◆MOVIE Watch (毎週金曜日発行:無料)───────── 1998-8-7

☆今週のHEADLINE☆─────────────────────────────

●MOVIE Watchリアル・ランキング
 MOVIE Watchがオススメする今週の5本(平均値/ライター別評点)

●オススメ封切り情報
 『グラン・ブルー(オリジナル・バージョン)』 ビデオでこの迫力は伝わらない!
 『仮面の男』 見どころはディカプリオの一人二役
  『SF サムライ・フィクション』 本格派の痛快ナンセンス時代劇映画
 ○公開作 CHECK 5本!
 『劇場版 機動戦艦ナデシコ』『河』 ほか

●MOVIE PADDOCK 出走を待ちわびる新作情報(期待値%つき!)
 『鳩の翼』 ヘンリー・ジェイムズの原作を、イアン・ソフトリーが独自のアレン
       ジで大胆に描く
 『ノックオフ』 『ダブルチーム』の鉄壁コンビが、香港アクション史に挑む!
  ほか

●映画4人衆
 『リーサル・ウェポン4』 絶妙のコンビプレーと華麗なるアクションに笑い、唸る

●TOPICS
 『鬼畜大宴会』、タオルミナ国際映画祭でグランプリ受賞 ほか

●興行成績ベストテン

●オススメVIDEO
 『ブエノスアイレス』 美男スターふたりの怪しくも艶やかな視線
 『G.I.ジェーン』 もしかしてこれこそがデミ・ムーア?
 ○CHECK 5本!

●BS&CS今週の3本

●REVIEW
 『スウィート・ヒアアフター』 来るべき映画の志を予見させる果敢な作品

●THE DAY OF BIRTH

●後記

                [◆◆◆MOVIE Watchリアル・ランキング◆◆◆]
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    現時点での劇場公開作からピック・アップした、MOVIE Watch独自の
         採点による上位5作品。今観るならこれだ!
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    『リーサル・ウェポン4』が4位にランクイン。6年ぶりに復活した
    リッグスとマータフのコンビはファンを裏切らなかった。強烈な
    印象を残したジェット・リーのこれからも楽しみ。

             平均値/ライター別評点(5点満点)

                  唯  巴  古  冴
 1.タイタニック       5.00  5.0  5.0  5.0  5.0
 2.L.A.コンフィデンシャル  4.63  4.5  5.0  4.5  4.5
 2.スウィート・ヒアアフター 4.63 5.0 4.5 5.0 4.0
 4.リーサル・ウェポン4    3.75 3.5 4.0 4.0 3.5
 5.不夜城          3.50  3.5  3.5  3.5  3.5

                    [◆◆◆オススメ封切り情報◆◆◆]
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『グラン・ブルー(オリジナル・バージョン)』 ビデオでこの迫力は伝わらない!
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8月8日より公開 '88年/フランス/2時間18分 ◇監督・原案・脚本:リュック・ベ
ッソン ◇音楽:エリック・セラ ◇出演:ロザンナ・アークエット、ジャン=マル
ク・バール、ジャン・レノ、ポール・シュナール ◇配給:日本ヘラルド映画
 ―シネスイッチ銀座 10:50/13:30/16:10/18:50(~21:20)

 10年前に初公開されたリュック・ベッソン監督の出世作。世界中の映画ファンを虜
にした映像の美しさは、映画館のスクリーンでこそ味わえるもの。日本では英語バー
ジョンの『グレート・ブルー』、長時間版の『グラン・ブルー完全版』が既に公開さ
れ、ビデオ化もされているが、本国フランスで初公開されたオリジナル・バージョン
の公開は今回が初めてだ。じつはベッソン監督の一番のお気に入りはこれだとか。

