◆MOVIE Watch (毎週金曜日発行:無料)─────────1998-6-19

☆今週のHEADLINE☆─────────────────────────────

●MOVIE Watchリアル・ランキング
 MOVIE Watchがオススメする今週の5本(平均値/ライター別評点)

●オススメ封切り情報
 『ピースキーパー』 徹底したアクションでコーティングした反核娯楽映画!
 『大いなる遺産』 ストーリーに関係なく襲ってくる感動に酔え!
  『ディープ・インパクト』 くやしいけど泣かされてしまう超ド級のSFX大作
 ○公開作 CHECK 5本!
 『ライアー』『ジャッカル』ほか

●MOVIE PADDOCK 出走を待ちわびる新作情報(期待値%つき!)
 『酔夢夜景(よいゆめやけい)』 偽装結婚の果て男の心に芽生えたものは……
 『JANIS』 伝説のロック歌手、ジャニス・ジョブリンのドキュメンタリー映画
 ほか

●映画4人衆
 『追跡者』 ジェラード保安官の人間性が作り出す白熱の追跡劇

●TOPICS
 「クリエイターズ・エージェンシー」、発足 ほか

●興行成績ベストテン

●REVIEW
 『ジャッカル』
 2大スター競演のアクションは、熱くてクールなサスペンス仕立て

●オススメVIDEO
 ○CHECK 7本!

●BS&CS今週の3本

●COLUMN
 【世界の終わりとハードとソフト・ワンダーランド(8)】
 「東芝 VS ソニー、フラット・ワイドテレビ番長はどっちだ!?」の巻

●THE DAY OF BIRTH

●後記

                [◆◆◆MOVIE Watchリアル・ランキング◆◆◆]
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     現時点での劇場公開作からピック・アップした、MOVIE Watch独自の
         採点による上位5作品。今観るならこれだ!
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    上位作品は、オススメポイントが決してぐらつかないので変わらず。
    『恋愛小説家』がいよいよ終盤で、圏内は来週あたり変化の兆し?

             平均値/ライター別評点(5点満点)

                 唯  巴  渡  冴
 1.タイタニック      5.00    5    5    5    5
 2.ガタカ         4.50    5    4    4    5
 3.恋愛小説家       4.25    4    5    4    4
 4.初恋          4.00    4    4    4    4
 5.東宮西宮        3.88    4    4    3.5  4

(圏外上位) 6.絆<きずな> 7.追跡者

                    [◆◆◆オススメ封切り情報◆◆◆]
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『ピースキーパー』 徹底したアクションでコーティングした反核娯楽映画!
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6月20日より公開 '97年/アメリカ/1時間39分 ◇監督:フレドリック・フォレス
ティアー ◇製作:ニコラ・クレアモン ◇出演:ドルフ・ラングレン、マイケル・
サラザン、モンデル・ウィリアムズ、ロイ・シャイダー ◇配給:KSS
 ―松竹セントラル2 (土日10:30)12:35/14:40/16:45/18:50(~20:45)

 タイトルがよく似た『ピースメーカー』と同じ、テロリストによる核ジャックを描
いた映画だが、内容やテーマはこちらの方が断然面白い。アクション映画として水準
以上の出来なのはもちろん、冷戦後もなくならない核兵器の恐怖を真正面から描き、
冷戦時に信じられてきた「核抑止力」という虚構に疑問を投げかけた点で、アメリカ
映画のタブーを打ち破った野心作だ。2週間しか公開されないので、早めに劇場へ!
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『大いなる遺産』 ストーリーに関係なく襲ってくる感動に酔え!
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6月20日より全国東宝洋画系にて公開 '97年/アメリカ/1時間50分 ◇監督:アル
フォンソ・キュアロン ◇出演:イーサン・ホーク、グウィネス・パルトロウ、ロ
バート・デ・ニーロ、アン・バンクロフト ◇配給:20世紀フォックス

