◆MOVIE Watch (毎週金曜日発行:無料)─────────1998-3-13
●HEADLINE―――――――――――――――――――――――───―――――――
[特別企画]
●MOVIE Watchライターズ・ベストテン結果発表!
[MOVIE PADDOCK]
●出走を待ちわびる最新作情報
[オススメROAD SHOW]
岩井俊二監督の最新作!◆『四月物語』
ミシェル・ヨーが大活躍!◆『トゥモロー・ネバー・ダイ』
不器用で臆病な恋の行方は……◆『F<エフ>』
●CHECK11本!
[新企画/映画4人衆]
『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』を強者「映画4人衆」が総チェック
[TOPICS]
◆『リング2』の脚本を募集 ほか
[ザ・ランキング]
春休み!『ドラえもん~』上位に食い込む
[COLUMN]
【城戸朱理のシネマ・クローゼット(4)】
──自信のある人、「ヴェルセイス」を着よう!
[オススメVIDEO]
『キラー・スノーマン』
──ストーリーは立派なホラーなのに、芸の細かさでしっかり笑える
『百貨店大百科』
──不況ってやっぱり、マイペースな人が最後に笑う? 最初から笑ってる?
●CHECK4本!
[BS&CSチェック]
今週はこの3本!
[ESSAY]
【映画のノイジオグラフィー(1)~音響の博物誌~】──男と女の夾雑音
[占星映画術]
◆THE DAY OF BIRTH/星座別オススメ映画
──●特別企画●──
>>>MOVIE Watchライターズ・ベストテン結果発表!<<<
MOVIE Watchライターが独自の視点で1997年を斬るとこうなります。
結果やいかに……?!
<作品賞>
第1位 『タイタニック』
第2位 『奇跡の海』
第3位 『太陽の少年』
第4位 『バウンスkoGALS』
第5位 『目撃』
第6位 『もののけ姫』
第7位 『浮き雲』
『ザ・エージェント』
第9位 『ベスト・フレンズ・ウェディング』
第10位 『ロスト・ハイウェイ』
『バウンド』
<監督賞>
ラース・フォン・トリアー『奇跡の海』
<主演男優賞>
アル・パチーノ『フェイク』
<主演女優賞>
ジュリア・ロバーツ『ベスト・フレンズ・ウェディング』『陰謀のセオリー』
<助演男優賞>
ルパート・エヴェレット『ベスト・フレンズ・ウェディング』
<助演女優賞>
レニー・ゼルウィガー『ザ・エージェント』
<脚本賞>
『スクリーム』
<音楽賞>
『ロスト・ハイウェイ』
<特殊効果賞>
『タイタニック』
<プロデュース賞>
『失楽園』
詳細情報は、 http://dela.cup.com/watch/special/1997ws_best.html でチェック!
──●MOVIE PADDOCK●──
このコーナーでは、出走を待ちわびる新作情報をお届けします。
■『恋愛小説家』 GW/日比谷みゆき座他、全国東宝洋画系
ジャック・ニコルソンが演じる、極端な潔癖症でひとり者の売れっ子恋愛小説家。嫌
われ者の彼が恋をした相手は……。数々の賞に輝いて話題のラブ・ストーリー。
■『BE MY BOY』 4月下旬/キネカ大森
奔放なゲイの青年サニーと、ゲイであることを周囲に隠しサニーと愛し合うロー。幼
なじみの女性ライの、ローへの想いも切実で。ゲイを真正面から見つめた香港映画。
■『シューティング・フィッシュ』 4月下旬/シネスイッチ銀座
孤児院出身のディランとジェズ、そして謎の少女ジョージー。発明品販売で詐欺をは
たらく3人が繰り広げたひと騒動とは……。英国の若者の間で大ヒットした注目作。
■『ディディエ』 GW/東劇他、全国松竹洋画系
不振サッカーチームのマネージャー、ピエール。友人から預かった犬のディディエが、
ある朝突然サッカー上手な人間に…?! アラン・ジャバ監督の爆笑ファンタジー。
■『アサインメント』 5月下旬/東劇他、全国松竹洋画系
実在の国際テロリスト、カルロス・サンチェス(通称"ジャッカル")の逮捕劇の裏側
を、大胆な推理で描き出したサスペンス・アクション。
──●オススメ ROAD SHOW●──
情報誌には山ほど映画が載ってるけど、本当に面白い映画はどれだろう……?