 □OFFICIAL SITE
  http://www.gaumont.fr/gbvi/grand-bleu/start.html
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『仮面の男』                見どころはディカプリオの一人二役
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8月8日より全国東宝洋画系にて公開 '98年/アメリカ/2時間12分 ◇監督・脚色:
ランダル・ウォレス ◇原作:アレクサンドル・デュマ ◇出演:レオナルド・ディ
カプリオ、ジェレミー・アイアンズ、ジョン・マルコビッチ ◇配給:UIP

 監督はアカデミー受賞作『ブレイブハート』の脚本家。ジェレミー・アイアンズ、
ジョン・マルコビッチ、ガブリエル・バーンに、フランスの名優ジェラール・ドパル
デューを加えたかつての四銃士が実質的な主人公。ジュディット・ゴドレーシュ、ア
ンヌ・パリローなどのフランス人女優たちが、物語にヨーロッパの香りを加えている。
ディカプリオの一人二役は、彼の演技派としての実力が存分に発揮された見事さだ。

 □東宝OFFICIAL SITE
  http://toho-group.co.jp/cinema/kamen/welcome-j.html
 □OFFICIAL SITE
  http://www.ironmask.com/
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『SF サムライ・フィクション』       本格派の痛快ナンセンス時代劇映画
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8月8日より公開 '98年/日本/1時間51分 ◇監督:中野裕之 ◇脚本:斉藤ひろし
◇音楽・出演:布袋寅泰 ◇出演:風間杜夫、吹越満、緒川たまき、内藤武敏、谷啓、
神戸浩、藤井尚之、藤井フミヤ、夏木マリ ◇配給:シネカノン
 ―シネ・ラ・セット 10:20/12:30/14:40/16:50/19:00(~21:00)
 ―シネ・アミューズ レイトショー 21:10(~23:15)

 藩内から持ち出された宝剣を追って、若侍たちが剣の達人に挑む。監督はミュー
ジック・ビデオの世界で国際的評価も高い中野裕之。オープニングの格好よさは、そ
れだけで入場料分の価値がある。本編はモノクロ。ロケーションやカメラアングルな
どに、往年の時代劇映画のイメージが多数引用され、監督の時代劇映画通ぶりがよく
わかる。時代劇映画はめっきり減る中、こうした新しい才能の登場は嬉しい。

 □OFFICIAL SITE
  http://samurai.garage.co.jp/
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○公開作 CHECK 5本!
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★=注目作 ★★=見て損はしない ★★★=これは必見! (未)=未見

■『劇場版 機動戦艦ナデシコ』 8月8日より全国東映系にて公開 ★★
人気テレビアニメの続編。おなじみのキャラクターが総出演するのでファンは必見!
 □東映OFFICIAL SITE
  http://www.toei.co.jp/MOVIE/new_mov/nadesico/index.htm

■『河』 8月8日よりユーロスペースにて公開 ★★
首が曲がる奇病にかかった青年があらゆる治療法を試すのだが……。ラストは衝撃的。

■『ダロウェイ夫人』 8月8日より岩波ホールにて公開 ★★
'20年代の英国で、主人公が自分の過去を回想する。「老い」をテーマにした佳作。
 □OFFICIAL SITE
  http://www.flp.com/films/mrs_dalloway/
 □日本ヘラルド映画OFFICIAL SITE
  http://www.inter-g7.or.jp/g2/cinema/herald/lineup/dalloway/home.html

■『釣りバカ日誌10』 8月8日より全国松竹系にて公開 ★★
スーさんがリストラされてビル管理会社に再就職? 三國連太郎がすご~く元気。
 □松竹OFFICIAL SITE
  http://shochiku.co.jp/cinema/tsuribaka10/index.html

■『鬼畜大宴会』 8月8日よりユーロスペースにて公開 ★
'70年代の学生運動をモチーフにした残酷絵巻。凄惨なリンチシーンが延々続く。
 □OFFICIAL SITE
  http://www.geocities.co.jp/Hollywood/6209/kitiku-index.html
                           [Written by 服部弘一郎]

