◆MOVIE Watch (毎週金曜日発行:無料)─────────1998-2-13

●HEADLINE―――――――――――――――――――――――───―――――――

[特別企画]
 ●ローワン・アトキンソン来日記者会見レポート
 ●「MOVIE Watch読者が選ぶ1997年ベスト10!」投票受付中

[オススメROAD SHOW]
 『ミミック』に失望した人はこれを見よ!◆『クロノス』
 ●CHECK10本!

[TOPICS]
 ◆第70回アカデミー賞 『タイタニック』が史上最多タイ14部門でノミネート
 ◆『L.A.コンフィデンシャル』日本公開決定

[ザ・ランキング]

[オススメVIDEO]
 『フィフス・エレメント』──未来の調べとシンクロする、闘いのカタルシス
 『CAT'S EYE』──闇夜にちゃんと光ってくれる、美人三姉妹のエナメルスーツ!
 ●CHECK4本!

[BS&CSチェック]
 今日の1本/今週の1本

[REVIEW]
 『ピース・メーカー』──核兵器時代の日常は「戦場」である

[特集]
 注目の話題作を続々と送り出す女性監督たち

[COLUMN]
 【世間はシナリオだ!(3)】──体育会系の時代から演劇系の時代へ

[占星映画術]
 THE DAY OF BIRTH/星座別オススメ映画

              ──●特別企画●──

         ローワン・アトキンソン来日記者会見レポート
        http://dela.cup.com/watch/intervista/bean.html

     あのミスター・ビーンことローワン・アトキンソンがやってきた!
     1989年イギリスでスタートし、世界94カ国で放映された人気TVシリーズ
      『ミスター・ビーン』の映画版、『ビーン』の公開を記念して、
      2月4日にホテル・オークラで行われたローワン・アトキンソン
            来日記者会見の模様をお伝えします。

            ──●オススメ ROAD SHOW●──

  情報誌には山ほど映画が載ってるけど、本当に面白い映画はどれだろう……?
    そんな疑問に答える耳寄り情報。この週末はこれさえ見れば大丈夫!

──────────────────────────────────────
『ミミック』に失望した人はこれを見よ!◆『クロノス』
──────────────────────────────────────
2月13日より俳優座トーキーナイトにてレイト公開 '92年/メキシコ/1時間32分
◇監督・脚本:ギジェルモ・デル・トロ ◇出演:フェデリコ・ルッピ、ロン・パー
ルマン、クラウディオ・ブルック ◇配給:オンリー・ハーツ
 ―俳優座トーキーナイト 連日 21:45(~23:20) 2月22日以外の日曜は休映
  2月22日 17:15/19:15(~20:50) 3月7日 17:15/19:15/21:15(~22:50)

 ハリウッドで『ミミック』を作ったデル・トロ監督が、メキシコで撮った監督デ
ビュー作。中世錬金術師の秘術で現代に甦った吸血鬼の物語だ。この作品を見ると、
ミラ・ソルヴィーノやF・マーリー・エイブラハムのような一流俳優が、なぜ彼の映
画に出演したがったのかがよくわかる。美術デザインや撮影に凝るだけではなく、登
場人物の1人ひとりまで、存在感たっぷりに描き出すテクニックには惚れ惚れする。
正直いって、『ミミック』よりこの作品の完成度のほうが数倍上だと断言せざるを得
ない。

 ・Stomp Tokyo review of Cronos
  http://members.aol.com/stomptokyo/movies/cronos.html


●CHECK10本!

■『トゥー・デイズ』 2月14日より有楽町スバル座にて公開
ジェームズ・スペイダーがクールな殺し屋を演じる。全体にしゃれたユーモアがある。

■『スポーン』 2月14日より全国松竹東急洋画系にて公開
最新SFXを駆使したアメコミ・ダーク・ヒーロー映画。フィギュアも大ヒット中。

 ・OFFICIAL SITE
  http://www.spawn-themovie.com/

■『蘇える優作・「探偵物語」特別篇』 2月14日より全国東映系にて公開
缶コーヒーのCMでも注目されている、今は亡き松田優作主演ドラマの特別篇。

■『新座頭市・破れ!唐人剣』 2月13日より新宿昭和館にて公開
数ある『座頭市』シリーズの中で、なぜかこれだけはビデオになっていない珍品。

■『遠雷』『身も心も』 2月14日より中野武蔵野ホールにて公開
荒井晴彦の脚本作と、監督・脚本作の2本立て興行。後者は昨年公開された傑作です。

■『百貨店大百科』『家族の気分』 2月14日より下高井戸シネマにて公開
『猫が行方不明』で日本に紹介された、セドリック・クラピッシュ監督作を2本立て。

■『リング/らせん』 全国東宝系にて公開中
完結編『ループ』も発売された鈴木光司のホラー小説を完全映画化。大ヒット上映中。

■『タイタニック』 全国東宝洋画系にて公開中
ドラマに弱い部分があろうとなかろうと、終盤の圧倒的迫力に息をのむ!

