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第18回:『Last Dance-離婚式-』
大河内奈々子のキリっとした甲高い声で取材されたい!
そう、大河内奈々子である。
何が“そう”なのか不明な方は、前回の『純愛譜』についてを読んでいただきたい。
一時期はバラエティでよく見かけた大河内奈々子だが、ここにきて映画での活躍がめざましい。やはり、ダンカンが脚本を担当し、海外の映画賞を獲得した『生きない』(98)がターニングポイントとなったのだろうか。その後『ケイゾク/映画』(00)、『MONDAY』(00)、『絵里に首ったけ』(00)と、幅広い作風の映画に出演しており、期待作『GO!』も控えている。このままコンスタントに良質な作品と関わっていけば、近い将来、日本映画に欠かせない存在となるに違いない。
その暁には、97年に主演した『ルーズソックス』が日の目をみることとなるだろう。この作品は、同時期に公開された『バウンスKoGALS』『ラブ&ポップ』と合わせて、“世紀末三大コギャル映画”とボクの頭の中で括られているものの、ビデオ店に置いていたたためしがない。同じ今関あきよし監督作品『すもももももも』(95)の場合、主演は持田真樹で、持田の妹役で出演している浜崎あゆみのブレイクにより、メイキング映像を加えての再リリースとなった。それと似た形でもいいから、多くの人にピンク髪の大河内を見てもらいたい。
今回の『Last Dance-離婚式-』で、再び主役に抜擢された大河内は、芸能の雑誌記者という役に挑戦している。ここでの彼女は、セリフにもある通り、何事でも全力を出し切り、一直線に突き進むタイプ。記者会見での暗黙のルールを破るような質問もする。ラジカセから音楽を流し、毎朝欠かさずラジオ体操をする。豪快でありマイペースな女性である。その反面、落ち込みも激しい。男サイドとしては、それらを受け止めるだけの度量があるかないかで、“コノ娘”指数が左右されることだろうが、スクリーンではキュートに映っていた。そうそう、水着もあります!
大河内奈々子の最大の魅力は、長身でボーイッシュというのもひとつあるが、ボクは声にあると思う。ボーイッシュな割に甲高いのだ。けれど、甘い声ではない。あくまでも口調はキリっとしている。その素材が、うまい具合に『Last
Dance』での正義感あふれる記者にも活かされているし、時代劇でもしっくりくる理由であろう。
さて、ボクはこうして原稿を書いたりして生計を立てているわけで、大河内が演じた“雑誌記者”に近い立場にいるし、たまにそう肩書きとする場合もある(もちろん、「この娘」映画塾塾長という肩書きもね!)。そんなボクから見た彼女の仕事ぶりは、かなり優秀だった。取材時には、録音機材を持たずに挑み、同時にカメラを持って撮影もする。つまり、写真を撮りながらも、メモと記憶とで記事を作成するのだ。カメラだけでもテクニックが必要だし、これは敏腕記者の域ではなかろうか。また、将来は報道志望だが、芸能記事にも「読者に何かを感じ取って欲しいんです!」という強い信念を持って取り組んでいる。その姿勢が、ボクとはあまりにも違っていて、考えさせられるものがあった。
最近のボクときたら、映画観て、ビデオ観て、たまにバカ原稿を書いて、それを繰り返す日々である。原稿が締切に遅れ、「締切すぎてますよ! 今、印刷所止めてるんですから!」といった催促の電話が入ると、「ホームページの原稿なのに、なぜ印刷所?」といった疑問を押し殺しつつ、「今、書いてますから。あと1行、いやあと句読点ひとつだけなんです!」と返答したりする堕落ぶり。
「アナタはそんな考えで、読者に自分の気持ちを伝えられると思っているんですか!」 キリっとした甲高い声の大河内記者が、そんな質問をぶつけてきたら、ボクはただうろたえるしかなく、終いには泣いてしまうかも知れない。
(佐藤ろまん)
【関連サイト】
・『Last Dance-離婚式-』OFFICIAL SITE
http://www.nebis.ne.jp/lastdance/
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