 デビッド・リーン監督が映画化したこともあるディケンズ原作を、『リトル・プリ
ンセス』のキュアロン監督が、舞台を現代のアメリカに移して再映画化。グリーンで
統一された美術など、ビジュアル面での演出に注目してほしい。イタリアの画家クレ
メンテの絵も効果的に使われている。物語の随所に大きな飛躍があるのだが、監督は
力強い演出でそれを強引に乗り切っている。失敗スレスレで踏みとどまった傑作だ。

 □OFFICIAL SITE
  http://www.filmzone.com/foxmovies/greatexpectations/
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『ディープ・インパクト』 くやしいけど泣かされてしまう超ド級のSFX大作
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6月20日より松竹東急洋画系にて公開 '98年/アメリカ/2時間1分 ◇監督:ミミ・
レダー ◇製作総指揮:スティーブン・スピルバーグ ◇出演:ロバート・デュバ
ル、ティア・レオーニ、イライジャ・ウッド、モーガン・フリーマン ◇配給:UIP

 発見された新彗星は地球との衝突コースに乗っていた……。人類史上最大の危機を
回避すべく、最後の最後まで必死の努力を続ける人々の姿を描いたSFX大作だ。全人
類に対する死刑宣告にも等しいニュースを前に、浮き彫りにされる人間ドラマの
数々。彗星衝突で生じた大津波のド迫力。徹底したアメリカ中心の描写や、善人しか
登場しないという展開に甘さも感じるが、クライマックスではやはり泣かされてしま
うのだ。

 □OFFICIAL SITE
  http://www.deep-impact.com/
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○公開作 CHECK 5本!
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★=注目作 ★★=見て損はしない ★★★=これは必見! (未)=未見

■『ライアー』 6月20日よりシネセゾン渋谷にて公開 ★★★
殺人容疑者と刑事たちの対決。全部見終わっても犯人がわからない不思議な映画。

■『ジャッカル』 6月20日より全国東宝洋画系にて公開 ★★
テロリストVS元テロリスト。重機関銃がうなるクライマックスはすごい迫力!

■『ポストモーテム/死への彩り』 6月20日より銀座シネパトスにて公開 ★★
死体マニアの犯人とアメリカ人元刑事の死闘。イギリスを舞台にしたサスペンス。

■『ダウンタウン・シャドー』 6月20日より銀座テアトル西友にてレイト公開 ★
金城武とチャン・シウチョン主演のスパイ・アクション。大規模な海外ロケが見も
の。

■『いつものように』 6月20日よりシネ・アミューズにて公開 ★
25歳の男女3人が過ごした一夜の出来事……。新人けんもち聡監督のデビュー作!
                           [Written by 服部弘一郎]

                        [◆◆◆MOVIE PADDOCK◆◆◆]
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     出走を待ちわびる新作情報を、期待値%つきでお届けします
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■『酔夢夜景(よいゆめやけい)』 8月8日/新宿シネマ・カリテ(期待値70%)
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ビザと金のために中国人ホステス(李丹)と偽装結婚していた日本人の青年(大久保
貫光)が、彼女の死に振り回され、やがてその心に生まれた慈しみを知るようになっ
ていく。片岡修二監督による心優しい純愛物語。
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■『JANIS』 今夏/渋谷PARCO SPACE PART3・大阪シネマ・ドゥ(80%)
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'70年の10月4日に27歳でこの世を去るまでの3年間、ロック歌手として活躍し、風の
ように去っていったジャニス・ジョブリン。'74年に製作され、日本では'90年に初公
開された彼女のドキュメンタリー映画が、今回、ニュープリントで再び公開される。
ハワード・オーク、シートン・フィンドレイ監督作品(モノクロ)。
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■『激しい季節』 今夏/丸の内シャンゼリゼ(65%)
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交通事故で運命的に出会った英樹(田辺誠一)と京子(高橋理奈)。やがて2人は恋
に落ち激しく求め合うようになるが、被害者の英樹には婚約者が、加害者の京子には
服役中の夫がいた……。監督は『喪の仕事』『ルビーフルーツ』の君塚匠。
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■『裏街の聖者』 9月上旬/キネカ大森(75%)
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『不夜城』『世界の涯てに』のリー・チーガイ監督作品。トニー・レオン扮するしが
ない町医者と、そこに集まる人々を描いた香港の下町人情喜劇。リー・チーガイ監督
本人が歌う、ウィリー・ネルソンの名曲「クレイジー」にも注目。

