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| 『光の雨』 |
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【ドラマ】
2001年 日本 130分
12月8日より渋谷シネ・アミューズほかにて公開
監督:高橋伴明 原作:立松和平
出演:萩原聖人、裕木奈江、山本太郎、塩見三雀、大杉蓮ほか
配給:シネカノン
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連合赤軍事件を描いた立松和平の小説「光の雨」が、“あの時代”を生きた樽見の手で映画化されることになった。33歳の阿南はそのメイキングの監督をすることになる。事件を知らない20代の役者たちは、自分たちが演じる役に戸惑いながらも、極寒のロケ地で撮影を行なっていくが…。
革命を夢見過ぎるあまり、結果的に狭窄的になってしまい、傍からは狂気としか思えない思考と行動に至ってしまった若者たちがいた。現代の若者たちは、そんな30年前の若者たちに困惑する。だが、実は“新しい社会”と“映画”という旗は違えど、ひとつの目的のものを作ろうとして集ったという関係性は同じであり、程度の差こそあれ、ともに当事者たちでしか通じない空気の中で生き、夢のためには他人をも傷つけることがある“純粋な若者”なのだ。目を背けたくなるようなリンチシーンも、“撮影”というクッションがあるので、そうキツくは感じない。巧い手だ。萩原聖人はじめ、有名無名すべての出演陣たちが存在感を放っているが、なかでも劇中劇の上杉を演じているときの裕木奈江と、倉重を演じる漫才師出身の役者役の山本太郎がいい。図らずも来年の5月、原田眞人監督、役所広司主演で、あさま山荘事件を警察側から描く、佐々淳之原作の『突入せよ!あさま山荘事件』が公開される。その意味でも、まず観ておいて欲しい一作だ。
【関連サイト】
・OFFICIAL SITE
http://www.cqn.co.jp/HIKARI/
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