Subject: [MOVIE Watch:20000915] ■MOVIE Watch(毎週金曜日発行:無料)──────────2000-9-15 ☆HEADLINE☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★MOVIE Watchプレゼント情報 『グリーン・デスティニー』の試写会に10組20名の方をご招待 01:おすすめロードショー 『溺れゆく女』 心に傷を持つ青年と年上女性との恋愛を、サスペンスフルに描写 『長崎ぶらぶら日記』 吉永小百合と渡哲也の共演で、大人の恋をしっとりと描く ○さらにチェック! 『恋するための3つのルール』、『しあわせ家族計画』 ほか 02:新作先取り情報 『アンジェラの灰』 ピュリッツァー賞受賞作を、アラン・パーカーが映像化した感動作 『タイタス』 シェイクスピア作品中、もっともショッキングな作品を初映画化 ほか 03:シネマニュース 『インビジブル』のポール・バーホーベン監督が来日 第57回ヴェネチア映画祭が閉幕 04:PICK UP MOVIE 『金髪の草原』 日本映画界注目の女優と監督による、ちょっと切ない恋物語 05:興行成績ベストテン 海洋サスペンス大作『U-571』が初登場で首位を獲得 06:BACK TO THE MOVIE 『60セカンズ』のニコラス・ケイジは、『コン・エアー』パターン? 07:おすすめVIDEO 『イグジステンズ』 悪夢のようなイメージが氾濫する、近未来SFホラー ○さらにチェック! ○新着DVD情報 ○Weeklyレンタルビデオランキング 08:今週の美女 リンダ・フィオレンティーノ <<<<<<<<MOVIE Watchのホームページは毎日ニュース満載!>>>>>>>> http://www.watch.impress.co.jp/movie/ ☆*~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~* MOVIE Watchの発行は毎週金曜日☆ ============================================================================ 01:おすすめロードショー ============================================================================ 【 今週末のオススメ封切り作品をセレクト! 】 ────────────────────────────────────── 『溺れゆく女』 心に傷を持つ青年と年上女性との恋愛を、サスペンスフルに描写 ────────────────────────────────────── 9月15日より日比谷・シャンテ・シネほかにて公開 1998年/フランス/2時間4分 ◆ 監督:アンドレ・テシネ ◆脚本:アンドレ・テシネ、ジル・トラン、オリヴィエ・ アサヤス ◆出演:ジュリエット・ビノシュ、アレクシス・ロレ、カルメン・マウ ラ、マチュー・アマルリック ◆配給:KUZUIエンタープライズ 『夜の子供たち』など、緊張感あふれる映像で注目を集めているフランスの映画作 家アンドレ・テシネの最新作。かつて『ランデヴー』で顔を合わせたジュリエット・ ビノシュを主演に招き、感傷に溺れぬリアリティある恋愛映画に仕上げている。モデ ルとして成功した青年マルタンは、ヴァイオリニストのアリスと恋に落ちる。しか し、彼が原因不明の奇病に冒されたことから、自身の精神を追い詰めていき……。忌 まわしい過去を持った青年と、年上の女性との激愛をミステリー・タッチで描写。ビ ノシュはヴァイオリニストに扮し、愛しい恋人を深層心理の闇から救い出そうとする が、まさに悲痛というべき結末が待ち受けている。日常音に耳を傾けさせる鋭い演出 がテシネ映画の妙だが、今回は波の音を効果的に用いて、ドラマを盛り上げる。モデ ル青年を演じる新人、アレクシス・ロレの美貌も見どころだ。 □OFFICIAL SITE http://www.toho.co.jp/cinema/alice/ □MOVIE Watch シネマプレビュー http://www.watch.impress.co.jp/movie/preview/pre_index.htm ────────────────────────────────────── 『長崎ぶらぶら日記』 吉永小百合と渡哲也の共演で、大人の恋をしっとりと描く ────────────────────────────────────── 9月15日より丸の内東映ほかにて公開 2000年/日本/1時間55分 ◆監督:深町幸男 ◆脚本:市川森一 ◆出演:吉永小百合、渡哲也、高島礼子、原田知世、藤村志保、 いしだあゆみ ◆配給:東映 作詞家、なかにし礼が執筆し、直木賞に輝いた小説を、吉永小百合と渡哲也という 顔合わせで映画化。大正から昭和を時代背景に、長崎を舞台にプラトニックな愛のド ラマが展開されていく。