そんな疑問に答える耳寄り情報。この週末はこれさえ見れば大丈夫!
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岩井俊二監督の最新作!◆『四月物語』
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3月14日よりシネ・アミューズにて公開 '98年/日本/1時間7分 ◇監督・脚本:岩
井俊二 ◇撮影:篠田昇 ◇照明:中村裕樹 ◇美術:都築雄二 ◇出演:松たか子、
田辺誠一、加藤和彦、藤井かほり ◇配給:ロックウェルアイズ
―シネ・アミューズ
11:20/13:00/14:40/16:15/18:10/19:50/21:30(~22:55)
前作『スワロウテイル』で映画ファンから賛否両論を浴びた岩井俊二監督が、小さ
な可愛い映画を作り上げた。本作は大学進学のため北海道から東京に引っ越してきた
女の子の日常を、みずみずしいタッチで撮り上げた中編映画。欧文タイトルやシンボ
リックな映像など、いつもの岩井スタイルをすべて捨て去り、松たか子という旬の素
材と正面から向かい合っている姿勢が見える。スッキリとした後味の爽やかな映画だ。
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ミシェル・ヨーが大活躍!◆『トゥモロー・ネバー・ダイ』
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3月14日より全国東宝洋画系にて公開 '97年/アメリカ/1時間59分 ◇監督:ロジ
ャー・スポティスウッド ◇脚本:ブルース・フィアステイン ◇出演:ピアース・
ブロスナン、ジョナサン・プライス、ミシェル・ヨー ◇配給:UIP
英国諜報部員007ことジェームズ・ボンドが大活躍する、人気シリーズの第18作。
映画冒頭からのノンストップアクションに手に汗握り、随所に挿入されるお約束のユ
ーモアにニヤリ……。今回はボンド・アクトレスに香港のアクション女優、ミシェル
・ヨーを配し、ボンドと互角に活躍させているのが見もの。シリーズのお楽しみとな
っている秘密兵器も多数登場、中でもボンドカーの活躍ぶりに目をみはる。必見!
・Official Site
http://www.tomorrowneverdies.com/bondmain.html
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不器用で臆病な恋の行方は……◆『F<エフ>』
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3月14日より全国松竹洋画系にて公開 '98年/日本/1時間42分 ◇監督・脚本:金
子修介 ◇原作:鷺沢萌 ◇脚本:松尾奈津 ◇主題歌:渡辺美里 ◇音楽:大谷幸
◇出演:羽田美智子、熊川哲也、村上里佳子、戸田菜穂、野村宏伸 ◇配給:松竹
恋人との結婚を意識しはじめた派遣OLと、偶然知り合った匿名ラジオDJとの恋物語。
新生『ガメラ』シリーズや『学校の怪談3』など、最近は特撮映画が続いていた金子
修介監督が、久々に撮ったストレートなラブストーリーだ。英国ロイヤルバレエ団の
プリンシパル、熊川哲也の映画デビュー作。ラジオや電話など、小道具の使い方に、
従来の邦画にないセンスを感じる。この春イチ押しの、和製ロマンチック・コメディ。
・Official Site
http://shochiku.co.jp/cj/f-movie/index.html
●CHECK11本!
★=注目作 ★★=見て損はしない ★★★=これは必見!
■『ナイスガイ』 3月14日より全国東宝洋画系にて公開 ★
ジャッキー・チェンの世界進出第1弾。全編オーストラリアロケの大アクション!