                        [◆◆◆MOVIE PADDOCK◆◆◆]
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     出走を待ちわびる新作情報を、期待値%つきでお届けします
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■『鳩の翼』 11月/Bunkamura ル・シネマ(期待値85%)
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1910年、貴族社会が崩壊を始めたころのイギリスで、没落貴族の英国人女性ケイトと
その恋人で貧しい新聞記者のマートン、そして富豪の米国人女性ミリーが出会い、そ
れぞれの想いを胸に、3人は恋と情熱の都ヴェニスへと旅立つ……。文豪ヘンリー・
ジェイムズの原作を、イギリス映画界の俊英イアン・ソフトリーが大胆かつ挑発的に
アレンジした愛の文芸大作。主演は、本作でオスカー候補となったヘレナ・ボナム・
カーター。
 □Cinema1
  http://www.cinema1.com/cgi-cinema/movie97_eng.pl?wingsofthedove
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■『ノックオフ』 10月上旬/東劇ほか全国松竹・東急洋画系(70%)
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香港返還前日、世界同時無差別殺人を企むテロリスト集団。陸・海・空を舞台に、
CIA、KGB、香港警察入り乱れての超小型爆弾争奪戦が繰り広げられる。脚本は『ダイ
・ハード1・2』も手がけたスティーブン・E・デ・スーザ。『ダブルチーム』の鉄壁
コンビ(監督/ツイ・ハーク、主演/ジャン=クロード・ヴァン・ダム)が、ジャッ
キー・チェンをも凌ぐスケールで香港スタント・アクション史に挑む。
 □OFFICIAL SITE
  http://www.spe.sony.com/movies/jump/knockoff.html
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■『ミル・マスカラス/愛と宿命のルチャ』 9月中旬/BOX東中野(70%)
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メキシコプロレス=ルチャ・リブレ。リングの内と外で渦を巻く悪徳プロモーターの
策謀、裏切り、流血の中で、リング上の闘いに賭ける男たちの真実の姿が浮かび上が
る。国民的英雄ミル・マスカラスやドス・カラスら、第一線のレスラーの華麗にして
迫力ある技の応酬を堪能できる。フェルナンド・ドゥラン・ロハス監督作品。
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■『ネネットとボニ』 今秋/シネマスクエアとうきゅう(75%)
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ボニは19歳。母親が残した小さな家で1人暮らす彼のもとに、ある日、寄宿学校から
逃げ出した妹のネネットが転がり込んできた。15歳のネネットは妊娠しており……。
犯罪が日常化した港町マルセイユを舞台に、反撥し、傷つけ合いながらもどこかで求
め合う兄と妹の姿を、本作で'96年ロカルノ映画祭グランプリを射止めたクレール・
ドゥニ監督が斬新な映像スタイルで描く。

                         [◆◆◆映画4人衆◆◆◆]
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『リーサル・ウェポン4』 絶妙のコンビプレーと華麗なるアクションに笑い、唸る
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L.A.市警の刑事マーチン・リッグス(メル・ギブソン)とロジャー・マータフ(ダ
ニー・グローバー)が急行した現場では、激しい雨の中、武装した凶悪犯が火炎放射
器で街を焼き付くそうとしていた。追いつめられた2人は奇襲作戦に成功するが、街
は火の海、保険会社からは今にも愛想づかしの危機。L.A.市警は、そんな2人を昇進
させて現場からはずそうとするのだが……。前作でおなじみのメンバーに人気急上昇
中のマルチタレント、クリス・ロックが参加、シリーズ最強の悪役には、これがハリ
ウッド進出第1作目となる香港の華麗なるアクションスター、ジェット・リーを迎え
て、絶妙のかけあいと怒涛のアクションはまさに最高潮! 共に新しい家族が増えよ
うとしている主役2人の動揺と葛藤も、人間的な味わい深さを醸し出していて、思わ
ずホロリとさせられる!?
                                            (満点は★5つ/半は★半分)

