◆MOVIE Watch (毎週金曜日発行:無料)─────────1998-5-29 ☆今週のHEADLINE☆---------------------------------------------------------- ●MOVIE Watchリアル・ランキング MOVIE Watchがオススメする今週の5本(平均値/ライター別評点) ●オススメ封切り情報 『ブルース・ブラザース2000』 あの伝説のバンドがスクリーンによみがえった! 『グラスハープ/草の竪琴』 オスカー俳優が大挙出演したほのぼのムービー 『ツイン・タウン』 フダ付きの悪ガキ兄弟が大人たち相手に大暴れ! ○公開作 CHECK 5本! 『ラストサマー』『エヴァの匂い』 ほか ●MOVIE PADDOCK 出走を待ちわびる新作情報(期待値%つき!) 『リーサル・ウェポン4』 型破りなあの2人が6年ぶりに帰ってくる! 『ゴダールのリア王』 ゴダール自身の登場も見もの ほか ●REVIEW / 映画4人衆 『絶体×絶命』 強烈で揺るぎない動機だけが、物語の礎 ●TOPICS 第51回カンヌ国際映画祭、パルムドールは『永遠と一日』 ほか ●興行成績ベストテン ●オススメVIDEO 『フル・モンティ』 脱ぐか否か、迷い続けるリアルさがカワイかったりして ○CHECK 4本! ●BS&CS今週の3本 ●COLUMN 【映画は音楽だ(5)】 動と静、最高のエンタテイメントとラブ・ストーリー ●THE DAY OF BIRTH ●後記 ◆◆◆ MOVIE Watchリアル・ランキング ◆◆◆ 今週末時点での劇場公開作からピック・アップした、MOVIE Watch独自の 採点による上位5作品。今観るならこれだ! 上位5本はまだまだ健在。終了間近のシーズ・ソー・ラヴリー、観ていなかった らお早めに。今週末公開の『東宮西宮』(キネカ大森)は、同性愛というテーマ ゆえ本国の中国では上映禁止ながらも、昨年のカンヌ国際映画祭で反響をよんだ 問題作。 平均値/ライター別評点(5点満点) 唯 巴 渡 冴 1.タイタニック 5.0 5 5 5 5 2.ガタカ 4.5 5 4 4 5 2.シーズ・ソー・ラヴリー 4.5 4 5 4 5 4.恋愛小説家 4.25 4 5 4 4 4.フル・モンティ 4.25 4 5 3 5 (圏外上位) 6.初恋 7.東宮西宮 ◆◆◆ オススメ封切り情報 ◆◆◆ ────────────────────────────────────── 『ブルース・ブラザース2000』 あの伝説のバンドがスクリーンによみがえった! ────────────────────────────────────── 5月30日より全国松竹洋画系にて公開 '98年/アメリカ/2時間4分 ◇製作・監督・ 脚本:ジョン・ランディス ◇製作・脚本・主演:ダン・エイクロイド ◇出演:ジ ョン・グッドマン、ジョー・モートン、J・エヴァン・ポニファント ◇配給:UIP '80年に製作された『ブルース・ブラザース』の正真正銘の続編。刑務所から出所 したエルウッドが、再びバンドを組んで飛びきりの演奏を披露してくれる。主演のダ ン・エイクロイドが見事にシェイプアップ! 懐かしい顔ぶれを一堂に集めた、同窓 会映画としての楽しさはピカイチ! ゲストミュージシャンも超豪華で、演奏シーン のノリの良さは最高!! 音楽に合わせて、思わず身体がリズムを取ってしまうぞ。 ・OFFICIAL SITE http://www.Blues-Brothers-2000.com/ ────────────────────────────────────── 『グラスハープ/草の竪琴』 オスカー俳優が大挙出演したほのぼのムービー ────────────────────────────────────── 5月30日より公開 '95年/アメリカ/1時間43分 ◇製作・監督:チャールズ・マッ ソー ◇原作:トルーマン・カポーティ ◇出演:エドワード・ファーロング、パイ パー・ローリー、シシー・スペイセク ◇配給:オンリー・ハーツ ―シネマ・カリテ 12:00/14:20/16:40/19:00(~21:10) 原作はトルーマン・カポーティの自伝的小説。母親を亡くし、親戚の家に預けられ た少年の成長物語だ。この映画一番の見どころは、豪華な脇役陣。シシー・スペイセ ク、ウォルター・マッソー、ジャック・レモンなど、アカデミー賞スターが勢揃い。 