■『HANA-BI』 銀座テアトル西友他にて公開中
北野映画としては新鮮味がないという意見もあるが、傑作であることも間違いない。

■『パラダイス』 2月14日よりBOX東中野にて公開
金城武主演作。コメディなのかシリアスなのか判然としない不思議なラブストーリー。
                           [Written by 服部弘一郎]

              ──●TOPICS●──

◆第70回アカデミー賞 『タイタニック』が史上最多タイ14部門でノミネート
──────────────────────────────────────
2月10日、米映画芸術科学アカデミー(ロバート・レーメ会長)は、第70回アカデミー
賞(授賞式3月23日)ノミネートを発表、製作費約2億ドル、興行収入約3億4000万ド
ル(公開8週目)の超大作『タイタニック』が、史上最多タイの14部門で候補にあげ
られた。同作品は、先月発表されたゴールデン・グローブ賞(ドラマ部門)でも、最
優秀作品賞を獲得している。

 ・主要部門ノミネート
  http://dela.cup.com/watch/academy1.html

◆『L.A.コンフィデンシャル』日本公開決定
──────────────────────────────────────
米3大映画批評家賞を総なめにするなど、全米公開以来、常にマスコミを賑わせてき
た『L.A.コンフィデンシャル』(カーティス・ハンソン監督)が、'98年初夏、全国
東宝洋画系でロードショー公開される。'50年代のロサンゼルスを舞台に、謎の虐殺
事件をめぐって繰り広げられる、正義をかけた男たちの熱き闘い─。出演は、本作で
ゴールデン・グローブ助演女優賞受賞のキム・ベイシンガー、ケビン・スペイシー、
ダニー・デビート、ジェイムズ・クロムウェルらに加え、オーストラリア出身の若手
注目株ラッセル・クロウ、ガイ・ピアースら。原作ジェイムズ・エルロイ。

 ・OFFICIAL SITE
  http://www.newregency.com/laconfidential/


            ──●ザ・ランキング●──

  初登場の『ゲーム』は、公開直前に主演のマイケル・ダグラスが来日して
  話題をよんだが、『タイタニック』にはおよばず2位。アカデミー賞本選
  に向けて、その勢い未だ衰えず。今週末公開の『スポーン』が、果たして
  どこまでくいこんでくるか。来週の予想順位は、タイ→ゲーム→スポーン
  →リング/らせん→メン。

  【配収】
 1→(1)タイタニック             (8週)
 2初(─)ゲーム                (1週)
 3↓(2)リング/らせん            (2週)
 4↓(3)メン・イン・ブラック         (10週)
 5↓(4)セブン・イヤーズ・イン・チベット   (9週)
 6→(6)ピースメーカー            (4週)
 7↓(5)G.I.ジェーン             (2週)
 8↑(9)HANA-BI                (3週)
 9↓(7)エアフォース・ワン          (11週)
 10↓(8)ミミック               (3週)

 興行通信社調べ
 1998/2/7~1998/2/8(銀座・新宿・渋谷3地区代表館集計)

            ──●オススメVIDEO●──

 ◇ 感動作『心の指紋』もオススメなのですが、今回は対照的な2作を紹介。◇
 ◇ 『フィフス~』は14インチのテレビではつらい作品ながら音楽が絶品。 ◇
 ◇ 『CAT'S~』はテレビでバッチリ、音楽のハズシも不思議な感じ。    ◇

──────────────────────────────────────
『フィフス・エレメント』──未来の調べとシンクロする、闘いのカタルシス
──────────────────────────────────────
 時は23世紀、地球に迫りくる危機を回避するためにエレメントの石を運ぶ宇宙人が
何者かに襲われた。回収された身体の一部から再生された宇宙人というのが、なんと
完全無欠の美女だった。ドタバタに近い珍道中とベタベタなストーリーにはさまれ
て、エリック・セラの美しい音楽とアクションが融合する。そして中盤の、ノリノリ
でたたみかける映像こそが、この映画の醍醐味。大画面が無理でも必ず大音量で!

