◆MOVIE Watch (毎週金曜日発行:無料)─────────1998-7-10

☆今週のHEADLINE☆─────────────────────────────

●MOVIE Watchリアル・ランキング
 MOVIE Watchがオススメする今週の5本(平均値/ライター別評点)

●オススメ封切り情報
 『GODZILLA/ゴジラ』 新怪獣への文句や悪口は、映画を観てから言え!
 『暗黒街/若き英雄伝説』 金城武が実在のギャングを演じたアクション映画
  『ラブ・ジョーンズ』 運命的な一目惚れを信じられないふたりの恋の行方
 ○公開作 CHECK 5本!
 『悪魔を憐れむ歌』『キングダムII』ほか

●MOVIE PADDOCK 出走を待ちわびる新作情報(期待値%つき!)
 『ノーウェア』 南カリフォルニアの若者たちの、危険で倒錯的な日常
 『リバース』 ルイス・モーニュー監督のサイエンス・アクション・スリラー
 ほか

●映画4人衆
 『真夜中のサバナ』
 北米一美しく妖しい町サバナで起こった、奇妙な殺人事件をなぞる物語

●TOPICS
 第16回川喜多賞に羽田澄子監督 ほか

●興行成績ベストテン

●オススメVIDEO
 『ロケットマン』 ディズニーでもこんなにブラックに笑えるとは
 ○特別CHECK!――『ジャングル2ジャングル』
 ○関連作品――『僕は、パリに恋をする』

●BS&CS今週の3本

●ESSAY
 【映画のノイジオグラフィー ~音響の博物誌(5)】
 " Eye for Eye, Noise for Noise "

●THE DAY OF BIRTH

●後記

                [◆◆◆MOVIE Watchリアル・ランキング◆◆◆]
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   今週末時点での劇場公開作からピック・アップした、MOVIE Watch独自の
         採点による上位5作品。今観るならこれだ!
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  『レインメーカー』『真夜中のサバナ』が新たにランクイン。コッポラと
  イーストウッド、それぞれの持ち味からほんの少しそれた部分で、作品が
  静かに息づいている感じ、あなたならどうみるか……。

             平均値/ライター別評点(5点満点)

                 唯  巴  古  冴
 1.タイタニック      5.00    5    5    5    5
 2.初恋          4.00    4    4    4    4
 3.追跡者         3.63  3.5    4    4    3
 4.不夜城                  3.50  3.5  3.5  3.5  3.5
 5.レインメーカー          3.00  3.5    4  2.5    2
 5.真夜中のサバナ          3.00 2.5  2.5    4    3

                    [◆◆◆オススメ封切り情報◆◆◆]
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『GODZILLA/ゴジラ』 新怪獣への文句や悪口は、映画を観てから言え!
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7月11日より東宝洋邦画系にて公開 '98年/アメリカ/2時間18分 ◇監督・脚本・
製作:ローランド・エメリッヒ ◇脚本・製作:ディーン・デブリン ◇出演:マシ
ュー・ブロデリック、ジャン・レノ、ハンク・アザリア ◇配給:東宝

 放射能の影響で巨大化したイグアナがニューヨークを襲撃。これを日本のゴジラ映
画と同列に扱うのが、そもそも間違いのもと。むしろ輸出したのは名前だけと考えた
方が、映画を素直に楽しめる。アメリカの大作娯楽映画に、日本の怪獣映画のタイト
ルが借用されるなんて痛快ではないか。事前の情報が多いので観る前から「今度のゴ
ジラはさぁ……」とおっしゃる向きもあろうが、論評は映画を観てからにしてほしい。