■カーチェイスは気に入った。参った。香港系アクションもあり。しかしあの2人は
ついにここまできたか。そのうちどっちかが性転換して結婚するぞ。★★★半☆<唯>

■本編はハートフル・コメディだ。よって、M.ギブソンとD.グローバーの絡みは文句
なし。しかし、J.リーの存在感は実に素晴らしいよ。       ★★★★☆<古>

■もう初っぱなから、派手、ド派手。ベタな会話にも大笑いだし、悪役もかっこよろ
し。爽快、爽快。パワー全開、完全エンターテインメント!    ★★★★☆<巴>

■シリーズものならではの安定感と、ハリウッド初登場のジェット・リーが絡んでこ
そ可能になる、独特の間、緊張感。贅沢な楽しみ方ができるね。  ★★★半☆<冴>

 □OFFICIAL SITE
  http://www.lw4.com/

                            [◆◆◆TOPICS◆◆◆]
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★『鬼畜大宴会』、タオルミナ国際映画祭でグランプリ受賞
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8月8日(土)から渋谷ユーロスペースで公開が予定されている『鬼畜大宴会』(熊切
和嘉監督、「ぴあフィルムフェスティバル'97」準グランプリ受賞作品)が、7月29日
(水)から8月4日(火)まで、イタリアのシシリー島で開催されたタオルミナ国際映
画祭(ドゥシャン・マカヴェイエフ審査委員長)で見事グランプリを受賞した。今年
で28回目を迎えた同映画祭は、世界各地の映画祭で、これから世界に羽ばたくであろ
う若い才能をピックアップし、それらを一同に集め紹介しようとするもの。本作品も、
今年2月にベルリン国際映画祭で正式招待上映された際に、当映画祭ディレクター自
らによってその場でタオルミナでの上映が決定された。なお、日本人としては、'92
年に塚本晋也監督『鉄男ll』が審査員特別賞を受賞している。
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★「ブルース・リー秘蔵展」開催
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没後25年を経てもなお、伝説のアクションスターとしてファンを魅了し続けているブ
ルース・リーの、世界初の公式展示会「メモリー・オブ・ザ・ドラゴン」(主催・エ
キジビジョン実行委員会)が、東京・北の丸公園内の科学技術館で25日(火)まで開
催されている。会場には、リー愛用のヌンチャクやトレーニングに使用した器具、イ
ラスト、直筆の手紙など未公開の品々が多く並べられている。また、年末には彼の代
表作『燃えよドラゴン』('73)の特別版(未公開映像も収録)が、ワーナーホーム
ビデオから発売されるもよう。
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★ジョン・トラボルタの新作がクランクイン
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ネルソン・デミールの同名小説を映画化した『ザ・ジェネラルズ・ドーター』の撮影
が、このほどジョージア州サヴァンナでスタートした。アメリカ陸軍駐屯地で起きた
殺人事件の解明に挑む調査官を描くサスペンス・スリラーで、監督は、『コン・エ
アー』でデビューしたイギリス出身のサイモン・ウエスト。
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★日活、名作をDVDで発売
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日活は過去の名作をDVD化し、9月からの発売開始を予定している。第1回(9月4日
(金))発売作品は以下の5本。『嵐を呼ぶ男』(主演/石原裕次郎)、『狂った果
実』(同)、『霧笛が俺を呼んでいる』(赤木圭一郎)、『キューポラのある街』
(吉永小百合)、『幕末太陽伝』(フランキー堺)。

