◆MOVIE Watch (毎週金曜日発行:無料)─────────1998-8-14 ☆今週のHEADLINE☆───────────────────────────── ●MOVIE Watchリアル・ランキング MOVIE Watchがオススメする今週の5本(平均値/ライター別評点) ●オススメ封切り情報 『スクリーム2』 作品テーマは「続編映画は前作をしのげるか?」 『赤毛のアン/アンの青春<完全版>』 アンの結婚までを描く人気シリーズ 『キスト』 死体に恋した乙女と、彼女に恋した男…… ○公開作 CHECK 5本! 『TAXi』『ミミ』 ほか ●MOVIE PADDOCK 出走を待ちわびる新作情報(期待値%つき!) 『相続人』 ジョン・グリシャム書き下ろしのストーリーに注目 『キッスで殺せ(ディレクターズ・カット)』 フィルムノワール史上最強のカルト・ムービー ほか ●映画4人衆 『仮面の男』 豪華キャスト扮する四銃士と善悪2役に挑むレオとの対決の行方 ●TOPICS 「洋画配給ビジネス講座」第4期秋季講座開設 ほか ●興行成績ベストテン ●オススメVIDEO 『エンド・オブ・バイオレンス』 カメラと銃口に狙われた世界の行方 ○CHECK 4本! ●BS&CS今週の3本 ●COLUMN 【城戸朱理のシネマ・クローゼット(8)】 『バウンスkoGALS』──「映画」を観たという気分にさせてくれるフィルム ●THE DAY OF BIRTH ●後記 [◆◆◆MOVIE Watchリアル・ランキング◆◆◆] ============================================================================ 現時点での劇場公開作からピック・アップした、MOVIE Watch独自の 採点による上位5作品。今観るならこれだ! ============================================================================ 『不夜城』が終了となる今週末、『チェイシング・エイミー』が返り咲き。 それぞれのオススメは多々あれども、ひとまず、まだの方は2位の2作品から 攻めてみてほしい。 平均値/ライター別評点(5点満点) 唯 巴 古 冴 1.タイタニック 5.00 5.0 5.0 5.0 5.0 2.L.A.コンフィデンシャル 4.63 4.5 5.0 4.5 4.5 2.スウィート・ヒアアフター 4.63 5.0 4.5 5.0 4.0 4.リーサル・ウェポン4 3.75 3.5 4.0 4.0 3.5 5.チェイシング・エイミー 3.25 4.0 4.0 2.0 3.0 [◆◆◆オススメ封切り情報◆◆◆] ────────────────────────────────────── 『スクリーム2』 作品テーマは「続編映画は前作をしのげるか?」 ────────────────────────────────────── 8月15日より全国松竹東急洋画系にて公開 '97年/アメリカ/2時間2分 ◇監督:ウ ェス・クレイヴン ◇脚本・製作総指揮:ケヴィン・ウィリアムスン ◇出演:デイ ヴィッド・アークエット、ネーヴ・キャンベル ◇配給:アスミック・エース 昨年日本でも大ヒットしたホラー映画『スクリーム』の続編。前作で生き残った登 場人物が全員再登場し、新たな連続殺人事件に巻き込まれていく。続編映画に不可欠 な同窓会要素をたっぷりと堪能させ、ホラー映画のパロディだった前作を、自らパロ ディにしてしまう太っ腹なところも見せるなど、前作が大好きな人は大喜びする場面 の連続。アメリカでも大ヒットして、すでにパート3の製作が決定している人気作だ。 □OFFICIAL SITE http://www.iijnet.or.jp/ASMIK/M/Asmik/1998/Scream2/index.html http://www.dimensionfilms.com:8889/ows-doc/scream2/ ────────────────────────────────────── 『赤毛のアン/アンの青春<完全版>』 アンの結婚までを描く人気シリーズ ────────────────────────────────────── 8月15日より東劇ほか全国松竹洋画系にて公開 '88年/カナダ/3時間40分 ◇監督 ・脚本:ケヴィン・サリヴァン ◇原作:ルーシー・モード・モンゴメリ ◇出演: ミーガン・フォローズ、コリーン・デューハースト ◇配給:松竹富士 8年前に日本で公開された『続・赤毛のアン/アンの青春』に、55分の未公開シー ンを加えた<完全版>。アンをはじめとするキャラクターの魅力で、上映時間はあっと いう間にすぎてしまう。『赤毛のアン』を見ていなくても、この映画の魅力は十分に 伝わるはず。たっぷり笑って最後はホロリ。半日使って見に行く価値のある映画だ。 本国カナダではテレビシリーズとして放送。