシャルは大きいとしている。また、将来は「jaja」のブランドを使ってサッカーや映画、ゲームなどの分野にも進出していく構えだ。

  インターネットを使った英語教育サービスを展開する「イングリッシュタウン」を米国本社と合弁で1月に設立した。日本の英語教育市場は1兆~1兆5,000億円で、年間10%成長していると見ている。音声と画像を使った自己学習が行えるほか、教師を通じて学ぶこともできる。オンライン英会話ゲームも提供する。サービスは会員制で、受講料は月額4,900円。

WebMD

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ジャジャ・エンタテインメント

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■URL
・ソフトバンク・メディア・アンド・マーケティング
http://mm.softbank.co.jp/
・グループ関連会社
http://mm.softbank.co.jp/group/kanren.html
・グループを再編し第4ステージへ~ソフトバンク・ファイナンス
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/01/30/doc1837.htm

(別井貴志)
2001/02/02 18:06