                     [◆◆◆興行成績ベストテン◆◆◆]
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  お待ちかねの『リーサル・ウェポン4』が初登場1位。2位以下はそのまま
  押し出された感じ。こちらも初登場『<<ガンダム・ザ・ムービー>>』は
  9位に入る。『タイタニック』は10位に復活。
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  【配収】
 1 初(─)リーサル・ウェポン4             ( 1週)
 2 ↓( 1)ディープ・インパクト            ( 7週)
 3 ↓( 2)GODZILLA/ゴジラ              ( 4週)
 4 ↓( 3)L.A.コンフィデンシャル           ( 3週)
 5 ↓( 4)ポケットモンスター・ミュウツーの逆襲    ( 3週)
 6 ↓( 5)それいけ! アンパンマン・手のひらを太陽に  ( 2週)
 7 ↓( 6)不夜城                   ( 6週)
 8 ↓( 7)ジャッカル                 ( 7週)
 9 初(─)<<ガンダム・ザ・ムービー>>         ( 1週)
 10 ↑(12)タイタニック                (33週)

 興行通信社調べ1998/8/1~1998/8/2(銀座・新宿・渋谷3地区代表館集計)

-------------------------[◆◆◆オススメVIDEO◆◆◆]------------------------
         お盆前の先行レンタルで話題作が続々登場。
         夏休みも、一日くらいはビデオ漬け?(字余り)
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『ブエノスアイレス』 美男スターふたりの怪しくも艶やかな視線
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【データ】'97年/香港=日本/1時間38分(8/12レンタル:日本コロムビア)
監督:ウォン・カーウァイ 出演:トニー・レオン、レスリー・チョン

 『天使の涙』か『恋する惑星』のどちらかに心の糸をはじかれた若者は数知れず、
少なくとも名前は日本全国へ知れ渡った才人、ウォン・カーウァイ。カンヌ映画祭で
監督賞を受賞したこの新作は、なんとそれまでの作品に描かれたような男女の恋愛で
はなく、いや、それまでの作品とテーマはある部分共通しているのかもしれないが、
とにかく男対男の愛憎のドラマ。しかも香港の二大人気俳優の共演とカラミが。
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『G.I.ジェーン』 もしかしてこれこそがデミ・ムーア?
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【データ】'97年/英/2時間5分(8/8レンタル:CICビクタービデオ)
監督:リドリー・スコット 出演:デミ・ムーア、アン・バンクロフト

 もとからのデミ・ムーアのファンには怒られるだろうけど、これまでずっとスクリ
ーンのデミ・ムーアに感じていた違和感が吹っ飛んだのが本作。異色作というよりは、
これぞハマリ役と思う。見た目でそこら辺の男を圧倒する筋肉。骨太な毎日を感じさ
せる力強い汗。役はズバリ米海軍の特殊部隊の訓練に挑み、耐え抜く女性将校。そし
て監督は『白い嵐』で海の男と少年たちの熱い熱いドラマを描ききったリドリー・ス
コット。心して汗をかき、心にも汗をかくかもしれないたっぷりの2時間。
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○CHECK 5本!
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■『ビーン』1時間29分/英(8/12レンタル:アミューズビデオ)
あるとき加速度的に人気が出て映画化までされてしまったイギリスのTVコメディ。信
じられない迷惑男の<Mr.ビーン>が好きだった古いファンとしては善良に変身させら
れた映画版に不満もあるが、初めての人はアメリカ風の心温まる<ビーン>も一興?
監督:メル・スミス 出演:ローワン・アトキンソン、ピーター・マクニコル

■『テロ2000年 集中治療室』1時間19分/独(8/8発売:アルバトロス)
バイオレンス渦巻く衝撃のドイツ映画。実際に起こった少女人質事件をもとに、とあ
るギャングたちの暴力的な生態を描き出す。
監督:クリストフ・シュリンズィーフ 出演:ジャック・アルル、ペーター・カーン

■『デザート・ライオン』1時間30分/イラン(8/8発売:アルバトロス)
イラン産、イラン軍全面協力の戦争アクション。イラン・イラク戦争の壮絶な戦いが
広大な砂漠に展開する。日本未公開作品。
監督:アフマッド・モラドプール 出演:モハンマド・レザ・イランマネシュ

