◆MOVIE Watch (毎週金曜日発行:無料)─────────1998-8-21
☆今週のHEADLINE☆─────────────────────────────
●MOVIE Watchリアル・ランキング
MOVIE Watchがオススメする今週の5本(平均値/ライター別評点)
●オススメ封切り情報
『タイタニック』 乗客1,500人以上が北大西洋で凍死
『スウィート・ヒアアフター』 スクールバスが氷の張った湖に転落
『グラン・ブルー〈オリジナル・バージョン〉』 素潜りで深海へダイビング
○公開作 CHECK 5本!
『キスト』『キリコの風景』 ほか
●MOVIE PADDOCK 出走を待ちわびる新作情報(期待値%つき!)
『ラブ&デス』 インテリ男性と美少年のかなわぬ恋
『クロスゲージ』 大統領夫人暗殺容疑で指名手配された無実のスナイパーの
プライドと命を賭けた熱き闘い
●映画4人衆
『スクリーム2』 物語の巧みな重層構造と自らをも揶揄するパロディ精神は見事
●TOPICS
『カンゾー先生』、世界22カ国で公開へ ほか
●興行成績ベストテン
●オススメVIDEO
『フェイス/オフ』 二大スターの競演は、踊るような撃ち合いで
『ランド アンド フリーダム』 内戦に揺れた外国人の生命と思想と恋と
○CHECK 4本!
●BS&CS今週の3本
●COLUMN
【世界の終わりとハードとソフト・ワンダーランド(10)】
「話題の問題作『鬼畜大宴会』、熊切監督の実力や如何に!」の巻
●THE DAY OF BIRTH
●後記
[◆◆◆MOVIE Watchリアル・ランキング◆◆◆]
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現時点での劇場公開作からピック・アップした、MOVIE Watch独自の
採点による上位5作品。今観るならこれだ!
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先週末公開の『スクリーム2』がランクイン。前作以上にパワーアップ
した「続編」がファンにはたまらない。夏休みならではの若い観客層も
好調を後押し。
平均値/ライター別評点(5点満点)
唯 巴 古 冴
1.タイタニック 5.00 5.0 5.0 5.0 5.0
2.L.A.コンフィデンシャル 4.63 4.5 5.0 4.5 4.5
2.スウィート・ヒアアフター 4.63 5.0 4.5 5.0 4.0
4.リーサル・ウェポン4 3.75 3.5 4.0 4.0 3.5
5.スクリーム2 3.63 4.5 4.0 3.5 2.5
------------------------[◆◆◆オススメ封切り情報◆◆◆]--------------------
夏休み興行に劇場が占拠され、今週は推薦できる新作映画が皆無。
そこで今回は、すでに公開されている作品の中から夏を涼しくすご
せる「納涼作品」を選んでみた。
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『タイタニック』 乗客1,500人以上が北大西洋で凍死
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全国東宝洋画系にて公開中 '97年/アメリカ/3時間13分 ◇監督・脚本・製作・編
集:ジェームズ・キャメロン ◇出演:レオナルド・ディカプリオ、ケイト・ウィン
スレット、ビル・パクストン、ビリー・ゼーン ◇配給:20世紀フォックス
冷房がきき過ぎの映画館で見れば、登場人物たちへの感情移入は2割増。冷たい海
で次々凍え死んでいく人間たちの姿を見れば、心身ともにヒンヤリ涼しくなること請
け合いだ。映画は昨年末からの公開で劇場数もだいぶ減ってきたが、それでも週末に
なれば一部劇場で立ち見まで出る盛況ぶり。年末にビデオ発売との噂もあるが、まだ
見ていない人は、規模の大きな劇場でかかっているうちに見ておくべき映画だろう。
□OFFICIAL SITE
http://www.titanicmovie.com/
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『スウィート・ヒアアフター』 スクールバスが氷の張った湖に転落
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現在公開中 '97年/カナダ/1時間50分 ◇監督・製作・脚本:アトム・エゴヤン
◇原作:ラッセル・バンクス ◇出演:イアン・ホルム、カーサン・バンクス、サ
ラ・ポーリー、ブルース・グリーンウッド ◇配給:KUZUIエンタープライズ
―シネマライズ (土日10:40)12:55/15:10/17:25/19:40(~21:40)
ある冬の朝。子供たちを乗せたスクールバスが凍りついた路面でスリップし、がけ
下の湖に転落、22人が犠牲になるという事故が起きた。都会から乗りこんできた弁護
士は、遺族である親たちに行政訴訟を持ちかけるのだが……。凍てついたカナダの冬
の風景と、子供を失った親たちの心の空洞が、寒々しい印象をさらに強めている。エ
