◆MOVIE Watch (毎週金曜日発行:無料)─────────1998-7-17

☆今週のHEADLINE☆─────────────────────────────

●MOVIE Watchリアル・ランキング
 MOVIE Watchがオススメする今週の5本(平均値/ライター別評点)

●オススメ封切り情報
 『L.A.コンフィデンシャル』 '50年代のハリウッドを再現した肉厚の警察ドラマ
 『風の歌が聴きたい』 これは泣ける! とにかく泣ける! 本当に泣ける!
  『グランド・コントロール/乱気流』 空港管制官を描く舞台劇風の人間ドラマ
 ○公開作 CHECK 5本!
 『ねじ式』『アンラッキー・モンキー』ほか

●MOVIE PADDOCK 出走を待ちわびる新作情報(期待値%つき!)
 『GUMMO/ガンモ』 『キッズ』の脚本を手掛けたハーモニー・コリン初監督作品
 『犬、走る DOG RACE』 歌舞伎町で野良犬のようにたくましく生きる人間たち
 ほか

●映画4人衆
 『GODZILLA/ゴジラ』 SFX頼みではやはり物足りない? 『ID4』版ゴジラ

●TOPICS
 「新宿ジョイシネマ2」開館 ほか

●興行成績ベストテン

●オススメVIDEO
 『ノーマ・ジーンとマリリン』 ふたりの美女が演じる数奇なる成功と傷心
 『メン・イン・ブラック』 大画面でないと細かいギャグが見えないかも!
 ○CHECK 5本!

●BS&CS今週の3本

●COLUMN
 【世界の終わりとハードとソフト・ワンダーランド(9)】
 「ドラマは脚本家で選ばなきゃ」の巻

●THE DAY OF BIRTH

●後記

                [◆◆◆MOVIE Watchリアル・ランキング◆◆◆]
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    現時点での劇場公開作からピック・アップした、MOVIE Watch独自の
         採点による上位5作品。今観るならこれだ!
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  公開劇場数が並ではないとはいうものの、初日の観客動員数に国内の
  期待度が反映された『GODZILLA/ゴジラ』。やや評価が割れてランク
  インはならなかったが、公開と同時にノベライズ本や写真集も発売さ
  れ、通常の作品とはまた違った楽しみ方ができることは間違いない。

             平均値/ライター別評点(5点満点)

                 唯  巴  古  冴
 1.タイタニック      5.00    5    5    5    5
 2.初恋          4.00    4    4    4    4
 3.追跡者         3.63  3.5    4    4    3
 4.不夜城                  3.50  3.5  3.5  3.5  3.5
 5.レインメーカー          3.00  3.5    4  2.5    2
 5.真夜中のサバナ          3.00 2.5  2.5    4    3


                    [◆◆◆オススメ封切り情報◆◆◆]
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『L.A.コンフィデンシャル』 '50年代のハリウッドを再現した肉厚の警察ドラマ
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7月18日より全国東宝洋画系にて公開 '97年/アメリカ/2時間18分 ◇監督:カー
ティス・ハンソン ◇原作:ジェームズ・エルロイ ◇出演:ケビン・スペイシー、
ラッセル・クロウ、ガイ・ピアース、キム・ベイシンガー ◇配給:日本ヘラルド

 今年のアカデミー賞で9部門にノミネートされた話題作。受賞は助演女優賞のみだ
ったが、最後の最後まで『タイタニック』の対抗馬とされていたことは記憶に新しい。
1950年代のハリウッド。深夜の軽食堂で起きた強盗殺人事件を発端に、ロサンゼルス
の闇に巣食う人間たちが次々と浮かび上がっては消えていく……。物語の中心になる
刑事たちのキャラクター描写が秀逸。'50年代を見事に再現した衣装や美術もすごい。

 □OFFICIAL SITE
  http://www.toho-group.co.jp/cinema/la/welcome-j.html
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『風の歌が聴きたい』 これは泣ける! とにかく泣ける! 本当に泣ける!
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7月18日より公開 '98年/日本/2時間41分 ◇監督・脚本:大林宣彦 ◇脚本:中
岡京平、内藤忠司 ◇撮影:阪本典隆、今関よしあき ◇出演:雨宮良、中江有里、
石橋蓮司、左時枝、勝野洋、入江若葉、岸部一徳、高橋かおり ◇配給:ザナドゥー
 ―テアトル新宿 9:10/12:10/15:10/18:10(~21:00)