■『タンゴ・レッスン』1時間42分/英=仏(8/8レンタル:日本ヘラルド映画)
パリでタンゴの虜になり、南米でダンスを学びつつ恋をする、女。
監督・脚本・主演:サリー・ポッター 振付・出演:パブロ・ベロン

■『ブレーキ・ダウン』1時間33分/米(8/13レンタル:パイオニアLDC)
砂漠の真ん中で車が故障。通りかかった大型トラック。妻の行方を追って決死の追跡
劇を演じるのは『エスケープ・フロム・L.A.』のカート・ラッセル。
監督:ジョナサン・モストー 出演:J・T・ウォルシュ、キャスリーン・クインラン
                           [Written by 唯よーじゅ]

-------------------------[◆◆◆BS&CS今週の3本◆◆◆]----------------------
   今回は、待ちに待ったアクション大作『リーサル・ウェポン4』の公開を
   勝手に記念し、怒涛の連続アクションものを。いずれも「傑作」として
   語りたい逸品。                (セレクター:古山 慶)
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 8/ 8(土)『太陽を盗んだ男』 シネマジャパネスク(15:30~)
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アクション、ユーモア、恐怖、風刺が詰め込まれた娯楽邦画。プルトニウムが強奪さ
れ、犯人は、ナントそれで原子爆弾を作り、一風変わった脅迫をしだす。犯人(沢田
研二)と刑事(菅原文太)の壮絶な死闘は、まさに必見!
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 8/10(月)『ローリング・サンダー』 SKY MOVIES(17:00~)
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本編はベトナム後遺症ものとしても傑作といえる。8年間、北ベトナムで捕虜生活を
していた主人公の妻子が、ある日ならず者に殺され、彼は復讐の銃を手にする。無骨
なアクションには定評があるジョン・フリン監督作。
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 8/10(月)『影なき男』 WOWOW(深夜3:00~)
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凶悪犯が、観光客にまぎれて山中に逃げ込んだ。犯人が逃げ込んだツアーグループの
ガイドが自分の恋人であることを知った主人公は、FBI捜査官と共に犯人を追う。立
場の違う2人が自然の猛威と戦いながら犯人を追跡していく過程は見事。

                             [◆◆◆REVIEW◆◆◆]
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『スウィート・ヒアアフター』 来るべき映画の志を予見させる果敢な作品
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 この映画がめざすバーはずぬけて高い。何かが起こったときにしか見えない地平の
それより高次の視野に到達点が設定されているからだ。映画の主題と手法は、この高
さをめざす志に満ちている。おそらく映画の品質を保証するのもこの一点であろう。
ある悲劇的事件から「穏やかなその後(スウィート ヒアアフター)」へ還元すると
いうモチーフは、シリアスドラマを超えて、地上の営みと次元の違うところに照準が
あり、それがこの映画のたたづまいを決定している。
 物語は、スクールバスの事故で子供を失った町の親たちを、1人の弁護士が集団訴
訟に持ち込もうと説得し、町の共同体が揺らぎはじめる中、事故でただ一人生き残っ
た少女が訴訟を解消することで、共同社会を維持させ「穏やかなその後」を導くとい
うもの。ここに『ハーメルンの笛吹き男』の寓話を照らし合わせることで、この悲劇
的社会の寓話性の中に人間の治癒能力を見いだそうという足掛かりを設け、クリアす
べきバーの高みを得た。そして、なによりもこの映画に私たちが戸惑いと驚きを隠せ
ないのは、寓話という修辞法が日常の現実を出し抜いていこうする様を、作り手が確
信しているからなのだ(こんな荒技を見せることができるのは世界中で2人しかいな
い。そのうち1人はもう映画を撮らないらしい)。
 アトム・エゴヤンが「"なぜわれわれは子供を失うのか?"というのが小説と映画
の中心テーマだ。これに対して私は"われわれが彼らを放棄したからだ"と答える」
と語るように、この物語のバックボーンに、とりかえしのつかぬ親や身勝手な親の姿、
子供という弱者の存在を、ごくさりげなく示唆していて巧妙である。語り口も彼独特
の時と場所を断片的に組み合わせるという煩わしい手法ながら、そこに閉塞(室内、
機内の緊迫した空気)と開放(雪山、スクールバスの空撮)を交互に配置して映画の
呼吸を整え、バランスのよいプロポーションに抑えたのも、むやみに感情を煽りたて
ない静かな寓話の語らいにふさわしかった。ただし、前作『エキゾチカ』で絶妙に見
せた人工的な光と色の調合が、ここではオーソドックスな横からの光量となって明暗
を確定し(おそらくは、弁護士役のイアン・ホルム、生き残った少女役のサラ・ポー
リーの微妙な表情を掬いあげるためであったのだろうが)、ともすれば安っぽい陳腐
な印象を与えかねず、作品のもっさりした質感を損ねる嫌いがあった。が、むしろ頻
繁に現れる毛糸のセーターの色合をひっそりと見せるのには、かえってよかったとい
えるかもしれない。
                            [Written by 竹本穣]