ゴヤン監督は欧米で評価の高い監督だが、日本紹介は『エキゾチカ』に続き2本目。
□OFFICIAL SITE
http://www.fujitv.co.jp/jp/movie/theater/movie2.html
http://www.flf.com/sweet/index.html
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『グラン・ブルー〈オリジナル・バージョン〉』 素潜りで深海へダイビング
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現在公開中 '88年/フランス/2時間18分 ◇監督・原案・脚本:リュック・ベッソ
ン ◇音楽:エリック・セラ ◇出演:ロザンナ・アークエット、ジャン=マルク・
バール、ジャン・レノ、ポール・シュナール ◇配給:日本ヘラルド映画
―シネスイッチ銀座 10:50/13:30/16:10/18:50(~21:20)
ギリシャの海でのコイン探し、湖の氷に穴をあけて素潜りの実験、太陽光線の届か
ない深海へのダイビング、プールの底でシャンペン・パーティー、ホテルの部屋が水
で満たされる幻影など、徹底的に水や海にこだわった映画。真夏に見るのに、これほ
どふさわしい映画はない。ちなみに同じリュック・ベッソン監督が製作・脚本を担当
した『TAXi』も公開中だが、こちらはいつまでも熱くなれない「お寒い映画」だ。
□OFFICIAL SITE
http://www.gaumont.fr/gbvi/grand-bleu/start.html
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○公開作 CHECK 5本!
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★=注目作 ★★=見て損はしない ★★★=これは必見! (未)=未見
■『キスト』 シネスイッチ銀座他にて公開中 ★★★
死体とセックスすることでしかエクスタシーを得られない女性の物語。ああヒンヤリ。
□OFFICIAL SITE
http://www.inter-g7.or.jp/g2/cinema/herald/lineup/kissed/home.html
http://www.orionpictures.com/kissed/
■『キリコの風景』 シネマスクエアとうきゅうにて公開中 ★★
北海道・函館で、病んだマンションを探して歩く不思議な男。なぜか後味スッキリ。
□OFFICIAL SITE
http://www.nikkatsu.com/movie/mov_ki-1.htm
■『ディープ・インパクト』 全国松竹東急洋画系にて公開中 ★
地球に迫る隕石は巨大な氷の塊。物語のラストは大津波。どういうわけか大ヒット。
□OFFICIAL SITE
http://www.shochiku.co.jp/uip/deepimpact/index.html
http://www.deep-impact.com/
■『赤毛のアン・アンの青春〈完全版〉』 東劇他にて公開中 ★★
カナダの雄大な風景と繊細な四季の描写が、見る者の心に涼風をよびこむ。
□OFFICIAL SITE
http://www.shochiku.co.jp/shochikufuji/anne/index.html
■『スクリーム2』 全国松竹東急洋画系にて公開中 ★★★
夏はホラー映画でゾッとするのが、昔からの正統派納涼映画の楽しみ方。
□OFFICIAL SITE
http://www.iijnet.or.jp/ASMIK/M/Asmik/1998/Scream2/index.html
http://www.dimensionfilms.com:8889/ows-doc/scream2/
[Written by 服部弘一郎]
[◆◆◆MOVIE PADDOCK◆◆◆]
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出走を待ちわびる新作情報を、期待値%つきでお届けします
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■『ラブ&デス』
11月/シネスイッチ銀座(期待値70%)
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世の中の尊敬を集める英国作家デアスが、アメリカの人気アイドルに一目惚れ。初秋
の美しい保養地ロングアイランドを舞台に、"インテリ男性と美少年"のかなわぬ恋を
描いたギルバート・アデアの原作を、英国の新鋭リチャード・クウィートニオスキー
が映画化。主演は『エレファント・マン』のジョン・ハート、人気TV番組『ビバリー
ヒルズ青春白書』のジェーソン・プリーストリー。
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■『クロスゲージ』
10月中旬/銀座シネパトス(70%)
