◆MOVIE Watch(毎週金曜日発行:無料) ──────────1999-5-7


☆HEADLINE☆────────────────────────────

◆オススメロードショー
 『スター・トレック 叛乱』 ファン待望の映画シリーズ9作目!
 『ラウンダーズ』 マット・デイモンの天才ギャンブラーぶりはいかが?
 ○ CHECK 5本!
 『ヒート・アフター・ダーク』『ダンジェ』 ほか

◆新作先取り情報
 『運動靴と赤い金魚』 家族の「心の絆」を描いたイラン作品
 『π(パイ)』 '98年サンダンス映画祭、監督賞受賞作
 ほか

◆シネマニュース
 『アドレナリンドライブ』、前売りで高い人気 ほか

◆ピックアップシネマ
 『恋におちたシェイクスピア』 リアルに迫るシェイクスピアの恋の行方

◆興行成績ベストテン
 『恋におちたシェイクスピア』が初登場で首位

◆特集「ヌーヴェルヴァーグ」
 (1)「ヌーヴェルヴァーグ」とは?

◆オススメVIDEO
 『愛を乞うひと』 思い出が紡ぎだす、親子の絆
 ○ CHECK 4本!

◆BS&CS今週のオススメ

◆今週の美女
 オードリー・ヘプバーン

           ◆◆◆オススメロードショー◆◆◆

          今週末のオススメ封切り作品をセレクト!
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『スター・トレック 叛乱』 ファン待望の映画シリーズ9作目!
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5月8日より渋谷東急ほか全国松竹東急洋画系にて公開 '98年/アメリカ/1時間43分
◇監督:ジョナサン・フレイクス ◇脚本:マイケル・ヒラー 出演:パトリック・
スチュワート、ジョナサン・フレイクス、ブレント・スパイナー、レバー・バートン
◇配給:UIP

 人気TVシリーズの映画化9作目にあたる『叛乱』も、おなじみのエンタープライズ
号のクルーたち(TVシリーズ『新スター・トレック』に登場する面々)が正義の活躍
を繰り広げる。平和な時を過ごすバクー人の不老不死の秘密をめぐって、悪のソーナ
人と結託する連邦政府上層部。それを知ったピカード艦長(パトリック・スチュワー
ト)は、クルーたちとともに悪に立ち向かう。今回の監督はウィリアム・ライカー副
艦長役のジョナサン・フレイクスだけに、「トレックシリーズ」のツボは外さない。
個々のキャラクターも逸脱することなく安心して観ることができる。最初の映画化か
ら20周年を迎えたこの物語は、その記念にふさわしい娯楽作品に仕上がっているぞ。

□OFFICIAL SITE
 http://insurrection.startrek.com/
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『ラウンダーズ』 マット・デイモンの天才ギャンブラーぶりはいかが?
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5月8日より丸の内ピカデリー2ほか全国松竹東急洋画系にて公開 '98年/アメリカ/
2時間1分 ◇監督:ジョン・ダール ◇脚本:デイヴィット・レヴィーン、ブライア
ン・コペルマン 出演:マット・デイモン、エドワード・ノートン、ジョン・タトゥ
ーロ、ジョン・マルコヴィッチ ◇配給:松竹富士

 法学生でポーカーの天才、マイクをマット・デイモンが演じ、ギャンブルの世界を
通して若者の心の葛藤と成長を描く。勝負のスリリングさと、それを演出するジョン
・ダール監督の手腕、そして、マット・デイモンの脇を固める役者たちの演技のウマ
さは必見だ。マイクをポーカーの世界に誘う、ロクデナシだが憎めないイカサマ師の
悪友、ワームを演じるエドワード・ノートン、真の勝負師を演じるジョン・タトゥー
ロ、ポーカーでマイクの全財産を巻き上げる、不気味でどこかトボケたロシアン・マ
フィアのテディーKGBを演じるジョン・マルコヴィッチ。彼等が作り出した男たちが、
物語を見事に引き締める。観る前に「ポーカーゲーム」のルールを知っておくと、勝
負時の緊張感も倍増だ。
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○ CHECK 5本! 今週末時点の劇場公開作、よりどり5本も要チェック
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チェック度1=★ チェック度2=★★ チェック度3=★★★(劇場へ急げ!)

