◆MOVIE Watch (毎週金曜日発行:無料)─────────1998-7-31

☆今週のHEADLINE☆─────────────────────────────

●MOVIE Watchリアル・ランキング
 MOVIE Watchがオススメする今週の5本(平均値/ライター別評点)

●オススメ封切り情報
 『リーサル・ウェポン4』 ファンは大喜び! これはシリーズ最高傑作!
 『オースティン・パワーズ』 '60年代の大物スパイが現代によみがえって大活躍!
  『恋するシャンソン』 ズラリそろった36曲。これが噂のシャンソン・コメディ
  だ!
 ○公開作 CHECK 5本!
 『ヴィゴ』『ノーウェア』 ほか

●MOVIE PADDOCK 出走を待ちわびる新作情報(期待値%つき!)
 『マルセイユの恋』 フランスで300万人を超える動員数を記録したヒット作
 『友情の翼』 第二次大戦下のアイルランド捕虜収容所で生まれた不思議な友情
  ほか

●REVIEW/映画4人衆
 『チェイシング・エイミー』 恋愛は「闘い」だ!

●TOPICS
 銀座並木座、9月閉館 ほか

●興行成績ベストテン

●オススメVIDEO
 『トゥモロー・ネバー・ダイ』 老若男女が興奮した久々の大成功
 ○CHECK 7本!

●BS&CS今週の3本

●COLUMN
 【映画は音楽だ(7)】
 この夏休み、サントラだったら『GODZILLA』だけじゃない!

●THE DAY OF BIRTH

●後記

                [◆◆◆MOVIE Watchリアル・ランキング◆◆◆]
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    現時点での劇場公開作からピック・アップした、MOVIE Watch独自の
         採点による上位5作品。今観るならこれだ!
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  今回初登場の『スウィート・ヒアアフター』が『L.A.コンフィデンシャル』
  と並んで2位にランクイン。完成度でいえば共にピカいち。小品ながら、
  『チェイシング・エイミー』も5位にすべりこんで。

             平均値/ライター別評点(5点満点)

                  唯  巴  古  冴
 1.タイタニック       5.00  5.0  5.0  5.0  5.0
 2.L.A.コンフィデンシャル  4.63  4.5  5.0  4.5  4.5
 2.スウィート・ヒアアフター 4.63 5.0 4.5 5.0 4.0
 4.不夜城          3.50  3.5  3.5  3.5  3.5
 5.チェイシング・エイミー  3.25 4.0 4.0 2.0 3.0

                    [◆◆◆オススメ封切り情報◆◆◆]
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『リーサル・ウェポン4』 ファンは大喜び! これはシリーズ最高傑作!
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8月1日より全国松竹東急洋画系にて公開 '98年/アメリカ/2時間7分 ◇監督:リ
チャード・ドナー ◇製作:ジョエル・シルバー ◇出演:メル・ギブソン、ダ
ニー・グローバー、レネ・ルッソ、ジョー・ペシ ◇配給:ワーナー

 スターの出演料が高騰しているハリウッドでは、ヒット作の続編で前作と同じ顔ぶ
れを揃えるのが一番難しい。『リーサル・ウェポン』シリーズは、主演から脇役に至
るまで、今ではそれぞれ一本立ちしたスターばかり。それでもきちんと同じ顔ぶれを
集めてくるのが、まずは偉い! スケールの大きなアクションと、絶妙のユーモアに
も磨きがかかり、ますます快調の最新作。最初から最後までニヤニヤが止まらない!