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大統領夫人暗殺容疑で全米に指名手配された無実のスナイパー。巨悪な軍の陰謀に巻
き込まれ、極秘エリート部隊"ブラックシープ"に完全包囲された絶体絶命の彼に生き
る道はあるのか……。超高層ビルからのド迫力空中ダイビングなど、全編ノンストッ
プで展開されるサスペンス・アクション。脚本・プロデューサーも手がけたキーネン
・アイボリー・ウェイアンズ主演、共演はジョン・ボイト、エリック・ロバーツ。
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■『PEEPING TOM 血を吸うカメラ』
10月/銀座シネ・ラ・セット(レイトショー)(65%)
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映画撮影所のカメラマンでヌード写真の撮影を副業にするマークは、特異な幼児体験
がトラウマとなり、「のぞき」でしか性的快感を得られない歪んだ性癖に悩んでいた。
その悪癖は、次第に「撮る」「観る」「観られる」という快楽追求へとエスカレート
し、しまいに彼は連続殺人鬼へと変貌をとげていく……。『黒水仙』『赤い靴』のマ
イケル・パウエルが'60年に製作・監督。'70年代後半から熱狂的な再評価の動きと共
に蘇った、幻のカルト・ムービー。
[◆◆◆映画4人衆◆◆◆]
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『スクリーム2』 物語の巧みな重層構造と自らをも揶揄するパロディ精神は見事
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カリフォルニア州ウッズボローで起こった連続殺人事件から2年。シドニー・プレス
コット(ネーヴ・キャンベル)は、大学の演劇科に進学し平穏な毎日を取り戻しつつ
あった。そんな中、事件をモデルにした映画『スタブ』の試写会会場で、シドニーと
同じウィンザー大学の学生2人が刺殺され、再び彼女の周辺は騒然となる。続出する
被害者のファースト・ネームが前回と一致するなど、事件は2年前をなぞるように進
行していき……。
(満点は★5つ/半は★半分)
■満足度大の理由はまたしても凝りに凝ってくれたこと。『エルム街~』のトラウマ
か、自分が撮った「2作目」には映画論も加熱。それがまた面白い。 ★★★★半<唯>
■このパロディ精神は十分に楽しめる。だが、本編の犯人の殺人動機は前作よりマト
モで、動機と行動はイマイチつながらない。が、それは愛嬌! ★★★半☆<古>
■前作という素材をフルに使った、PART2。1を観ていないと半減どころか八割減。裏
切って欲しいところは裏切って、お約束もちゃんとアリ。 ★★★★☆<巴>
■尾を引かず後味スッキリにまとめているあたり、あっぱれでニクいのだが、殺し自
体が単純でいただけない。初期衝動の激しさくらいは感じさせて。 ★★半☆☆<冴>
□OFFICIAL SITE
http://www.iijnet.or.jp/ASMIK/M/Asmik/1998/Scream2/index.html
http://www.dimensionfilms.com:8889/ows-doc/scream2/
[◆◆◆TOPICS◆◆◆]
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★『カンゾー先生』、世界22カ国で公開へ
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『楢山節考』('83年)、『うなぎ』('97年)と、2度にわたってカンヌ映画祭グラ
ンプリを獲得した今村昌平監督(71)の最新作『カンゾー先生』(国内10月17日公
開)が、フランス(12月2日)、スイス(12月4日)、ベルギー(12月9日)などをは
じめとする世界22カ国でも相次いで公開されることになった。第二次世界大戦末期、
瀬戸内海に面した小さな町で繰り広げられる名物医師と人々との交流を描いた同作品
は、今年5月に行われた第51回カンヌ映画祭で特別上映され好評を博したが、その後
も世界各国の映画祭への参加要請が続き、早くも次回作への期待が高まっているも
よう。
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★『生きない』、ロカルノ映画祭で特別賞受賞
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清水浩監督、ダンカン脚本・主演の『生きない』が、ロカルノ映画祭で特別賞にあた
るアキュメニカル・プライズ(全キリスト教会賞)を受賞した。これは'73年から設
けられた公式の賞で、金、銀、銅など通常の賞以外のもの。なお、同作品は9月26日
(土)からテアトル新宿での公開が決定している。
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★東映、グッズ売れ行きが興行収入を上回る!?