■『ヒート・アフター・ダーク』 5月8日よりシネマ・ロサ1(レイトショー) ★
ある日、神崎は友人に呼び出され、拳銃密売の仲間の李を殺してしまったと告白され
る。2人は、車で山中に死体を埋めに行くのだが、トランクにあったはずの死体がな
くなっていた。本作の製作も手がけた渡部篤郎が泉谷しげると共演したアクション。
□OFFICIAL SITE
 http://www.nikkatsu.com/movie/mov_he1.htm

■『ダンジェ』 5月8日よりシネマ・カリテ(レイトショー) ★
バイク宅配の仕事をするタケオは、名画座で出会ったツユコと恋に落ちる。彼女は、
母を自殺に追い込んだ元代議士に復讐すべく、拳銃を手にその機会をうかがっていた。
金子賢主演作。『バウンスkoGALS』で注目された岡元夕紀子の魅力が光る。

■『スパニッシュ・プリズナー』 5月1日よりシネセゾン渋谷 ★★
常に人に裏切られてきたエリート・ビジネスマンの画期的な発明をめぐって起こる、
私利私欲の駆け引きをスリリングに描いた詐欺師もの。巧妙な詐欺の手口を畳みかけ
るプロットのうまさは、最後まで目が離せない。人間不信の方にはオススメしません。
□OFFICIAL SITE
 http://www.spe.sony.com/classics/archive/98/spanishprisoner.html

■『タンゴ』 5月1日よりル・シネマ ★★★
離婚したばかりの映画監督マリオは、痛手と空虚感を抱えていた。ある日、彼はタン
ゴを題材にした映画を製作することになり、1人の女性ダンサーと出会って恋に落ち
る……。官能的なアルゼンチン・タンゴのダンスシーンは、物語よりも愛を語る。
□OFFICIAL SITE
 http://www.nihon.net/bunkamura/event/tango/tango.htm

■『バンディッツ』 5月14日までSPACE PART3 ★★★
女囚4人組が、バンド「バンディッツ」を結成し脱走を図る。脱走に成功した彼女た
ちは、警察の追跡が迫りくる中で自分たちをレコード会社へ売り込む。そして、彼
女たちの人気は高まり……。女囚ものかと思いきや、バリバリのROCK&ROLL映画。
□OFFICIAL SITE
 http://www.parco-city.co.jp/bandits/
□MOVIE Watchの紹介ページ
 http://www.watch.impress.co.jp/movie/main/guide/bandits/bandits.htm

             ◆◆◆新作先取り情報◆◆◆

       公開を待ちわびる新作情報を、期待値つきでお届けします。
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■『運動靴と赤い金魚』
夏/シネスイッチ銀座(期待値80%)
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貧しい家の少年アリは、妹の靴を失くしてしまった。両親にも言えず、アリの運動靴
を2人で交代に履いて学校へ通う日々。ある日、小学校でマラソン大会が行われるこ
とになった。そして、3等の賞品が靴であることを知ったアリは、出場を決意する。
兄妹、家族の心の絆を描く、イランからの新たな感動作。監督はマジッド・マジディ。
出演、ミル=ファロク・ハシェミアン、バハレ・セッデキ、アミル・ナージほか。

□OFFICIAL SITE
 http://www.iijnet.or.jp/ASMIK/M/Ace/1999/Children/index.html
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■『π(パイ)』
夏/シネマライズ レイトショー(75%)
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日常生活は破綻しているが、天才的な数学能力を持つマックス・コーエン。彼は、1
つの数式で世界に存在するものすべてを解析できるという考えに取りつかれ、「ユー
クリット」と名づけた自作のコンピューターで解析を始めるのだが……。監督は、こ
の作品によって'98年のサンダンス映画祭で監督賞を受賞したダーレン・アロノフス
キー。出演、ショーン・ガレット、マーク・マーゴリス、ルイス・ソロモンほか。

□OFFICIAL SITE
 http://www.uplink.co.jp/pi/
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■『ボブ・マーリィ「伝説のパフォーマンス」
          アップライジング・ツアー1980 In ドルトムント』
6月下旬/シネ・アミューズ レイトショー(70%)
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あのレゲエの神様ボブ・マーリィが、生前行った最後のツアー・ライブの映像が発掘
された。すでにヨーロッパを皮切りに公開され、ついに、日本でも公開が決まった。
死を1年以内に控えたこのライブ映像でも、カリスマ性を感じさせるプレイが全編に
渡って記録されている。最近、クラブシーンでも、彼の音楽へのリスペクトがリミッ
クスという形で表現されている。どこまでもポジティブな音楽の伝道者の記録。