長崎一と謳われたひとりの芸者が、ある宴会で出会った学者 に三味線の腕を見込まれ、“名前のない歌”を探すため、一緒に旅立つ……。吉永と はTVシリーズ「夢千代日記」で組んでいる深町幸男が、初めて劇場映画でメガホンを とっている。演出はオーソドックスながら、注目すべきは『時雨の記』でも共演した 吉永と渡の芝居。『時雨の記』ではバブル以後の不況気分を、不倫で乗り越える中年 男女の純愛を鬼気迫る雰囲気で体現したが、ここでの2人は一転し、お気楽なニュア ンスを振りまいている。ベテラン同士のこの余裕、かみしめがいアリだ。 □OFFICIAL SITE http://www.nagasaki-buraburabushi.com/ ────────────────────────────────────── ○さらにチェック! 今週末時点の劇場公開作、4本紹介 ────────────────────────────────────── ■『恋するための3つのルール』 9月15日より日比谷・シャンテ・シネ ほか 『ノッティングヒルの恋人』でジュリア・ロバーツの恋人役を演じ、イイ味を出し たヒュー・グラント。彼が、またしてもちょっと間の抜けた男を軽妙に演じるラブ・ コメディ。プロポーズするほど好きになった相手はマフィア幹部の娘だった……とい うわけで、一途な画商が思いもかけなかった災難に巻き込まれていく。製作は、公私 共にグラントのパートナーであるエリザベス・ハーレー。彼のキャラクターをよく理 解した名プロデュースだ。共演は、『氷の微笑』のジーン・トリプルホーン。 □OFFICIAL SITE http://www.gaga.ne.jp/movie/mickeyb1.html ■『しあわせ家族計画』 9月15日より渋谷シネパレス ほか 与えられた課題を1週間で習得して、TVスタジオでの実演に成功したら300万円! TBSで放映中の人気素人参加番組「しあわせ家族計画」をモチーフにしたユニークな ホームドラマ。突然リストラされて右往左往する父親に、名誉挽回のチャンスが訪れ た。それは「しあわせ家族計画」への出演。かくして彼は、ピアノで「ホーム・ス ウィート・ホーム」を弾くべく特訓を重ねることになる。三浦友和、渡辺えり子、野 際陽子、いかりや長介、片岡鶴太郎ら芸達者な俳優陣の共演も味わい深い。 □OFFICIAL SITE http://www.shochiku.co.jp/cinema/shiawase/ ■『スイート・スイート・ゴースト』 9月15日よりシネ・リーブル池袋 九州の島を舞台に、男子高校生2人の友情の行方を綴った作品。ひとりの美少女が 転校生として彼らの前に現れたことから、揺れ動く彼らの心情を、ファッタスティッ クな肌触りで伝えていく。主演の大地泰仁と金子統昭のコンビネーションが絶妙で、 良質な少女漫画を思わせる仕上がり。10月に公開される『独立少年合唱団』と見比べ ると、さらに楽しめる。監督は、新人芳田秀明。脚本も兼ねており、念願のデビュー を鮮やかに飾っている。 □OFFICIAL SITE http://www.nikkatsu.com/SSG/ ■『ジミ・ヘンドリックス』 9月15日より渋谷シネパレス 70年9月18日に、26歳の若さでこの世を去ったジミ・ヘンドリックス。本作は、彼 が没した3年後の73年に製作されたドキュメンタリー映画だ。67年のデビュー以来、 わずか3年弱の間にロック・ギター界に革命をもたらしたと言われる彼の演奏シーン を、ウッドストックやフィルモア・イーストなど代表的なライブ映像をたっぷりと紹 介。さらに、エリック・クラプトンやミック・ジャガー、ルー・リードなどビッグ・ アーティストたちが彼の思い出を語っていく。ギターを歯で弾き、壊し、そして燃や すジミの白熱のパフォーマンスは、大スクリーンでこそ堪能できるはずだ。 □OFFICIAL SITE http://www.cablehogue.co.jp/jimi/indexjimi.html ============================================================================ 02:新作先取り情報 ============================================================================ 【 公開を待ちわびる新作情報をお届けします 】 ────────────────────────────────────── ■『アンジェラの灰』 今冬 日比谷・シャンテ・シネ ほか ────────────────────────────────────── 1935年、アイルランドの町に住むマコート一家。父は飲んだくれ、母は涙にくれる 貧しい生活のなか、フランク少年は“アメリカに行く!”という目標のため、くじけ ずに成長していく。愛とユーモアと希望を持って輝かしい未来に進む奇跡の物語。 ≪プロモーターからひと言≫ 「僕にはいつでも夢があった」。