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東映の『機動戦艦ナデシコ』『スレイヤーズごうじゃす』が8日(土)から全国公開
中だが、その好調なすべり出しを反映して、中学生が主体の観客層にマッチした両
作品のキャラクター商品も大ヒットしており、軒並み興行収入を上回る売り上げを記
録して話題を呼んでいるもよう。
[◆◆◆興行成績ベストテン◆◆◆]
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『スクリーム2』が初登場2位。期待の高さが、ほぼそのまま反映された形
となった。9週目に入った『ディープ・インパクト』の首位同様、夏休み
ならではの盛り上がりも感じられる。
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【配収】
1 ↑( 2)ディープ・インパクト ( 9週)
2 初(─)スクリーム2 ( 1週)
3 ↑( 4)リーサル・ウェポン4 ( 3週)
4 初(─)TAXi ( 1週)
5 ↓( 1)仮面の男 ( 2週)
6 ↓( 5)GODZILLA/ゴジラ ( 6週)
7 ↓( 6)L.A.コンフィデンシャル ( 5週)
8 ↓( 7)釣りバカ日誌10 ( 2週)
9 ↑(12)タイタニック (35週)
10 ↓( 8)ポケットモンスター・ミュウツーの逆襲 ( 5週)
興行通信社調べ1998/8/15~1998/8/16(銀座・新宿・渋谷3地区代表館集計)
-------------------------[◆◆◆オススメVIDEO◆◆◆]------------------------
片やアクションエンターテインメントの名匠ジョン・ウーの
『フェイス/オフ』。一方、頑固職人ケン・ローチの戦争ド
ラマが2本も。さらにはビクトリア・アブリルも登場。
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『フェイス/オフ』 二大スターの競演は、踊るような撃ち合いで
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【データ】
'97年/米/2時間18分(8/28発売:ブエナ ビスタ ホーム エンターテイメント)
監督:ジョン・ウー 出演:ジョン・トラボルタ、ニコラス・ケイジ
ようやく捕まったお尋ね者のテロリストと、宿敵だったFBI捜査官が、捜査目的と
手違いにより、お互いに顔を入れ替えてしまう。自分の顔をした相手を追い、相手に
なりすまして体験する正反対の生活。文句ナシの銃撃アクション、それだけで勝負し
たってホントに文句なかったくらいなのに、さらにさりげなくしっかりと描く、ふた
りの男の人生観の対極。それはもはや文学的ですらある。『バウンド』のジーナ・ガ
ーションのイイ女ぶりもとりあえず満足。
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『ランド アンド フリーダム』 内戦に揺れた外国人の生命と思想と恋と
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【データ】
'95年/英=西=独/1時間50分(8/28発売:クロックワークス)
監督:ケン・ローチ 出演:イアン・ハート、ロザナ・パストール
スペイン内戦へ外人義勇兵として血気盛んに参加する、若き共産党員の主人公(イ
アン・ハート)。自分たちの思想を信じ、ファシズムを憎み、同志の自由のために戦
い傷つく人々。やがて勝利とは裏腹に内部分裂、そして同志による悲劇的な断罪。生
命をかけた思想は新たな疑いと戦いと弾圧を生み、疑いのうちに離れてしまった「女
」(ロザナ・パストール)との恋の重さが激しく積もる。力作の名にふさわしい、人
生への力強い問いかけと讃歌と鎮魂歌。日本公開時タイトルは『大地と自由』。
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○CHECK 4本!