待望の続編はこの夏から撮影開始となる。 □OFFICIAL SITE http://www.shochiku.co.jp/shochikufuji/anne/index.html ────────────────────────────────────── 『キスト』 死体に恋した乙女と、彼女に恋した男…… ────────────────────────────────────── 8月15日より公開 '96年/カナダ/1時間19分 ◇監督・脚本:リン・ストップケウ ィッチ ◇原作:バーバラ・ガウディ ◇出演:モリー・パーカー、ピーター・アウ ターブリッジ、ジェイ・ブラゾー ◇配給:日本ヘラルド映画 ―シネスイッチ銀座 10:40/12:25/14:10/15:55/17:40/19:25(~21:00) 小さい頃から小動物の死体が大好きだったサンドラは、大きくなって葬儀屋に勤め、 人間の死体に触れることにセックスの喜びを見出していく。死体にキスし、頬ずりし、 衣服を脱いで抱き合うサンドラ。そんな彼女にも医学生の恋人ができたのだが、彼は サンドラの趣味を知って、なんと死体にやきもちを焼くようになる……。カナダの女 性監督が撮った、究極の愛とセックスについての物語。映像が実にきれいです。 □OFFICIAL SITE http://www.inter-g7.or.jp/g2/cinema/herald/lineup/kissed/home.html http://www.orionpictures.com/kissed/ ============================================================================ ○公開作 CHECK 5本! ============================================================================ ★=注目作 ★★=見て損はしない ★★★=これは必見! (未)=未見 ■『TAXi』 8月15日より全国松竹東急洋画系にて公開 ★ 製作・脚本リュック・ベッソン。ノークレジットだが、実は部分的に監督もしてる。 □OFFICIAL SITE http://www.rim.or.jp/~comstock/TAXI.htm http://www.marseilleweb.com/pathe-madeleine/taxi/ ■『ミミ』 8月15日より俳優座トーキーナイトにて公開 ★ グロテスクな近親相姦映画『カルネ』の姉妹篇。こんどもかなりグロテスク。 □OFFICIAL SITE http://www.iijnet.or.jp/ASMIK/M/Ace/1998/Mimi/index.html ■『夏の夜の夢』 三百人劇場にてモーニングショー公開中 ★★ 芝居好き必見。ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー製作のシェイクスピア映画。 □OFFICIAL SITE http://raging-thunder.com/02kaminari_ichiba/ticket_market/midsummer/ midsummer_cont.html ■『ゴダールのリア王』 三百人劇場にて公開中 ★ こちらはゴダールのシェイクスピア劇。いったいどこがシェイクスピアなんだ? □OFFICIAL SITE http://www.rim.or.jp/~comstock/KING_LEAR.htm ■『太陽がいっぱい』 8月15日より銀座シネパトスにて公開 ★★ 最新作『ハーフ・ア・チャンス』の公開も控えているアラン・ドロンの代表作。 [Written by 服部弘一郎] [◆◆◆MOVIE PADDOCK◆◆◆] ============================================================================ 出走を待ちわびる新作情報を、期待値%つきでお届けします ============================================================================ ────────────────────────────────────── ■『相続人』 今秋/丸の内ピカデリー2他 全国松竹・東急洋画系(期待値75%) ────────────────────────────────────── 弁護士として成功をほしいままにしてきたリック(ケネス・ブラナー)は、ある夜、 美しいウェイトレスのマロリー(エンベス・デイビッツ)と一夜を共にする。彼女に つきまとう変質的な父親を病院に強制収容させてマロリーを救ったリックだったが、 その後も事件が次々と起こり、急浮上した父親の遺産の存在が彼らを思いもよらぬ結 末へと導いていく……。