 □OFFICIAL SITE
  http://www.spe.sony.com/Pictures/SonyMovies/movies/Godzilla/
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『暗黒街/若き英雄伝説』 金城武が実在のギャングを演じたアクション映画
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7月11日より公開 '97年/香港/1時間37分 ◇監督:コーリー・ユェン ◇脚本:
ジー・アン ◇出演:金城武、ユン・ピョウ、ユン・ワー、ユェン・タク、ヴァレ
リー・チョウ、スアン・ジェシカ・ヘスター ◇配給:レイジング・サンダー
 ―新宿ジョイシネマ2 21:20(~23:00)

 19世紀末から20世紀初頭にかけて、上海に実在した大物ギャングを主人公にしたド
ラマ。香港映画界で一時代を築いたアクションスター、ユン・ピョウと、新進スター
金城武の対決シーンは見応えあり。猛スピードで走る馬車の上で、懐中時計を奪い合
うスタントは大迫力だし、鎖ガマのような武器を持つ刺客たちに襲われる場面も強烈
な印象を残す。この映画、現在大ヒット中の『不夜城』より面白いかもしれない。

 □OFFICIAL SITE
  http://Raging-Thunder.com/01raging-thunder_homepage/netpanph.files/
   ankokugai/ankokugai1.html
 □MOVIE WatchのMOVIEGUIDE
 http://www.watch.impress.co.jp/movie/
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『ラブ・ジョーンズ』 運命的な一目惚れを信じられないふたりの恋の行方
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7月11日より公開 '96年/アメリカ/1時間48分 ◇監督・脚本:セオドア・ウィッ
チャー ◇製作:ニック・ウェシュラー、ジェレマイア・サミュエルズ ◇出演:ロ
レンツ・テイト、ニア・ロング、イサイア・ワシントン ◇配給:日活
 ―シネ・ラセット 12:00/14:20/16:40/19:00(~21:05)

 '97年のサンダンス映画祭で、見事に観客賞を受賞した作品。女性カメラマンの
ニーナと、詩人のダリウスは、パーティーで知り合って意気投合し、情熱的な一夜を
過ごす。共に相手を「特別な人」と意識しながら、それ以上の関係に進むことをため
らうふたり……。ふたりの関係は愛なのか、それともクールな大人の関係? セック
スからはじまった真実の愛。だがその存在に気づくには、結構時間がかかるのだ。

 □OFFICIAL SITE
  http://www.nikkatsu.com/movie/mov_lojo.htm
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○公開作 CHECK 5本!
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★=注目作 ★★=見て損はしない ★★★=これは必見! (未)=未見

■『悪魔を憐れむ歌』 7月11日より全国松竹洋画系にて公開 ★★
人から人へと移動する悪魔に、デンゼル・ワシントン扮する刑事が戦いを挑む!

■『キングダムII』 7月11日よりSPACE PART3にて公開 ★
デンマーク製作の裏『ER』。監督は『奇跡の海』のラース・フォン・トリアー。

■『アンドロメディア』 7月11日より松竹邦画系にて公開 ★
交通事故で死んだ少女がバーチャル空間に甦る。SPEED初主演のSFファンタジー。

■『BLUES HARP』 7月11日よりシネ・アミューズにて公開 ★
ヤクザ映画とゲイムービーがドッキング! 監督は『アンドロメディア』の三池崇史。

■『冷血の罠』 7月11日よりユーロスペースにて公開 ★★
哀川翔と西島秀俊主演のサイコ・サスペンス。連続殺人事件の意外な捜査方法とは?
                           [Written by 服部弘一郎]