 □OFFICIAL SITE
  http://www.lw4.com/
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『オースティン・パワーズ』 '60年代の大物スパイが現代によみがえって大活躍!
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8月1日より公開 '97年/アメリカ/1時間35分 ◇監督:ジェイ・ローチ ◇脚本・
出演:マイク・マイヤーズ ◇出演:エリザベス・ハーレー、マイケル・ヨーク、ミ
ミ・ロジャース、ロバート・ワグナー、バート・バカラック ◇配給:松竹富士
 ―シネセゾン渋谷 11:55/13:45/15:35/17:25/19:15(~20:55)

 冷凍冬眠技術で未来に逃亡した悪の総裁ドクター・イーブルを追って、'60年代の
英国諜報部員オースティン・パワーズが現代によみがえった! 30年間のカルチャー
ギャップをものともせず、ポップでファンキーでゴージャスな追跡劇が始まるのだ。
今年ブームのスパイコメディ映画の決定版。アメリカでは大ヒットで続編公開も決定
済み。続編が輸入されるかは日本でのヒットしだい! さあみんなも劇場に行こう!

 □OFFICIAL SITE
  http://www.shag.net/menu.html
 □松竹のページ
  http://www.shochiku.co.jp/shochikufuji/austinpowers/
 □MOVIE Watch
 http://www.watch.impress.co.jp/
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『恋するシャンソン』 ズラリそろった36曲。これが噂のシャンソン・コメディだ!
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8月1日より公開 '97年/フランス、スイス、イギリス/2時間 ◇監督:アラン・レ
ネ ◇脚本・出演:アニエス・ジャウイ、ジャン=ピエール・バクリ  ◇出演:サ
ビーヌ・アゼマ、アンドレ・デュソリエ ◇配給:コムストック
 ―ル・シネマ 11:30/14:00/16:30/19:00(~21:10)

 登場人物たちが心情を歌に託す……。といっても、これはミュージカルにあらず。
フランス歌謡史に残る古今の名曲を、登場人物が口パクで歌うのだ。戦前の懐メロか
ら、最新のポップスまで、縦横無尽に引用するセンスに爆笑。登場人物の年齢性別に
関係なく歌がはめ込まれるので、オープニングではいきなりナチスの将校がジョセフ
ィン・ベイカー('20年代パリで大人気の黒人女性歌手)を歌い出す。これは笑った。

 □OFFICIAL SITE
  http://www.rim.or.jp/~comstock/ON_CONNAIT_LA_CHANSON.htm
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○公開作 CHECK 5本!
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★=注目作 ★★=見て損はしない ★★★=これは必見! (未)=未見

■『激しい季節』 8月1日よりシャンゼリゼ他にて公開 ★
田辺誠一と高橋理奈の運命的な恋が、周囲の善男善女を全員不幸にしていく……。
 □OFFICIAL SITE
  http://www.kss-inc.co.jp/movie/hage/index.html

■『ヴィゴ』 8月1日よりシネ・アミューズにて公開 ★★
フランス映画史に残る名作『アタラント号』の作者、ジャン・ヴィゴ監督の伝記映画。
 □アミューズビデオのOFFICIAL SITE
  http://www.amuse.co.jp/video/gekijyou/vigo.html

■『ノーウェア』 8月3日より俳優座トーキーナイトにて公開 ★★★
アメリカ・インディーズ映画界の奇才グレッグ・アラキの最新作。風俗描写が秀逸。
 □OFFICIAL SITE
  http://www.flf.com/nowhere/index.html
 
■『ピンク・フラミンゴ〈特別篇〉』
8月1日よりシネ・ヴィヴァン・六本木にて公開 ★
伝説のカルトムービーに未公開シーンと監督自身の解説を付け加えた特別篇の上映。
 □OFFICIAL SITE
  http://www.flf.com/pink/index.html

■『ルイズその旅立ち』 8月1日より岩波ホールにて公開 ★★
関東大震災直後に虐殺された大杉栄と伊藤野枝の遺児、ルイズのドキュメンタリー。
                           [Written by 服部弘一郎]