 中学時代のペンフレンドとして始まった昌宏と奈美子の関係は、友情から恋愛に変
わり、やがてふたりは結婚する……。共に聴覚障害を持つ実在のカップルをモデルに、
恋と友情と家族の絆を描いた青春ドラマだ。映画演出の面では変化球投手の大林監督
が、ストレートの豪速球でも勝負できることを見せた力作。正直言ってクサイところ
もあるが、中盤以降は感動で涙がボロボロこぼれて止まらなくなってしまうのだ。

 □OFFICIAL SITE
  http://www.pscweb.com/ob/kazenews.html
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『グランド・コントロール/乱気流』 空港管制官を描く舞台劇風の人間ドラマ
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7月18日より公開 '98年/アメリカ/1時間37分 ◇監督:リチャード・ハワード 
◇出演:キーファー・サザーランド、ロバート・ショーン・レナード、ケリー・マク
ギリス、クリスティ・スワンソン、ブルース・マクギル ◇配給:GAGA、ゼアリズ
 ―銀座シネパトス 11:00/13:00/15:00/17:00/19:00(~20:45)

 年末年始の増便と近づく嵐で大混乱した空港を舞台に、普段は縁の下の力持ちであ
る管制官たちが繰り広げる人間ドラマ。時間と空間を限定した濃厚な芝居の構成は舞
台劇を思わせるが、これは映画のためのオリジナル脚本だとか。各登場人物の性格や
言動、次々起こる事件の数々、徐々に変化していく人間関係など、ここにはドラマ作
りのテクニックがぎっしりと詰まっている。地味だが、確かな感動を得られる作品だ。

 □OFFICIAL SITE
  http://www1.sphere.ne.jp/there-s/grand/index.htm
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○公開作 CHECK 5本!
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★=注目作 ★★=見て損はしない ★★★=これは必見! (未)=未見

■『ねじ式』 7月18日よりBOX東中野他にて公開 ★★★
マトモに考えれば映像化不可能なつげ義春の原作を、奇才・石井輝男が完全映画化!

■『アンラッキー・モンキー』 7月18日よりシネマミラノにて公開 ★★★
サブ監督の最高傑作。この監督はどんどん上手くなるぞ。吉野公佳の使い方が最高。

■『ウィッシュマスター』 7月18日より松竹セントラル2にて公開 ★★
特殊メイク出身監督の作ったホラー映画は、まるで永井豪の「デビルマン」だ!

■『マドモアゼル a GOGO』 7月18日よりシネ・ラ・セットにて公開 ★★
'72年製作のフレンチ・コメディ。ファッションや音楽のセンスがいかすぜ!

■『ビヨンド・サイレンス』 7月24日まで銀座テアトル西友にて公開中 ★★★
聾唖の両親を持つ少女の成長と恋を描く感動のドラマ。まだ観てないなら急いで!
                           [Written by 服部弘一郎]