『ザ・ファーム/法律事務所』『レインメーカー』など映画 化された作品も含めてヒットをとばし続けるベストセラー作家ジョン・グリシャムが 映画のために書き下ろしたオリジナル・ストーリーを、『ザ・プレイヤー』『ショー ト・カッツ』などで個性的手腕を発揮するロバート・アルトマンが監督した話題作。 □OFFICIAL SITE http://www.reellife.com/ginger_teaser.html http://www.inter-g7.or.jp/g2/cinema/herald/lineup/ginger/home.html ────────────────────────────────────── ■『キッスで殺せ(ディレクターズ・カット)』 10月下旬/シネセゾン渋谷(レイトショー)(75%) ────────────────────────────────────── ミッキー・スピレインによる同名ハードボイルド小説を斬新な手法で映像化した、ロ バート・アルドリッチ監督のフィルムノワール史上最強のカルト・ムービー。彼の死 後に発見されたプリントから、40年の時を経て復元された幻のラストシーンを含む ディレクターズ・カット版、本邦初公開。 ────────────────────────────────────── ■『なぞの転校生』 10月下旬/シネ・ヴィヴァン・六本木(70%) ────────────────────────────────────── かつて少年ドラマシリーズでドラマ化され、少年たちの心に深く刻み込まれた映像が 現代に蘇る! 原作の設定を大幅に変更、大胆な解釈を打ち出した世紀末版『なぞの 転校生』。主演は、CMやドラマで活躍中の新山千春。『パーフェクト・ブルー』で一 躍名を馳せた村井さだゆきの脚本を、『四月怪談』『ウルトラマンティガ&ダイナ』 などで評価の高い小中和哉監督がまとめあげた。 [◆◆◆映画4人衆◆◆◆] ============================================================================ 『仮面の男』 豪華キャスト扮する四銃士と善悪2役に挑むレオとの対決の行方 ============================================================================ 国王ルイ13世が死去、数知れぬ武勇伝をもつ親衛隊の面々(ジェレミー・アイアン ズ、ジョン・マルコヴィッチ、ジェラール・ドパルデュー)も、年輪を重ね平穏な毎 日を送るルイ14世(レオナルド・ディカプリオ)の御代。銃士隊隊長ダルタニアン (カブリエル・バーン)は王への絶対的な忠誠を誓うと同時に、彼を立派な国王に育 てたいと願っていたが、窮乏を極める国民の生活とは裏腹に、青年王は贅を極め宴に うつつを抜かす。しかし、彼には、謎に包まれたまま牢に幽閉された双子の弟フィ リップ(ディカプリオ2役)がおり、その存在がかつての3銃士たちそれぞれの思いと 結びついた時、ルイ、フィリップ2人の運命は大きく音をたてて動き始めていくのだっ た……。 (満点は★5つ/半は★半分) ■いやー小学生の時分を思い出して懐かしかった。でもフランス時代劇をあえてアメ リカが撮って結局本家に負けてないのは俳優の豪華さだけとは? ★★★☆☆<唯> ■ベテラン四銃士の演技に引けを取らないレオの熱演。善悪2役をまなざしで見事に 演じわけ、演技力の仮面もまたひとつ取ったというところか。 ★★★☆☆<阿> ■剣術への欲求不満は俳優陣に免じて飲み込むとしても、それぞれの考え方や描かれ 方にいちいち一時停止をしてしまって。結局、入り込めぬまま。 ★★★☆☆<巴> ■素材を生かし切るだけの時間的・空間的ゆとりがほしいと思わずにはいられない。 作品の中だけでなく、観客とのハーモニーを奏でるためにも。 ★★半☆☆<冴> □OFFICIAL SITE http://toho-group.co.jp/cinema/kamen/welcome-j.html http://www.ironmask.com/ [◆◆◆TOPICS◆◆◆] ---------------------------------------------------------------------------- ★「洋画配給ビジネス講座」第4期秋季講座開設 ---------------------------------------------------------------------------- 株式会社巴里映画が手がける「洋画配給ビジネス講座」第4期秋季講座が、10月より 青山ブックセンター本店内・読売カルチャーサロン青山にて開設される。毎回決めら れたテーマに合わせて、業界の現場で活躍中のゲストとのトーク・コーナーが設けら れ、課題レポートの添削・批評や業界への就職相談など実践的な内容が魅力となって いる。講師は、自らミニ配給会社を設立、『ギャルソン』をはじめとする文化度の高 い作品を世に送り出してきた高野てるみ(映画プロデューサー/株式会社巴里映画代 表)。