■『マウス・ハント(日本語版)』 3月14日より全国東宝洋画系にて公開 ★★
たまには親子連れで映画もいい。この映画なら大人も十分に楽しめること請け合い。
■『D3/マイティ・ダックス』 3月14日より銀座シネパトス他にて公開 ★★
少年ホッケーチームの活躍を描く人気シリーズ第3弾。ホッケーシーンに迫力あり。
■『ソルジャー・ドッグス』 3月14日よりシネ・アミューズにてレイト公開 ★
『フェイス/オフ』が大ヒット中のジョン・ウー監督も、昔はヘタクソだった???
■『スタントウーマン・夢の破片(かけら)』
3月14日よりシネマ・カリテにてレイト公開 ★
新ボンド・アクトレス、ミシェル・ヨー(ミシェル・キング)主演の自伝的映画。
■『エンド・オブ・バイオレンス』
3月14日より恵比寿ガーデンシネマにて公開 ★
ヴィム・ヴェンダース監督の、アメリカ映画に対する愛憎が垣間見える作品。
■『シャロウ・グレイブ』 3月13日より俳優座トーキーナイトにて公開 ★★
ダニー・ボイルがユアン・マクレガー主演で撮ったデビュー作を再映。
■『ゲット・オン・ザ・バス』 3月14日よりBOX東中野にて公開 ★★
黒人映画のトップランナー、スパイク・リー監督の最新作。規模は小さいが辛口。
■『食神』『マッド・モンク』 3月14日より中野武蔵野ホールにて公開 ★★★
香港の喜劇王チャウ・シンチーの主演作2本立て。毎度毎度のバカバカしいお笑い。
■『ラヂオの時間』『東京日和』 3月14日よりギンレイホールにて公開 ★★★
国内で様々な賞を獲得した話題作を2本立てで上映。この機会にぜひ見ておこう。
■『リング』『らせん』 銀座シネパトス他にて公開中 ★★★
観客の心理を直撃する戦慄のホラー。人気にこたえて現在ムーブオーバー中。
[Written by 服部弘一郎]
──●新企画 映画4人衆●──
のるか、そるか……結果は見てのお楽しみ。
強者「映画4人衆」が総チェック。今週は、これだ!
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『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』 全国松竹東急洋画系にて公開中
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孤児のウィル・ハンティング(マット・デイモン)は、暴行傷害で裁判係争中の身。
恵まれない過去と、類まれな天賦の才の持ち主である彼を、人生のパートナーを亡く
した傷心の精神分析医ショーン・マクガイア(ロビン・ウィリアムス)との出会いが
変えていく─。癒し癒される者たちが、共に旅立つまでの軌跡を描いて秀逸な一本。
(満点は★5つ)
■目の表情ひとつでショーンを演じきるウィリアムスにドキリ。際立つせりふの重み
と微妙なニュアンスに、脚本の確かさも感じて涙腺負ける。 ★★★★☆<冴>
■親友との最高の関係がずっと心に響き続ける。自分がこれまで、そして今、友だち
をどれくらい思っているか、現実の中のドラマも振り返ってしまう。★★★★★<唯>
■ゼロイチ分析のデータ人間ウィル VS 1+1が2とは限らない魂の男ショーン。闘い
の後は啓蟄の日差しにも似た柔らかな指で、涙を拭いたくなる映画。★★★★★<川>
■優しい陽光に包まれた、明るい土色の画面が瞳に入り込んでくるオープニング。そ
の時すでに、私たちは広げられた両手の中へ飛び込んでいる。 ★★★★☆<巴>
・マット・デイモンのインタビュー記事(英文)
http://www.student.com/97/12/26/damon/
──●TOPICS●──
◆『リング2』の脚本を募集
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ヒットにともない、ムーブオーバー中の『リング』『らせん』だが、一般から『リン