                        [◆◆◆MOVIE PADDOCK◆◆◆]
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     出走を待ちわびる新作情報を、期待値%つきでお届けします
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■『GUMMO/ガンモ』  今秋/渋谷シネマライズ(期待値75%)
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アメリカ中西部の町ジーニア。そこで生活するティーン・エージャーたちの持て余し
た日常を、ドキュメンタリーともドラマともつかぬ新しい手法で描き出した。'95年
の話題作『キッズ』の脚本を手掛けたハーモニー・コリンの初監督作品。
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■『犬、走る DOG RACE』 9月/渋谷シネ・アミューズほか(65%)
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丸山昇一が脚本を手掛け松田優作が映画化を熱望した『ドッグ・レース』を原案とし
て、『月はどっちに出ている』の崔洋一と鄭義信のコンビが脚本を書き上げた。新宿
歌舞伎町で野良犬のようにたくましく生きる人間たちの姿を、町の深部にカメラを据
えて崔洋一監督が描き出した。出演は岸谷五朗、大杉漣、冨樫真ほか。
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■『ドレス』 今秋/俳優座トーキーナイト(70%)
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一見、何の変哲もないカラフルな柄のドレスが、人の手から手へと渡っていくなかで
人々の日常生活の一部始終を目撃し、観る者を心地よい「のぞき」の世界へと導いて
いく。監督は、本作でヴェネチア国際映画祭・国際批評家連盟賞を受賞したA.V.バー
メルダム。
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■『フリージア・極道の墓場』  9月上旬/新宿シネマカリテ(60%)
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伝説の殺し屋とその男に自分の人生を託そうとする男、悲惨な過去をもつ女、チンピ
ラと落ちぶれた刑事らの人間模様を描く。監督は、ヨコハマ映画祭新人監督賞を受賞
した渡辺武、出演は三浦友和、哀川翔、大杉漣ほか。

                          [◆◆◆映画4人衆◆◆◆]
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『GODZILLA/ゴジラ』 SFX頼みではやはり物足りない? 『ID4』版ゴジラ
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核実験の影響を受けて巨大化し、現代のニューヨークに上陸した「GODZILLA」。ミミ
ズの研究を専門にしていた生物学者ニック・タトプロス(マシュー・ブロデリック)
は、謎の生物「GODZILLA」対策プロジェクトに駆り出される。現場には、表向きは
「GODZILLA」による被害を調査にきた保険調査員を名乗る謎のフランス人、フィリッ
プ・ローシェ(ジャン・レノ)の姿もあった。米軍の監視下で、彼らは「GODZILLA」
の動きを阻止し、何とかその被害を食い止めようとするのだったが……。
                                            (満点は★5つ/半は★半分)

■B級の誇りを取り戻したエメリッヒ。人間部分もシンプル、主人公の存在感も十分。
問題はあの恐竜の容貌のみか。そりゃ比べるよ、「ゴジラ」だもん。★★★半☆<唯>

■ゴジラを『ID4』で料理するとハリウッド版GODZILLAの出来上がりと言ったところ
か。SFXは素晴らしいが肝心なストーリーが何とも乏しく残念。   ★☆☆☆☆<阿>

■やっぱりイマイチな新ゴジラの風貌。わざわざ海を越えて作ったのはなにゆえに?
という気もするけれど、予想通りの「恐竜」もので、それなり。  ★★★☆☆<巴>

■ジャン・レノとマシュー・ブロデリックの、アナログっぽい持ち味がいい。先に公
開された話題作を彷彿とさせる細部にこだわらなければ楽しめる。 ★★半☆☆<冴>

 □OFFICIAL SITE
  http://www.spe.sony.com/Pictures/SonyMovies/movies/Godzilla/

                            [◆◆◆TOPICS◆◆◆]
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★「新宿ジョイシネマ2」開館
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去る7月11日、新しい「新宿ジョイシネマ2」がヒューマックスパビリオン新宿アネッ
クスビル3階に新築オープンした。ビル正面1階にジョイシネマ1、2、3の共同チケッ
トブースが新設され、新館へはエスカレーターでつながれている。305席のスタジア
ム方式で、音響もSRD・DTSを装備、上映系統は丸の内ピカデリー2系。なお、アネッ
クスビル全館リニューアル工事は続行され、全館グランドオープンは11月の予定。
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★「リュック・ベッソンNIGHT!」開催
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8月15日から丸の内ピカデリー2系で公開される『TAXI』に先立ち、7月31日午後10時
30分から渋谷パンテオンで「リュック・ベッソンNIGHT!」が開催される。『TAXI』
のプレミア上映と、同監督作品『フィフス・エレメント』『サブウェイ』の特別上映
が予定されている(入場料金は前売り2,500円、当日3,000円)。
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★「ヌーヴェル・バーグはここから始まった」開催
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フランスの伝説的映画監督ジャン・ヴィゴの生涯と、彼を支えた女性とのラブ・ス
トーリーを描く『ヴィゴ』(監督/ジュリアン・テンプル、主演/ロマーヌ・ポー
ランジェ、8月1日より渋谷シネ・アミューズにて公開)の公開を記念して、7月24日
午後9時45分から、同劇場にて「スペシャル・オールナイト/ヌーヴェル・バーグは
ここから始まった」が開催される。当日は『ヴィゴ』およびジャン・ヴィゴ監督唯一
の長編『アタラント号』、ジャン・ヴィゴ賞受賞作のジャン=リュック・ゴダール監
督『勝手にしやがれ』(ニュープリント)、オリヴィエ・アサイヤス監督『パリ・セ
ヴェイユ』の上映と、アーティストの日比野克彦、大学教授萩原朔美両氏のトーク
ショーが予定されている。