                          [◆◆◆映画4人衆◆◆◆]
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『追跡者』
ジェラード保安官の人間性が作り出す白熱の追跡劇
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シカゴで起きた1件の交通事故。運転者の指紋は、ニューヨークで起きた殺人事件で
手配中の男のものだった。緊急逮捕された男(ウェズリー・スナイプス)は、ニュー
ヨークに向かう護送機の事故に乗じて逃亡を決行。同乗していたU.S.マーシャルズの
ジェラード保安官(トミー・リー・ジョーンズ)による、謎の男の追跡劇が始まるの
だが……。                                       (満点は★5つ/半は★半分)

■追われる側に感情移入しそうなストーリーにあって、追う側を主人公にした視点は
◎。トミー知的に活躍してるけど、もっとアクションもほしかった。★★★半☆<唯>

■あっと驚く奇抜なアイデアが用意されている、という訳ではないのだけれど、きち
んと抑えるべきものを抑えた運びに安心してハラハラドキドキ。  ★★★★☆<巴>

■前作のような逃亡者との精神的なつながりという点では描写不足だが、激しいアク
ションに肉薄するほどの、内側に激情を秘めた主人公がいる!   ★★★★☆<渡>

■人間味を感じさせる隙を残して、絶妙のタイミングでシーンをつなぐ技と、役柄ド
ンピシャのキャスト。ロバート・ダウニーJr.のイカレた眼が恐い。 ★★★☆☆<冴>

 □OFFICIAL SITE
  http://www.usmarshals.com/

                            [◆◆◆TOPICS◆◆◆]
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★「クリエイターズ・エージェンシー」、発足
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集客力のある日本映画の企画実現をめざす「クリエイターズ・エージェンシー」(増
田久雄代表)が発足、7月から活動を開始する。メンバーは、監督21名、脚本家7名。
7月29日午後4時から、新宿シアターアプルで発足イベント「新宿シネマトーク・これ
からの日本映画が面白い」を開催、大森一樹監督の『ゴジラVSキングギドラ』、金子
修介監督の『ガメラ2・レギオン襲来』の上映などが予定されている。
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★ブルース・リー作品4本を DVD 化
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没後25年を経た故ブルース・リーの CD-ROM や本などの商品が今夏発売になるが、
これにあわせてカルチュア・パブリッシャーズでは、ブルース・リー主演映画4作品
を DVD として発売することになった。発売日程は、『ドラゴン危機一発』『ドラゴ
ンへの道』『死亡遊戯』の3本が7月25日、『ブルース・リー神話』が8月25日で、価
格はいずれも3,800円(税抜き)。
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★『元気の神様』、大阪、名古屋でも公開
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6月13日から丸の内シャンゼリゼで公開中の『元気の神様』が、大阪、名古屋でも公
開されることになった。同作は、中村幻児監督、松田美由紀主演で、シングルマザー
の日常を描きながら家族の愛や絆を考えるソウルフル・ファンタジー。7月11日から
名古屋シネマスコーレ(モーニングショー)、7月25日から31日まで大阪シネヌーヴ
ォ(レイトショー)、8月1日から7日まで同(モーニングショー)、ほか順次各地で
公開予定。