□OFFICIAL SITE
 http://www.rim.or.jp/~comstock/news_bob.htm

             ◆◆◆シネマニュース◆◆◆
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★『アドレナリンドライブ』、前売りで高い人気
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『裸足のピクニック』『ひみつの花園』の矢口史靖監督最新作、『アドレナリンドラ
イブ』(出演/石田ひかり、安藤政信、ジョビジョバほか)の劇場前売り(渋谷シネ
・アミューズ)が好調で、現段階で同劇場の前売り記録作品、『世界の涯てに』(出
演/金城武、ケリー・チャン)と同格の売れ行きを見せている。『アドレナリンドラ
イブ』は、同劇場にて6月中旬公開予定。

□OFFICIAL SITE
 http://www1.sphere.ne.jp/there-s/ad/index.htm
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★『セントラル・ステーション』、全国5館で興収1億円突破
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2月6日から恵比寿ガーデンシネマ1ほかで上映中の『セントラル・ステーション』が、
全国5館(同館以外では梅田ガーデンシネマ、名古屋ガーデンシネマ、KBCシネマで上
映中、シネスイッチ札幌は4月23日終了)累計(公開79日目)で興収1億円を突破した。

□OFFICIAL SITE
 http://www.spe.sony.com/classics/centralstation/index.html
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★『ベルベット・ゴールドマイン』、興収1億2,000万円余を記録
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12月5日から渋谷シネマライズで公開されていた『ベルベット・ゴールドマイン』は、
4月23日までの20週間で公開を終了し、興収1億2,257万9,000円(同劇場で歴代4位の
成績)を記録した。『ベルベット・ゴールドマイン』は、5月8日から銀座シネパトス
で引き続き上映される。
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★グリーナウェイ最新作、カンヌ国際映画祭へ
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来年春に国内公開が予定されている、ピーター・グリーナウェイ監督最新作『81/2
の女たち(仮題)』(出演/ジョン・スタンディング、アマンダ・ブラマーほか)が、
本年度のカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されることになった。現地で
の上映は5月22日に予定されている。
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★全米興行収入、"Entrapment"が首位
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先週末の全米興行収入は、ショーン・コネリー主演のスリラー、"Entrapment"が初登
場で首位。2位は引き続き好調なキアヌ・リーブス主演の"The Matrix"、3位は、前週
2位でエディ・マーフィー&マーティン・ローレンス共演の"Life"。

□"Entrapment" OFFICIAL SITE
 http://www.foxmovies.com/entrapmentcs.html
□"The Matrix" OFFICIAL SITE
 http://www.whatisthematrix.com/
□"Life" OFFICIAL SITE
 http://www.universalpictures.com/life/

           ◆◆◆ピックアップシネマ◆◆◆

          劇場公開中の作品レビューをお届けします。
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『恋におちたシェイクスピア』 リアルに迫るシェイクスピアの恋の行方
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 脚本を手がけたマーク・ノーマンは、この作品のアイデアの発端を次のように語る。
「『ロミオとジュリエット』は喜劇として始まるが、途中で流れが変わり完璧な悲劇
となる。当時としては過激なアイデア。シェイクスピアの想像力をこれほど刺激した
触媒は? それが、シェイクスピア自身の道ならぬ恋だったら?」。「もしも、~が
~だったら?」という思考(=パロディ精神)は、物語を作る上でとても重要な要素。
原作や隣人や自らの人生といったものをどこまでパロディ化し、"デッチ上げ"つつ
"真実"を語るか。これが物語の妙なのだ。
 映画の中で、芝居好きの女王(ジュディ・デンチ)とヴァイオラ(グウィネス・パ
ルトロウ)が、「芝居は真実の恋を描けるか」という賭けをする場面がある。セリフ
の陰に、脚本家マーク・ノーマンとトム・ストッパードの、この物語への揺るがない
自信 ─ 「シェイクスピアのエピソードを"デッチ上げ"、あたかも"真実"の物語のよ
うに描き得た」という自信 ─ がうかがえるのだ。
 監督ジョン・マッデンの手腕も注目に値する。この虚実混交の物語においては、登
場人物さえも実在の人物と想像上の人物が入り交じるが、シェイクスピアと恋におち
るヴァイオラは後者。この人物を、実在したシェイクスピアといかにリアルに絡ませ
るか。監督はそこをしっかりと描いてみせるのだ。新作のオーディションに男装して
現れたヴァイオラを、シェイクスピア(ジョセフ・ファインズ)がどこまでも追いか
ける。この場面が意外なほどに長い。駆け続けるグウィネスの姿と、追うジョセフの
熱を帯びた眼差しとが、想像上の人物であるヴァイオラと実在したシェイクスピアの
双方に、リアルで対等な存在感を与え、観る者に「真実の恋」の予兆を見事に伝える
のである。
 「芝居は真実の恋を描けるか」 ─ 物語の成否をも占うこの賭けの行方やいかに!?
結論はあなた自身の目で確かめてみてほしい。