                        [◆◆◆MOVIE PADDOCK◆◆◆]
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     出走を待ちわびる新作情報を、期待値%つきでお届けします
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■『マルセイユの恋』 10月上旬/銀座シネ・ラ・セット(期待値80%)
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若い頃を過ぎ、人生に傷ついたマリウスとジャネット。男であり女であること、母で
あり父であることと共に、それぞれが1人の人間であることをささやかな日常の中で
みつめていく。フランスで300万人を超える動員数を記録したヒット作。監督はロベー
ル・ゲディギャン、主演は、本作でセザール賞主演女優賞を受賞したアリアンヌ・ア
スカリッド。
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■『友情の翼』 10月10日/新宿シネマ・カリテ(70%)
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第二次世界大戦下で、かたくなに中立の立場を貫こうとしたアイルランドの捕虜収容
所。敵味方の区別なく、ひとつのキャンプに収容されたカナダ人パイロットのマイル
ス(ビル・キャンベル)とドイツ人パイロットのルドルフ(アンガス・マクファーデ
ン)。情熱的なアイルランド娘マティー(ジーン・バトラー)をめぐって恋敵となる
彼らの間に、次第に不思議な友情が芽生えていく…。テレンス・ライアン監督作品。
 □友情の翼紹介ページ
 http://www.me-her.co.jp/cinema/yuujou.html
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■『狂わせたいの』 10月上旬/渋谷ユーロスペース(レイトショー)(65%)
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「昭和」を彷彿とさせる夜の街を舞台に、'60~'70年代の歌謡曲にのせて贈るミュー
ジカル仕立てのブラック・コメディ。出演は、世界的に高い評価を得ているアーティ
スト・グループ「ダムタイプ」をはじめとする個性的な面々。監督は、多様な活動で
常に話題を提供してきた京都在住の映像作家・石橋義正。
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■『ランナウェイ』 '98年秋以降/全国東宝洋画系にてロードショー(75%)
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ロサンゼルスを全土に渡って繰り広げられる、ノンストップ・ジェットコースター・
アクション。息継ぐ間もないカーチェイスや激しい銃撃戦を、『フィフス・エレメン
ト』のクリス・タッカーがお得意のマシンガン・トークでかわしていく。監督は、
ビッグ・アーティストのビデオクリップを多数手がけ、メディアで引っ張りだこの新
鋭、ブレット・ラトナー。

                       [◆◆◆REVIEW/映画4人衆◆◆◆]
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『チェイシング・エイミー』 恋愛は「闘い」だ!
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 ホールデン(ベン・アフレック)は幼なじみのバンキー(ジェイソン・リー)と組
んでコミックを共作する売れっ子漫画家。真面目で優しくて、ちょっとカタブツ。彼
が恋に落ちた同業者のアリッサ(ジョーイ・ローレン・アダムズ)はなんとレズビア
ン。その上、女の子に目覚めるまでの男性経験は数知れず、といった自称「実験的
な」女の子。
 好きだけど許せない、好きだから許せない。「遊ばれたんだぞ!」と責めるホール
デンに「遊んでやったのよ!」と涙で言い返すひしゃげたアリッサの声が耳に残る。
何かを探し続ける、その過程での間違いを後悔したくない。だけど失ったモノの大き
さも、ちゃんとわかっている。そんなアリッサの潔い強さが、せつなくて愛しい。
 「援助交際」なんて言葉が生まれて久しいけれど、「お金のために」「淋しさを埋
めるために」てっとり早く身体や気持ちを許してしまう女の子たちの話題を耳にする
たびにやるせない思いを味わってきた。多かれ少なかれ誰かと身体を重ね合わせるこ
とって、男の子にとっても女の子にとっても「闘い」であって欲しい。自分を探す闘
い、相手を探す闘い、何かを得るための闘い。間違えてもいいから。
 ホールデンもアリッサも、それぞれやることがトンチンカンだったりハチャメチャ
だったりするのだけれど、自分の小ささや伝わらない思いを相手に目一杯闘っている。
 そんな2人に笑って泣いて、自分の「エイミー」に思いを寄せて、ガンバロ、なん
て思わせてくれる。闘いを忘れちゃってる人にも、闘いの真っ最中の人にも、これか
ら闘いに挑む人にも見て欲しい。『チェイシング・エイミー』、小さいけれどパワー
をくれる作品だ。
                                            (満点は★5つ/半は★半分)