グ2』のオリジナル脚本(『リング2』または『リング外伝』に相当する内容のシナリ
オ)を募集、入賞作品には賞金500万円と映像化がプレゼントされる。募集要項は次
のとおり。
<選考委員>鈴木光司(原作者)、中田秀夫(映画『リング』の監督)、
角川歴彦、原正人
<原稿枚数>400字詰原稿用紙100~150枚(ワープロ可)。はじめに5枚程度の概要を
とじ添え、その末尾に氏名、年令、略歴、住所、電話番号を明記。
<送付先> 〒113-0033 東京都文京区本郷5-24-5
エースピクチャーズ(株)「リング2」係
<締 切> 1998年5月5日
<発 表> 6月下旬、角川書店各誌上。
<諸権利> 映画化、TVドラマ化、ビデオ化等の映像化権、放送権、その他二次的利
用に関する権利ならびに出版権は主催者((株)角川書店、エースピク
チャーズ(株))に帰属する。ただし、当該権利料(二次的利用の対価
を含む)は賞金に含まれる。
◆「'99年度サンダンス・NHK国際映像作家賞」、4月上旬募集開始
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アメリカ合衆国、ヨーロッパ、ラテンアメリカ、日本から各1名、独創性や才能、ビ
ジョンをもち、国際的な映画の将来を担うにふさわしい新進映像作家たちを支援する
「サンダンス・NHK国際映像作家賞」の'99年度日本部門の募集が、4月上旬に開始さ
れる。対象となるのは、次作のオリジナル脚本をもつ映像作家で、自ら監督として映
画化をめざす人。募集要項はハガキに住所、電話番号、氏名、希望部数を書いて、
〒150-0041 NNK・BS2「NHK・サンダンス事務局」に申し込む。
◆『バンドワゴン』でトークショー開催
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現在、シネマスクエアとうきゅうで公開中のバンド映画『バンドワゴン』の公開を記
念して、3 月14日・21日の午後9時5分から11時15分まで、ミュージシャンによるトー
クショーが行われる。出演は14日ニール&イライザ、21日ホフディラン×ヒックス
ヴィル。前売り券(1,600円)を発売中だが、劇場窓口で当日券(1,800円)を買うと
オリジナル・ポストカードがプレゼントされる。トランスコンチネンツ特製Tシャツ
とチケット・セット券(6,000円)も発売中。
──●ザ・ランキング●──
初登場の『グッド・ウィル・ハンティング』は、3位につけてまずまずと
いったところ。親子で楽しめる『ドラえもん~』『マウス・ハント』が、
上位に入っているのは春休みならではの現象か。お待ちかね『トゥモロー
・ネバー・ダイ』が公開される今週末に注目。来週の予想順位は、トゥモ
ロー→タイ→フェイス→グッド→マウス。
【配収】
1 ↑( 2)タイタニック (12週)
2 ↓( 1)フェイス/オフ ( 2週)
3 初(─)グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち ( 1週)
4 初(─)ドラえもん・のび太の南海大冒険 ( 1週)
5 初(─)マウス・ハント ( 1週)
6 ↓( 3)ゲーム ( 5週)
7 →( 7)スポーン ( 4週)
8 ↓( 5)アミスタッド ( 2週)
9 初(─)銀河鉄道999 エターナル・ファンタジー ( 1週)
10 ↓( 6)コップランド ( 2週)
興行通信社調べ
1998/3/7~1998/3/8(銀座・新宿・渋谷3地区代表館集計)
──●COLUMN●──
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【城戸朱理のシネマ・クローゼット(4)】
──自信のある人、「ヴェルセイス」を着よう!