                     [◆◆◆興行成績ベストテン◆◆◆]
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 今回初登場の『追跡者』は2位。新作がきちんと上位に食い込むようになって
 きたとはいえ、国内の興行収入が200億円の大台を突破した『タイタニック』
 は衰えを知らず。3位の『絆<きずな>』は、日劇東宝と渋東シネタワーに限
 り平日1回目の大人料金を1,300円に割り引くなどサービスにも力が入る。
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  【配収】
 1 →( 1)タイタニック                (26週)
 2 初(─)追跡者                   ( 1週)
 3 ↓( 2)絆<きずな>                ( 2週)
 4 →( 4)ラストサマー                ( 3週)
 5 ↑( 6)恋愛小説家                 (10週)
 6 ↓( 3)プライド 運命の瞬間            ( 4週)
 7 →( 7)エイリアン4                 ( 8週)
 8 ↓( 5)メジャーリーグ3               ( 2週)
 9 ↑(10)ブルース・ブラザース2000          ( 3週)
 10 ↓( 9)スフィア                   ( 4週)

 興行通信社調べ1998/6/13~1998/6/14(銀座・新宿・渋谷3地区代表館集計)

                             [◆◆◆REVIEW◆◆◆]
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『ジャッカル』
2大スター競演のアクションは、熱くてクールなサスペンス仕立て
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 ブルース・ウィリス、リチャード・ギアという2大スター競演によるサスペンスア
クション、と聞いただけで映画ファンにとってはたまらない魅力。なのに、2人がこ
れまでとは180度違う役柄に挑戦するとなれば、もう見るしかない。
 物語は「ジャッカル」というコードネームをもつ正体不明、冷酷非情な暗殺者(B.
ウィリス)と、彼の狙いを阻止すべく、服役中の刑務所から駆り出された元IRAのス
ナイパー、テクラン(R.ギア)の戦いを軸に展開していく。
 先の読めないストーリー展開も巧みだが、見どころは、やはり2大スターの演技合
戦だ。B.ウィリスは、これまでの熱血漢でタフガイのイメージから程遠い、冷酷で
頭の切れるジャッカルを見事に演じきっているし、R.ギアもなかなかの健闘ぶり。
 特に、2人がヨットハーバーで初めて顔を合わせるシーンは圧巻。しばしにらみ合
う2人の間に漂う緊張感が、見る側にもひしひしと伝わってくる。
 少し残念なのは、同じく2大スターの共演で話題となった『フェイス/オフ』の
ジョン・トラボルタとニコラス・ケイジのように、共演者同士が刺激し合って、演
技のクオリティを爆発的に高め合っていくようなシーンが見られなかったことだ。
でも、『フェイス/オフ』がバリバリのアクションで、派手な銃撃戦や体と体との
ぶつかり合いを過剰なまでの演出によって見せる作品だったのに対し、『ジャッカ
ル』はサスペンスの要素をメインに据え、抑え気味の演出によってオフビートな心
理的駆引きを見せる作品だから、仕方がないのかもしれない。
 主演の2人以外では、脇を固めていたシドニー・ポワチエの好演が光っていた。
ラストシーンでの彼のセリフによる心地よい余韻が、全体的に殺伐としていた物語
を後味よく締めくくっている。
 最後に、余談をひとつ。オープニング・シークエンスにはテクノ&ダンスミュー
ジックが取り入れられている。そのへんの音楽が好きな人は要チェック! とにか
く、カッコよすぎ。とりあえず、このオープニングだけでも見る価値大なのだ。
                           [Written by 村上奉功]

                         [◆◆◆オススメVIDEO◆◆◆]
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    今週はたくさんのオススメ作品がリリース。そこで特別CHECK集。
    『もののけ姫』はみんな見てても『セブン・イヤーズ・イン・チ
    ベット』は? ボクシング好きは『モハメド・アリ~』も必見。
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○CHECK 7本!

■『セブン・イヤーズ・イン・チベット』2時間16分/米
(6/21発売:日本ヘラルド映画) 監督:アラン・J・パクラ
ブラッド・ピット演じる登山家と若きダライ・ラマとの交流が胸にクル。

■『ブラス!』1時間48分/英(6/26発売:アミューズビデオ)
出演:ピート・ポスルスウェイト、ユアン・マクレガー、タラ・フィッツジェラルド
鉱山閉鎖に揺れる小さな街の、労働者たちのブラスバンドに起こるドラマ。