しかも、こうしたベテラン俳優たちがきっちり脇に徹している。じつは監督のチャー ルズ・マッソーはウォルター・マッソーの息子。どうりでアットホームな映画だ。 ・OFFICIAL SITE http://www.flf.com/grassharp/index.html ────────────────────────────────────── 『ツイン・タウン』 フダ付きの悪ガキ兄弟が大人たち相手に大暴れ! ────────────────────────────────────── 5月30日より公開 '97年/イギリス/1時間39分 ◇監督・脚本:ケヴィン・アレン ◇製作総指揮:ダニー・ボイル、アンドリュー・マクドナルド ◇出演:リス・エヴ ァンス、リル・エヴァンス、ダグレイ・スコット ◇配給:アスミック ―シネマライズ 11:20/13/25/15:30/17:35/19:40(~21:30) 実際は双子じゃないのに、いつも一緒に行動していることから、町の人たちに「双 子」と呼ばれているルイス家の悪ガキ兄弟と、町の有力者ブリンの間に起きたケンカ と復讐の物語。前半のスピード感は独特のものがある。スコットランドが舞台の『ト レインスポッティング』やシェフィールドが舞台の『フル・モンティ』がヒットする など、イギリス映画は今「地方の時代」を迎えている。本作はウェールズが舞台だ。 ・CINEMA1 TWIN TOWN http://www.cinema1.com/movies97/twintown/us.html ○公開作 CHECK 5本! ★=注目作 ★★=見て損はしない ★★★=これは必見! (未)=未見 ■『ラストサマー』 5月30日より全国松竹東急洋画系にて公開 ★★ 『スクリーム』の脚本家が描く新しい恐怖。去年の夏、主人公たちがしたことは……。 ■『ザ・ワイルド』 5月30日より有楽町スバル座にて公開 ★★ 男同士のガチンコ勝負に熊が乱入。脚本はアメリカ演劇界の重鎮デビッド・マメット。 ■『エヴァの匂い』 5月30日よりユーロスペースにてレイト公開 ★★★ 奔放な女・エヴァに翻弄される男の姿を通して、男と女の本質を描く傑作。 ■『JOKER/疫病神』 5月30日より新宿東映パラス2にて公開 ★★ 渡部篤郎と萩原健一主演のやくざ映画。池袋文芸坐での銃撃戦に、映画ファン感激! ■『黒の天使 Vol.1』 5月30日より松竹洋画系にて公開 ★ ヌード写真集の後なのに葉月里緒菜がヌードにならない不思議さ。監督は石井隆。 [Written by 服部弘一郎] ◆◆◆ MOVIE PADDOCK ◆◆◆ 出走を待ちわびる新作情報を、期待値%つきでお届けします。 ────────────────────────────────────── ■『リーサル・ウェポン4』 8月1日/丸の内ピカデリー1 他(期待値85%) ────────────────────────────────────── ロサンゼルスのど真ん中に突如現れた武装男。ガス噴射型火炎放射器で、あたり構わ ず攻撃を開始、ロス中のパトカーと救急車が現場に殺到する中、あの2人が颯爽と駆 けつけて……。「最終兵器」の異名をとる刑事マーチン(メル・ギブソン)と、その 相棒の黒人刑事ロジャー(ダニー・グローバー)が、掟破りのスケールで6年ぶりに スクリーンに帰ってくる! 監督は前3作に引き続きリチャード・ドナー。 ────────────────────────────────────── ■『ゴダールのリア王』 8月10日/三百人劇場(75%) ────────────────────────────────────── ウィリアム・シェイクスピア・ナンバー・ファイヴを名乗る青年作家が、旅先で知り 合ったマフィアの老紳士ドン・レアーロと、その娘コーディリアを「リア王」の父娘 に見立てて物語の再生を試みるが……。作品にはゴダール自身も登場し、フィルム編 集はウディ・アレンが担当するなど、現在では実現不可能な豪華キャスト・スタッフ によるおとぎ話。 ────────────────────────────────────── ■『アイ・ドール』 夏休み/BOX東中野(70%) ────────────────────────────────────── 今やポップ・カルチャーのアイコンとなった、世界一のアイドル“バービー”を巡る ドキュメンタリー。