どん底の貧乏もなんのその。愛とユーモアで少年 時代を駆け抜けたフランク少年の、やんちゃで健気な姿が心を打ちます。ピュリッ ツァー賞受賞の大ベストセラーを名匠アラン・パーカーが映画化。真実の物語に涙、 そして感動します! (アスミック・エース、宣伝担当/伊藤聡子) □OFFICIAL SITE (英語) http://www.angelasashes.com/ ────────────────────────────────────── ■『タイタス』 11月 日比谷みゆき座 ほか ────────────────────────────────────── ローマ最高の武将タイタス。彼に一族を滅ぼされたゴート族の女王タモラは、彼の 息子達を殺し、タイタスの手首をも奪う。陰謀を知ったタイタスもまた、タモラの息 子を殺し、宴席の料理にして彼女の前に差し出す……。復讐が復讐を呼ぶドラマのラ ストに込められた“汝の敵を愛せよ”というメッセ-ジには胸が締めつけられる。 ≪プロモーターからひと言≫ あなたの苦しみが私を昇らせる……。シェイクスピア作品の中で“もっともショッ キング”と謳われた『タイタス・アンドロニカス』の初の映画化。世界中でロングラ ン上演を続けるミュージカル『ライオンキング』の女流演出家ジュリー・ティモアの 初監督作。愛する者を奪われた人間同士の、美しいまでに徹底した二重の復讐の物 語。斬新な映像、イメージの洪水が溢れ出す!! (GAGA、宣伝担当/武部由実子) □OFFICIAL SITE http://www.gaga.ne.jp/titus/ ────────────────────────────────────── ■『花を摘む少女と虫を殺す少女』 11月11日から 中野武蔵野ホール ほか ────────────────────────────────────── ロンドンにやって来たドイツ人バレリーナのヴェロニカは、次の舞台のジゼル役に 大抜擢される。異国の地で過ごす期待と不安の日々を支えてくれたのは、恋人のケン と、行方不明の恋人カズヤを探しにやって来たカホルだった。しかし公演の前日にケ ンとカズヤが同一人物と知ったヴェロニカは、悲劇の運命を迎える……。 ≪プロモーターからひと言≫ お待たせいたしました! 前作『3月のライオン』(91年)が国内外で高く評価さ れカルト的な人気を誇る矢崎仁司監督の待望の最新作、いよいよ登場です。現代のロ ンドンを舞台に、古典バレエの有名な戯曲「ジゼル」をモチーフにしたオリジナル脚 本と独自の映像美で描く、あまりにも美しく繊細な作品です。 (オムロピクチャーズ、宣伝担当/石田裕子) ============================================================================ 03:シネマニュース ============================================================================ ★『インビジブル』のポール・バーホーベン監督が来日 ---------------------------------------------------------------------------- 最新SFXを駆使した映画『インビジブル』(10月公開予定)のプロモーションのた め、監督のポール・バーホーベンと主演のエリザベス・シューが緊急来日。9月13日 に東京・日比谷の帝国ホテルで記者会見を行った。当日はスタッフ全員が手術用の衣 装を着たり、人間の骨格や筋肉の標本が置かれるなど、異様なムードも多少漂うなか 2人が現れた。本格的なSFX作品に初めて出演したシューは、「この撮影を楽しみにし ていました。SFX映画に出演するのならポールの作品に出たいと思っていたの。実験 のシーンで透明なゴリラを想定した演技はとっても大変だったわ。だって横で監督が 鳴き真似をするのよ。私は何をしてるんだろうって思っちゃったわ」とコメント。強 い女性が活躍する映画が多いという指摘に監督は、「私の奥さんも強い」と答え、 「女性を介して表現をするほうが、私にはあっている。だって男と一緒に飲むビール より、女性とコーヒーを飲むほうが楽しいだろ?」と冗談を交え、会場をわかせた。 透明人間になったら? というお約束の質問には、「ベッドルームに入るだろうな、 彼女の」と言う監督に、彼女も「私は監督のベッドルームに入るわ」と応戦。暴力的 なシーンを表現することについて、「私は生きていくことや、この世界そのものはす べてバイオレンスだと考えている。映画は社会で起きている現象を映し出しているも ののはずだ。20世紀は殺戮の時代であったと言えるが、これを隠すことのほうがおか しい。真正面から受け止めていきたい思っている」と力説した。なお、会見前には透 明人間化した主演のケビン・ベーコン(?)も登場していた、というウワサも……。 □OFFICIAL SITE http://www.invisible-jp.com/ ---------------------------------------------------------------------------- ★第57回ヴェネチア映画祭が閉幕 ---------------------------------------------------------------------------- 8月30日から開催されていた第57回ヴェネチア映画祭が、9月9日、金獅子賞(グラ ンプリ)などの各賞を発表するクロージング・セレモニーを行って閉幕した。今回は クリント・イーストウッドの監督・主演作『スペース・カウボーイ』と北野武の監 督・主演作『BROTHER』がオープニング作品として招待され話題を呼び、ハリウッド からも多くの著名人がヴェニスに乗り込んで映画祭を盛り上げた。気になるグランプ リには、ジャファール・パナヒ監督のイラン映画『DAYEREH』が選ばれた。97年が北 野監督の『HANA-BI』、昨年がチャン・イーモウ監督の中国映画『一人もいなくなっ てはいけない』、そして今年のイラン映画と、アジア映画の勢いはまだまだ世界で猛 威を振るいそうだ。 □ヴェネチア映画祭OFFICIAL SITE(伊語) http://www.labiennaledivenezia.net/ ---------------------------------------------------------------------------- ★『十五才~学校IV~』が平壌国際映画祭で特別上映 ---------------------------------------------------------------------------- 北朝鮮で開催される第7回平壌国際映画祭の特別上映作品として、山田洋次監督の 『十五才~学校IV~』が招待された。故金日成主席が“寅さん”のファンだったこ とは日本でも有名な話だが、子息の金正日総書記も映画に対して強い理解と関心を もっており、特に好きな作品は『幸せの黄色いハンカチ』と『釣りバカ日誌』シ リーズだとか。監督はすでに9月11日(月)に日本を出発。13日(水)の開会式に出 席し、国立の映画撮影所の見学や、中学校を訪問して生徒たちとの交流が予定されて いる。 □OFFICIAL SITE http://www.shochiku.co.jp/gakko4/ ---------------------------------------------------------------------------- ★“LOVE~愛~”をテーマに制作された、6監督の作品を連続上映 ---------------------------------------------------------------------------- 10月7日より東京のシネマ下北沢において「lovecinema」と題した特別上映が行わ れる。これは“LOVE~愛~”をテーマに、6人の日本人監督それぞれが撮影した純愛 映画6作品を連続で上映するというものだ。第1弾は廣木隆一監督の『東京ゴミ女』 で、中村麻美が主演を務める。11月4日から公開される第2弾作品は、三原光尋監督、 大河内奈々子主演の『絵里に首ったけ』。さらに、行定勲、篠原哲雄、塩田明彦、三 池崇史らの作品が順次上映される。各作品ともに約1ヶ月間ほどの上映で、1回券 \1,600、3回券\3,600、6回券\6,000。 □「lovecinema」 OFFICIAL SITE http://www.jrss.co.jp/cinerocket/lovecinema/ ---------------------------------------------------------------------------- ★『ジュラシック・パーク』の続編が来夏、スクリーンに戻ってくる ---------------------------------------------------------------------------- スティーヴン・スピルバーグ監督の大ヒットシリーズ『ジュラシック・パーク』 が、銀幕に帰ってくることが明らかになった。アメリカでの公開は来年の夏予定。こ れは米ユニバーサル・ピクチャーズが発表したもので、このほかの情報に関しては一 切明らかにされていない。このシリーズはハワイの大自然を使って撮影が行わたが、 パート3は、撮影場所なども極秘で撮影が進められているらしい。『スターウォー ズ』、『ターミネーター』、『インディ・ジョーンズ』といった大作の続編が次々に 発表されるなか、今作もアメリカのみならず、世界各地で話題になりそうだ。 ============================================================================ 04:PICK UP MOVIE ============================================================================ 【 劇場公開中の作品レビューをお届けします 】 ────────────────────────────────────── 『金髪の草原』 日本映画界注目の女優と監督による、ちょっと切ない恋物語 ────────────────────────────────────── 昨年公開された『大阪物語』は、監督の市川準の新境地を示す傑作だった。これま で東京にこだわってきた同監督が一転、大阪を舞台に選んだこと、そしてこの映画で デビューした新人、池脇千鶴の起用が、その最大要因だった。池脇は日本映画界に久 びさに現れた新星である。スクリーンでこそ光り輝く個性と魅力を兼ね備えている点 で、まさに映画的才能の持ち主と言っていい。『金髪の草原』は、彼女が唯一無二の 映画女優であることをまたしても証明した、瑞々しい切なさに彩られた作品である。 自分を20歳だと思い込んでいる80歳の老人と結婚することを決意した少女の物語。こ れはまさに池脇千鶴にしか演じられないヒロインだ。地にしっかり足がついているの に、どこか浮遊感漂うたたずまい。つまり、リアリティある生活感と、ここではない どこかに飛んでいこうとするファンタジー性がごく自然に同居している。原作者、大 島弓子の漫画世界がまさにそのニュアンスで、それを見抜いた監督、犬童一心の慧眼 には恐れ入る。『大阪物語』で脚本を執筆していた人物だが、女性漫才コンビ、トゥ ナイトを主演に『二人が喋っている。』という佳作をものにしている将来有望な映画 作家である。どうか本作を見逃さず、池脇と犬童の今後に注目していただきたい。 (相田冬二) □OFFICIAL SITE http://www.cinemacafe.net/theater/gtc/kinpatsu.html ◆銀座テアトルシネマほかにて公開中 ============================================================================ 05:興行成績ベストテン ============================================================================ 『ホワイトアウト』の4週連続首位を阻止したのは、海洋サスペンス大作『U-571』。 そのほか、この秋期待の大作『60セカンズ』と『ミュージック・オブ・ハート』もそ ろってランクインと、ベストテンも秋の気配が強まってきた。『M:I-2』など夏の大 作たちはそろそろ息切れか? ────────────────────────────────────── 今週 先週 タイトル 上映週 …………………………………………………………………………………………………… 1 初(―)U-571 ( 1週) 2 初(―)60セカンズ ( 1週) 3 ↓( 1)ホワイトアウト ( 4週) 4 ↓( 2)M:I-2 (10週) 5 初(―)ミュージック・オブ・ハート ( 1週) 6 ↓( 4)パーフェクト・ストーム ( 7週) 7 ↓( 3)最終絶叫計画 ( 2週) 8 ↓( 5)TAXi2 ( 5週) 9 →( 9)未来日記 ( 3週) 10 ↓( 6)リプリー ( 6週) 興行通信社調べ2000/9/9~2000/9/13(銀座・新宿・渋谷3地区代表館集計) ============================================================================ 06:BACK TO THE MOVIE 『60セカンズ』(銀座・日劇プラザほかにて公開中) ============================================================================ “『60セカンズ』のニコラス・ケイジは、『コン・エアー』パターン?” ニコラス・ケイジは不思議な役者である。彼は親戚のフランシス・コッポラの『ラ ンブルフィッシュ』(83年)で頭角を現したが、このときのあまりシマリのない印象 のまま以後10年は、スクリーンをうろうろし続けた。やや面長のルックスには味があ るが、役柄的には決定打に欠けた。コーエン兄弟の『赤ちゃん泥棒』(87年)でも、 デヴィッド・リンチの『ワイルド・アット・ハート』(90年)でも、イイ仕事をし ているが、作品の勢いや高評価にどこかケイジの存在感が追いついていないもどかし さがあった。95年の『リービング・ラスベガス』で突然アカデミー賞に輝くが、彼の 非凡さはこの後の作品選びに発揮されていく。ケイジはオスカー俳優という“演技 派”の道を選ばず、アクション俳優として活路を見出す。なんという大胆不敵さ。 『ザ・ロック』『コン・エアー』『フェイス/オフ』『スネーク・アイズ』と加速し ていく活劇魂は、彼本来の持ち味である“奇妙な情けなさ”を浮き彫りにし、むしろ 母性本能をかきたてるヒーローとして女性たちに受け入れられたのである。