□OFFICIAL SITE
 http://www.toho.co.jp/cinema/shakes/welcome-j.html

           ◆◆◆興行成績ベストテン◆◆◆
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  第71回アカデミー賞で、作品賞を含む7部門を受賞した注目作、『恋におち
  たシェイクスピア』が初登場で首位を獲得した。同じく初登場の『8mm』は
  3位、『39 刑法第三十九条』『英二』が7、8位にランクイン。その影響
  で他作品が軒並みランクを落とした中、『ライフ・イズ・ビューティフル』
  が大幅に動員数を伸ばして2位に浮上している。
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  【配収】
 1 初(─)恋におちたシェイクスピア          ( 1週)
 2 ↑( 4)ライフ・イズ・ビューティフル        ( 3週)
 3 初(─)8mm                     ( 1週)
 4 ↓( 1)エネミー・オブ・アメリカ          ( 3週)
 5 ↓( 3)名探偵コナン 世紀末の魔術師        ( 3週)
 6 ↓( 2)シン・レッド・ライン            ( 4週)
 7 初(─)39 刑法第三十九条             ( 1週)
 8 初(─)英二                    ( 1週)
 9 ↓( 7)グッドナイト・ムーン            ( 4週)
 10 ↓( 8)隣人は静かに笑う              ( 3週)

 興行通信社調べ1999/5/1~1999/5/2(銀座・新宿・渋谷3地区代表館集計)

               ◆◆◆特集◆◆◆

     昨年から国内で展開されている「日本におけるフランス年」。
     各種関連企画も目白押しで、この連休中に意外なところで
     「トリコロール・カラー」を目にされた方も多いのでは?
     今回からお届けする連続企画「ヌーヴェルヴァーグ」も、
     そんな流れの一環として気軽に読み流してみてほしい。
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「ヌーヴェルヴァーグ」 (1)「ヌーヴェルヴァーグ」とは?
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 ルイ・マル、ジャック・リヴェット、エリック・ロメール、ジャン=リュック・ゴ
ダール、フランソワ・トリュフォー、アラン・レネ。誰もがこのいずれかの名前を聞
いたことがあるだろう。そして、これらから容易に喚起されるのが「ヌーヴェルヴァ
ーグ(NOUVELLE VAGUE)」という「記号」。では、「ヌーヴェルヴァーグ」とは一体
なんなのか。「新しい波」という意味を持つ「ヌーヴェルヴァーグ」という言葉は、
そもそも1955年以降のフランスの文学、演劇、美術界などに、新しい世代の新しい主
張が生まれ、これらを雑誌「エクスプレス」紙上で「ヌーヴェルヴァーグ」と総称し
たことから始まったのだ。もちろんこの波は、映画界にも'50年代後半から'60年代前
半にかけて炸裂し、今やこの言葉は映画用語のように流通している。
 「ヌーヴェルヴァーグ」は、大きく2つに分けることができる。1つは、トリュフォ
ー、ゴダール等の雑誌「カイエ・デュ・シネマ」派 ─ 若き批評家たちのカイエ派
(ヌーヴェルヴァーグを世界に広めた本流) ─ と、ドキュメンタリーから来たアラ
ン・レネのグループ、およびクリス・マイケルなどの「シネマ・ヴェリテ」と呼ばれ
る作家たちのセーヌ左岸派(セーヌ右岸でたむろするカイエ派に対して人はそう呼ん
だ)だ。この2つの派に共通するのは、ストーリーやドラマより、カメラと現実が触
れ合う即興性を重要視した点で、これが「ヌーヴェルヴァーグ」の1つの特色である。
たとえば、「ヌーヴェルヴァーグ」の傑作でもあるゴダールの『勝手にしやがれ』の
1場面で、その即興性が映画的に素晴しく機能している ─ ゴダールは、偶然行われ
ていたドゴール大統領と訪仏中のアイゼンハワー米大統領のパレードを、確信犯的に
キャメラに収めた。これにより、この映画が1959年8月のドラマであることを、観る
者は画面から読み取れるわけだ。つまり、即興という映画方法論が、同時に、観る者
がスクリーン世界に没入するのではなく、「読み取る」という現実的思考、新たな映
画鑑賞法をも観客に提示したことになる(次号へつづく)。