バービー誕生の秘密、そのルックスとファッションの変遷などを、 6年の歳月をかけてアメリカ全土で取材した貴重な証言と映像で綴る。 ────────────────────────────────────── ■『ミミ』 8月/俳優座トーキーナイト(75%) ────────────────────────────────────── 黄色に象徴される、黄ばんだパリの裏側の日常におびえる12歳の少女ミミを、グリム より100年も前に書かれたシャルル・ペローの童話「赤ずきんちゃん」をモチーフに 描いた、ルシール・アザリロヴィック監督デビュー作。デザイナーのアニエスb.が、 製作協力として資金提供をしていることでも話題を呼ぶ。 ◆◆◆ REVIEW / 映画4人衆 ◆◆◆ ────────────────────────────────────── 『絶体×絶命』 強烈で揺るぎない動機だけが、物語の礎 ────────────────────────────────────── 主人公のコナー刑事(アンディ・ガルシア)の息子は、骨髄移植のドナーがいなけ れば死を免れない。いきなり冒頭で法を犯してまで、望みをつなごうとする父親の追 い込まれた状況に、息子の死期との時間的な競争が拍車をかける。がむしゃらに何か を追跡する主人公を描いたアクション映画は多いが、それらの作品との決定的な違い は、父が息子に「無償の愛」を捧げることに少しも疑問を感じていない─なぜそうす るのかという動機が強烈で揺るぎない─という点だ。親子でさえお互いを信じられな くなりがちな現代で、その絆をよどみなく語るために、観客の邪推を許さない臨場感 というサスペンスとアクション的疾走感がふんだんに盛り込まれている。 病院という閉鎖的な空間の中、息詰まるサスペンスが続くかと思うと一転、一気に 解放されたかのような、すさまじいカー・チェイスへ。同時に映画自体も「肉体」を 授かったかのごとく、それまでの詰め将棋のような頭脳戦から、主人公の熱い体温が 伝わってきそうな躍動感へと移行していく。たとえ相手が凶悪犯マッケイブ(マイケ ル・キートン)であっても、唯一のドナー適合者だから殺せないという皮肉な展開は、 やたら殺しまくる映画が多い中で、逆にいえば潔いくらいだ。人が「生きよう」とす る迫力と、息子も犯人も「生かさなければならない」ギリギリの状況での主人公の駆 け引き。これらが絶妙にかみ合った瞬間を、劇場で体感してみてほしい。 [Written by 渡辺一弘] (満点は★5つ) ■「すぐ戻る」ってセリフは計算ずみ。命は刑事が守ってくれるし、捕まっても人助 け、こんなオイシイ脱走劇、てことで主人公は凶悪犯。で、何? ★★☆☆☆<唯> ■タイムリミットが迫る中、主人公たちの生への叫びがこだまし合う。邦題がはまり すぎるほど「体」と「命」が追い込まれる映画。 ★★★★☆<渡> ■IQ150? 善と悪それぞれの中で交錯する善と悪?? 見せたいものはアクションなの かそれとも物語なのか、中途半端。あるのはココロの上辺だけ。 ★★☆☆☆<巴> ■プロットも設定も甘いことこの上ないが、なぜか観ていて悪い気はしない。主役2 人が極端な状況下で繰り広げる良心的(?)アクション&コメディ。★★★☆☆<冴> ・OFFICIAL SITE http://www.spe.sony.com/movies/desperatemeasures/ ◆◆◆ TOPICS ◆◆◆ ────────────────────────────────────── ★第51回カンヌ国際映画祭、パルムドールは『永遠と一日』 ────────────────────────────────────── 24日に閉幕した第51回カンヌ国際映画祭だが、今回のパルムドール(最優秀作品賞) は、不治の病で死を目前にした詩人と移民の少年の出会いを描いた、ギリシャのテオ ・アンゲロプロス(Theo Angelopoulos)監督の『永遠と一日』("Eternity and a Day")に決定した。アンゲロプロス監督は、『ユリシーズの瞳』で'95年の同映画祭 審査員特別大賞を受賞しているが、パルムドールは、エミール・クストリッツァ監督 の『アンダーグラウンド』に譲った経験があるだけに、受賞の感激はひとしおだった もよう。 ────────────────────────────────────── ★『モンタナの風に抱かれて』、好調 ────────────────────────────────────── ロバート・レッドフォード監督・主演作、『モンタナの風に抱かれて』("The Horse Whisperer")が5月15日に全米で公開されたが、オープニング3日間で興収1,400万ド ルを記録、『ディープ・インパクト』に次いで第2位(『GODZILLA』公開の先週末は 第3位)にランクされ、好調を維持している。全世界で1,000万部以上を売り上げた Nicholas Evansの同名ベストセラー小説("The Horse Whisperer")が原作のこの作 品、日本国内では今秋、全国東宝洋画系にて公開予定。 ・OFFICIAL SITE http://www.movies.com/horsewhisperer/index.html ────────────────────────────────────── ★「東映チャンネル」、7月放送開始予定 ────────────────────────────────────── CSデジタル衛星放送の新会社「東映衛星放送株式会社」を設立した東映だが、このほ ど新事務所およびチャンネル名「東映チャンネル」が決まり、4月24日におりた正式 委託放送免許に基づき、7月1日から「スカイ パーフェクTV」で放送を開始する予定 であると発表した。 ────────────────────────────────────── ★「MOVIX倉敷」、'99年9月オープン ────────────────────────────────────── (株)松竹マルチプレックスシアターズは、マルチプレックスシアター「MOVIX倉敷」 を岡山県倉敷市のイオン倉敷ショッピングセンター内に、'99年9月にオープンするこ とを決定した。「MOVIX倉敷」は、10スクリーンで2,500席、ワンフロアーのマルチプ レックスシアターのスクリーン数としては日本最大規模となる。 ◆◆◆ 興行成績ベストテン ◆◆◆ 上位5作品に新作が3つ入り、ランキングの顔ぶれが新しくなった週末。 厳戒態勢の中で公開された『プライド~』は2位。作品の性質上、海外 での反応には厳しいものが含まれるが……。『もののけ姫』を抜く日本 歴代興行収入新記録を樹立した『タイタニック』効果はどこまで続く? 【配収】 1 →( 1)タイタニック (23週) 2 初(─)プライド/運命の瞬間 ( 1週) 3 初(─)スフィア ( 1週) 4 初(─)絶体×絶命 ( 1週) 5 ↓( 2)恋愛小説家 ( 7週) 6 ↓( 3)エイリアン4 ( 5週) 7 →( 7)ディアボロス/悪魔の扉 ( 6週) 8 初(─)ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ ( 1週) 9 ↓( 5)スターシップ・トゥルーパーズ ( 4週) 10 初(─)ラブ・レター ( 1週) 興行通信社調べ 1998/5/23~1998/5/24(銀座・新宿・渋谷3地区代表館集計) ◆◆◆ オススメVIDEO ◆◆◆ こんなにおもしろくてアカデミー作品賞にもノミネートされたの に、まだまだ見られなかった人も多いのではないかと思われる、 『フル・モンティ』。ビデオでもきっと楽しめそう。 ────────────────────────────────────── 『フル・モンティ』 脱ぐか否か、迷い続けるリアルさがカワイかったりして ────────────────────────────────────── 【データ】'97年/英/1時間32分 (6/5発売:20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン) 監督:ピーター・カッタネオ、出演:ロバート・カーライル、トム・ウィルキンソン 仕事を失った元雇用者と元労働者。街に失業者があふれそうな不景気に、なぜかに ぎわう建物があった。女性が列を作るその店ではなんと、男性ストリップショーが華 やかに……。これしかないと思い立った失業仲間、その日から怪しくも軽快なダンス の訓練が始まるのだった。思い出しても笑えるシーンの数々、情けなくも愛らしい男 たちの表情が忘れられなくなったとき、ウェットな爽快さが吹き抜けるかも。 ○CHECK 4本! ■『ミミック』1時間46分/米(6/5発売:アミューズビデオ/松竹富士) ミラ・ソルヴィーノ主演。