基本は正 義漢。マッチョというよりは愚直なまでのまっすぐさは、つねに変わらない。周到な イメージ戦略が感じられない無防備なキャラクターもつねに魅力的。『60セカンズ』 で演じている自動車泥棒は、犯罪プロフェッショナルだが情にもろく、『コン・エ アー』の主人公を彷彿とさせる。奇をてらっていないからこそ、憎めないそのアプ ローチを見比べてほしい。 (相田冬二) 【VIDEO】 『ランブルフィッシュ』(1983年/アメリカ/1時間34分/CIC・ビクタービデオ:3,689 円) 『赤ちゃん泥棒』(1987年/アメリカ/1時間34分/フォックス ホーム エンターテイメ ント:15,490円) 『ワイルド・アット・ハート』(1990年/アメリカ/廃盤) 『リービング・ラスベガス』(1995年/アメリカ/1時間52分/パイオニアLDC:2,900 円) 『ザ・ロック』(1996年/アメリカ/2時間17分/ブエナ ビスタ ホ-ムエンタ-テイメ ント:2,980円) 『コン・エアー』(1997年/アメリカ/1時間56分/ブエナ ビスタ ホ-ムエンタ-テイ メント:2,980円) 『フェイス/オフ』(1997年/アメリカ/2時間18分/ブエナ ビスタ ホ-ムエンタ-テ イメント:2,980円) 『スネーク・アイズ』(1998年/アメリカ/1時間39分/ブエナ ビスタ ホ-ムエンタ- テイメント:16,000円) □『60セカンズ』OFFICIAL SITE http://www.movies.co.jp/60seconds/ ============================================================================ 07:おすすめVIDEO ============================================================================ 【 今週発売されるVIDEO&DVDの情報をチェック 】 ────────────────────────────────────── 『イグジステンズ』 悪夢のようなイメージが氾濫する、近未来SFホラー ────────────────────────────────────── 【データ】 1999年/カナダ/1時間37分(9/20発売:ポニーキャニオン) 監督:デビッド・クローネンバーグ 出演:ジュード・ロウ、ウィレム・デフォー カラー/ステレオ/字幕/吹替(税抜16,000円) 時は近未来。人々は、脊椎に直接ゲーム端末を接続させてプレイするバーチャル・ リアリティ・ゲームを娯楽としていた。そんな中、新作ゲーム“イグジステンズ”の 発表会で、開発者である美貌のゲーム・デザイナー、アレグラが何者かに肩を狙撃さ れる。警備員のテッドと共にモーテルに身を隠した2人は、“イグジステンズ”の損 傷をチェックするために脊椎に端末を繋いでロール・プレイングの旅に出る……。骨 でできた拳銃などの有機的な機械の数々や突然変異の動物など、クローネンバーグ独 特の発想と映像は観るものを不思議な世界に誘う。 ────────────────────────────────────── ○さらにチェック! ────────────────────────────────────── ■『NYPD15分署』1999年/アメリカ/1時間50分(9/20発売:日本ヘラルド映画、ポ ニーキャニオン) NYチャイナタウンのマフィアの抗争を取り締る、東洋人刑事と新人白人刑事の活躍 と友情を描いたハード・アクション・ムービー。 監督:ジェームス・フォーリー 出演:チョウ・ユンファ、マーク・ウォールバーグ カラー/ステレオ/字幕/吹替(税抜16,000円) ■『フェリシア』1999年/イギリス=カナダ/1時間56分(9/20発売:日本ヘラルド映 画、ポニーキャニオン) 愛する少女を我が物にするため、次第に狂気をあらわにして行く中年男を描いたラ ブ・サスペンス。ボブ・ホスキンスの怪演が光る。 監督:アトム・エゴヤン 出演:ボブ・ホスキンス、アルシネ・カーンジャン カラー/ステレオ/字幕(税抜16,000円) ■『ヒマラヤ杉に降る雪』1999年/アメリカ/2時間4分(9/22発売:CIC・ビクタービ デオ) 新聞記者になった男の前に、昔愛した人が現れた。殺人容疑者の、妻として……。 工藤夕貴がハリウッド・メジャー映画初主演の法廷ミステリー・サスペンス。 監督:スコット・ヒックス 出演:イーサン・ホーク、工藤夕貴、鈴木杏 カラー/ステレオ/字幕/吹替(税抜16,000円) ────────────────────────────────────── ○新着DVD情報 ────────────────────────────────────── ■『スリーピー・ホロウ』1999年/アメリカ/1時間45分 (9/20発売:日本ヘラルド映 画、ポニーキャニオン) 伝説の首なし騎士にまつわる連続殺人と、その謎を追う刑事の姿を描いたゴシッ ク・ホラー。