【データ】'97/仏・米/2時間6分(2/20発売:CIC・ビクタービデオ)
監督:リュック・ベッソン 出演:ブルース・ウィリス、ミラ・ジョヴォヴィッチ、
ゲイリー・オールドマン 音楽:エリック・セラ

──────────────────────────────────────
『CAT'S EYE』──闇夜にちゃんと光ってくれる、美人三姉妹のエナメルスーツ!
──────────────────────────────────────
 予告状どおりに鮮やかに美術品を盗みだす三姉妹を、中国からやってきた謎の組織
がつけ狙う。おなじみの杏里のテーマソングが妙にテンポのずれた感じで鳴り続ける
中、しまりのない猫の鳴き声とともに黒づくめの美女たちが闇夜を駆けめぐる。こっ
けいなまでにはずしてくる演出で、稲森いずみが二役という大活躍ぶり。フェティッ
シュな魅力を独占するもよし、不思議なチープさに友達と盛り上がるもよし。

【データ】'97/日本/1時間31分(2/20発売:フジテレビジョン)
監督・脚本:林海象 出演:稲森いずみ、内田有紀、藤原紀香、原田喧太、寺尾聰、
ケイン・コスギ 原作:北条司(集英社/ジャンプコミックス刊)

●CHECK4本!

■『心の指紋』2時間2分/米(2/18発売:日本ヘラルド映画)
末期ガンの死刑囚と担当医師の交流をマイケル・チミノ監督が描く感動作。

■『夕べの星』2時間9分/米(2/20発売:CIC・ビクタービデオ)
'83年の感動作『愛と追憶の日々』の続編。J・ニコルソン、J・ルイスらが共演。

■『蘇える狼』1時間31分/米 出演:ジーナ・ガーション
(2/18発売:ブエナ ビスタ ホームエンターテイメント)
フィリップ・リーの芸術的なまでに無駄のないアクション。カッコよすぎ。

■『キャスパー 誕生』1時間35分/米
(2/20発売:20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン)
かわいいオバケ「キャスパー」の誕生の秘密がわかる、ファンタジックな続編。
                           [Written by 唯よーじゅ]


            ──●BS&CSチェック●──

◆今日の1本                      今週のセレクター:歩知
──────────────────────────────────────
2/14(土)『世界で一番好きな人』 CSN1ムービーチャンネル(朝9:45)
──────────────────────────────────────
人生にちょっと疲れた30歳の小児科医師ステファンは、ある日、12歳の家出娘のエ
ヴァと出会う。意識障害のエヴァは、6年前に病院でステファンに出会って以来、彼
に恋い焦がれていた。18歳という年齢の壁を感じつつも、お互いがなくてはならない
存在になっていくキュートなラブ・ストーリー。

──────────────────────────────────────
2/15(日)『ボーイズ・オン・ザ・サイド』 スタームービーズ(21:00)
──────────────────────────────────────
「男運」のない女、「男」がいないと生きていけない女、「男嫌い」の女。この3人
が、ひょんなことから西海岸を一緒に旅することになるというロード・ムービー。
ウーピー・ゴールドバーグ主演。力強く自分の道を行く女性の姿に感動。

──────────────────────────────────────
2/16(月)『デッドマン・ウォーキング』 WOWOW(深夜2:05)
──────────────────────────────────────
スーザン・サランドン、ショーン・ペン主演。死刑執行を目前に控えた死刑囚と、そ
の精神アドバイザーである修道女の心の葛藤と交流を描いたドラマ。「死刑」をめぐ
るさまざまな問題を、具体的かつ現実的に表している見ごたえのある作品。

──────────────────────────────────────
2/17(火)『オンリー・ユー』 スター・チャンネル(15:20)
──────────────────────────────────────
幼いころの占いで未来の結婚相手の名前を告げられたフェイスが、偶然、同じ名前の
男性からの電話をとり、彼を探してヨーロッパ中を駆け回るロマンティック・ラブ・
コメディ。主演のマリサ・トメイがキュートでバイタリティあふれる女性を熱演。