遺伝子操作で生まれた昆虫が予想外の生態を持っていた! ■『マッド・ドッグス』1時間33分/米(6/5発売:エスピーオー) ギャングの大ボスの退院とともに起こるドラマを、豪華キャストの共演で描く。 ■『ゴースト・オブ・ミシシッピー』2時間10分/米(6/5発売:東和ビデオ) 黒人公民権運動家の暗殺事件を30年ぶりに再調査すべく立ち上がる法廷サスペンス。 ■『ファーザーズ・デイ』1時間39分/米(6/5発売:ワーナー・ホーム・ビデオ) ロビン・ウィリアムス、ビリー・クリスタル共演。家出少年をめぐるコメディ。 [Written by 唯よーじゅ] ◆◆◆ BS&CS今週の3本 ◆◆◆ ────────────────────────────────────── 5/31(日)『レニ』 NHK衛星第2(深夜0:45~) ────────────────────────────────────── '36年のベルリン・オリンピック大会の記録映画『民族の祭典』などで、その監督と しての才能は高く評価されながら、ナチとの密接な関係性ゆえ、戦後映画界から追放 されたレニ・リーフェンシュタールの半生を描く。効果的な映像表現のために、オリ ンピック競技そのものに手を加えるなど、報道・記録映画のタブーを踏み越えたとも いえるやり方をどう評価するべきなのか、この機会に考えてみるのもいい。 ────────────────────────────────────── 6/3 (水)『スミス都へ行く』 WOWOW(深夜4:50~) ────────────────────────────────────── とある上院議員の急死により、突如政治の世界に放り込まれたボーイスカウト団長の スミス(ジェームズ・スチュアート)。私欲うごめく政治の世界で利用され、慕って いた亡き父の親友にも裏切られた彼が、傷つきながらも一途な正義感に燃えて、反撃 を試みるラストの演説シーンに思わず涙……。'39年フランク・キャプラ監督作品。 ────────────────────────────────────── 6/4 (木)『友だちのうちはどこ?』 CSN1ムービーチャンネル(16:15~) ────────────────────────────────────── イラン北部の村を舞台に、友だちのノートを持って帰ってしまった少年が、そのノー トを返すために友だちのうちを探し回る一部始終を、ドキュメンタリー風に描いた佳 作。監督は、公開から18週を数えた『桜桃の味』のアッバス・キアロスタミ。 ◆◆◆ COLUMN ◆◆◆ ---------------------------------------------------------------------------- 【映画は音楽だ(5)】 動と静、最高のエンタテイメントとラブ・ストーリー ---------------------------------------------------------------------------- ◆『ブルース・ブラザース2000/オリジナル・サウンドトラック』 (ユニバーサルビクター/MVCU-24016/税抜価格\2,420) この映画のためにつくられたコンビだと思っていたら、ダン・エイクロイドが同じ くブルース好きのジョン・グッドマンを誘って、5年前にブルース・ブラザースを再 結成していたのだそうだ。なにはともあれ、18年ぶりの続編である。“2000”という ことはなにか未来チックになってしまったんじゃないか、という心配はご無用、映画 もサントラも。前作となんにも変わっていないのである。ただパワーアップしただけ。 サントラに関してはブルース色が濃くなったというのが全体的な印象、さらに参加し ているメンツが豪華になっているということ。往年のソウル、ブルース人脈の生き残 りを総ざらい(ウィルソン・ピケット、B.B.キング、ゲイリー・US・ボンズ、ボ・デ ィドリーら)したうえ、クラプトンだのスティーブ・ウィンウッドだのの大御所も参 加。もちろんブルース・ブラザース・バンドも同メンバーで健在。また、前作の「ロ ーハイド」に対する「ライダース・イン・ザ・スカイ」、「シンク」に対する「リス ペクト」など、対になる曲とシチュエーションがあって楽しめる。巷ではシブい年寄 りの音楽と思われているブルースを、ここまでのエンタテイメントにしてくれるのは さすがだ。 ◆『裸足のトンカ/オリジナル・サウンドトラック』 (ビクターエンタテインメント/VICP-60330/税抜価格\2,700) ジャン=ユーグ・アングラード主演でサントラがガブリエル・ヤール、キャッチ・ コピーが「愛が駆けぬける」とくれば、これはもう思い出すのは『ベティ・ブルー/ 愛と激情の日々』。実際、ジャンとヤールはこの作品以来の友人だそうだ。その後、 ヤールは『イングリッシュ・ペイシェント』でアカデミーの作曲賞をとり名実ともに 一流の映画音楽家となった。ロマンティックで情感あふれる旋律を書かせたら彼の右 に出るものはいないだろう。またベイルート出身でブラジルにも住んでいたという経 歴からか、エキゾティズムを漂わせるのがうまい。本作でもインド人である主演のト ンカ(パメラ・スー)にあわせたインド音楽の味付けがスパイスを効かせている。 [Written by 大竹利実] ◆◆◆ THE DAY OF BIRTH(5/30~6/5) ◆◆◆ 5/30 ハワード・ホークス(1896)、ベニー・グッドマン(1909)、 アニエス・ヴァルダ(1928)、左とん平(1937) 5/31 伊福部昭(1914)、エレーヌ・スチュワート(1929)、 クリント・イーストウッド(1930)、ジョン・ボーナム(1948)、 リー・トンプソン(1961)、鈴木京香(1968) 6/ 1 マリリン・モンロー(1926)、モーガン・フリーマン(1937)、 ジョナサン・プライス(1947)、ロン・ウッド(1947)、 坂上忍(1967)、夏川結衣(1968)、アラニス・モリセット(1974) 6/ 2 マルキ・ド・サド(1740)、トーマス・ハーディ(1840)、 チャーリー・ワッツ(1941)、神保美喜(1960) 6/ 3 トニー・カーチス(1925)、アレン・ギンズバーグ(1926)、 唐沢寿明(1963) 6/ 4 日色ともゑ(1941)、ジョー・ウォルシュ(タズ・マロイ)(1979) 6/ 5 フェデリコ・ガルシア・ロルカ(1898)、ガッツ石松(1949)、 檀ふみ(1954)、アン・ルイス(1956)、中嶋朋子(1971)、 大河内奈々子(1977) ▼星座別オススメ映画はwebへのリンクに移行しました。 http://www.cup.com/yoge/tarot/astro/ 占い協力:TAROT-ASTROLOGY OF THE WEEK ◆◆◆ 後記 ◆◆◆ ■僕の星:★=○○せ!、★★=トホホ、★★★=そうすか、★★★★=いいねー、 ★★★★★=大満足、ってことで三つ目の★を半分にできるといいんだけど。 <唯> ■じゅる。『仮面の男』のキャストが勢揃いした写真を掲げ、よだれを垂らしている 人を街で見掛けたら、それはきっとわたしです。た・たまらん。じゅるる。 <巴> ■何でもいいから揺るがないものをひとつ、心に抱いていられればいいんだきっと。 映画でも然り。お、がんばってるね、で許せてしまったりすることもある。 <冴> ▼問い合わせ先 ────────────────────────────── movie-watch-info@impress.co.jp :記事内容 ウォッチ編集部 ad-sales@impress.co.jp :広告関連 インプレス A&D sales@ips.co.jp :配信先等 インプレス販売 ▼購読中止・配信先変更 ────────────────────────── 下記のURLから、ポイントアップシステムのメンバーIDとパスワードを入力し、案 内にしたがって、中止・変更をしてください。なお、メンバーID等が不明なときは、 sales@ips.co.jpまでご連絡ください。 http://www.ips.co.jp/pointup/query.htm ────────────────────────────────────── 発行人 塚本慶一郎/編集長 井芹昌信 発行 株式会社インプレス 〒102-0075 東京都千代田区三番町20 編集:デラ・ジャパン株式会社(紺野美樹、服部弘一郎、唯洋樹、菊池朋子) LIFE WATCH編成:深栖篤匡/村田敦史 Copyright(C) 1997-1998 Impress Corporation. 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