約30分のメイキング・シーンをはじめ、キャスト・インタビューや、予 告編など豪華特典付き。 監督:ティム・バートン 出演:ジョニー・デップ、クリスティーナ・リッチ カラー/ステレオ/字幕/吹替(税抜5,300円) ■『MADE IN U.S.A』1966年/フランス、イタリア/1時間30分 (9/21発売:日本コロ ムビア) 婚約者を殺したのは誰? 訪ね歩く先々で政治的殺人事件に巻き込まれるヒロイン の姿を、ゴタール自身が実際の事件からヒントを得て描いた作品。映像特典として、 オリジナル予告編+日本公開時予告編を収録。 監督:ジャン=リュック・ゴタール 出演:アンナ・カリーナ、ラズロ・サボ カラー/字幕(税抜3,800円) ────────────────────────────────────── ○ Weeklyレンタルビデオランキング 9月3日~9月9日 ────────────────────────────────────── ◆◆◆◆◆◆◆ カルチュア・コンビニエンス・クラブ TSUTAYA提供 ◆◆◆◆◆◆◆ レンタルビデオ全国総合ランキング(字幕+吹替え版) ♪♪♪レンタル前に要チェック!♪♪♪ 【TSUTAYA調べ】 デンゼル・ワシントンとブルース・ウィリス主演による、硬派なアクション巨編 『マーシャル・ロー』が初登場。惜しくも『シックス・センス』から首位の座は奪え なかった、2位にランクイン。そのほかでは、『シュリ』が先週の8位から6位にラン クアップ。根強い人気を誇っている。 ============================================================================ 今週 先週 タイトル 発売元 …………………………………………………………………………………………………… 1 →( 1)シックス・センス ポニーキャニオン ---------------------------------------------------------------------------- 2 初(―)マーシャル・ロー フォックス ホーム エンターテイメント ---------------------------------------------------------------------------- 3 ↓( 2)救命士 ブエナ ビスタ ホ-ムエンタ-テイメント ---------------------------------------------------------------------------- 4 ↓( 3)スリーピー・ホロウ ポニーキャニオン ---------------------------------------------------------------------------- 5 →( 5)エンド・オブ・デイズ 東宝 ---------------------------------------------------------------------------- 6 ↑( 8)シュリ アミューズソフト販売 ---------------------------------------------------------------------------- 7 ↓( 4)ディープ・ブルー ワーナー ホーム ビデオ ---------------------------------------------------------------------------- 8 ↓( 6)スクリーム3 アスミック・エース ---------------------------------------------------------------------------- 9 ↓( 7)007/ワールド・イズ・ノット・イナフ フォックス ホーム エンターテイメント ---------------------------------------------------------------------------- 10 ↓( 9)海の上のピアニスト CIC・ビクタービデオ ---------------------------------------------------------------------------- *このランキングは全国の「TSUTAYA」のデータにより集計されています。 □TSUTAYAのホームページ http://www.tsutaya.co.jp/ ============================================================================ 08:今週の美女 ============================================================================ ◆リンダ・フィオレンティーノ◆Linda Fiorentino [1960.3.9.