──────────────────────────────────────
2/18(水)『ミルドレッド』 スター・チャンネル(11:00)
──────────────────────────────────────
娘が家を出ていったあと、1人きりの毎日を過ごす中年未亡人のミルドレッド(ジー
ナ・ローランズ)は、ひょんなことから近所に住む主婦(マリサ・トメイ)や彼女の
6歳の子供と交流を深めていくのだが……。ミルドレッドの、「人生の転機」に前向
きに立ち向かう生き方に勇気づけられる。

──────────────────────────────────────
2/19(木)『ヒア・マイ・ソング』 シネフィル・イマジカ(12:50、18:50)
──────────────────────────────────────
コンサート・プロモーターの主人公は、脱税で逃亡中のテナー歌手の復活リサイタル
を企画する。が、本番に登場したのは偽者だった。コミカルで心温まる演出に好感が
もてる。

──────────────────────────────────────
2/20(金)『赤い航路』 パワームービー(12:45)
──────────────────────────────────────
きまじめな英国人ナイジェル(ヒュー・グラント)は、船上で車椅子にのる作家オス
カー夫妻と親しくなる。ナイジェルは、夫妻の奔放な性生活の話を聞くうちに、オス
カーの妻にどんどんひかれていく。男女の愛憎の世界が、これでもかといわんばかり
に描き出された作品。いまラブラブのカップルにはすすめません。

◆今週の1本
──────────────────────────────────────
『ボーイズ・オン・ザ・サイド』

                   ──●REVIEW●──

──────────────────────────────────────
『ピース・メーカー』──核兵器時代の日常は「戦場」である
──────────────────────────────────────
 平和は強引につくるものではない。ひとたび作為が生じたら最後、日常は、どこま
でも不作為の許されない「戦い」と化してしまう。主人公の2人は「平和」を守る立
場ではあるが、その日常はまさに分刻みの「戦場」といえる。戦火のボスニアの風景
から、窓越しに室内に入っていくショットの中でたたずむ犯人の日常は、まったく対
照的に穏やかだ。しかしその心には、愛する者たちを奪った、押しつけられた「平
和」への憎しみが渦巻き、その憎しみが「平和」を脅かす根強い動機となっていく。
 核に守られた仮そめの「平和」など、抑止力が不可欠な「後始末の平和」でしかな
い。だが、それでも我々は生きていかなければならないのだ。反発し合っていた主人
公2人が、束の間「戦場」から解放され、プールで再会するラストシーンに、たとえ
仮そめの「平和」であっても、それと共存していこうとする姿勢の尊さのようなもの
を感じた。
                           [Written by 渡辺一弘]


                    ──●特集●──

──────────────────────────────────────
注目の話題作を続々と送り出す女性監督たち
──────────────────────────────────────
 それまでのいきさつはどうであれ、「結果」がすべてという意味でなら、映画は戦
争みたいなものといえるかもしれない。観客から強い支持を得た作品の監督は、さな
がら勝者のように世界中から讃美をもって迎えられるが、(不幸にも)そうではない
作品を送り出してしまった監督は、酷評されるか無視されるかで消え去るのみ(?)。
また、過去に傑作・名作を生み出した監督が、必ず次回作でも成功するという保証が
あるわけではない。一作一作、命がけで戦う=作品を作らなければならない、なんて
いうところや、戦う兵士=監督のほとんどが男性だということも、戦争と映画の類似
点といえなくもない。しかし、最後のそれは徐々にくつがえされつつあるようだ。
 たとえば、スピルバーグがディズニーの前社長ジェフリー・カッツェンバーグ、音
楽業界の大物デビット・ゲフィンと設立した新会社「ドリームワークス」の第1回作
品『ピース・メーカー』の監督は、これが劇場用長編映画デビューというミミ・レ
ダー。ウラル山中で輸送中に強奪された核弾頭を求め、ロシア、サラエボ、ウィー
ン、そしてニューヨークと飛ぶ、壮大なスケールのサスペンス・アクションを成功さ
せた手腕は並みではない(TVシリーズ『ER/ 緊急救命室』でエミー賞受賞の経歴を買
い、彼女を大抜てきしたスピルバーグもエラい!)。ちなみに、次回作もドリーム
ワークスの超大作『ディープ・インパクト』に決定しているというからすごい。
 彼女以外でも、近年の女性監督の活躍には目を見張るものがある。『萌の朱雀』で
昨年のカンヌ映画祭カメラ・ドール賞を受賞した仙頭(河瀬)直美や、全世界で絶賛
された『アントニア』のマルレーン・ゴリス(新作『ダロウェイ夫人』が公開予定)
などに加え、最近公開された中では『タンゴ・レッスン』のサリー・ポッター、流浪
の姉妹と中年女性のふれあいを端正な映像で綴る風変わりなロードムービー『のら猫
の日記』のリサ・クリューガなど、作風や扱うテーマにも個性が光る、注目すべき映
画作家がどんどん増えてきている。今後も、シャルロット・ゲンズブール主演『ラブ
etc.』(マリオン・ヴェルヌー監督)、製作費20億円、伝説の女優を描いた大作『女
優マルキーズ』(ヴェラ・ベルモン監督)など、女性監督による話題作が続々と公開
予定。「女性監督」ということば自体、そろそろ死語となる日も近い? と思わせる
ような勢いだ。
                           [Written by 宮崎瑶子]

