◆MOVIE Watch (毎週金曜日発行:無料)───────── 1998-7-3

☆今週のHEADLINE☆─────────────────────────────

●MOVIE Watchリアル・ランキング
 MOVIE Watchがオススメする今週の5本(平均値/ライター別評点)

●オススメ封切り情報
 『Jam』 自動車泥棒が盗んだ車は犯罪がらみ……。甘くて酸っぱい台湾の青春
 『新生 トイレの花子さん』 この怖さを「子供向け」と甘く見てはいけない!
  『オスカーとルシンダ』 人生最大のギャンブルは「生きること」なのだ!
 ○公開作 CHECK 5本!
 『プルガサリ/伝説の大怪獣』『真夜中のサバナ』ほか

●MOVIE PADDOCK 出走を待ちわびる新作情報(期待値%つき!)
 『地球は女で回っている』 ウディ・アレンの新作コメディー
 『ヒューゴ・プール』 ロバート・ダウニーJr.の父が贈る愛と癒しの物語
 ほか

●映画4人衆
 『レインメーカー』
  社会的弱者と法の狭間で悩み成長する、1人の青年弁護士

●TOPICS
 「タイタニック引き上げ品展」開催 ほか

●興行成績ベストテン

●REVIEW
 『Jam』 台湾・陳以文監督の長編第1作
  5組のカップルの、オムニバスな群像劇に注目

●オススメVIDEO
 『リング』 ビデオで見たほうがさらに怖いかもしれない!
 ●関連作品――『女優霊』
 ○特別CHECK!――『ゲーム』

●BS&CS今週の3本

●THE DAY OF BIRTH

●後記

                [◆◆◆MOVIE Watchリアル・ランキング◆◆◆]
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   今週末時点での劇場公開作からピック・アップした、MOVIE Watch独自の
         採点による上位5作品。今観るならこれだ!
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  上位作品の入れ替えがいよいよ慌ただしくなってきた。大作も小さめの秀作も
  終了前にひととおり観ておきたいなら、今週、来週がチャンス。

             平均値/ライター別評点(5点満点)

                 唯  巴  渡  冴
 1.タイタニック      5.00    5    5    5    5
 2.初恋          4.00    4    4    4    4
 3.追跡者         3.63 3.5  4  4  3
 4.不夜城         3.50 3.5 3.5 3.5 3.5
 5.絆<きずな>      3.38  3 3.5  3.5  3.5

(圏外上位) レインメーカー 真夜中のサバナ

                    [◆◆◆オススメ封切り情報◆◆◆]
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『Jam』 自動車泥棒が盗んだ車は犯罪がらみ……。甘くて酸っぱい台湾の青春
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7月4日より公開 '98年/台湾/1時間42分 ◇監督・脚本:チェン・イーウェン 
◇出演:ツァイ・シンホン、ジューン・ツァイ、ヴィナ・シュー、チェン・リーホア、
ジン・シージエ、ガオ・ミンジュン、ジャン・ホイホイ ◇配給:リトル・モア
 ―テアトル新宿 連日21:20~23:20(7/4は監督の舞台挨拶あり)

 エドワード・ヤン作品で、助監督・製作・演出・俳優として活躍していた、チェ
ン・イーウェンが初めて撮った劇場作品。現代台湾の、生き生きとした日常が伝わっ
てくる青春映画だ。カイとジャジャの10代カップルを中心に、若いヤクザの死や、映
画製作者の不倫話を巻き込んで、物語は軽快に進んでいく。映画の構成は、タランテ
ィーノの『パルプ・フィクション』に影響を受けているようだ。デートに最適な映画。
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『新生 トイレの花子さん』 この怖さを「子供向け」と甘く見てはいけない!
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7月4日より全国東映系にて公開 '98年/日本/1時間35分 ◇監督:堤幸彦 ◇脚本
:高橋洋 ◇音楽:見岳章 ◇主題歌:aiko ◇出演:前田愛、浜丘麻矢、大村彩子、
野村佑香、猿岩石、笠原秀幸、萩島真一、長野博、高島礼子 ◇配給:東映

 大ヒット作『リング』で、観客を恐怖のどん底に突き落とした脚本家・高橋洋が、
今度は学校を舞台に戦慄すべきホラー映画を作り上げた。他の映画会社で使い古され
た「トイレの花子さん」ネタだが、緻密に練り上げられた今度の映画は本格派ホラー
映画。中途半端な気持ちで見始めると、席から立ち上がれなくなるぐらい震え上がる
こと必至。同時上映の『ズッコケ三人組』も面白く、お得な2本立てになっている。