                     [◆◆◆興行成績ベストテン◆◆◆]
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  初登場の『GODZILLA/ゴジラ』がダントツ1位。日本語吹替版も8位に
  入るなど、好調な滑り出しをみせている。同じく初登場の『アンドロ
  メディア』は5位。『ズッコケ三人組』『新生トイレの花子さん』も
  ジリジリとランクアップするなど、夏休み本番に突入する時期だけに
  いつもとは違った動きもみられる。
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  【配収】
 1 初(─)GODZILLA/ゴジラ              ( 1週)
 2 ↓( 1)ディープ・インパクト            ( 4週)
 3 →( 3)不夜城                   ( 3週)
 4 ↓( 2)ジャッカル                 ( 4週)
 5 初(─)アンドロメディア              ( 1週)
 6 ↑( 7)ズッコケ三人組/新生トイレの花子さん    ( 2週)
 7 ↓( 4)タイタニック                (30週)
 8 初(─)GODZILLA/ゴジラ<日本語吹替版>      ( 1週)
 9 ↓( 5)レインメーカー               ( 3週)
 10 ↓( 6)大いなる遺産                 ( 4週)

 興行通信社調べ1998/7/11~1998/7/12(銀座・新宿・渋谷3地区代表館集計)

-----------------------◆◆◆ オススメVIDEO ◆◆◆------------------------
    ポスターのメイクだけかと思ったら映像でもけっこう雰囲気出て
    いた、ミラ・ソルヴィーノのマリリン。ミラが目当てで見たとこ
    ろが、実はアシュレイ・ジャッドに目移りしてしまった。贅沢。
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『ノーマ・ジーンとマリリン』 ふたりの美女が演じる数奇なる成功と傷心
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【データ】
'96年/米/1時間53分(7/24発売:アミューズビデオ)
監督:ティム・フェイウェル 出演:ミラ・ソルヴィーノ、アシュレイ・ジャッド

 マリリン・モンローのサクセスストーリーと悲しき結末を、彼女の内面の葛藤をと
ことん掘り下げながら描いた作品。コンプレックスに満ちながらも若い魂が躍動する
改名デビュー前のノーマ・ジーンを、演技もボディも若々しいアシュレイ・ジャッド
が魅力的に演じる。一方、見違えるように垢抜け、男たちを虜にしながらも、薬に頼
り孤独の中でボロボロになっていくデビュー後のマリリンを、ミラ・ソルヴィーノが
独特の雰囲気で再現。強運と薄幸さ、パワーともろさ。両方を強烈に併せ持った女性
の半生を、ふたりがかりの個性的な演技で十二分に感じることができるだろう。
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『メン・イン・ブラック』 大画面でないと細かいギャグが見えないかも!
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【データ】
'97年/米/1時間37分(7/24発売:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント)
監督:バリー・ソネンフェルド 出演:ウィル・スミス、トミー・リー・ジョーンズ

 アメリカ。そこにはすでに無数のエイリアンが移民のように行き来しており、最高
機密の特別機関「M.I.B.」が入国管理局よろしくエイリアンたちを監視していた。た
またま、地球人に化けたエイリアンとも知らずに犯人を追いつめた刑事(ウィル)、
彼は「M.I.B.」にスカウトされるが、ちょうどそのころ宇宙を股にかけた騒動ととも
に、地球最大の危機が近づいていた……。主題歌のプロモーションビデオや予告編そ
のままのノリノリのテンポで主人公が大活躍していく中、宇宙人をめぐるパロディが
随所に散りばめられて笑いも十分。あまり小さな画面だとよく見えないかもしれない
が、ビデオならぜひ「監視モニター」のシーンをスローで見てみたい。
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○CHECK 5本!
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■『ピースメーカー』2時間4分/米(7/24発売:CICビクタービデオ)
奪われた核弾頭をめぐる、テロリストとの激しい攻防とアクションの連続。
監督:ミミ・レダー 出演:ジョージ・クルーニー、ニコール・キッドマン