■哀し楽し。恋に性に中途半端なこだわりが、良くも悪くも魅力的だった20代前半。
思い出しながら、後悔と反省と懐かしさと笑いがこみ上げる(涙)。★★★★☆<唯>

■この馬鹿げた話はコメディーではない。会話、役者、映像、すべてに不安定感が残
る。馬鹿馬鹿しさはとことんつめなきゃ説得力がないんだよ。   ★★☆☆☆<古>

■ありそうでいて、友人間で交わすような「普通」のおしゃべりを映画の中で目撃す
ることって、実はそうそうない。この普通さが新鮮で嬉しい。   ★★★★☆<巴>

■やってみなけりゃわからないことに、果敢に挑戦するキャラクターは光る。要は、
実際にやるべきか否かを決めるその人の力と出発点。それ次第。  ★★★☆☆<冴>
 □OFFICIAL SITE
  http://www.iijnet.or.jp/ASMIK/M/Ace/1998/Chasing/index.html

                            [◆◆◆TOPICS◆◆◆]
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★銀座並木座、9月閉館
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昭和28年のオープン以来、銀座・並木通りの名物として親しまれてきた映画館「銀座
並木座」が、9月一杯で閉館することになった。小津安二郎・黒澤明監督作品の企画
上映などで、映画ファンに親しまれる名画座の草分けとして一翼を担ってきた同館だ
が、名作の数的な限界やビルの貸し主の意向などを受け、9月22日(火)の閉館を決
定したもよう。8月5日から「名匠・成瀬巳喜男の世界」と題し、『放浪記』('62)、
『杏っ子』('58)、『山の音』('54)、『浮雲』('55)など成瀬監督の代表作14
本を上映し、その歴史の幕を閉じる。
 □Namikiza Home Page
  http://www.inter-g7.or.jp/g7/wabisabi/namiki/home.html
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★『ねじ式』、東京・大阪で好調
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18日(土)からBOX東中野、渋谷ユーロスペース、大阪扇町ミュージアムスクエアで
公開された『ねじ式』(監督/石井輝男)が、封切り3日間のBOX東中野の成績で220
万円を突破するなど好調な伸びをみせている。なお、順次、以下の劇場公開が予定さ
れている。

 8月21日~ 名古屋シネマテーク、広島ステーションシネマ
 9月12日~ 神戸アートビレッジセンター
 9月26日~ 松山シネマルナティック
10月 3日~ 京都みなみ会館
10月14日~ 松本中劇シネサロン
10月30日~ 静岡サールナートホール

 □Neji-shiki the movie
 http://ikami.telnet.or.jp/nejishiki/index.shtml
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★「第5回ゆうばりシネマ・ワークショップ サマーキャンプ」開催
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8月7日から4日間、北海道夕張市で開催される「第5回ゆうばりシネマ・ワークショッ
プ サマーキャンプ」の実施概要は以下のとおり。

会期:平成10年8月7日(金)~10日(月)
会場:北海道夕張市 ファミリースクールふれあい、夕張市民会館ほか
講師:石井輝男(映画監督)、長谷川和彦(映画監督)、
   増田久雄(プロデューサー)、広木隆一(映画監督)、篠原哲雄(映画監督)
内容:(1)監督・プロデューサーによる講義
   (2)受講者製作映像のスクリーニング&ディスカッション
   (3)その他、特別企画
受講料:53,000円(宿泊費と滞在中の食費・交流会会費込み、交通費別途)
募集人員:50名程度