              ──●COLUMN●──

──────────────────────────────────────
【世間はシナリオだ!(3)】──体育会系の時代から演劇系の時代へ
──────────────────────────────────────
 30億人が見守る中、とアナウンサーがいうたびに背筋が凍った。オリンピック開会
式のことである。日本の伝統文化を知らしめたい、贅を尽くさず質素に表現する、と
いうコンセプトはわかった。だが、間延びしただけのこなれない演出と、日本日本と
進めておいて最後になぜか『第九』という演目の取り合わせは、いったいどうしたこ
とか。
 アナウンサーは、「お相撲さんが小さく見えます」といった。まさか会場の立派さ
がテーマではあるまい、それでは失敗である。質素という考え方も、あれではただの
不況の影響に見える。日本の代表者のスピーチも例によって、もぐもぐと原稿の棒読
み。組織の代表者たるものの対外的な仕事の第一はスピーチであろうから、これから
は、ああいう場で棒読みをした人は即刻資格剥奪、ということにでもしたらどうか。
 あの開会式を見ながら、ひとことオレにいってくれれば、と思ったイベンターたち
は、さぞ多かったことだろう。
 ではいったい、ああいう世界の場で、ばんと見せるためには、何が必要であるか。
劇的効果というものを理解する演劇系の人材である。体育会系の人がすべてそうだと
はいわないが、ガッツとか、がんばれ型の組織には土台無理な注文なのだ。中原俊監
督の映画『Lie Lie Lie』のトヨエツのような、ちょっと引いて、ハッタリを利かせ
る演劇系の人間は、どのような組織においても何人かは必要なのだ(全員そうでは困
るが)。
 オリンピックの開会式の演出ともなれば、たくさんの人間が口をはさんだことであ
ろう。アイデアは悪くない。ただ、鍛え込まれていないといいたいのだ。おそらく、
浅利慶太と対等に口をきいた人間がひとりもいなかったのだろう、ということが想像
され、悔やまれるのである。
 「ガッツだけはあります」という人間の時代は去った。時代の目は「プレゼンなら
得意です」という人間に、確実に向いている。今こそ立ち上がるのだ、演劇系!

                          [Written by 中 孝次郎]

          ──●占星映画術(2/14~2/20)●──

◆THE DAY OF BIRTH
──────────────────────────────────────
 2月は19日から魚座になるわけですが、例によって昔は20日からだったりします。
ちょうど1952年がうるう年で、そのへんで1日大きくずれます。下の人物でみると、
藤岡弘氏と村上龍氏は水瓶座です。

 2/14 小林正樹(1916)、アラン・パーカー(1944)、隆大介(1957)、
    マルシア(1969)、酒井法子(1971)、山口紗弥加(1980)

 2/15 ハーベイ・コーマン(1927)、近藤正臣(1942)、トニー・アダムス(1953)

 2/16 高倉健(1931)、多岐川裕美(1951)、伊藤俊人(1962)、
    西田尚美(1972)、佐伯日菜子(1977)

 2/17 福田純(1924)、竹脇無我(1944)、レネ・ルッソ(1954)、
    マイケル・ジョーダン(1963)、吹越満(1965)

 2/18 中村梅之助(1930)、ミロシュ・フォアマン(1932)、オノ・ヨーコ(1933)、
    中村敦夫(1940)、ジョン・トラボルタ(1954)、松原千明(1958)、
    マリアン(1962)、マット・ディロン(1964)

 2/19 ジョン・フランケンハイマー(1930)、藤岡弘(1946)、村上龍(1952)、
    マッシモ・トロイージ(1953)、かとうれいこ(1969)