■『スリング・ブレイド』2時間14分/米(7/24発売:アスミック)
25年ぶりに出所した知的障害者が、少年との出会いによって新たな事件へと向かう。
監督・脚本・主演:ビリー・ボブ・ソーントン

■『TOUCH』1時間37分/米(7/24発売:パイオニアLDC)
触れるだけで病気を治す力を持つ青年の恋を、『スクリーム』の美青年スキート・ウ
ーリッチが演じる。ほかにブリジット・フォンダ、ジーナ・ガーションら豪華共演。

■『恋人たちのポートレート』1時間54分/仏=英(7/18発売:日本コロムビア)
デザイナーと映画脚本家のカップルをとりまく男女の愛憎を豪華キャストで。
出演:ヘレナ・ボナム・カーター、ロマーヌ・ボーランジェ

■『アムステルダム・ウェイステッド!』1時間41分/蘭(7/24発売:アップリンク)
田舎からアムステルダムへ出てきたふたりの少年を通してドラッグ文化を描く。
監督・脚本:イアン・ケルコフ 出演:フェム・ファンデン・エルズン
                           [Written by 唯よーじゅ]

                         [◆◆◆BS&CS今週の3本◆◆◆]
                            セレクター:古山 慶
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 7/17(金)~23(木)『戦争のはらわた』 
 スカイ名画座(12:00~/14:20~/16:40~)
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戦争映画とは確執を描くものである、とは持論だが、それによれば本作は間違いなく
戦争映画の傑作だといえる。ロシア戦線を背景に、ドイツ小隊の人間味ある伍長と、
名誉欲ばかりの中隊長との確執をサム・ペキンパー監督が見事に映像化した。
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 7/18(土)『トイレの花子さん』 WOWOW(20:00~)
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夏ならではの恐怖もの。『新生トイレの花子さん』が公開中、ということで本作を。
ある日、トイレに幽霊の花子さんが住むとウワサされる小学校に1人の少女が転校し
てきたが、やがて次々と奇怪な事件が起こる。豊川悦司のハマリ役と堪能しよう。
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 7/20(月)『クイックシルバー』 スター・チャンネル(早朝5:00~)
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株式仲買人の青年が1日で全財産を失う。彼は再起をかけて競走用自転車にまたがっ
た。彼が始めたのはスピードに命を張る仕事、メッセンジャー・ボーイだった。ここ
数年、脇役で異様な魅力を発揮するケビン・ベーコン主演作。