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■『カルラの歌』2時間6分/英(8/28発売:クロックワークス)
上の『ランド~』と同じくケン・ローチ監督が、ニカラグア内戦を舞台に描く'96年の
新作。カルラという女性をめぐる、元恋人と、バス運転手と、戦地のドラマ。
出演:ロバート・カーライル、スコット・グレン、オヤンカ・カベサス
■『ゲット・オン・ザ・バス』
2時間1分/米(8/28発売:ソニーピクチャーズエンタテインメント)
黒人大行進に参加するためL.A.からワシントンDCへバスで旅立つ13人の道中記。
監督:スパイク・リー 出演:オシー・デイビス、チャールズ・S・ダットン
■『死んでしまったら私のことなんか誰も話さない』
1時間44分/西(8/28発売:オンリー・ハーツ)
夫の事故を機に娼婦となった女。やがて非常にヤバイ情報をもとにマフィアの金を横
取りするという、大それた思いつきを実行する強い強い女をスペイン産美女、ビクト
リア・アブリルが好演。
監督・脚本:アグスティン・ディアス・ヤヌス
■『アサインメント』
1時間59分/米=カナダ(8/28発売:ソニーピクチャーズエンタテインメント)
無敵の国際的テロリスト「ジャッカル」を陥れるための切り札として作戦に参加し、
ジャッカル=カルロスになりきる訓練を受ける元海軍将校。彼はカルロスにうりふた
つの顔を持っていたのだった。最強の犯罪者に成りすますという緊張感がアクション
とともにはじけ、そして……。
監督:クリスチャン・デュゲイ
出演:エイダン・クイン、ドナルド・サザーランド、ベン・キングズレイ
[Written by 唯よーじゅ]
[◆◆◆BS&CS今週の3本◆◆◆]
セレクター:古山 慶
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8/26(水)『フィッツカラルド』 シネフィル・イマジカ(午前10:00~)
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19世紀末の南米ペルーを舞台に、冒険家(フィッツカラルド)の壮大な夢と人生を描
いた作品。未開の地にオペラハウスを建設しようという発想から、数トンもの巨船の
山越え、そして船上オペラと観る者を圧倒しまくる。
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8/27(木)『魔人ドラキュラ』 NHK衛星第2(深夜1:45~)
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『スクリーム2』が公開になった。で、勝手に公開を記念して本編をススメる。怪奇
映画の古典で'31年のモノクロ作品。若い女性の生き血を求めて、ドラキュラが夜の
街に現れる。ドラキュラ役のベラ・ルゴシはハマりすぎて恐い。
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8/28(金)『シャイン』 WOWOW(14:00~)
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オーストラリア出身の天才ピアニスト、デヴィッド・ヘルフゴッドの半生が描かれて
いる。幼少からピアノの才能に恵まれ天才性を発揮していた彼が、繊細さゆえ精神に
異常をきたす。幾多の苦難を乗り越えて、演奏家として再び舞台に立つ場面は感動的
だ。
[◆◆◆COLUMN◆◆◆]
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【世界の終わりとハードとソフト・ワンダーランド(10)】
「話題の問題作『鬼畜大宴会』、熊切監督の実力や如何に!」の巻
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『鬼畜大宴会』なる映画をご存じか。一般の方にはまったく無縁で無用な作品であ
る。が、映画に携わる者、あるいはそれを志す者にとっては今年最大の話題作となっ
ている。『鬼畜大宴会』は、大阪芸大映像学科映画コースの卒業制作として撮られた
作品で、同映像学科研究室賞を受賞。その後、『ぴあ』が主催する自主映画のコンペ
ティション、PFFアワード'97で準グランプリに輝き、タオルミナ国際映画祭ではグラ
ンプリを受賞している。
この完全なる学生映画、その過激なエログロシーンに話題が集中しているが、そん
なことはどうでもいいし、どおってことない。特筆すべきは、熊切和嘉監督の早熟ぶ
り、その力量である。エログロは単なるモチーフに過ぎない。逆にその過激さが、彼
の実力を見えにくくしている。
自主映画という環境は、客観的にいって地獄である。製作費、スケジュール、スタ
ッフ・キャストの体力と精神状態、そのすべてが演出の敵となり、すべてが監督にの
しかかる。そんな環境でクリエイティブな作業を延々と続けなければならない。しか
も、『鬼畜大宴会』のオリジナル版は112分という長編である。並の精神力では完成も
難しい。そんな環境で、熊切監督は実に繊細な演出を見せている。構図はまだ一考の
余地があったと思うが、ふてぶてしいカット割りが素晴らしい。シーンとシーンのつ
なぎ、そのバランス感覚も見事である。そして何より、素材を活かす編集技術にたけ
ている。'70年代の学生運動を舞台にしておきながら、イデオロギーを無視するセンス
も気に入った! まったく、ガソリンスタンドのサービス工場でF1マシンを作ったよ
うなものだ。彼をマクラーレンの工場に連れていったら一体何が出来上がるンだぁ?