■『もののけ姫』2時間13分/日本
(6/26発売:ブエナ ビスタ ホーム エンターテイメント)
日本の映画興行成績記録を塗り替えた宮崎駿渾身の大作。期間限定生産4500円税抜。

■『モハメド・アリ かけがえのない日々』1時間28分/米(6/26発売:アスミッ
ク)97年アカデミー長編ドキュメンタリー賞受賞。復帰戦へ賭けたアリの情熱の実
録。

■『アートフル・ドヂャース』1時間36分/日本(6/25発売:バンダイビジュアル)
ニューヨークでそれぞれのアートを目指す若者をいしだ壱成・西島秀俊らが演じる。

■『キャリア・ガールズ』1時間27分/日本(6/26発売:CICビクタービデオ)
『秘密と嘘』のマイク・リー監督最新作。30歳間近の女性2人の回想から……。

■『パラダイス!』1時間30分/香港(6/25発売:バンダイビジュアル)
金城武演じる殺し屋志望の男と刑務所を出てきた女のラブストーリー。
                           [Written by 唯よーじゅ]

                         [◆◆◆BS&CS今週の3本◆◆◆]
                            セレクター:古山 慶
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 6/21(日)『スクリーム』 WOWOW(22:30~)
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正体不明の殺人鬼が引き起こす連続殺人事件。犯人は誰だ? さまざまなホラー映画
のエッセンスが散りばめられた、ホラー・マニア必見作。でも、マニアでないあなた
でもきっと楽しめます。もちろん、恐怖をね。
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 6/23(火)『コーリャ 愛のプラハ』 NHK衛星第2(20:00~)
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民主化直前のチェコスロバキアを舞台に、ぐうたらな中年独身チェリストと5歳の少
年の心の交流を描く。ある日、主人公ロウカは金のためにロシア人の女性と偽装結婚
をするが、彼女は5歳の少年コーリャを残して失踪してしまい……。
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 6/24(水)『恐喝(ゆすり)』 シネフィル・イマジカ(深夜0:30~)
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ヒッチコック監督のサスペンス。正当防衛で男を殺してしまった女性が、真相を知る
浮浪者にゆすられる。イギリス映画のトーキー第1作。サイレント映画として製作中
だったものを、一部作り替えてトーキーにしたそうだ。

                             [◆◆◆COLUMN◆◆◆]
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【世界の終わりとハードとソフト・ワンダーランド(8)】
「東芝 VS ソニー、フラット・ワイドテレビ番長はどっちだ!?」の巻
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 アルゼンチンに負けようが、円が安かろうが、やっぱりこの国はすごいワ。だっ
て、ブラウン管が平らなんだからサ。そうなのよ、やったのよ、東芝がッ! フラッ
トスーパーブライトロン管搭載の新世代ワイドテレビ、その名も「FACE」が誕生した
ワケよ。シブいネーミングがネ、コレまた東芝っぽくて良いじゃないの。FACE てー
と、顔とか表面て意味だからネ、21世紀の映像を映し出す「顔」になろうなんて意気
込みが感じられちゃうよネ。えッ、そんなのソニーから出てるだろッて? いやいや
いやいやいや、コレだから素人は困っちゃうよナ、言うと思ったンだ、そういうこと。
お客さん、いい? ソニーの「WEGA」が搭載してる平面ブラウン管「FDトリニトロ
ン」はシリンドリカル(円筒)構造で、縦方向にはもともとフラットなワケよ。とこ
ろが、「FACE」は現在テレビ市場の9割以上を占めているシャドウマスク方式。この
方式のブラウン管は、電子銃から発射された電子が表示面裏側の蛍光体に衝突するこ
とで発光が起きて、画像が表示されてるンだけど、蛍光体は赤・緑・青が規則正しく
並んでて、各色蛍光体に対応した3本の電子ビームが連続的に照射されてンのね。こ
の電子銃の電子を特定のピクセルに当たるようにするのがシャドウマスクの仕事で、
表示面は球体に近い方が、電子銃から蛍光体までの距離を一定にできて楽なのよ。
 だから、シャドウマスク方式のフラットブラウン管なんて到底無理、シリンドリカ
ルだから平面が可能みたいなことをソニーが言ったから、東芝も切れちゃったンだ
ね。だったら、シャドウマスクで平面ブラウン管作ったろうじゃねェのってことで
「FACE」が誕生したッつーワケ。対抗開発とはいえ東芝の技術力にはホント、脱帽
だネ。結局、ハリウッドに規格統一を強要された DVD だけど、片面方式のソニーに
対し、両面方式を提唱していた国内メーカーのリーダーは東芝だからネ、東芝 VS 
ソニー、DVD 規格戦争からの因縁の対決なんだよネ、これはちょっと目が離せない
ネ。おっと、そろそろ閉店の時間なんでネ、また来月ってことで。じゃ、バイなら。

