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サイボウズ青野社長に訊く!「副業のススメ」

スキマ時間で月5時間の副収入!新しい副業の教科書 vol.4

秋葉原副業総合研究会 2018年3月19日 06:00
「働き方改革」という言葉がひんぱんに飛び交う中、自分が働いている会社の仕事=本業を大切にしながらも、それだけに頼らない生き方を目指して「新しい副業」を行う人が増えています。「新しい副業」は、場所や時間に拘束されず、スマホやネットを使い、ちょっとした知識や経験をいかし、スキマ時間に収入を得ることができるものばかりです。そんな「新しい副業」を紹介するムック、その名も「スキマ時間で月5万円の副収入!新しい副業の教科書」が3月2日に発売されました。本連載ではその中身をピックアップしてご紹介。4回目となる今回は「副業解禁」の先駆者であるIT企業のサイボウズ・青野社長のインタビューをご紹介します。

 IT企業のサイボウズ青野慶久社長は、自社社員の副業を認め、2016年の厚生労働省「働き方の未来2035」で「企業の副業禁止規定を禁止しよう」と述べ、ウェブサイトなどで広く副業解禁を呼びかけたことなどで、副業解禁推進の経営者として大きく注目を集めています。

 青野さんに副業解禁についての思い、サイボウズとしての取り組みや大企業の副業解禁についてなど、ざっくばらんにお話しいただきました。

サイボウズ株式会社
https://cybozu.co.jp/
1997年に創業。「サイボウズ Office 10」やクラウドサービス「cybozu.com」ほか、グローバルに拠点を持つ企業や公共団体などの大規模チームから、企業間プロジェクト、ボランティア、家族などの小規模チームまで、さまなざなチーム・コラボレーション支援ツールを開発・提供する。企業としても、働き方改革を推進したり、自社メディアで情報を発信したり、地方創生を支援するなど、「チームワークあふれる社会を創る」をモットーとする。

青野さんから見て、世間の副業への見方は変わってきたと感じますか?

青野慶久社長(以下、青野):はい! 予想以上にポジティブに変わってきた、世の中が受け入れ始めたのではないかなと感じます。安倍総理も副業をすすめようと発言されたようです。
 また頭のいい若者たちが、「これから人生100年時代を考えると一つの会社にずっとぶら下がるってのはどうかな」と反応してくれ、大きな声をあげてくれました。
 これまで副業っていうと、ちょっと小遣い稼ぎ的なイメージもありましたが、そうじゃなくて、自分のキャリアプランの中でどう副業をいかすか前向きに考える人が増えています。

サイボウズ株式会社代表取締役社長 青野慶久さん

サイボウズは2012年から副業をOKされたそうですが、何か会社に影響はありましたか?

青野:副業OKにより会社内にオープンイノベーションみたいなものが生まれました。
 農業を副業で始めた社員がサイボウズのクラウドサービスを使い、効率的な農業を進めました。その経験をいかし、農業法人に私たちのサービスが提案できました。つまり本業にいい影響が出てきたのです。副業によって得られた知識や人脈によって、われわれの本業のビジネスにリターンがあるようになったのです。
 若い人たちにも、副業でもっと自分の能力を高めようという動きが出てきました。
 本業では営業だけどユーチューバーみたいなことをやってマーケティングセンスを高めようとか、技術者なんだけどモノ書きの副業をしてもっと技術を高めようとか、スキルアップのために副業を利用しようという人が出てきましたね。


自社が関わる副業だけはアプリで申請するように

副業するときには申請しなくていいのですか?

青野:申請は特に要りません。しかし、サイボウズの名前を使って講演するとか、サイボウズの備品や施設を使うときは、「副業申請アプリ」というのがありまして、申請してくれればいいのです。(アプリを開いて見せながら)みんながどこで何をしているか一覧で見られます。人事にもこれを見てもらっています。
 (社員の申請内容を指さして)この申請には上司のコメントがついています。これは単発だったらいいけど、継続的にやっちゃダメだと言っています。そうしないと、サイボウズのパートナーの仕事を圧迫しちゃうので気をつけてくださいと。こうしてデータベース化しておくと、後で振り返りもできるんです。

副業解禁によって人事制度を変えたということはありますか?

青野:2012年に副業禁止を就業規則から削除しました。


副業している方については、それが給与や年俸には影響しますか? 残業などには関係してきますか?

青野:別に影響しません。残業についてはケースバイケースですね。土日にやりたければどうぞ勝手にやってください。ただ、平日のどこか一日を副業にあてたいということであれば給与を見直します。なので、100人いれば100通りなのでうちの人事部は大変ですよ(笑)。多様な働き方を認めるときには、どうそれを把握して適切な報酬を提供していくかということが大事です。


まずやってみて改善しダメならやめればいいのでは

副業解禁にすると、逆に働き過ぎてしまうのではという声もあるようですが……

青野:まず「副業解禁」をやってみること。すると、なんで働き過ぎちゃうんだろう? やっぱり精神的に自律していない人に副業を認めるとケアしなくちゃいけないのかなあ? そういうことに気がつく。それを改善していき、ダメだったらやめればいいんです。


大企業からすると、「サイボウズさんは自由でいいなあ。われわれはやりにくいよな」なんて思うかもしれません。何かそういう大企業にアドバイスはありませんか?

青野:私は『スモールスタート』と『見える化』をおすすめしたいです。いきなり我が社のように全社員全面解禁だ、申請もいらないよというのは大企業には難しいんじゃないかと思います。まず、「トライアルするので100人手を挙げてください」と。100人でやるといろんな事例が出てくる。それを『見える化』して次の第2クールでは改善するわけです。また社長直属の副業解禁組織、いわば『タスクフォース』をつくって進める方がいいです。

会社のスキルと副業のスキルはかけ算できる!

もし今、20代でサイボウズに入社していたら副業をしていますか?

青野:やってるんじゃないですか(笑)。ぼくは情報発信が好きなんで、講演したり、モノを書いたり……。ああ、昔やってましたね。1回3万円で連載してました。今はモノを書いても全部サイボウズの口座に入っちゃう。これも副業としてやっていいんじゃないかな。率先垂範ですよね。社内に「副業エージェント」をつくったらどうかと考えています。そのエージェントに私も登録する。講演日程の調整をしてくれて、売り上げのマージンをとっていくというのは面白くないですか?(笑)

最後に副業をやってみたいけどアクションを起こせない読者にメッセージをいただけませんか?

青野:副業をすることによって、いいことがいっぱいあります。もちろんお金がもらえるのもいいことで、それをまた自分への投資にできますよね。
 もう一つは、会社の中にいては決して会えない人とつながりができること。これも大きなことです。
 会社の中で身につけたスキルと副業で身についた別のスキルがかけ算になります。それが個人の価値になっていきます。人生100年時代といいますが、いつ会社にご苦労さんと言われて、自分で仕事を見つけなくちゃいけないかわかりません。そんなときに自分の引き出しを増やしておかないとダメじゃないですか?80歳過ぎても働けるように。これからを生きる若者にとっては重要なことじゃないでしょうか。
 副業はほんとにきてますよ! 副業がテーマだから、このインタビューを受けたんです(笑)。


青野さんが挙げる企業が副業解禁するための3つのポイント

Point 1 スモールスタート
社員全員ではなくまずは100名ぐらいから始めよう
Point 2 見える化
副業について情報共有しよう
Point 3 タスクフォース
社長直轄の副業解禁組織をつくろう


スマホだけでもはじめられる、いまどきの副業が満載!