                        [◆◆◆MOVIE PADDOCK◆◆◆]
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     出走を待ちわびる新作情報を、期待値%つきでお届けします
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■『ノーウェア』 8月3日/俳優座トーキーナイト(期待値75%)
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南カリフォルニアのうだるように暑い町のキャンパスで繰り広げられる、若者たちの
危険で倒錯的な日常を、『ドゥーム・ジェネレーション』のグレッグ・アラキが、
キッチュでポップなイメージと色彩を駆使して描き出す。ジェームス・デュヴァル
主演。
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■『リバース』 今秋/銀座シネパトス(65%)
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テキサスの砂漠でヒッチハイクした1台の車。期せずして、国防総省の極秘実験に関
わってしまった女刑事カレンに、そのときから悪夢のカウントダウンが始まる……。
監督はミュージック・ビデオ出身のルイス・モーニュー、ヒロインに本作で衝撃デ
ビューを果たしたカイリー・トラビス。
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■『気まぐれな狂気』 8月29日/松竹セントラル2ほか全国松竹洋画系(70%)
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刑期を終えて出所したレイモンド(ヴィンセント・ギャロ)は、愛するアディ(キム
・ディケンズ)との人生の再出発を賭けて、元刑務所仲間と資金稼ぎの強盗を計画す
るが、彼らを待ち受けていたのは壮絶で果てしない逃亡の旅だった……。キーファー
・サザーランドが主演と共に初の監督もこなしたバイオレンス・アクション。
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■『ビッグ・リボウスキ』  初秋/渋谷シネマライズ(80%)
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1991年のロサンゼルスで、同姓同名の億万長者と間違えられてチンピラに襲われた
ジェフ・デュード・リボウスキは、チンピラが汚したじゅうたんを弁償してもらう
ため、もう1人のリボウスキの大邸宅を訪れるが……。『ミラーズ・クロッシング』
『バートン・フィンク』のジョエル&イーサン・コーエン兄弟の新作。出演は、ジェ
フ・ブリッジス、ジョン・グッドマン、ジュリアン・ムーアほか。

                          [◆◆◆映画4人衆◆◆◆]
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『真夜中のサバナ』
北米一美しく妖しい町サバナで起こった、奇妙な殺人事件をなぞる物語
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ニューヨークのジャーナリスト、ジョン・ケルソー(ジョン・キューザック)は、
サバナのマーサー邸で開かれるクリスマス・パーティーを取材するために、邸の主
ジム・ウィリアムズ(ケビン・スペイシー)のもとを訪れる。華麗なパーティーも
お開きとなった夜更け、静寂を取り戻したマーサー邸に数発の銃声が響いた。現場
からは、同邸で雇われていた謎の青年、ビリー・ハンソン(ジュード・ロー)の射
殺体が発見されて……。
                                            (満点は★5つ/半は★半分)