□「日本におけるフランス年」OFFICIAL SITE
 http://www.franceyear.or.jp/
□TSUTAYA Web ビデオ検索
 http://ff.tsutaya.ccc.co.jp/

           ◆◆◆オススメVIDEO◆◆◆

        原田美枝子の衝撃の演技が流れる予告編で当
        初敬遠されつつも、口コミなどで客足も伸び、
        国内外で賞にも輝いた秀作『愛を乞うひと』。
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『愛を乞うひと』 思い出が紡ぎだす、親子の絆
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【データ】
'98年/2時間15分/日本(5/14発売:東宝)
監督:平山秀幸 出演:原田美枝子,野波麻帆,中井貴一,国村隼,モロ師岡,小日向文世

 夫を亡くし、娘とふたり暮らす照恵。彼女は、自分が幼い頃に亡くした台湾人の父
のわずかな思い出とともに、彼の遺骨を捜すことを始めた。そして、父の死後、幼か
った照恵を引き取り激しく虐待し続けた母親の記憶が、照恵の胸に去来する。原田美
枝子の母子ふた役の熱演が絶賛され、第22回日本アカデミー賞では主演女優・作品・
監督・脚本ほかの最優秀賞を獲得した話題作。
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○ CHECK 4本!
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■『時雨の記』1時間56分/日本(5/14発売:東映ビデオ)
50代も半ばの男が再会した、20年来密かに想い続けた女性。男はこれまでの人生・家
族を忘れてもいいと思うまでに、彼女との生活を夢に見ながら、ひとときの出会いの
中で純なる大人の恋を育んでいく。
監督:澤井信一郎 出演:吉永小百合,渡哲也,佐藤友美,原田龍二,天宮良,裕木奈江,岩
崎加根子,細川直美,林隆三

■『ブルース・ハープ』1時間46分/日本(5/14発売:東映ビデオ)
『中国の鳥人』の三池崇史監督によるアクションドラマ。ヤクザの青年とバンドマン
の出会いと、彼らを取り巻く波乱の運命を描く。
監督:三池崇史 出演:池内博之,田辺誠一,関野沙織,奥野敦士

■『フラッシュ』1時間21分/米(5/14発売:ファブ・フィルムス)
ニューヨーク・ダウンタウンのクラブ(のトイレ)を舞台にジェネレーションを切り
取ったコメディ作品。
監督:キャリー・アンセル 出演:ランディ・スカラー,ジェイソン・スカラー

■『エイト・ヘッズ』1時間35分/米(5/14発売:東宝)
『カジノ』などの名優ジョー・ペシ主演のサスペンスフル・コメディ。殺し屋が8人
の首を入れたバッグを空港で間違えられ……。
監督:トム・シュルマン 出演:ジョー・ペシ,クリスティ・スワンソン,ジョージ・ハ
ミルトン,ダイアン・キャノン,デヴィッド・スペイド,アンディ・コミュ

○ Weeklyレンタルビデオランキング はお休みさせていただきます。

          ◆◆◆BS&CS今週のオススメ◆◆◆
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 5/8(土)『エスケープ・フロム・L.A.』 WOWOW(深4:35~)
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◇監督:ジョン・カーペンター 出演:カート・ラッセル、スティーブ・ブシェーミ、
ピーター・フォンダ