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新作『スターシップ・トゥルーパーズ』の公開が待たれるポール・バーホーベン監
督だが、よほど女性に対して偏見か恨みでもあるのだろうか、それとも正確に認識し
ているのだろうか。彼の描く女性は力に満ちていて、おまけに恐ろしい。華麗なショ
ー・ビジネスの世界を舞台に、ひとりの女性ダンサーのサクセス・ストーリーを描い
たはずの『ショーガール』にしても、ダイナミックすぎてダンス映画などではなく格
闘技映画を見ているような気分になってくる。突然、スクリーンにアンディ・フグが
出てきても不思議ではないような。
ところで主役のエリザベス・バークレーが劇中、意に染まない仕事で得たお金をは
たいてVERSACEのドレスを買うシーンがある。会う人、会う人、彼女の服をほめるが、
それに対して彼女は「ヴェルセイスなの」。カイル・マクラクランが「ヴェルサーチ
と発音するんだ」と教えるという展開で、彼女がそれまでヴェルサーチのような高価
なモードと無縁に生きてきたことを暗に示すようになっていた。
ジャンニ・ヴェルサーチは、ミラノ・コレクションを代表するデザイナーのひとり
だが、昨年、マイアミの別荘の近くで射殺され、世界に衝撃を与えた。犯人はホモ・
セクシュアル相手の高級売春夫。事件は警察に追いつめられた犯人が自殺するという
ショッキングな幕切れを迎えた。
ヴェルサーチは日本では、なぜか華美な服として知られていたが、シャープで斬新
なカッティングで独自のスタイルを作り上げ、あの大英博物館が初めてコレクション
に加えたファッション・デザイナーだったように記憶している。大胆な服だけに、自
信のある人にしか似合わない。
だから、エリザベス・バークレーはヴェルサーチのドレスを選んでから、成功への
階段を登り始める。1着のドレスが物語の小道具として機能する俗っぽさが『ショー
ガール』のおもしろさ。ストーリーも俗っぽいが、成功をあっさり手放すラストシー
ンも、いかにもアメリカ映画らしい俗っぽさで心地よい。そう、ポール・バーホーベ
ンの作品には、時々いかにもアメリカ映画だなと思わせてくれるところがあって、そ
のあたりは目が離せない。
[Written by 城戸朱理]
──●オススメVIDEO●──
◇ 今週は笑っていただきましょう、それもクスクスと。何気なく見ても、 ◇
◇ じっくり見ても、笑えた自分が得した気分になれることでしょう。 ◇
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『キラー・スノーマン』
──ストーリーは立派なホラーなのに、芸の細かさでしっかり笑える
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パッケージの写真を見ただけで笑えるはず。西洋でおなじみの人参鼻の雪だるまが
木の枝の眉を逆ハの字にして(口はにこやかに)人々を襲っていく。殺人犯のDNAと
「雪」が、新型アメーバのせいで融合して、溶けたり凍ったり変幻自在の怪物スノー
マンとなった。雪だるまでさえなかったら、立派に怖い王道ホラー。それが、田舎の
マイペースな警官のギャグや、最近のホラー映画のパロディの味もたっぷりに、細か
い演出で高級な笑いをカッコよく見せてくれる。昨今指折りのコミックホラー!
【データ】'96/米/1時間29分(3/18発売:インタラクティブ・シネマ)
監督・脚本:マイケル・クーニー 出演:ステファン・メンデル、スコット・マクド
ナルド 音楽:クリス・アンダーソン、カール・シュルツ
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『百貨店大百科』
──不況ってやっぱり、マイペースな人が最後に笑う? 最初から笑ってる?
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『猫が行方不明』『家族の気分』で、日本にもファンが定着したかもしれない、セ
ドリック・クラピッシュ監督の、劇場版長編映画デビュー作。倒産寸前の名門デパー
トの経営再建のためにやってきた新進気鋭の新社長。あの手この手で奮闘するが、ひ
とクセもふたクセも三クセもある社員店員を相手に苦戦、脱力。監督からしてクセの
ある人だし俳優がまた妙な雰囲気の人だらけ。ハマるとなかなか抜け出せないかも。
【データ】'92/仏/1時間37分(3/20レンタル開始:CICビクタービデオ)
監督:セドリック・クラピッシュ
出演:ファブリス・ルキーニ、ジャン=ピエール・ダルッシン、N・リシャール
●CHECK4本!