■別に反感もないけど、なんだか中途半端にしか入り込めなかった。ヤマ場のキュー
ザックの表情を決め手にするには人物描写の伏線が足りないみたい。★★半☆☆<唯>

■謎は事件にあらず、人にあり。事件は殺人にあらず、街にあり。奇異な人たちが運
命的にたどり着くところ、サバナ。結局、人に勝る事件も謎もなし。★★★★☆<古>

■オブラートに包んだような作りのまま、雰囲気だけで時間が流れ、結局そのまま終
わってしまった……。サバナの町も、特に際立って見えないし。  ★★半☆☆<巴>

■理屈だけでは説明のつかない謎めいた状況に、風穴を開ける心の眼。奇妙なものが
奇妙なまま存在することに寛容な町は、なぜかとてもなつかしくて。★★★☆☆<冴>

 □OFFICIAL SITE
  http://www.goodandevil.com/

                            [◆◆◆TOPICS◆◆◆]
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★第16回川喜多賞に羽田澄子監督
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第16回(1998年度)川喜多賞は、『薄墨の桜』、『早池峰の賦』、『AKIKO・あるダ
ンサーの肖像』などを製作、最近では『住民が選択した町の福祉』など優秀なドキュ
メンタリーを作り続けてきた羽田澄子監督に決まった。
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★大阪・北野劇場、『タイタニック』で興収記録10億円突破
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大阪・北野劇場で公開中の『タイタニック』は、公開190日目の6月27日に興行収入
が10億円を突破、平成5年に7億3,088万円余りを記録した『ジュラシック・パーク』
を131日目で破り、7月10日に上映を終了する。最終成績は、世界的記録を集めて出
版しているギネス・ブックに「映画館1館での興行収入最高記録」として申請される
予定。
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★常盤貴子、『早春三月』(邦題『月へ、星たちへ。』)でスクリーンデビュー
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ハリウッド映画に匹敵するアジア映画製作をめざすプロジェクト、「アジアン・サウ
ザント・スクリーンズ」の第1弾作品として、来年4月に日本公開、香港・中国・台湾
などアジア各国の映画館約1,000館でも公開が予定されているダニエル・リー監督の
『早春三月』(邦題『月へ、星たちへ。』。アジア7カ国の企業が共同出資)のヒロ
インに、TVドラマで活躍中の常盤貴子が抜てきされ話題をよんでいる。相手役は、
『欲望の翼』『ブエノスアイレス』のレスリー・チャン。今月半ばに香港でクランク
・イン、来年2月に開催されるベルリン映画祭への出品も検討されているもよう。
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★カミングスーンTV、8月の主な放送
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4月からディレクTVで放送を開始した24時間映画情報専門チャンネルのカミングスー
ンTVは、7月からスカイパーフェクTVでも放送を開始している。8月の主な放送内容は
以下のとおり。
8/1~7 大作アニメ3本の紹介(『アナスタシア』『キャメロット』『ムーラン』)
8/22~9/7 メイキングを含む新作映像
    『プライベート・ライアン』(トム・ハンクス主演)
    『シティ・オブ・エンジェル』(ニコラス・ケイジ、メグ・ライアン主演)
    『マスク・オブ・ゾロ』(アントニオ・バンデラス主演)

                     [◆◆◆興行成績ベストテン◆◆◆]
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  2週目以降の動員数が若干『タイタニック』に流れた感はあるが、上位3
  作品は動かず。今週末の『GODZILLA』公開で、どのように顔ぶれが変わ
  るか注目したい。
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  【配収】
 1 →( 1)ディープ・インパクト            ( 3週)
 2 →( 2)ジャッカル                 ( 3週)
 3 →( 3)不夜城                   ( 2週)
 4 ↑( 5)タイタニック                (29週)
 5 ↓( 4)レインメーカー               ( 2週)
 6 ↑( 7)大いなる遺産                 ( 3週)
 7 初(─)ズッコケ三人組/新生トイレの花子さん    ( 1週)
 8 →( 8)コレクター                 ( 2週)
 9 →( 9)追跡者                   ( 4週)
 10 →(10)絆<きずな>                ( 5週)

 興行通信社調べ1998/7/4~1998/7/5(銀座・新宿・渋谷3地区代表館集計)

-----------------------◆◆◆ オススメVIDEO ◆◆◆------------------------
    とんだ掘り出し物を発見。日本未公開作の『ロケットマン』!
    お約束の展開なんて考えるヒマもない、ちゃんと笑えるコメディ
    ながら、SFとしても優れたテンポの秀作。
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『ロケットマン』 ディズニーでもこんなにブラックに笑えるとは
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【データ】
'97年/米/1時間34分(7/17発売:ブエナ ビスタ ホーム エンターテイメント)
監督:スチュアート・ジラード 製作総指揮:ジョン・タートルトーブ
出演:ハーランド・ウィリアムズ、ジェシカ・ランディ、ウィリアム・サドラー

 小さい頃から宇宙飛行にあこがれていたフレッド、今は飛行システムのプログラマ
ー。ところが火星への有人飛行プロジェクトのコンピュータ担当操縦士が負傷、おか
げで急きょ操縦士候補にフレッドが浮上。見るからにアブナイ素行の彼が、果たして
世界初の火星チームに選ばれるのか。いや、主人公だから選ばれるに決まってるのだ
けど、とにかくテンポの鋭さとパロディセンスのよさで、ついつい我を忘れて見入っ
てしまった。監督ではなく製作総指揮ながら、『クール・ランニング』『フェノミナ
ン』のジョン・タートルトーブの巧さが見えかくれしてるようで、主役のハーランド
・ウィリアムズもすごく魅力的なボケざま。子供も見れるギリギリの笑いと大人もつ
いワクワクしてしまう展開がまさに大成功。
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○特別CHECK!――『ジャングル2ジャングル』
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【データ】'97/米/1時間46分
(7/17発売:ブエナ ビスタ ホーム エンターテイメント)
監督:ジョン・パスキン
出演:ティム・アレン、サム・ハンティントン、マーティン・ショート

