とにかく機能が豊富なネットギア製品。使いこなせば便利だろうけど、やり方がよくわからない……。この連載では、そんな機能を、毎回わかりやすく解説します。

「ペアレンタルコントロール」で有害サイトへのアクセスを無料で遮断

2014.8.18 清水理史

スマートフォンやタブレットの普及によって、子供にとっても、インターネットが身近な存在となってきました。

中学生、高校生ほどの年齢ともなれば、インターネットを使った調べ物が課題となる場合もあり、もはや、子どもにとっても使えて当たり前の時代となりつつあります。

しかし、だからと言って、さまざまな情報が溢れかえっているインターネットを無制限に子どもに使わせることに抵抗を感じる保護者の方々も多いことでしょう。

インターネット上には、好奇心が旺盛な子どもの興味を強く刺激する情報が大量に溢れかえっています。子どもの年齢や成熟度にも依存しますが、物事の判断基準がまだ曖昧で、偏った考え方も素直に受け入れてしまう子どもにとって、このような情報に無条件に触れることは、保護者として心配になることでしょう。

そこで利用したいのが、「Nighthawk R7000」などのネットギアの無線LANルーターに搭載されているペアレンタルコントロール機能です。

image 無料のペアレンタルコントロールが設定可能な「Nighthawk R7000」

この機能を有効にすることで、無線LANで接続したスマートフォンやタブレット、パソコンなどから、子どもにとってふさわしくない情報へのアクセスを制限することができます。

同様の機能は、他社製の無線LANルーターにも搭載されていることがありますが、ネットギア製品の特徴は、無料で機能を利用できることです。

スマートフォンなど、無線LAN接続以外に、LTE回線でもインターネットにアクセスできる機器で制限できるのは、無線LAN接続の場合のみとなりますが、ブラウザを利用したWebアクセスだけでなく、LINEやFacebookなどのアプリからのインターネットアクセスも制限することができるスグレモノです。

それでは、R7000を用いて実際の設定方法を見ていきましょう。

STEP1

まずは、R7000でペアレンタルコントロール機能を有効にします。保護者のパソコンから設定ページにアクセスし、設定用のプログラム「NETGEAR Live Parental Contorols Management Utility」をダウンロードします。

[1]R7000の設定画面にアクセス後、「ペアレンタルコントロール」をクリックします
[2]ペアレンタルコントロールの機能ページが表示されるので、「Windows Users」をクリックしてユーティリティをダウンロードします
[3]ダウンロードした設定用プログラムをパソコンにインストールします
[4]インストールされたプログラムは、Windows 8.1の場合、アプリビューに登録されています。スタート画面からアプリビューに移動し、「Management Utility」のアイコンをクリックします
[5]ペアレンタルコントロールの設定画面が表示されます。「Next」をクリックしましょう
[6]ペアレンタルコントロールは、「OpenDNS」と呼ばれるDNSサービスを利用して、インターネット上のサイトへの接続を制御します。利用には無料のアカウントが必要なので、「No,I need to create a free OpenDNS account」を選択して「Next」をクリックします
[7]アカウントとして利用するユーザー名とパスワード、連絡用のメールアドレスを入力して、「Next」をクリックします
[8]フィルタリングの強度を設定します。「High」から「None」の5段階から選択しましょう。ここでは、アダルト関連のサイトに加え、違法行為、SNS、動画共有サービス、フィッシングと疑わしいサイトなど、子どもが時間を浪費する傾向があるサイトをすべて防ぐ「High」に設定します
[9]ひとまず設定が完了しました。続いて、さらに詳細な設定をするために「Take me to the status screen」をクリックします