詳細は、ゆうばり国際映画祭東京事務局(03-3219-3231)へ。
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★「甲府武蔵野シネマ5」、9月オープン
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武蔵野興業(株)は、甲府市の市街地開発事業ビル内(2階)に、新たに5つの映画
館を設置、9月12日(土)のオープンを予定している。新設されるのは「甲府武蔵野
シネマ5」。座席数は、5スクリーン合計715席。1階から2階への専用エスカレーター
と身体障害者用エレベーターが設けられるほか、飲食等ロビー施設はフリースペース
として一般に開放される。
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★ムービーチャンネルに新チャンネル
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(株)ムービーチャンネルは、現在の2チャンネル(「パワームービー PLUS1」「パ
ワームービー PLUS2」)に加えて、新チャンネル「パワームービー PLUS3」の委託
放送業務の申請を行っていたが、このほど郵政省より認定を受け、年内に放送を開始
することになった。これにより同社の運営チャンネルは、プレミアムペイチャンネル
(月額払いの洋画チャンネル)1、ペイ・パー・ビューチャンネル3の合計4チャンネ
ルとなり、編成面では、従来どおりPLUS1は洋画主体、PLUS2は邦画主体、新チャンネ
ルPLUS3は邦・洋の混映で、そのときどきの話題作を中心にVシネ、アニメも含めた臨
機応変な番組編成を企画している。

                     [◆◆◆興行成績ベストテン◆◆◆]
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 1位、2位は先週と変わらず。上位作品から、初登場の『それいけ! アンパン
 マン~』と『ホーム・アローン3』に、少しずつ人が流れた感じ。ファン待望
 の『リーサル・ウェポン4』が公開される今週末の動きに注目。
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  【配収】
 1 →( 1)ディープ・インパクト            ( 6週)
 2 →( 2)GODZILLA/ゴジラ              ( 3週)
 3 ↑( 4)L.A.コンフィデンシャル           ( 2週)
 4 ↓( 3)ポケットモンスター・ミュウツーの逆襲    ( 2週)
 5 初(─)それいけ! アンパンマン 手のひらを太陽に  ( 1週)
 6 ↑( 5)不夜城                   ( 5週)
 7 ↓( 6)ジャッカル                 ( 6週)
 8 ↑(12)アンドロメディア              ( 3週)
 9 →( 9)レインメーカー               ( 5週)
 10 初(─)ホーム・アローン3              ( 1週)

 興行通信社調べ1998/7/25~1998/7/26(銀座・新宿・渋谷3地区代表館集計)

-----------------------◆◆◆ オススメVIDEO ◆◆◆------------------------
    007の最新作、映画館では最後のスタッフロールまできちんと見て
    出てきた中学1年生くらいの集団が「やー、おもしれー」とか話し
    てるのを聞いて、なんだか妙にうれしかったりして。
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『トゥモロー・ネバー・ダイ』 老若男女が興奮した久々の大成功
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【データ】'97年/米/1時間59分(8/7発売:ワーナー・ホーム・ビデオ)
監督:ロジャー・スポティスウッド
出演:ピアース・ブロスナン、ミシェル・ヨー、ジョナサン・プライス

 007シリーズもこれで18作目。でも、ここ最近の007ってあまり記憶になくて、テレ
ビの洋画劇場で見たのがそういえばあれは何作目? というパッとしなかった人気に
カツを入れるべく気合い十分で完成した本作。メディア王の陰謀と闘う今回のボンド
(ブロスナン)は香港のスター女優ミシェル・ヨーとふたりがかりでアクションの連
続。完成された展開(そりゃいい加減完成されるわ)、シンプルなスピード感、そし
てスパイアイテムを始めとする凝りまくった演出のおかげで、緊張感とワクワク感と
ニヤニヤが持続する面白さ。「ショーン・コネリー以外007と認めない」とか言い張っ
てた古ーいファンも久々に満足。
 □淀川長治の銀幕旅行:トゥモロー・ネバー・ダイ
 http://netsv.sankei.co.jp/mov/yodogawa/98/980217ydg.html
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○CHECK 7本!
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■『D坂の殺人事件』1時間30分/日本(8/7発売:東映ビデオ)
江戸川乱歩ミステリー。伝説の責め絵のフェイクを依頼された絵師に真田広之。
監督:実相寺昭雄 出演:嶋田久作、吉行由美、三輪ひとみ、大家由祐子、岸辺一徳