 二匹目のドジョウがウヨウヨいたらとらなきゃ損。かつて日本のとある歌謡曲がア
メリカンヒット曲のパクリだと叩かれた時代があったが、映画界のビジネスを見てる
とそんなのチャラだなと思える。この『ジャングル~』も、フランスでアメリカより
2年以上早く公開された作品(下の関連作品参照)と同じストーリー。企業活動とし
ては合格点でも、俳優もテンポも前の作品に勝ててないので創作活動としては……。
まあだからその辺がお互い様でいいっこなしってところか。でももとの話はおもしろ
いから、本作も単独で見れば十分楽しめたのかもしれない。
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○関連作品――『僕は、パリに恋をする』
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【データ】'94年/仏/1時間26分(レンタル中:アスク講談社)
監督・脚本:エルベ・パリュー
出演:ティエリー・レルミット、ルートヴィク・ブリアン、ミウミウ

 パリでバリバリのビジネスマン(ティエリー)、離婚の話し合いのため、はるかア
マゾンの奥地で10年以上も現地人と生活を共にしている妻へ会いに。ところがそこで
は、別離の前に妻のお腹にいた正真正銘の自分の息子が、野獣のように元気に育って
いた。しかもうっかり交わした約束のためそのままパリに連れていくことに。予想ど
おりのパリでの騒動はさておき、息子役のルートヴィク・ブリアンの美少年ぶり(当
時13歳)は輝いてる。現在俳優(映画)をやってないのが残念。
                            [Written by 唯よーじゅ]

                         [◆◆◆BS&CS今週の3本◆◆◆]
                              セレクター:歩知
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 7/12(日)『シコふんじゃった。』 MOMOチャンネル(15:30~)
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普通の大学生だった秋平(本木雅弘)は、教授の陰謀で弱小相撲部に入部することに
なる。いまだ一度も試合に勝ったことのない相撲部をめぐるコメディー。周防正行監
督作品。共演は竹中直人、柄本明ほか。テーマ曲にも注目。
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 7/13(月)『インデペンデンス・デイ』  スター・チャンネル(23:00~)
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地球侵略を企む宇宙人と人類の3日間の壮絶な戦いを描く。最新のコンピューター技
術を駆使した映像はかなり見ごたえあり。'96年米アカデミー視覚効果賞受賞。監督
はローランド・エメリッヒ、出演はビル・プルマン、ウィル・スミスほか。
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 7/14(火)『プリティ・イン・ピンク』 スター・チャンネル(午前11:20~)
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成績は優秀だが、貧乏暮らしをしている女子高生(モリー・リングウォルド)が大金
持ちのお坊っちゃん(アンドリュー・マッカーシー)に恋をした。初デートまでこぎ
つけたのはよかったが、そこからも試練がいっぱいで……。現代版シンデレラストー
リー。