 □TOSHIBA『FACE』
  http://www.toshiba.co.jp/product/tv/index2.html

 □Sony Drive
  http://www.sony.co.jp/SonyDrive-j.shtml
                          [Written by 藤原タカシ]

                 [◆◆◆THE DAY OF BIRTH(6/20~6/26)◆◆◆]
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 6/20 テレンス・ヤング(1915)、石坂浩二(1941)、
    ライオネル・リッチー(1949)、シンディ・ローパー(1953)、
    ニコール・キッドマン(1967)

 6/21 ジャン=ポール・サルトル(1905)、長谷川初範(1955)、
    松本伊代(1965)、ジュリエット・ルイス(1973)

 6/22 ビリー・ワイルダー(1906)、アッバス・キアロスタミ(1940)、
    トッド・ラングレン(1948)、メリル・ストリープ(1949)、
    リンゼイ・ワグナー(1949)、阿部寛(1964)

 6/23 フランシス・マクドーマン(1957)、南野陽子(1967)

 6/24 ジャック・デンプシー(1895)、ヴィットーリオ・ストラーロ(1940)、
    ジェフ・ベック(1944)、ピーター・ウェラー(1947)

 6/25 ジョージ・オーウェル(1903)、シドニー・ルメット(1924)、
    カーリー・サイモン(1945)、沢田研二(1948)

 6/26 具志堅用高(1955)、クリス・オドネル(1970)

▼星座別オススメ映画はwebへのリンクに移行しました。
 http://www.cup.com/yoge/tarot/astro/
占い協力:TAROT-ASTROLOGY OF THE WEEK

----------------------------◆◆◆ 後記 ◆◆◆----------------------------
■先週末は横浜でフランス映画祭。「世界一の観覧車に乗るぞ」と意気込んで行った
木曜日、そこには観覧車の跡形もなかった。どうして? 情報遅すぎ?    <唯>

■友人に映画嫌いのヤツがいる。ビデオもTVの映画放映も見ない。根性入ってる。彼
の映画史は、『1900年』で始まり終わる。僕が無理矢理見せたんだ。     <古>

■『追跡者』にて、R・ダウニー・Jr.のシーンの多さに喜ぶ。が、ついに彼もアップ
に歳が出始めた。自然の法則とはいえ、1人ひっそりと泣くわたし。グス。   <巴>

■予告でも披露されていた、"逃亡者"シェリダンの屋上からのダイブシーン。人が決
意のもと迷わず前進する強さは、実際、あのくらい鮮烈なものを心に残す。  <冴>

▼問い合わせ先 ──────────────────────────────
movie-watch-info@impress.co.jp    :記事内容 ウォッチ編集部
ad-sales@impress.co.jp            :広告関連 インプレス A&D
sales@ips.co.jp                   :配信先等 インプレス販売
▼購読中止・配信先変更 ──────────────────────────
  下記のURLから、ポイントアップシステムのメンバーIDとパスワードを入力し、案
内にしたがって、中止・変更をしてください。なお、メンバーID等が不明なときは、
sales@ips.co.jpまでご連絡ください。
 http://www.ips.co.jp/pointup/query.htm
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発行 株式会社インプレス
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MOVIE Watchに掲載された記事を許可なく転載することを禁じます
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