 □OFFICIAL SITE
  http://www.toei.co.jp/MOVIE/new_mov/hanako-2/index.htm
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『オスカーとルシンダ』 人生最大のギャンブルは「生きること」なのだ!
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7月4日より公開 '97年/アメリカ/2時間13分 ◇監督:ギリアン・アームストロン
グ ◇原作:ピーター・ケリー ◇出演:レイフ・ファインズ、ケイト・ブランジェ
ット、サイアラン・ハインズ、トム・ウィルキンソン ◇配給:20世紀フォックス
 ―シャンテ・シネ 月~土11:00/13:40/16:20/19:00(~21:25)
            日10:00/12:45/15:30/18:10(~20:35)

 イギリスの敬虔な牧師が、新天地オーストラリアで女実業家と恋に落ちる。『若草
物語』のアームストロング監督が、ベストセラー小説を完全映画化。牧師オスカーを
イギリス出身のレイフ・ファインズが演じ、女傑ルシンダをオーストラリアの若手女
優ケイト・ブランシェットが演じるなど、英豪キャストの絶妙なブレンドに注目。夢
のように美しい風景と、おとぎ話めいた物語にたっぷり酔える映画だ。好感度抜群。

 □OFFICIAL SITE
  http://www.foxjapan.com/movie/oscar/index.html
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○公開作 CHECK 5本!
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★=注目作 ★★=見て損はしない ★★★=これは必見! (未)=未見

■『プルガサリ/伝説の大怪獣』 7月4日よりキネカ大森にて公開 ★★
北朝鮮国内ですら正式公開されていない幻の怪獣映画が、全世界に先駆けて日本公開。

■『真夜中のサバナ』 7月4日より恵比寿ガーデンシネマにて公開 ★★
実在の事件に取材したクリント・イーストウッドの最新作。映画でサバナ見物。

■『ミステリアス ピカソ/天災の秘密』 7月4日よりル・シネマにて公開 ★★★
パブロ・ピカソの創作過程をカメラで追ったドキュメンタリー。スリリング!

■『アルテミシア』 7月4日よりル・シネマにて公開 ★★
美術史上で初めての女流画家、アルテミシアの伝記映画。主演女優がチャーミング。

■『水の中のナイフ』 7月4日よりユーロスペースにて公開 ★★
ロマン・ポランスキー版『太陽がいっぱい』。ヨットの中で嫉妬と殺意が渦巻く。
                           [Written by 服部弘一郎]

                        [◆◆◆MOVIE PADDOCK◆◆◆]
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     出走を待ちわびる新作情報を、期待値%つきでお届けします
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■『地球は女で回っている』 10月/恵比寿ガーデンシネマ ほか(期待値75%)
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1人のベストセラー作家(ウディ・アレン)と女性たちをめぐって、精神分析や現代
人の人間関係の深層に迫った、ウディ・アレン監督・脚本・主演によるコメディー。
出演は、デミ・ムーア、ロビン・ウィリアムスほか。
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■『ヒューゴ・プール』 9月上旬/銀座シネパトス(70%)
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自分勝手な両親をもつ少女、ヒューゴは、プール清掃会社「ヒューゴ・プール」を1
人で切り盛りしている。ある日、1日で44件もの仕事が入り、あまりの忙しさにギャ
ンプル狂の母、麻薬中毒の父に応援を頼むのだが……。ロバート・ダウニーJr.の父、
ロバート・ダウニーが、ALS(筋萎縮性側索硬化症)のため36歳の若さで他界した妻、
ローラに捧げた愛と癒しの物語。出演は、ショーン・ペン、アリッサ・ミラノ、ロ
バート・ダウニーJr.ほか。
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■『カンゾー先生』 10月/全国東映系(65%)
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太平洋戦争末期の瀬戸内を舞台に、肝臓病の撲滅に奮闘する開業医と、周囲の人間模
様を描いた感動作。原作は坂口安吾。本年のカンヌ国際映画祭で、特別招待作品とし
て上映された今村昌平監督の新作。出演は、柄本明、麻生久美子ほか。
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■『イノセントワールド』  今秋/渋谷シネ・アミューズ(65%)
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「アミ!」と自分を呼ぶ誰か。会ったことのない父(=精子ドナーNo.307)に会うた
めに、アミは知的障害をもつ異父兄タクヤとともに家を出て、大きな海と強い風の吹
く、最果ての地で暮らすNo.307と彼の妻のもとにたどり着き、4人で暮らし始めるの
だが……。監督は下山天、出演は安藤政信、竹内結子ほか。