生まれ] 1985年に映画デビュー。170cmを超えるスレンダーなボディに加え、黒い瞳のキ リッとした目と自慢の黒髪で、フェロモンを漂わせるセクシーさが魅力。また、容姿 だけでなく悪女を好演した『甘い毒』などで絶賛を受ける実力派女優でもある。ま た、ときおり見せる、屈託のない笑顔からは彼女の心の温かさがにじみ出ている。 ▽最新作情報 『ステューピッド・イン・ニューヨーク』1997 監督:マシュー・ハリソン 出演:マイケル・ラパポート □OFFICIAL SITE http://www.daiei.tokuma.com/stupid/ ▽おすすめな出演作品 『ドグマ』1999 監督:ケヴィン・スミス 出演:ベン・アフレック 『メン・イン・ブラック』1997 監督:バリー・ソネンフェル 出演:ウィル・スミス 『ボディ・カウント』1996 監督:ロバート・パットン 出演:ジョン・レグイザモ 『小さな贈りもの』1996 監督:ハワード・フランクリン 出演:ビル・マーレイ 『アンフォゲタブル』1996 監督:ジョン・ダール 出演:レイ・リオッタ 『ジェイド』1995 監督:ウィリアム・フリードキン 出演:デヴィッド・カルーソ 『覗く女2』1994 監督:ジェイムズ・レモ 出演:ダニエル・ボールドウィン 『甘い毒』1993 監督:ジョン・ダール 出演:ビル・プルマン 『過ぎゆく夏』1991 監督:ジェフリー・ホーナディ 出演:ジョン・トラヴォルタ 『ビジョン・クエスト 青春の賭け』1985 監督:ハロルド・ベッカー 出演:マシュー・モディン 『ガッチャ!』1985 監督:ジェフ・カニュー 出演:アンソニー・エドワーズ 『アフター・アワーズ』1985 監督:マーティン・スコセッシ 出演:ロザンナ・アークウェット ★ MOVIE Watchプレゼント情報 ────────────────────────────────────── ★『グリーン・デスティニー』の試写会に10組20名の方をご招待 ────────────────────────────────────── 11月より、渋谷東急ほかにて公開予定の『グリーン・デスティニー』(監督/ア ン・リー、出演/ミシェル・ヨー、チョウ・ユンファほか)の試写会に10組20名の方 をご招待いたします。 ◆19世紀の中国が舞台。太古のパワーに満ちた秘剣グリーン・デスティニーを持つ男 を中心に、2組の男女の恋とアクションを壮大なスケールで描いた話題作。中国全土 でロケを行い、カンヌ映画祭でも絶賛を集めた、中国とアメリカの合作映画だ。 <日時>10月12日(木)18:00開場/18:30開映 <場所>東京・よみうりホール(JR・地下鉄、ともに有楽町駅下車2分) <応募方法> ご希望の方は、「『グリーン・デスティニー』試写会希望」と明記して、送付先住 所(郵便番号)、氏名、年齢、職業、電話番号、「MOVIE Watch」を読んだ意見・感 想を必ずお書き添えのうえ、下記メールアドレスまでご応募ください(発表はプレゼ ントの発送をもってかえさせていただきます)。 ■応募先メールアドレス movie-watch-present@impress.co.jp ■締め切りは9月22日(金) ▼配信先の変更 ────────────────────────────── 下記URLよりメールアドレスを入力し、案内にしたがい変更をしてください。 http://www.ips.co.jp/pointup/enchgv.htm ▼購読中止 ──────────────────────────────── 購読中止の場合は下記URLにアクセスし、記入欄に配信先のメールアドレスを入力し た後、購読中止ボタンを押してください。 http://www.ips.co.jp/pointup/enstopv.htm ▼広告資料請求 ────────────────────────────── http://iad.impress.co.jp/ad-info/ まで ―――――――――――――― 問い合わせ先 ――――――――――――――――― movie-watch-info@impress.co.jp :記事内容 MOVIE Watchグループ ad-sales@impress.co.jp :広告窓口 インターネット広告部 sales@ips.co.jp :購読窓口 インプレスダイレクト (Tel:03-5275-9051) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 発行人 井芹昌信/編集人 田村明史 発行 株式会社インプレス 〒102-0075 東京都千代田区三番町20 編集 大越聡 協力 株式会社オルセン(中島浩二、黒須俊明、堀内太陽、山崎恭枝) Copyright 2000 impress communications corporation. 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