■『ロスト・ワールド』2時間9分/米(3/20レンタル開始:CICビクタービデオ)
ジュラシック・パーク崩壊から4年。恐竜たちは……。CG&SFXアドベンチャー大作。
■『プレッシャー 壊れた男』1時間29分/米(3/18発売:ポニーキャニオン)
些細なことから精神に異常をきたす消防士の恐怖をチャーリー・シーンが演じる。
■『復讐の処刑コップ』1時間35分/米(3/18発売:コムストック)
マイケル・パレ主演。目の前で家族を惨殺された少年が復讐に燃える刑事となる。
■『ハーピスト 死を奏でる女』1時間30分/英=独(3/18発売:ポニーキャニオン)
美貌のハープ奏者に魅せられた男たちの、欲望と狂気と死と、そして残された謎。
[Written by 唯よーじゅ]
──●BS&CSチェック●──
◆今週はこの3本! セレクター:歩知
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3/15 (日)『愛と喝采の日々』 スター・チャンネル(午前3:20)
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バレリーナとして成功した女性と、結婚を選びバレリーナの夢を捨てた女性。人生の
分岐点での選択をテーマにした大作。'77年アカデミー賞主要8部門ノミネート作品。
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3/16 (月)『シティ・スリッカーズ』 CSN1ムービーチャンネル(21:00)
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都会の生活に疲れはてた平凡な3人の中年男性が、2週間のカウボーイ体験ツアーに参
加するアドベンチャー・ムービー。元気が出ます。
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3/20 (金)『黙秘』 WOWOW(深夜3:15)
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『ミザリー』のスティーブン・キング原作。過去と現在、2つの事件で殺人容疑をも
たれた母娘の、心の葛藤と愛を描くミステリー。
──●ESSAY●──
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【映画のノイジオグラフィー(1)~音響の博物誌~】──男と女の夾雑音
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高校時代、友人と名画座へ行ったときのことである。お濠に近い駅で待っていた私
の目の前に、好きだった同級生の女の子がやってきてびっくりした。彼女は私が映画
に行くということを聞きつけてやってきたのだという。私は気の利いた友人のさしが
ねに心から感謝を捧げた。ところがそんな興奮もつかの間、すぐその友人が手を上げ
て姿を現すと、行こうかと彼女をエスコートしつつ、私には何の説明もないまま映画
館へ向かったのである。映画は『男と女』(1966年・仏/クロード・ルルーシュ)。
名曲で綴る大人の恋愛映画。隣では友人カップルがマックのポテトをがさがさと突っ
つきあっている。おもしろいはずがない。ただ北フランスの寒々しい曇り空が印象に
残っただけだ。映画が終わり、私たちは喫茶店へ入って映画に出てきたジャコメッ
ティの話か何かをしていたが、やがて、友人と彼女が共有する話題に入っていったの
で、私はぼんやり、早春の風に煽られるお濠の立ち木を眺めながら、珈琲をすすって
いた……。
後年この『男と女』を見直したとき、興味深いことに気づいた。映画のタイムキー
パーをしているアヌーク・エーメとレーサーのジャン・ルイ・トランティニャンがホ
テルの一室で結ばれそうになるベッドシーン。シーツの絹擦れが聞こえてくる中、か
すかに遠く風の音が聞こえるのだ。一般にフランシス・レイのスキャット音楽やボサ
ノバで知られた映画だが、実は物音こそがこの映画の地理や情緒を決定づけている。
船の汽笛、車にかかる雨足、海猫の声、レーシング・カーのエンジン音。もちろん音
楽やナレーションも過去や現在の自在な往来にあわせて巧妙に編集されている。とり
わけ感知不能なくらい遠くに聞こえる風の音は、密室の情事を雄弁に語ると同時に、
結局男を拒絶せざるをえない女という男女の不協和音のようにも響いてくる。
原則として風の音を録音することはできないとされている。風の中にマイクを向け
たところで、送風音がマイクを擦るばかりで「風」の音にはならないからだ。そこで
昔から「かぜぐるま」という布と木製の車を組み合わせた音響道具が作られたりした
わけだが、この『男と女』の風は偶然マイクに拾われたものだろう。ホテルのボイラ