                          [◆◆◆映画4人衆◆◆◆]
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『レインメーカー』
社会的弱者と法の狭間で悩み成長する、1人の青年弁護士
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ルーディ・ベイラー(マット・デイモン)はロースクールの3年生。コネも金もない
彼がやっとみつけた就職口は、街の悪徳弁護士ブルーザー・ストーン(ミッキー・
ローク)のもとだった。早速、相棒のデック(ダニー・デビート)といくつかの案件
に取り組むルーディ。だが、社会的弱者に酷な法の現状に愕然とし、彼らを押しつぶ
そうとするものたちと闘う決意を、次第に固めていくのだった……。
                                            (満点は★5つ/半は★半分)

■十分善良で無難な仕上がりだが、話の面白さを考えたら巨匠も老いたかと演出への
不満も大。要は善良に撮りすぎ。ミッキー・ロークもっと出せ~。 ★★★半☆<唯>

■法律は守るべきを守る道具。問題は信念欠如。守るべきもないのは末期。これが現
代の法律の現場か。本編のギクシャクは、これら問題の露呈のため?★★半☆☆<古>

■正攻法なストーリー&演出で、ポスターや予告編から受ける印象そのままの、生真
面目な雰囲気の中、愛着を感じるのはクセのある脇役たち。    ★★★★☆<巴>

■素材はそろっているのに、最後まで火花散らすケミストリーを感じられなかった無
念さ。練り上げられた脚本に命が吹き込まれる瞬間が観たかった。 ★★☆☆☆<冴>

 □OFFICIAL SITE
  http://www.therainmaker.com/

                            [◆◆◆TOPICS◆◆◆]
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★「タイタニック引き上げ品展」開催
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7月24日から8月24日まで東京渋谷の西武百貨店で、その後8月29日から10月15日まで
横浜のみなとみらい21で開催される「タイタニック引き上げ展」は、86年の歳月を経
て引き上げられた遺留品、船の備品の数々を一般に展示するもので、実際に起こった
タイタニック号の悲劇に生で触れることが出来る貴重なイベント。50万枚用意された
前売り券の完売が見込まれる人気で、実際のタイタニック号からの引き上げ作業が今
年も8月1日から開始され、その様子は衛星を通じて全国でTV放映される予定。
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★松山に郊外型10スクリーン
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愛媛県下に11スクリーンの映画館を経営する佐々木興業(株)は、新たな事業展開と
して、四国地区では松山市に郊外型のシネマコンプレックス(1フロア10スクリーン程
度)を、さらに同じ愛媛県の伊予三島市、川之江市、大洲市にそれぞれ7スクリーン規
模のシネマコンプレックスを新築することになり、いずれも来年度中のオープンをめ
ざして計画が進められている。
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★『華麗なる賭け』、最新版映画化
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1968年に公開された『華麗なる賭け』の最新版が、ピアース・ブロスナン主演、ジョ
ン・マクティアナン監督のコンビで映画化されることになった。新しい冒険を求めて
メトロポリタン美術館からセザンヌの名画を盗む億万長者のプレイボーイと、その彼
を追う保険会社の有能な女性調査員との駆け引きとロマンスを描く。共演は『ティン
・カップ』『身代金』のレネ・ルッソ。レスリー・ディクソンとカート・ウィマーが
脚本、主演のブロスナンとボー・セント・クレアがプロデュース、9月にニューヨー
クでのロケが予定されている。

                     [◆◆◆興行成績ベストテン◆◆◆]
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  『不夜城』『レインメーカー』の新作2本は順当に上位入り。1位、2位は
  2週目も揺るがず、依然好調。『GODZILLA』公開を翌週に控え、これから
  夏休みにかけて、上位作品の動きはますます激しくなりそう。
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  【配収】
 1 →( 1)ディープ・インパクト            ( 2週)
 2 →( 2)ジャッカル                 ( 2週)
 3 初(─)不夜城                   ( 1週)
 4 初(─)レインメーカー               ( 1週)
 5 ↓( 3)タイタニック                (28週)
 6 ↓( 4)プライド 運命の瞬間            ( 6週)
 7 ↓( 5)大いなる遺産                 ( 2週)
 8 初(─)コレクター                 ( 1週)
 9 ↓( 6)追跡者                   ( 3週)
 10 ↓( 7)絆<きずな>                ( 4週)

 興行通信社調べ1998/6/27~1998/6/28(銀座・新宿・渋谷3地区代表館集計)