                 [◆◆◆THE DAY OF BIRTH(8/8~8/14)◆◆◆]
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 8/ 8 ビクター・ヤング(1900)、ディノ・デ・ラウレンティス(1919)、
    ダスティン・ホフマン(1937)、前田美波里(1948)、池畑慎之介(1952)

 8/ 9 トーベ・ヤンソン(1914)、ロバート・アルドリッチ(1918)、
    石橋蓮司(1941)、佐藤蛾次郎(1944)、メラニー・グリフィス(1957)、
    ホイットニー・ヒューストン(1963)、ジリアン・アンダーソン(1968)

 8/10 ロザンナ・アークウェット(1959)、アントニオ・バンデラス(1960)

 8/11 中尾彬(1942)、スチュアート・ゴードン(1947)、喜多嶋舞(1972)

 8/12 ジョン・デレク(1926)、ジョージ・ハミルトン(1939)、
    マーク・ノップラー(1949)、パット・メセニー(1954)、
    陣内孝則(1958)、デビット伊東(1966)、東幹久(1969)、
    吉岡秀隆(1970)

 8/13 アルフレッド・ヒッチコック(1899)、樫山文枝(1941)、篠原涼子(1973)

 8/14 杉良太郎(1944)、スティーブ・マーティン(1945)、
    ヴィム・ヴェンダース(1945)、ダニエル・スティール(1947)、
    マジック・ジョンソン(1959)、エマニュエル・ベアール(1965)、
    鈴木保奈美(1966)、ロマーヌ・ボーランジェ(1973)

▼星座別オススメ映画はwebへのリンクに移行しました。
 http://www.cup.com/yoge/tarot/astro/
占い協力:TAROT-ASTROLOGY OF THE WEEK

▼MOVIE WatchのHP
 http://www.watch.impress.co.jp/movie/

----------------------------◆◆◆ 後記 ◆◆◆----------------------------
■『河』の映像のきびしさ、スキのなさは、なぜか『東宮西宮』にも通じるものを感
じる。妥協しない構図。ウトウトしても大丈夫。大事なところは長回しだから。<唯>

■「おトボケ哀しずむ」の傑作、アキ・カウリスマキ監督の『浮き雲』(渋谷ユーロ
スペースにてレイト公開(8/14まで))。まだの人には絶対、おすすめ!   <菊>

■劇場版の『踊る大捜査線』に、キョンキョンが猟奇殺人鬼役で出演だってね。キョ
ンキョン好きとしては、気になる話題だ。どんな感じになるのか、楽しみ~。 <巴>

■梅雨明け後も続く気まぐれな雨に、フットワークも鈍りがち?『リーサル・ウェポ
ン4』冒頭の土砂降りが、爽快に感じられたあのペースを思い出す。      <冴>

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