詳細は、株式会社巴里映画(03-3498-0220)・読売カルチャーサロン青山(03 -5485-5513)まで。 ---------------------------------------------------------------------------- ★DVDレンタルテスト、10月から開始 ---------------------------------------------------------------------------- DVDのハードとソフトの普及促進をめざし、DVDソフトメーカー各社は、10月からレン タルシステムのテストを開始することになった。現在までに決定しているのは(1) 個人向けのレンタルシステムに限定し業務用レンタルとは区別する、(2)ビデオカ セットのレンタルでは2つのシステムが導入されているが、DVDレンタルでは統一シス テムをめざす、の2項目。レンタルを扱う店舗は、現在の協会加盟店約1万店の中など からDVDを扱う熱意のある店を基本とし、8月中旬以降、全国を5地区に分けて説明会 を開催する予定。 ---------------------------------------------------------------------------- ★『キャラクター/孤独な人の肖像』公開決定 ---------------------------------------------------------------------------- 今年の米国アカデミー賞で外国語映画賞を受賞したオランダ映画『キャラクター/孤 独な人の肖像』(監督/マイケ・ファン・テイム)が、9月12日(土)からシネマス クエアとうきゅうで公開されることが決定した。 [◆◆◆興行成績ベストテン◆◆◆] ============================================================================ 『仮面の男』が順当に首位。ファンにはうれしい『機動戦艦ナデシコ/ スレイヤーズごうじゃす』『釣りバカ日誌10』も初登場ランクイン。他 作品はやや順位を下げたが、夏休みの出足を確保したためか『ディープ ・インパクト』は2位を維持している。『スクリーム2』公開の今週末に 注目。 ============================================================================ 【配収】 1 初(─)仮面の男 ( 1週) 2 →( 2)ディープ・インパクト ( 8週) 3 初(─)機動戦艦ナデシコ/スレイヤーズごうじゃす ( 1週) 4 ↓( 1)リーサル・ウェポン4 ( 2週) 5 ↓( 3)GODZILLA/ゴジラ ( 5週) 6 ↓( 4)L.A.コンフィデンシャル ( 4週) 7 初(─)釣りバカ日誌10 ( 1週) 8 ↓( 5)ポケットモンスター・ミュウツーの逆襲 ( 4週) 9 ↓( 7)不夜城 ( 7週) 10 ↓( 6)それいけ! アンパンマン・手のひらを太陽に ( 3週) 興行通信社調べ1998/8/8~1998/8/9(銀座・新宿・渋谷3地区代表館集計) -------------------------[◆◆◆オススメVIDEO◆◆◆]------------------------ ヴィム・ヴェンダースの最新作、『エンド・オブ・ バイオレンス』が登場。とにかく音楽は最高。 ---------------------------------------------------------------------------- 『エンド・オブ・バイオレンス』 カメラと銃口に狙われた世界の行方 ---------------------------------------------------------------------------- 【データ】'97年/独=米/2時間2分(8/19発売:マイピック) 監督:ヴィム・ヴェンダース 出演:ビル・プルマン、アンディ・マクドウェル その街はすでに、衛星と無数の監視カメラによって「見られて」いた。人目につか ないガード下で、犯罪者が突然狙撃される。極秘の計画、わき上がる疑問、そして有 無をいわさぬ抹殺。知ろうとする男、監視され狙われる男。交錯する視線の網が行き 着くところに、暴力の終焉に対するひとつの解答が静かに示される。U2、シンニード ・オコナーらの豪華なナンバーが、ライ・クーダーのシビレるサウンドとともに映像 に色を添える。 ---------------------------------------------------------------------------- ○CHECK 4本! ---------------------------------------------------------------------------- ■『kitchen キッチン』1時間50分/日本=香港(8/21発売:アミューズビデオ) 少年と少女の不思議な出会いを描いた吉本ばななの有名小説が香港映画に。 