                             [◆◆◆REVIEW◆◆◆]
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『Jam』 台湾・陳以文監督の長編第1作
 ──5組のカップルの、オムニバスな群像劇に注目
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 ちょっぴり嘘つきの人たちがいたり、思いを伝えられない女の子や、度胸だけで生
きてる男の子がいたり、土砂降りの雨が降ったり、偶然の出来事に心踊ったりする。
台湾映画といって、地域やテーマについての心配はまったくご無用。次第に、それら
すべてをのみ込む台北の街が、とても身近に感じられてくるに違いない。
 主人公・カイに扮するツァイ・シンホンは高校の卒業公演で監督に見い出されたと
いう、いわばシンデレラ・ボーイ。クランクイン1カ月前に監督から「とにかく脚本
を読み込め、1ページ1ページがカイそのものだから」と命じられ、プレッシャーに悩
みながら自分なりにイメージを作っていった。目標とする役者はトニー・レオン。
ひょうひょうとした風貌と好奇心の強さはカイと一致するものの、トリュフォーを愛
する芸術志向の面をもつ。カイのガールフレンド、ジャジャ役のジューン・ツァイは、
ゴムまりのようにいつも明るく弾んでいる。「カイへの思いがはっきりしていく過程
が、物語のもうひとつの軸」と監督に言われ、どうしたら女らしく見えるかに苦労し
たそうだ。
 監督のチェン・イーウェンは、俳優業の傍らエドワード・ヤン監督のスタッフを長
年務めてきた。ヤン監督を「自分の創作意欲を他人に納得させる能力に優れた人」と
評する。これが初めての監督作品だが、時間軸の遊びや、人間関係の交錯トリックは
師匠譲りだろう。タイトルは「自分の枕でないと眠れない、落ち着かないとジャムを
食べる、といった人のクセをつけてみたかった」ことからつけたとのこと。名優ジン
・シージエ、ガオ・ミンジュンなどそうそうたる顔ぶれが、回りをしっかり固め「大
人の世界」を描き出している。またイーウェン監督、ヤン監督も特別出演しているの
で、注目してほしい。
 台湾でもハリウッド映画に観客をとられて、台湾内で製作された作品を上映する映
画館は減ってきている。そのため台湾映画界は数年来不況が続き、製作本数も極端に
少ない。ある大御所監督が言っていたように「おいしいパンが焼けても、なかなか売
る場所がない」のが実状だ。台湾での公開は未定だが、日本の観客は一足先にこの焼
き立てホカホカのパンを味わえる。そう、たっぷりと『Jam』をつけて召し上がれ!!
                            [Written by 瀧谷由紀]

                         [◆◆◆オススメVIDEO◆◆◆]
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    出るべくして出た、伝統をふまえてなおかつ革新的なホラーの傑作、
    『リング』。映画館に悲鳴を呼び戻した中田監督の技と、原作の
    「呪いのビデオ」というテーマが新たな恐怖を居間に……。
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■『リング』 ビデオで見たほうがさらに怖いかもしれない!
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【データ】'98年/日本/1時間35分(7/10発売:角川書店)
監督:中田秀夫 出演:松嶋菜々子、真田広之、中谷美紀 原作:鈴木光司

 「そのビデオを見ると7日以内に死ぬ」、よくあるウワサ話のひとつであるが、も
し現実に起きた怪死事件の被害者たちが7日前に同じビデオを見ていることがわかっ
たら。そして、もしもその「呪いのビデオ」を自分も見てしまったら……!
 ホラーといえば残虐シーン、という昨今の風潮の中で、血を見せずにここまで「う
へーっ!」といいたくなるドキドキの恐怖シーンを見せてくれた監督は久しぶり。映
画館ではまだほかの観客や友人がいたから大丈夫だったけど、もし家でひとりで夜中
に、ビデオで見たら……。
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●関連作品――『女優霊』
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【データ】'96年/日本/1時間15分(レンタル中:バンダイビジュアル)
監督・原案:中田秀夫 出演:柳ユーレイ、白鳥靖代、根岸季衣、石橋けい

 映画の撮影現場を題材にした和製ホラー。まちがって未現像の古いフィルムを使い
二重撮りしてしまった、とあるシーン。現像フィルムを回してみると案の定、別の映
画のものらしい映像が重なってしまっていた。が、その出所不明の古い映像には、お
かしなものが映っていた……。と、簡単に「おかしなもの」と書いたが、これがもう
すでに怖い。そしてこの日から次々とその「おかしなもの」が撮影に関わってくると
ともに、少しだけわかってくる過去の事件。しかし、とにかく映像が、こう身体の芯
までしみ通る怖さにあふれている。この夏、熱帯夜にひとりで見るオススメ。
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○特別CHECK!――『ゲーム』
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【データ】'97/米/2時間8分(7/10発売:東宝)
監督:デビッド・フィンチャー 出演:マイケル・ダグラス、ショーン・ペン