 2/20 ロバート・アルトマン(1925)、かとうかずこ(1958)、
    シンディ・クロフォード(1966)、リリ・タイラー(1967)


◆星座別オススメ映画
──────────────────────────────────────
占い協力:TAROT-ASTROLOGY OF THE WEEK
 http://www.cup.com/yoge/tarot/astro/

○おひつじ座(3/21~4/20)
  オススメ映画は『スポーン』。自分の実力を過小評価せず十分に自信を持って。
  でも自信が過信になるとまずいことに。情熱で前進、でも判断は冷静に。
○おうし座(4/21~5/21)
  オススメ映画は『リング/らせん』。分かれ道を前に思案のしどころ。感情に
  まかせて行動することだけは避けて、あとは自由な気持ちで建設的な選択を。
○ふたご座(5/22~6/21)
  オススメ映画は『蘇える優作・「探偵物語」特別篇』。心のすきまを安易な方法
  で埋めるのも、今は許されるでしょう。でも狭量な人を巻き込むとあとで面倒。
○かに座(6/22~7/22)
  オススメ映画は『タイタニック』。野望がすぐに実現しなかったり、誰かに地位
  を一旦譲ったり。でも新しい空間に目を向ければ未来はまだまだ有望なのです。
○しし座(7/23~8/22)
  オススメ映画は『ジャングル2ジャングル』。友人、身内、新しく知り合った人
  すべてと仲良くなれるように努力を。彼らの仲違いも緩和できればさらに幸運が。
○おとめ座(8/23~9/23)
  オススメ映画は『HANA-BI』。重荷に耐えられなくなったら、余計な荷物が肩に
  のってないか振り返ってみましょう。本当に大事な荷物はそんなに重くないかも。
○てんびん座(9/24~10/23)
  オススメ映画は『ゲーム』。今かかえている問題を打開するには、視点をがらり
  と変えてみるか、時間に任せるか。いずれにせよ、じきに光が見えてくるはず。
○さそり座(10/24~11/22)
  オススメ映画は『クロノス』。運に恵まれる今週、手に入った幸運やごほうびの
  つかい道に迷わないよう、一番欲しいものが何かを冷静に考え直すことも大事。
○いて座(11/23~12/21)
  オススメ映画は『G.I.ジェーン』。仕事や趣味を通じて知り合った異性の友人が
  ずっと友人のままでいる、そのことに物足りなさより充実感を感じられれば◎。
○やぎ座(12/22~1/20)
  オススメ映画は『パラダイス』。人とのつきあい方で迷っても、今は自分の素直
  な気持ちに従うしかありません。打算で動いても裏目に出るリスクのほうが大。
○みずがめ座(1/21~2/18)
  オススメ映画は『フル・モンティ』。今が辛くて過去を振り返る、そんなときで
  も足は前に進んでいること。今立ち止まっては絶対ダメ。1日半歩でも前へ。
○うお座(2/19~3/20)
  オススメ映画は『ラヴソング』。愛情が複数に注がれたり、自分の気持ちが誰に
  向いているかわからなくなったり。もし問題が起きたら、まず誠実であること。

▼問い合わせ先 ──────────────────────────────
movie-watch-info@impress.co.jp    :記事内容 ウォッチ編集部
ad-sales@impress.co.jp            :広告関連 インプレス A&D
sales@ips.co.jp                   :配信先等 インプレス販売

▼購読申込み・購読中止・配信先変更 ────────────────────

──購読申込み
下記のURLから案内にしたがってお申し込みください。
◎ http://www.ips.co.jp/tana/watch.htm#muryo

──購読中止、配信先変更
下記のURLから、ポイントアップシステムのメンバーIDとパスワードを入力して、案
内にしたがって、中止・変更をしてください。なお、メンバーID等が不明なときは、
sales@ips.co.jpまでご連絡ください。
◎ http://www.ips.co.jp/pointup/fpchg.htm

──────────────────────────────────────
発行人 塚本慶一郎/編集人 井芹昌信/編集長 山下憲治
発行 株式会社インプレス
〒102-0075 東京都千代田区三番町20
編集 デラ・ジャパン株式会社(紺野美樹、服部弘一郎、今祥枝、菊池朋子)
Copyright(C), 1997-1998 Impress Corporation.
ムービー・ウォッチに掲載された記事を許可なく転載することを禁じます
──────────────────────────────────────