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これからのお金と暮らしを立ち止まって考える

「待つ」ことをポジティブにとらえてみよう 編集部だより vol.2

岡本尚之 2017年12月28日 17:00

何年も頻繁に読んでいたあるウェブマガジンを、いそがしさにかまけて、1ヶ月ほどすっかり読み忘れていた。ある日「そういえば」と気付いて再び読み始めたのだけれど、以前より面白い。なぜだろうと考えていた。雑誌のような紙の媒体とウェブメディアの違いでいうと、伝達する情報の早さというのが一番分かりやすい点で、だから毎日更新されることに意味がある。その一方で「あの雑誌が来週でるの、楽しみだなあ」といった待っている間のワクワク感、興奮が徐々に薄まっていることに気付いた。

週刊誌や月刊誌の、発売を待っているあの時間が楽しかった。記事が面白ければ嬉しかったし、面白くなければガッカリして次に期待。それからまた1週間や1ヶ月待つ。もちろん「ニュース」はその日に知りたいのだけど、メディア媒体はそれぞれが持つ独自の切り口で記事を生成するので、ここの媒体はどんなものが出てくるのだろうと、「待つ」ことの重要さに改めて気付いた感じです。毎日いくつもの記事が配信されることは、“情報の安定供給”という意味では大切、けれど受け取り手である読者がマヒしてしまい、エキサイティングすることが薄まっているように思う。だって、ワクワクして待っている時間がないじゃないですか。

例えば、サンタクロースが年に1回プレゼントを持ってくるのではなく毎月持ってくるのだとしたら、おそらく僕たちはサンタクロースの存在を疎ましく思うだろうし、もちろんワクワクすることもない。例えば、毎日『目覚ましテレビ』で見る軽部アナが「軽部さん」として日常にとけ込んでしまっていることもある意味ではおかしい。あんなに蝶ネクタイが似合う愛くるしいキャラクターを日常で見出すのは大変難しいはずなのに、連日テレビの前で観ることで感覚が麻痺してしまって「軽部さん」にしか見えなくなっている。“クールジャパン”な深夜アニメだって、海外の人からすると「なぜ毎日放送しないんだろう」という疑問を持つらしい。制作的な理由が……という至極真っ当な理由は置いておいて、週1回のこのペースのままで良い。そうすることで、ワクワクしながら友達と考察したり次回を予想する時間を作ることができるのです。
「待つ」ことで生まれるのは想像力で、それは日々たくさんの情報の中にいる僕たちに必要な「考える時間」を作ってくれる。年末年始は帰省する人も多くて、実家でやることがないという人もいると思う。そんなときはあえて一度スマートフォンの電源を切ってみて、アナログなものに触れてみてはどうだろう。考える時間を、敢えて作ってみてもいい。そんな風に思っている。

※「編集部だより」では不定期的に、編集部が考えていることや感じたことなどをお伝えしていきます

岡本尚之(おかもと・たかゆき)
1989年生まれ。広島県出身。出版社でライフスタイル誌・書籍の編集を行いながら、ライターとして『Quick Japan』などの雑誌やWebメディアで執筆。2016年、株式会社インプレスに入社。