監督・脚本:イム・ホー 出演:富田靖子、チャン・シウチョン ■『アイス・ドール』1時間31分/米(8/19発売:インタラクティブシネマ) 両親への怒りが暴発し、狂気の殺人鬼へと変わる娘。実話に基づくサスペンス。 監督:クレイグ・R・バクスリー 出演:ジェレミー・ジョーダン ■『F.I.S.H.』1時間14分/日本(8/19発売:ヒロ・インターナショナル) 近未来の遺伝子工学で誕生したフィギュアドールをめぐる男女の欲望と愛と。 監督:関顕嗣 出演:高橋美夕紀、藤木直人、三輪ひとみ、三輪明日美、川村千里、 金沢文子、五十嵐りさ、大原かおり、坂木優子、桜庭あつこ、小沢まどか、ほか ■『シャドー・ウォリアーズ』 1時間34分/米(8/19発売:ブエナ ビスタ ホーム エンターテイメント) 米海軍特殊部隊の男が麻薬組織の軍事基地を攻略する。ハルク・ホーガン主演。 監督:ジョン・カッサー 出演:シャノン・トゥイード、カール・ウェザース [Written by 唯よーじゅ] [◆◆◆BS&CS今週の3本◆◆◆] セレクター:歩知 ---------------------------------------------------------------------------- 8/19(水)『セント・エルモス・ファイアー』 SKY CINEMA(深夜3:00~) ---------------------------------------------------------------------------- 有名大学を卒業した男女7人。それぞれの夢や希望を胸に巣立っていくが、社会の厳 しさを目の当たりにして挫折し、死のうとする者も現れる。今も昔も変わらない青春 群像を描いて共感をよぶ作品。ロブ・ロウなど当時の若手スターの総出演も見もの。 ---------------------------------------------------------------------------- 8/20(木)『Dear フレンズ』 CSN1ムービーチャンネル(21:00~) ---------------------------------------------------------------------------- 20年ぶりに再会した4人の女性。12歳だった自分たちの思い出を振り返るうちに、忘 れかけていた大切な気持ちを思い出していくハートフル・ストーリー。デミ・ムーア が製作を手がけている。 ---------------------------------------------------------------------------- 8/21(金)『ホワイトハウスの陰謀』 SKY PerfecTV! (午前5:00~ 2時間おき/最終21:00~) ---------------------------------------------------------------------------- ホワイトハウスで起きた事件を捜査していた2人の男女が、その過程で国家機密に触 れて追われる身となってしまう。必死の捜査を続けるうちに、事件の背後にある陰謀 が明らかになっていくサスペンス。 [◆◆◆COLUMN◆◆◆] ============================================================================ 【城戸朱理のシネマ・クローゼット(8)】 『バウンスkoGALS』──「映画」を観たという気分にさせてくれるフィルム ============================================================================ ◇◇コギャルのせつないエネルギー◇◇ 久しぶりに東京という街が美しくみえた。原田眞人監督の『バウンスkoGALS』。 主人公は3人のコギャル。援助交際、ブルセラ、携帯電話、ルーズソックスといった 流行を織りまぜながら、渋谷を舞台に過ぎていく1日の物語なのだが、よくありがち な流行モノ映画などではない。ニューヨークで勉強することを夢見て家出してきた コギャルが、生活費のためビデオ出演するが、逆にコンビニでバイトして貯めた30 万円を盗まれてしまう。それを知った2人のコギャルが、援助交際で資金を稼ごうと するのだが、航空券のリミットは明日まで。ヤクザも官僚もからんで、一夜の悲喜 劇が繰り広げられる。「映画」を観たという気分にさせてくれるフィルムだ。 奇妙なせつなさや、やり場のない感情のあれこれが渦巻く若い世代のエネルギー が、現代の日本の世相をコミカルに切り取ってきたようなシーンを、ちょっと弱気 にそれでも胸を張って駆け抜けていく。これは映画でしか撮ることができないし、 映画を魅力的にするテーマだなとつくづく思った。相米慎二監督の『台風クラブ』 を思い出したりして。 ◇◇ルーズソックスetc. コギャルの世紀末ファッション◇◇ とはいえ、コギャルといえばルーズソックス。EGスミスの大ヒット商品となった ルーズソックスは、しかし、わかりやすいアイテムだ。ひと昔前に流行ったハマト ラとレッグウォーマーを合体させたようなもので、短いスカート、それで膝下を覆っ てしまうことによって逆に生足の大腿部を強調するというコンテクスト。ちなみに スミスのルーズは1,400円と1,600円のがあって、ある女子高生に講義されたのだが (笑)、1,400円の上に1,600円を重ね履きして、ボリューム感とあのタルミを演出 するテクニックもあるそうだ。うーん、よくわからん努力だ。一方、マライア・キャ リーあたりがハシリの下着風キャミソールなどの流行も、あからさまに「女性」を 強調するもの。ルーズソックスを始めとして、これだけ性的なイメージが服装に反 映されているのは、それだけ時代と社会の閉塞感が強いからだろうか。 [Written by 城戸朱理] [◆◆◆THE DAY OF BIRTH(8/15~8/21)◆◆◆] ============================================================================ 8/15 ロバート・ボルト(1924)、麻生祐未(1964)、ベン・アフレック(1972) 8/16 菅原文太(1933)、ジェームズ・キャメロン(1954)、マドンナ(1958)、 前田耕陽(1968) 8/17 ロバート・デ・ニーロ(1943)、ベンガル(1953)、赤井英和(1959)、 ショーン・ペン(1960) 8/18 マルセル・カルネ(1909)、アラン・ロブ=グリエ(1922)、 ロマン・ポランスキー(1933)、キャロル・ブーケ(1957)、 柴田恭兵(1951)、伊佐山ひろ子(1952)、名取裕子(1957)、 マデリーン・ストウ(1958)、クリスチャン・スレイター(1969)、 中居正広(1972) 8/19 田崎潤(1910)、八名信夫(1935)、松本幸四郎(1942)、 ビル・クリントン(1946)、風間トオル(1962)、 マリア・デ・メデイラ(1965) 8/20 ロバート・プラント(1948)、桐島かれん(1964)、梅宮アンナ(1972) 8/21 カウント・ベイシー(1904)、関根勤(1953)、高樹沙耶(1963)、 萩原聖人(1971) ▼星座別オススメ映画はwebへのリンクに移行しました。 http://www.cup.com/yoge/tarot/astro/ 占い協力:TAROT-ASTROLOGY OF THE WEEK ▼MOVIE WatchのHP http://www.watch.impress.co.jp/movie/ ----------------------------◆◆◆ 後記 ◆◆◆---------------------------- ■考えてみれば『鉄仮面』の主人公はダルタニヤンなんだよな。もともと。デカプリ 2人がかりでも三銃士+ガブリエル・バーンの存在感には勝てないわけだ。 <唯> ■とにかく2作目が待ち遠しい! スタイリッシュなモノクロ映画、2時間弱目が離せ ない面白さの『SF/サムライ・フィクション』。 <菊> ■『鬼畜大宴会』の公開初日にて。少しだけお話しすることができた熊切監督は、ニ コニコと話すとてもかわいいカンジの青年。作品とのギャップがすごすぎる。 <巴> ■頭ではわかっていることも、リアルタイムで実行に移すのは至難の業。せめてそれ だけわかり合えていれば、この暑さの中でも、もう少しがんばれるかな。 <冴> ▼問い合わせ先 ────────────────────────────── movie-watch-info@impress.co.jp :記事内容 ウォッチ編集部 ad-sales@impress.co.jp :広告関連 インプレス A&D sales@ips.co.jp :配信先等 インプレス販売 ▼購読中止・配信先変更 ────────────────────────── 下記のURLから、ポイントアップシステムのメンバーIDとパスワードを入力し、案 内にしたがって、中止・変更をしてください。なお、メンバーID等が不明なときは、 sales@ips.co.jpまでご連絡ください。 http://www.ips.co.jp/pointup/query.htm ────────────────────────────────────── 発行人 塚本慶一郎/編集人 井芹昌信 発行 株式会社インプレス 〒102-0075 東京都千代田区三番町20 編集:デラ・ジャパン株式会社(紺野美樹、服部弘一郎、唯洋樹、菊池朋子) Copyright(C) 1997-1998 Impress Corporation. 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