                             [◆◆◆ESSAY◆◆◆]
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【映画のノイジオグラフィー ~音響の博物誌 05】
 " Eye for Eye, Noise for Noise "
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 ホワイト・ノイズというのがある。たとえばラジオのチューナーがどこにも合って
いないときの「サー」といった何もない雑音のことだが、これには面白い効果がある。
会社や事務所などで人の話声や物音が気になるとき、このホワイト・ノイズを室内に
流しておくと物音が気にならなくなるというのだ。これは音のマスキングといって、
他にも、ある音 Aに対してちょうど逆の波形の周波数をもった音 Bを流すことで、A
の音を消すことができるという方法もあるらしい。
 実際に音が消えるかはともかく、マスキングに似た消音は、女子であれば用を足す
ときに水を流すといったつつましい消音テクニックを日常でも経験済みだろう。「目
には目を、ノイズにはノイズを」の理屈。
 たとえば、そばにいる恋人の男に気づかれないよう、薬の入った缶のフタを開ける
ために、軽く咳こんでみせたりしなければならないかもしれない……。実のところ、
これは『ポンヌフの恋人』('91年/仏/レオス・カラックス監督)の一場面。この
映画、男(ドニ・ラバン)が、女(ジュリエット・ビノシュ)に銃を川に捨てたと思
わせるために、ポチャンと靴を落とすなど、他愛もない音の細部への気配りがいい。
花火や火吹き、水上スキー、雪夜の鐘など派手な装飾で知られた一見仰々しい映画な
だけに、こうした音のまやかしといった子供じみたテクニックが奥ゆかしい。
 子供の頃、わたしは学校で屁の音をごまかすのに、椅子を引きずってみたりしたも
のだ。わずかなタイミングのズレでも生じようものなら、即、屁にまつわるあだ名を
つけられかねない。事実、わざとタイミングをずらしてごまかしていた奴は「ブー
ビー」という名を献上されていた。わたしはタイミングをはかり、まんまとやりおお
せたつもりだった。しかしこればっかりはいけない。耳はごまかせても鼻はそうもい
かないのだ。さすがに「ノイズ・フォー・ノーズ」とはいかないものらしい。
                             [Written by 竹本穣]

                 [◆◆◆THE DAY OF BIRTH(7/11~7/17)◆◆◆]
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 7/11 ユル・ブリンナー(1920)、ジョルジオ・アルマーニ(1934)、
    マーク・レスター(1958)、スザンヌ・ベガ(1959)、葉月里緒菜(1975)

 7/12 トッド・ブラウニング(1882)、京唄子(1927)、中村玉緒(1939)、
    梅垣義明(1959)、片平なぎさ(1959)

 7/13 ハリソン・フォード(1942)、キャメロン・クロウ(1957)、
    丹波義隆(1955)、中森明菜(1965)、鈴木紗理奈(1977)

 7/14 グロリア・スチュアート(1910)、出光元(1935)、水谷豊(1952)、
    あいはら友子(1954)、斉藤慶子(1961)、椎名桔平(1964)

 7/15 ジャン・マイケル・ビンセント(1944)、リンダ・ロンシュタット(1946)、
    ブリジット・ニールセン(1963)、イレーヌ・ジャコブ(1966)、
    永瀬正敏(1966)

 7/16 小手川祐子(1959)、フィービー・ケイツ(1963)、袴田吉彦(1973)

 7/17 丹波哲郎(1922)、淡路恵子(1933)、ドナルド・サザーランド(1934)、
    大竹しのぶ(1957)

▼星座別オススメ映画はwebへのリンクに移行しました。
 http://www.cup.com/yoge/tarot/astro/
占い協力:TAROT-ASTROLOGY OF THE WEEK

----------------------------◆◆◆ 後記 ◆◆◆----------------------------
■梅雨って明けたんでしょうか。ビールがどんどんおいしくなってくる。映画館では
風邪をひかないようにね。                        <唯>

■『真夜中のサバナ』のオープニング曲「スカイラーク」って、k.d.ラングが歌って
たのか。ゼンゼン気付かなかった。一時期かなりファンだったのに。     <巴>

■一瞬訳がわからなくなるような大波も、乗ってみるべきだという気がしたら迷わず
乗ってみようじゃない。波の上からでないと見えない何かがあったりするから。<冴>

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MOVIE Watchに掲載された記事を許可なく転載することを禁じます
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