                             [◆◆◆COLUMN◆◆◆]
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【世界の終わりとハードとソフト・ワンダーランド(9)】
「ドラマは脚本家で選ばなきゃ」の巻
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 ハードの話題が続いたンで、たまにはソフトの話をしますかネ。改編が一段落した
ところだし、今回は地上波究極のソフト「連続ドラマ」をお題に、お客さんのご機嫌
を伺いましょうかネ。
 にしてもさ、「連ドラ」枠増えたネ。ちょっと増えすぎ。これ「連ドラ」ブームっ
てよりは、バラエティが行き詰まってンだよネ。お笑い第3世代がコントをやらなく
なった今、ゴールデンで「スタジオ・コント」やってるのナイナイだけだしネ。
 若手もネプチューンとかバカリズムとか、すごく面白いのが出てきてるけど、この
世代ってダウンタウン松本さんの影響が大きくてハイプロウなとこ狙ってるからネ、
ゴールデンで1時間やるのはちょっと難しい。ここまで、「連ドラ」枠が拡大してる
のは、実は「笑い」の方向性を変えた松本人志の影響もあるンだよネ。
 ところで、お客さんは「連ドラ」って何で選ぶ? やっぱりキャスティング? で
も、それだけだとハズすこと多いでしょ。
 「映画は監督のモノで、舞台は役者のモノ。そしてドラマは脚本家のモノ」って言
われてて、つまり、TVドラマが脚本家の資質を最も反映する媒体だってことなのよ。
だから、ドラマは脚本家で選ばなきゃならない。で、今シーズンのドラマを脚本家で
チョイスすると、君塚良一の『世界で一番パパが好き』と岡田恵和の『ランデヴー』
は信頼できる。この2人はホント職人だからネ、どんな寒い企画でも筆力でどうにか
しちゃう。君塚は『心はロンリー~』でも、さんまとコンビ組んでるからネ、さんま
の見せ方分かってるし、企画はかなり貧弱だけど『世界で~』は、まあ見てても損は
ないと思うネ。岡田は『イグアナの娘』とか『ドク』とかメチャクチャな企画をキチ
ッとドラマにしてる人だからネ、『ランデヴー』でもいい仕事すると思うネ。まあ、
あとは、三谷幸喜の『今夜、宇宙の片隅で』ぐらいかな、脚本家で選ぶとネ。おっと、
そろそろ閉店の時間なんでネ、また来月ってことで。じゃ、バイなら。
                          [Written by 藤原タカシ]

                 [◆◆◆THE DAY OF BIRTH(7/18~7/24)◆◆◆]
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 7/18 ヒューム・クローニン(1911)、ポール・バーホーベン(1938)、
    エリザベス・マクガバーン(1961)、広末涼子(1980)

 7/19 安岡力也(1946)、アトム・エゴイヤン(1960)、近藤真彦(1964)、
    杉本彩(1968)、蛭田有希子(1975)、小嶺麗奈(1980)

 7/20 緒形拳(1937)、ナタリー・ウッド(1938)、間寛平(1949)、
    ガブリエーレ・サルバトーレ(1950)、松坂慶子(1952)、
    石橋凌(1956)、ロバート・ロドリゲス(1968)、小川範子(1973)

 7/21 アーネスト・ヘミングウェイ(1899)、小田基義(1910)、
    トニー・スコット(1944)、ロビン・ウィリアムス(1951)、
    羽賀研二(1962)、勝村政信(1963)、杉本哲太(1965)

 7/22 テレンス・スタンプ(1939)、ウィレム・デフォー(1955)、
    渡辺典子(1965)、薬師寺保栄(1968)、
    シャルロット・ゲンズブール(1971)

 7/23 広瀬正一(1918)、朝丘雪路(1935)、松方弘樹(1942)、
    ウッディ・ハレルソン(1961)、三上博史(1962)、村上淳(1973)

 7/24 クリス・サランドン(1942)、ガス・ヴァン・サント(1952)、
    ジェニファー・ロペス(1970)、アンナ・パキン(1982)

▼星座別オススメ映画はwebへのリンクに移行しました。
 http://www.cup.com/yoge/tarot/astro/
占い協力:TAROT-ASTROLOGY OF THE WEEK

----------------------------◆◆◆ 後記 ◆◆◆----------------------------

■初日夕方に新宿プラザで『ゴジラ』を見た。並んではいたけど、結局列には加わら
ず、開演直前にのこのこ入って余裕で座れた。夜の部はもっと混んだのかな。 <唯>

■先日(も)、友人に「『GODZILLA』の主演の人が好きなんだー」と言ったところ、
「ジャン・レノ?」との返事が……。だからぁ、マシューなんだってば!   <巴>

■36時間サイクルで毎日が過ぎていくと、1週間なんてあっという間。朝の数だけ新
たにする思いは日によって倍になる。この雨がまた、時間を一層濃密にして。 <冴>

▼問い合わせ先 ──────────────────────────────
movie-watch-info@impress.co.jp    :記事内容 ウォッチ編集部
ad-sales@impress.co.jp            :広告関連 インプレス A&D
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発行 株式会社インプレス
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編集:デラ・ジャパン株式会社(紺野美樹、服部弘一郎、唯洋樹、菊池朋子)
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