 マイケル・ダグラス演じる大富豪が、弟(ショーン・ペン)からの誕生日プレゼン
トとして、あるゲームの会員証をもらう。謎の会社が主宰するそのゲームは、次々と
彼を意外な体験に導き、やがて生命さえも危うくしていく。フィンチャー流の雰囲気
は確かに感じる。まだ若手なのにたいした才能だと思う。でも、その「雰囲気」とス
トーリーがいわんとするものとが合致していないのではないか。消化不良覚悟で(実
はこじつければ消化できるが)フィンチャーの世界を味わってみるのも一興。
                            [Written by 唯よーじゅ]

                         [◆◆◆BS&CS今週の3本◆◆◆]
                           セレクター:長谷川未来
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 7/6(月)『夏物語』 WOWOW(14:00~)
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エリック・ロメール監督「四季のコントシリーズ」3作目。バカンス先で作曲をする
かたわら3人の女の子の間をなんとなく浮遊する青年の数日間。『いちばん美しい年
令』の仏俳優、メルヴィル・プポーが好演。なかなかススまないのでジリジリです。
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 7/7(火)『初体験/リッジモンドハイ』 スター・チャンネル(午前8:40~)
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ハイスクールにデカい車を乗りつけ、ロッカーにはヌードのピンナップ。レストラン
で裸になるわ、授業中にピザを宅配させるわ、なんてことばっかりずーっとやってて
ほんとバカ! ショーン・ペンが主役。端役でエリック・ストルツ。
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 7/9(木)『バックビート』 NHK衛星第2(深夜1:30~)
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結成当時のビートルズのもう1人のメンバー、スチュアート・サトクリフをメインに
シーンを沸かせる前の様子をドキュメンタリータッチで綴る。ビートルズのビジュア
ルイメージを作ったのはスチュアートの彼女の仕業だった等、興味をそそられる。

                 [◆◆◆THE DAY OF BIRTH(7/4~7/10)◆◆◆]
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7/ 4 ジーナ・ロロブリジーダ(1927)、ニール・サイモン(1927)、
   ビクトリア・アブリル(1957)、眞野あずさ(1957)

7/ 5 ジャン・コクトー(1889)、ヒューイ・ルイス(1950)

7/ 6 ミヤコ蝶々(1920)、キャシー・オドネル(1925)、
   長塚京三(1945)、シルベスタ・スタローン(1946)、
   ジェフリー・ラッシュ(1951)

7/ 7 円谷英二(1901)、ロバート・A・ハインライン(1907)、
   リンゴ・スター(1940)、堤真一(1964)、青山知可子(1968)

7/ 8 アンジェリカ・ヒューストン(1951)、中村有志(1956)、
   ケビン・ベーコン(1958)、安永亜衣(1969)

7/ 9 O・J・シンプソン(1947)、細野晴臣(1947)、エド山口(1948)、
   トム・ハンクス(1956)、久本雅美(1960)、浅野ゆう子(1960)、
   高見知佳(1962)、可愛かずみ(1964)、コートニー・ラブ(1965)、
   松下由樹(1968)、志萱一馬(1976)

7/10 米倉斉加年(1934)、布施博(1958)

▼星座別オススメ映画はwebへのリンクに移行しました。
 http://www.cup.com/yoge/tarot/astro/
占い協力:TAROT-ASTROLOGY OF THE WEEK

----------------------------◆◆◆ 後記 ◆◆◆----------------------------
■扇風機フル稼働の日々。エアコンないし。猫たちもだれまくり。でもまだまだ扇風
機で足りてるぞ。というか毎年だけど。今年はもう1台ほしいな。       <唯>

■全米興行収入ランキングで『GODZILLA』を1位から蹴落とした、ジム・キャリー主
演の『トルーマン・ショー』。筋を聞く限り、すんごくおもしろそう。    <巴>

■最高の食材は、わずかな手間でもおいしさが引き出せるもの。入念に練り上げられ
た『レインメーカー』の脚本の中で、役者の持ち味が逃げてしまったような。 <冴>

▼問い合わせ先 ──────────────────────────────
movie-watch-info@impress.co.jp    :記事内容 ウォッチ編集部
ad-sales@impress.co.jp            :広告関連 インプレス A&D
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