STEP2

続いて、インターネット上に用意されたペアレンタルコントロールの設定サイトから詳細な設定をしていきます。

[1]設定サイトが表示されたら、STEP1で作成したOpenDNSのアカウントでサインインします
[2]タイムゾーンを設定します。Cityに市区町村、State/Regionに都道府県、CountryでJAPANを選択し、「Show Time Zone」をクリックします
[3]入力した情報から候補となるタイムゾーンが表示されるので、時刻を確認して正しいものを設定します
[4]フィルタリングの設定を確認します。STEP1では強度のみを選択しましたが、設定サイトからは、時間帯ごとに細かく強度を設定できます。
[5]たとえば、「Add a time block」をクリックし、Time Rangeで時間を設定。フィルタリングレベルを選択すると、子どもが学校に行っている昼間はフィルタリングをオフにするなどといった設定ができます
[6]設定が完了したら動作をチェックします。ブラウザを起動し、フィルタリング対象となるサイトにアクセスし、画面のようにアクセスがブロックされるかを確認しましょう。今回は「High」に設定したため、SNSのFacebookへのアクセスも禁止されます

STEP3

ネットギア製品のペアレンタルコントロール機能は、子どもの端末だけでなく、無線LANで接続するすべての端末に対して設定したフィルタを適用します。このため、保護者が使うパソコンやスマートフォンなど、フィルタリングを適用したくない端末は、バイパスの設定が必要となります。

[1]ペアレンタルコントロールの設定サイトにアクセスし、右上の「Add a bypass account」をクリックします
[2]フィルタをバイパスさせたり端末には、専用のユーティリティをインストールする必要があります。「1」のリンクをクリックしましょう
[3]利用する端末に合わせたユーティリティ(NETGEAR genie)をダウンロードします
[4]ダウンロードしたNETGEAR genieをインストールします
[5]バイパス用のアカウントを登録します。「2」の「Add a bypass account」をクリックしましょう
[6]任意のユーザー名とパスワードを登録します。このアカウントを利用してR7000に接続すれば、フィルタを回避できます

STEP4

バイパス用のアカウントをユーティリティに登録しましょう。初回に一度だけ登録すれば、次回以降は自動的にBypass accountでアクセスできるため、自動的にフィルタを回避できるようになります。

[1]NETGEAR genieを起動し、「ペアレンタルコントロール」をクリックします
[2]設定画面で「バイパスログイン」をクリックします(環境によっては、この画面が表示されるまでに再度フィルタレベルの設定が必要な場合がある)
[3]バイパスアカウントが表示されるので、ダブルクリックします
[4]設定したパスワードを入力して「ログイン」をクリックします
[5]バイパスログインが設定され、フィルタの対象から外されました。以後、この端末からは自由にインターネットにアクセスできます

STEP5

保護者がスマートフォンを利用している場合は、スマートフォンからもフィルタをバイパスできるようにしておきましょう。

[1]フィルタレベルが「High」の場合、ブラウザだけでなくFacebookアプリからも、「ニュースフィードが読み込めませんでした」と表示されアクセスが遮断されます
[2]LINEアプリでも同様に通信が遮断され、メッセージの送受信がフィルタによって失敗するようになります
[3]LINEでは、フィルタによって通信が失敗するとWi-Fiをオフにするメッセージが表示されます。LTE経由でアクセスすれば、フィルタは適用外になるため、自由にアクセスできます
[4]スマートフォンでバイパスする場合も、パソコンと同様にNETGEAR genieが必要です。GooglePlayやAppStoreからダウンロードしてインストール後、「ペアレンタルコントロール」をタップします
[5]「バイパスアカウント」をタップし、設定したバイパスアカウントを登録すれば、スマートフォンからもフィルタをバイパスできるようになります

以上で、R7000のペアレンタルコントロールの設定は完了です。無線LANに接続するすべての端末にフィルタが適用されるので、設定漏れを防止できるのがメリットですが、逆にフィルタを適用したくない端末でNETGEAR genieの設定が必要となります。動作を確認しながら、確実に設定しておきましょう。

(Reported by 清水理史)

関連リンク

ネットギア R7000 製品情報
http://www.netgear.jp/products/details/R7000.html
ネットギア R7000 Amazon販売ページ
http://www.amazon.co.jp/dp/B00JO8IRBI