軽くジェット戦闘機ぐらいは作んじゃないのォ。まあF1には出られないから、スタ
ッフには怒られるだろうけど、バカなプロデューサーを騙して金だけ搾り出したら、
作りたい映画を作るべきだ。とにかく、金をかけた次回作を早く見せてほしいもンだ、
まったく。(『鬼畜大宴会』は渋谷のユーロスペースにて絶賛否両論公開中。)
[Written by 藤原タカシ]
[◆◆◆THE DAY OF BIRTH(8/22~8/28)◆◆◆]
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8/22 レニ・リーフェンシュタール(1902)、レイ・ブラッドベリ(1920)、
金田賢一(1961)、山口香織里(1974)、菅野美穂(1977)
8/23 アラン・ロスコー(1888)、ジーン・ケリー(1912)、
キース・ムーン(1947)、益岡徹(1956)、高橋ひとみ(1961)、
リバー・フェニックス(1970)
8/24 ジャン・ミッシェル・ジャール(1948)、
スティーブ・グッテンバーグ(1958)
8/25 レナード・バーンスタイン(1918)、三條美紀(1928)、
ショーン・コネリー(1930)、きたろう(1948)、
エルビス・コステロ(1954)、ティム・バートン(1958)、
クローディア・シファー(1970)、飯島愛(1973)
8/26 ギョーム・アポリネール(1880)、バルベ・シュレデール(1941)、
マコーレ・カルキン(1980)
8/27 藤竜也(1941)、バーバラ・バック(1947)、ディーン・デブリン(1962)
8/28 ヨハン・ヴォルフガング・ゲーテ(1749)、
ブルーノ・ニュイッテン(1945)、ダニエル・スターン(1957)、
仁藤優子(1971)
▼星座別オススメ映画はwebへのリンクに移行しました。
http://www.cup.com/yoge/tarot/astro/
占い協力:TAROT-ASTROLOGY OF THE WEEK
▼MOVIE WatchのHP
http://www.watch.impress.co.jp/movie/
----------------------------◆◆◆ 後記 ◆◆◆----------------------------
■今度の26日でマコーレ・カルキンくんが18歳。ひえー。大人だー。20歳すぎたマー
ク・レスターに会ったときはデカいのにまだ可愛くて驚いたけど。さて彼は? <唯>
■3コ下の熊切監督に負けてられません。実はオイラも今年のPFFを狙って、自主映画
『JET NIGHT DRIVE』を準備中也。もちろん難航してまーす。 <藤>
■実家に帰省して、送り盆をしてきた。ところで、ウチの町には映画館がない。電車
で30分のトコにはあるのだけれど、大作しか公開されないんだよなぁ。 <巴>
■この時期の映画館は夏休み一色。熱を帯びた大気や独特の喧噪の魔力で、しばし時
間が止まるような錯覚に陥る。こうしてまた夏の1ページが刻まれていく。 <冴>
▼問い合わせ先 ──────────────────────────────
movie-watch-info@impress.co.jp :記事内容 ウォッチ編集部
ad-sales@impress.co.jp :広告関連 インプレス A&D
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内にしたがって、中止・変更をしてください。なお、メンバーID等が不明なときは、
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MOVIE Watchに掲載された記事を許可なく転載することを禁じます
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