■『スティール』1時間37分/米(8/7発売:ワーナー・ホーム・ビデオ)
NBAのシャキール・オニールが総指揮・主演。ハイテク武器をめぐるSF活劇。
監督:ケネス・ジョンソン 出演:アナベス・ギッシュ、ジャド・ネルスン

■『銀河鉄道999 エターナル・ファンタジー』55分/日本(8/7発売:東映ビデオ)
久々の劇場アニメ化。再び荒れた地球をあとにする鉄郎とメーテルの新ストーリー。
監督:宇田鋼之介 主題歌:THE ALFEE 声:野沢雅子、池田昌子、戸田恵子
 □ビッグコミックスの999ニュースページ
 http://www.bigcomics.shogakukan.co.jp/keiji/999news/999news.html
 
■『ジャッジメント・デイ2』1時間32分/米(8/5発売:IMPACT)
いん石の地球衝突を予測した科学者が、テロ集団とともに核ミサイル基地を占拠!
監督:ブライアン・トレンチャード・スミス 出演:コニー・セレッカ

■『ウイルス』1時間35分/独(8/7発売:アドバピクチャーズ)
帰国した旅行者の謎の死。空気感染する細菌の恐怖を描くサスペンス。
監督:ルッツ・コーネルマン 出演:レスリー・マルトン、ピーター・サットマン

■『ブラックロック』1時間30分/豪(8/7発売:イメージファクトリー・アイエム)
実在の事件に基づいた、海辺の町でのレイプ殺人事件をめぐるサスペンス。
監督:スティーヴ・ヴィドラー 出演:ローレンス・ブルース

■『モータル・コンバット2』1時間35分/米(8/7発売:東宝)
ゲームソフトの格闘戦士たちが活躍するSFXアクションの第2弾。
監督:ジョン・R・レオネッティ 出演:ロビン・ショウ、タリサ・ソト
                           [Written by 唯よーじゅ]

                         [◆◆◆BS&CS今週の3本◆◆◆]
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 8/1(土)『カイロの紫のバラ』 スカイ名画座(深夜0:20~)
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'30年代のとある映画館。何度も同じ映画を観にきていた女性の前に、突然、映画の
ヒーローがスクリーンから彼女に語りかけ、客席へ出てきてしまう。そして2人は恋
に落ちて…。ウディ・アレン監督が、映画に恋する者たちへ捧げた上質のラブ・コメ
ディ。
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 8/5(水)『メル・ブルックスの大脱走』 NHK衛星第2(20:00~)
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コメディ王、メル・ブルックス主演作。『生きるべきか死ぬべきか』('42年)の再
映画化。ナチス政権下のドイツで、ユダヤ人狩りから逃れるべく国外脱出を図る舞台
俳優たちが、ナチス将校やヒトラーに変装する場面は圧巻。文句なく笑えます。
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 8/7(金)『ジングル・オール・ザ・ウェイ』 WOWOW(18:00~)
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仕事第一の父親が、息子の信頼を回復するために悪戦苦闘。クリスマス・プレゼント
のターボマン人形を、さまざまなハプニングをものともせずに探し求める父親の姿を
描いたハートフル・コメディ。主演がアーノルド・シュワルツェネッガーである、そ
の意味するところ、ラストを観れば思わず納得。

                             [◆◆◆COLUMN◆◆◆]
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【映画は音楽だ(7)】
この夏休み、サントラだったら『GODZILLA』だけじゃない!
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◆『love jones the music/オリジナル・サウンドトラック』
(ソニーレコーズ/SRCS-8278/税抜価格\2,233)