ー音まで聞こえてきそうな静かな睦みあいの背後に寒々とした風を聞きとるのは、ひ
ょっとしたらあの頃から尾をひいていたひがみ根性のなせる技かもしれない。むろん
当時一緒に見た2人も気がついてはいなかったろう。彼らの耳には絶えずマックのポ
テトの残りを確かめる音しか入ってなかったろうから。
[Written by 竹本穣]
──●占星映画術(3/14~3/20)●──
◆THE DAY OF BIRTH
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3/14 赤木春恵(1924)、クインシー・ジョーンズ(1933)、
マイケル・ケイン(1933)、栗原小巻(1945)
3/15 正司照枝(1933)、デビッド・クローネンバーグ(1943)、
ライ・クーダー(1947)、レニー・ハーリン(1959)、藤王みつる(1966)
3/16 ベルナルド・ベルトルッチ(1940)、鳥越まり(1965)、柏原崇(1977)
3/17 ナット・キング・コール(1919)、船越英二(1923)、松尾嘉代(1943)、
カート・ラッセル(1951)、ロブ・ロウ(1964)、伊崎充則(1977)
3/18 ニコライ・リムスキー・コルサコフ(1844)、奥田瑛二(1950)、
リュック・ベッソン(1959)、豊川悦司(1962)、
ヴァネッサ・ウィリアムス(1963)、洞口依子(1965)
3/19 パトリック・マッグーハン(1928)、グレン・クローズ(1947)、
ブルース・ウィリス(1955)、稲森いずみ(1972)、ビビアン・スー(1975)
3/20 ウィリアム・ハート(1950)、竹中直人(1956)、スパイク・リー(1957)、
野村祐香(1984)
◆星座別オススメ映画
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占い協力:TAROT-ASTROLOGY OF THE WEEK
http://www.cup.com/yoge/tarot/astro/
○おひつじ座(3/21~4/20)
オススメ映画は『エンド・オブ・バイオレンス』。疑うということ、それは今週
のあなたには必要なことです。心が痛んでも、結局はお互いのためなのです。
○おうし座(4/21~5/21)
オススメ映画は『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』。全面的に信じる必
要はありませんが、信頼できる人の助言はひとまず心して聞きましょう。
○ふたご座(5/22~6/21)
オススメ映画は『アミスタッド』。せっかくピリピリしてても、予想外の出来事
に驚かされるかもしれません。大切なのは、起こったことへの冷静な対処です。
○かに座(6/22~7/22)
オススメ映画は『F<エフ>』。ふっきれた自由さと自暴自棄とはちがいます。
先が見えなくても、見えないことを楽しめるくらい前向きなら未来は開けます。
○しし座(7/23~8/22)
オススメ映画は『四月物語』。お金が少々足りなくても、気持ちの充実がなによ
りの当座の財産。親友も夫婦も、希望に向かって仲良くできれば問題なしです。
○おとめ座(8/23~9/23)
オススメ映画は『マウス・ハント』。自分の未熟さで今は手が届かなくても、正
しいと思う信念があれば、最後は運も味方してくれるでしょう。
○てんびん座(9/24~10/23)
オススメ映画は『フェイス/オフ』。大事な人と大事なものを共有、あるいは分
割する運勢。お金は分けても、愛情は……ひとりに目一杯注げれば運も好転。
○さそり座(10/24~11/22)
オススメ映画は『トゥモロー・ネバー・ダイ』。積極性あるのみです。後ろを振
り返る必要もありません。かねてからの願望をどん欲に実現してください。
○いて座(11/23~12/21)
オススメ映画は『バンドワゴン』。大事なところで妥協なんて、することはあり
ません。あなたの目標に十分かなう人(もの)と出会えるでしょう。
○やぎ座(12/22~1/20)
オススメ映画は『a.b.c.の可能性』。気分が滅入っているところに、余計な挑発
を受けるかも。気の合わない人には、今週は近づかないことです。
○みずがめ座(1/21~2/18)
オススメ映画は『スポーン』。冷たくされた時、気持ちが理解してもらえない時
は、行動よりも反省が先です。今考えなしに動いたら、溝は深まるばかりです。
○うお座(2/19~3/20)
オススメ映画は『ゲット・オン・ザ・バス』。結果発表、そして新たなやる気。
とにかく最初の目的を見失わなければ、幸運が後押ししてくれるでしょう。
▼問い合わせ先 ──────────────────────────────
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