 2000年。ロサンゼルスは、大地震によって水に囲まれた孤島となり、残虐な革命家
の手に落ちていた。政府は対抗策として、すべての機械を無力化してしまうコントロ
ーラーを開発するが、革命家に心酔した大統領の娘にあえなく盗まれてしまい……。
前作(『ニューヨーク1997』)同様、囚人スネーク・プリスケンの活躍を描いた。今
回のタイムリミットは10時間。この作品は、前作のパロディ映画ともいえる。
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 5/9(日)『レイジング・ブル』 WOWOW(深4:35~)
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◇監督:マーチン・スコセッシ 出演:ロバート・デ・ニーロ、キャシー・モリアー
ティ、ジョー・ペシ

 悪がはびこるサウス・ブロンクスのスラム街で育った男ジェイク・ラモッタが、拳
ではい上がり、プロボクシング世界ヘビー級チャンピオンとなり、君臨した半生を描
く、ボクシング映画の傑作。マーチン・スコセッシ渾身の一撃(冒頭場面)に心を奪
われ、ラストまで一気に栄光と破滅を畳みかける演出は圧巻。5月下旬より公開予定
の新作、『クンドゥン』が待ち遠しいスコセッシ監督作。
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 5/12(水)『穴』 スター・チャンネル(朝7:00~)
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◇監督:ジャック・ベッケル 出演:ジャン・ケロディ、フィリップ・ルロワ、ミシ
ェル・コンスタンタン、レイモン・ムーニエ、マルク・ミシェル

 重罪人だけが閉じ込められる獄房で、同房の4人の男たちが脱獄計画を綿密に練っ
ていた。そこへ、妻殺し未遂の罪で新入りとして若い男が収監される。男を仲間に入
れるか、それとも男は警察のスパイなのか……。脱獄ものの金字塔的作品。全編に敷
き詰められたサスペンス、その異常なテンションの高さ、そして誰もが息を呑むラス
ト! ジャック・ベッケル監督の遺作だ。穴を掘る音は必聴。とにかくデカイぞ。
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 5/14(金)『パリ、テキサス』 パワームービー(14:30~)
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◇監督:ヴィム・ヴェンダース 出演:ハリー・ディーン・スタントン、ナスターシ
ャ・キンスキー、ハンター・カースン

 テキサス砂漠に実在するといわれる地「パリ」を探して放浪の旅に出た男が、アク
シデント連発の挙句、4年ぶりにわが家へ帰り、置き去りにした息子と再会する。だ
が、そこにはもう妻はいなかった。父子が2人で妻(母)を探し歩く姿を追って「愛」
を描いたロード・ムービー。今は「不毛の時代」なんて言葉も聞かれなくなったが、
そういう中での愛をこの映画は語っている。少なくとも日本では、「今」に通じる問
題のように思えてくるのだ。

             ◆◆◆今週の美女◆◆◆
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◆オードリー・ヘプバーン◆ Audrey Hepburn [1929.5.4.生まれ]
細い首と長い指の上から覗く瞳の光線。細身の中性的な魅力のせいか好き嫌いは分か
れるものの、「崇拝される女優」の片翼を担う永遠のプリンセス。1993.1.20死去。

▽オススメな出演作品
『ローマの休日』'53
監督:ウィリアム・ワイラー 出演:グレゴリー・ペック
『麗しのサブリナ』'54
監督:ビリー・ワイルダー 出演:ハンフリー・ボガート
『パリの恋人』'57
監督:スタンリー・ドーネン 出演:フレッド・アステア
『昼下がりの情事』'57
監督:ビリー・ワイルダー 出演:ゲーリー・クーパー
『尼僧物語』'59
監督:フレッド・ジンネマン 出演:ピーター・フィンチ
『ティファニーで朝食を』'61
監督:ブレイク・エドワーズ 出演:ジョージ・ペパード
『シャレード』'63
監督:スタンリー・ドーネン 出演:ケーリー・グラント
『マイ・フェア・レディ』'64
監督:ジョージ・キューカー 出演:レックス・ハリスン
『おしゃれ泥棒』'66
監督:ウィリアム・ワイラー 出演:ピーター・オトゥール
『暗くなるまで待って』'67
監督:テレンス・ヤング 出演:アラン・アーキン


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