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これからのお金と暮らしを立ち止まって考える

ファンが応援しているのは私ではなく、私のストーリー 【ゆうこす インタビュー後編】

ツイートボタンを押す瞬間というのは、いまだにドキドキするしワクワクする

Owlly編集部 2017年12月7日 07:00
インタビューの後編では、「好きなことを仕事に」してからの、彼女の金銭感覚やお金に対する姿勢の変化について訊いた。そこで見えてきたのは、前提としての、ファンや潜在的にファンになり得るユーザーの存在。そういった人たちに向けて、どのようなスタンスで情報を発信しているのだろうか。

ツイートボタンを押す瞬間というのは、いまだにドキドキするしワクワクする

自分の好きなものだけでお金を得る、ということができるようになってから、明確に自覚しているご自身の金銭感覚の変化はありますか。

菅本裕子(以下、菅本):もちろん収入も上がったので、変わったところはたくさんあると思います。なかでも自分への「投資」という意味でお金を使えるようになりました。今までは好きなものだけを買うとか、何も考えずに可愛い服やコスメを買っていたのですが、最近はこのコスメが可愛いと思ったら、それがバズっているかどうか調べたりします。

まず、発信することを前提に考えるようになったので、ただ好きだけではなくそれを発信すると考えたら、“発信映え”というか、反響が生まれるかなとか。私のことをフォローしてくれている人たちにこれは需要があるかなとか、そう考えるようになりました。

買うんだったら、じゃあリップは全色買おうとか、そういう意味ではまさに投資だと思います。動画を編集するのも1日10時間くらいかけて、それを無料で発信するのでマイナスだなと思われがちなんですけど、それで信用を得られるんだったら何万円かかったって何時間かかったって安いと思いますし、そのおかげでイベントにみんなが足を運んでくれたりとか、本が売れたりするんですよね。

ビジネス的な面では、YouTubeに広告をつけた方がいいと言われたこともありますが、発信した後に私のことを好きな人だけがお金をくれたら良いと思っているので、逆に安いなと思えるようになりました。


ファンが必ず先にいる形ですね。

菅本:ファンや、私のことを知らない人ですね。普段は買わないコスメでも、それを発信することによって別の層に届くんじゃないかとか、そういうところで見ています。その意味で、金銭感覚というのは変わったかなと。


フォロワーを多く抱えていますが、期待が重くなってしまうことはありますか?

菅本:全く。というのも、私が好きなことだけやっていて、それについて来てくれるフォロワーさんたちが優しくて温かいので、それが苦というよりかは「持っているものを提供しよう!」という感じです。

友だちと話していて、そこに信頼関係があれば、苦痛に感じることはあまりないじゃないですか。あとは家族に期待されているのが重いとか、そういうのはないんですよね。もっと発信していきたいというポジティブな気持ちの方が大きいです。

日々フォロワーのことだけ考えるとストレスが溜まってしまうかもしれないけど、新しい人に知ってもらえる場が本来のSNSのあるべきところだなと思うので、新しい人にどうやって知ってもらおうというのは楽しみでしかないです。

ツイートボタンを押す瞬間というのは、いまだにドキドキするしワクワクするし、「このハッシュタグで知ってもらえるかな」とか思うんですよね。なので、あまり苦ではないですし、もっともっと、となります(笑)。

今は「お金」という言葉自体に否定的な意味があると思うのですが、菅本さんは距離感など感じたりますか?

菅本:ありませんね、というのもバイトをしている時期や、やりたくもないことをやっている時期は自分がそういう気持ちで稼いだお金だから、空気がピリッとなると思うんですよ。

それは当たり前だと思うんです。でもこれが、好きなことをして稼いだお金とか、楽しく、滑らかに得ることができたものだったら、ネガティブな感情は持たないと思うんですけどね。

日本と海外で違うことがあって、日本だとワンルームに住んでいるようなアイドルを応援したくなると思うんですけど、海外だと夢を見せる存在としていると思うんです。お金持ちのアイドルはあまり推されないという風潮が日本にはあって。

それはアイドルに限らずだとも思うんですけど、貧乏と言っている方が人気を得やすい気がします。そのなかでも、どうやって自分がお金を稼いでいるかが可視化されている人は叩かれにくいなと思います。例えば、キャンプファイアとかポルカのようなクラウドファンディングがどんどん一般的になれば、そういった抵抗みたいなものも無くなるんじゃないですかね。

今後の展望みたいなものはありますか? 何か新しいことをやってみたいとか。

菅本:今まではSNSで好きなことだけを発信していて、それでファンがついてきてくれて、モテクリエイターという肩書きで活動していたんですけど、それはやっぱりSNSのおかげです。

人生で一番辛かったときもSNSがそばにいて、とても楽しい今の時期もSNSがそばにある。SNSのおかげでどん底から、好きなことを仕事にできるようになったので、この状況を語れる人ってあんまりいないんじゃないかと思っているんですね、大きいアイドルグループからニートになって、好きなことを仕事に出来ているというのは。

SNSアドバイザーみたいな人はたくさんいると思いますが、実際に自分に多くのフォロワーがいて、辛いときからストーリーを語れる人って少ないんじゃないかと思っています。

実際に私のイベントに来てくれる人って、基本的にはストーリーを応援してくれているんですよね。見ているとポジティブになれるとおっしゃる人が多くて、それを私は武器にしたいし、語っていきたいなと思いました。SNSは職業を作れる場所なんだということも、もっと発信していきたいです。

菅本裕子(ゆうこす)
1994年、福岡県生まれ。アイドルグループを脱退後、「モテクリエイター」という新しい肩書きを作り自ら起業。現在はタレント、モデル、SNSアドバイザー、インフルエンサー、YouTuberとして活躍中。10~20代女性を中心に自身のInstagramやYouTubeチャンネルで紹介するコスメ等が完売するなどその影響力は絶大であり、またライブ配信中に商品を販売する"ライブコマース"におけるパイオニア的存在。Instagram、Twitter、LINE@、YouTubeなどのSNSのフォロワー80万人。近著に『SNSで夢を叶える ニートだった私の人生を変えた発信力の育て方』。

聞き手:岡本尚之(Owlly 編集部)
撮影:三浦咲恵