 ブラック・ムービーというと「ラップとギャングだろ」、スパイク・リーは「黒人
としての主張が鼻につく」という輩は多いかもしれない。しかし、ここ最近偏ったイ
メージのブラック・ムービーとは違った、いわゆる「フツー」のドラマ仕立ての映画
も増えてきた。『ソウル・フード』がそうだし、この『ラブ・ジョーンズ』もそう。
ただし、この映画、米国では'96年公開でサントラ盤もかなり前にリリース、楽曲の
ほうもすでに何曲かヒットを記録している。R&Bファンならずとも、たとえばここに
収録されているディオンヌ・ファリスの「hopeless」など、聞けばこの曲だとわかる
はず。なお、全編に渡って曲調はラブ・バラード。R&Bだけでなく、ジャズ系の曲も
含まれていて、ヒップホップ系のサントラが苦手でもじっくり聞き込めるはず。ポエ
トリー・リーディング(あちらでは流行っているらしい)をテーマにしているので、
最初と最後にポエムも収録。そういえば、数年前ジャネット・ジャクソンが主演した
『ポエティック・ジャスティス』でも彼女は詩を書いていたっけ……。と、ここまで
書いてこの映画、東京独占ロードショーということに気がつく。でもサントラだけで
もホント、いけます。

◆『普通じゃない/オリジナル・サウンドトラック』
(ポリドール/POCM-1231/税抜価格\2,427)

 映画界においてもサントラにおいても『トレインスポッティング』効果はすさまじ
かった。その後、日本においても一時期沈滞していた英国映画は数多く公開されたし、
ブリットポップを使用したサントラも数多くリリースされた。ここ2、3カ月だけでも
『シューティング・フィッシュ』や『ツイン・タウン』など英国の若者群像といった
感じの映画が公開されている。そこで、真打ちダニー・ボイル監督の新作『普通じゃ
ない』。この作品はハリウッド進出第一弾ともなっている。そのためか、サントラに
関してもブリットポップ一辺倒ではなく、ベックやボビー・ダーリン、エルビス・プ
レスリー(!)など米国勢のサウンドも収録されている。もちろん例のアンダーワー
ルドやUKナンバー1のプロディジーなどツボを押さえた人選は、ブリットポップ・ファ
ンも満足する内容だ。
                           [Written by 大竹利実]

                 [◆◆◆THE DAY OF BIRTH(8/1~8/7)◆◆◆]
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 8/ 1 ヘルマン・メルヴィル(1819)、ナタリー・ドロン(1941)、
    田村正和(1943)、つのだ☆ひろ(1949)

 8/ 2 ピーター・オトゥール(1932)、ウェス・クレイヴン(1939)、
    鴻上尚史(1958)、エドワード・ファーロング(1977)

 8/ 3 藤田朋子(1965)、ジョン・ランディス(1950)

 8/ 4 ルイ・アームストロング(1901)、美保純(1961)、伊藤葉子(1971)、
    鈴木蘭々(1975)

 8/ 5 ギー・ド・モーパッサン(1850)、ジョン・ヒューストン(1906)、
    藤吉久美子(1961)

 8/ 6 ロバート・ミッチャム(1917)、堺正章(1946)、辰巳琢郎(1958)、
    奥菜恵(1979)

 8/ 7 アラン・コルノー(1943)、内田春菊(1959)、大和武士(1965)

▼星座別オススメ映画はwebへのリンクに移行しました。
 http://www.cup.com/yoge/tarot/astro/
占い協力:TAROT-ASTROLOGY OF THE WEEK

▼MOVIE WatchのHP
 http://www.watch.impress.co.jp/movie/

----------------------------◆◆◆ 後記 ◆◆◆----------------------------
■シャンソンを知ってるだけでは多分、フランス人ほど楽しめないのかな、『恋する
~』。歌謡曲は時代と生活を共有してなんぼだからなあ。面白かったけど。  <唯>

■オトナ可、18歳未満不可の『ねじ式』(浅野忠信主演、BOX東中野・ユーロスペー
スにて公開中)。夏の夜はとにかく、これに尽きる!            <菊>

■ビデオにて、やっとこさ『ロミーとミッシェルの場合』を鑑賞。一人で観ていたの
に大声を出して笑ってしまった。ミラ・ソルビーノってやっぱりカワイイ。  <巴>

■時折降り注ぐ雨の合間に、ものすごい勢いで飛ばされていく雲が確かな夏空をのぞ
かせて。風の音を聴きながら見上げる空はいい表情をしている。自分自身に喝!<冴>

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