◆MOVIE Watch (毎週金曜日発行:無料)─────────1997-1-9 ●HEADLINE―――――――――――――――――――――――───――――――― [オススメROAD SHOW] しまった、泣かされてしまった!◆『この森で、天使はバスを降りた』 アクション映画のエッセンスがぎっしり!◆『ピースメーカー』 アニメ界から日本映画に殴り込み!◆『ラブ&ポップ』 ●CHECK12本! [TOPICS] ◆『桜桃の味』公開記念 キアロスタミが描いた道 ◆「台湾映画祭」が三百人劇場で開催中 ◆ハイビジョン国際映像祭開催 ◆ゆうばり国際映画祭'98開催 ◆007最新作『トゥモロー・ネバー・ダイ』早くも新記録 [ザ・ランキング] [オススメVIDEO] 『ヘラクレス』──昨年夏のディズニーアニメがスピードリリース [BS&CSチェック] 今日の1本/今週の1本 [REVIEW] 『セブン・イヤーズ・イン・チベット』 ──歴史の狭間に聖なる地でおこった、数奇にして高貴なる出会い [COLUMN] 【城戸朱理のシネマ・クローゼット(2)】 ──『MIB』は、アメリカ的じゃない!? [占星映画術] THE DAY OF BIRTH/星座別オススメ映画 ──●オススメ ROAD SHOW●── 情報誌には山ほど映画が載ってるけど、本当に面白い映画はどれだろう……? そんな疑問に答える耳寄り情報。この週末はこれさえ見れば大丈夫! ────────────────────────────────────── しまった、泣かされてしまった!◆『この森で、天使はバスを降りた』 ────────────────────────────────────── 1月15日よりシャンテ・シネ1にて公開 '96年/アメリカ/1時間56分 ◇監督・脚 本:リー・デビッド・ズロートフ ◇出演:アリソン・エリオット、エレン・バース ティン、マルシア・ゲイ・ハーデン、ウィル・パットン ◇配給:東宝東和 ―シャンテ・シネ1 11:20/13:50/16:20/18:50(~20:55) 人生をやり直すために小さな田舎町に移り住んだ若い女性の姿を通し、人間の残酷 さと優しさを垣間見る人間ドラマ。めったなことでは映画で「感動の涙」など流さな い「すれっからし」の涙腺を、久しぶりに刺激してくれたのがこの作品だ。'96年の サンダンス映画祭でも、みごと観客賞を受賞した折り紙つきの内容。長ったらしい邦 題も、映画を見ると「このタイトル以外考えられない!」と思えてくるから不思議だ。 ・東宝東和のページ。 http://toho-group.co.jp/towa/mori/welcome-j.html ────────────────────────────────────── アクション映画のエッセンスがぎっしり!◆『ピースメーカー』 ────────────────────────────────────── 1月15日より全国東宝洋画系にて公開 '97年/アメリカ/2時間4分 ◇監督:ミミ・ レダー ◇脚本:マイケル・シーファー ◇出演:ジョージ・クルーニー、ニコー ル・キドマン、アーミン・ミューラー=スタール ◇配給:UIP 「女のくせに」「女だてらに」という言葉は一種の差別語だが、この映画の監督ミ ミ・レダーは、キャスリン・ビグロー以来久しぶりに登場した女流アクション監督だ。 盗まれた核弾頭の行方を追って世界中を飛び回るスケールの大きなサスペンス・アク ションを、がちりと組み立てた構成力の確かさには舌を巻く。主演のJ・クルーニー とN・キッドマンの熱演が、物語をドラマチックに盛り上げているのも見もの。 ・OFFICIAL SITE http://www.pepsi.com/peacemaker/ ────────────────────────────────────── アニメ界から日本映画に殴り込み!◆『ラブ&ポップ』 ────────────────────────────────────── 1月10日より丸の内シャンゼリゼ他にて公開 '97年/日本/1時間50分 ◇監督・脚 本:庵野秀明 ◇原作:村上龍「ラブ&ポップ/トパーズII」 ◇出演:三輪明日美、 希良梨、仲間由紀恵、工藤浩乃、平田満、浅野忠信、渡辺いっけい ◇配給:東映 ―丸の内シャンゼリゼ (土日祝10:00)12:10/14:20/16:30/18:40(~20:40) 『エヴァンゲリオン』大ブームの余勢を駆って、庵野秀明が実写映画の監督として デビュー。テーマは女子高生の「援助交際」だ。「アニメで受けたからって、映画を なめてんじゃねえか?」と最初から攻撃姿勢で試写を観たのだが、映画の力強さに打 ちのめされ、あっさり降参してしまった。デジカムの機動力を活用した映像の渦には 賛否ありそうだが、観客にとっては新しい映像体験として長く記憶に残るだろう。 ・東映のページ。先行ロードショー(1/9渋谷PARCO SPACE PART3)情報あり。 http://www.toei.co.jp/movie/new_mov/LovePop/index.htm ○CHECK12本!○ ■『草原とボタン』 1月15日よりシネスイッチ銀座他にて公開 '61年のフランス映画『わんぱく戦争』を、アイルランドを舞台にしてリメイク。 ■『タイタニック』 全国東宝洋画系にて公開中 圧倒的な画像の迫力に、とりあえず納得させられてしまうスペクタクル・ロマン。 ■『メン・イン・ブラック』 全国松竹東急洋画系にて公開中 すごく頭のいい人たちが作ったバカ映画。バカバカしさがちゃ~んと芸になっている。 ■『北京原人 Who are you?』 全国東映系にて公開中 こちらは本当にバカだからシャレにならないが、徹底的にデタラメで大いに笑える。 ■『CURE/キュア』 全国シネマジャパネスク系にて公開中 心底恐いと評判の和製サイコホラー。これは単なる噂ではなく、ホントの話です。 ■『ブラス!』 シネ・ラ・セットにて公開中 ブラスバンド経験者も未経験者も、音楽好きな人もそうでない人も、みんな感激! ■『フル・モンティ』 シャンテ・シネ他にて公開中 景気が悪いのは日本だけじゃな~い! 暗い顔してないで、この映画でも見たまえ! ■『蜘蛛巣城』『隠し砦の三悪人』 1月14日まで大井武蔵野館にて公開中 ■『用心棒』『椿三十郎』 1月15日より21日まで大井武蔵野館にて公開 黒澤といえば三船、三船といえば黒澤。そんな名コンビぶりがしのばれる代表作群。 ■『世界中がアイ・ラヴ・ユー』 1月14日までシネスイッチ銀座にて公開中 ミュージカル映画が好きな人は、劇場の大画面で見られるうちに何度でも見よう! [Written by 服部弘一郎] ──●TOPICS●── ◆『桜桃の味』公開記念 キアロスタミが描いた道 ────────────────────────────────────── イランの巨匠アッバス・キアロスタミ監督の最新作『桜桃の味』('97年カンヌ映画 祭パルムドール受賞作)が、1月31日より、都内・渋谷のユーロスペースにてロード ショー公開される。それを記念し、同劇場では現在レイトショー(21:00~)でキア ロスタミ監督作品を年代を追って順次上映中。1月10日~『そして人生はつづく』1 月17日~『オリーブの林をぬけて』ほか。詳細は劇場まで。03-3461-0211 ◆「台湾映画祭」が三百人劇場で開催中 ────────────────────────────────────── 侯考賢、エドワード・ヤンなど、日本でも注目されている台湾映画界。都内・千石の 三百人劇場では、その歩みを古典的名作から巨匠キン・フーの武侠映画などを含む、 '90年代の新作まで一挙50本を上映する。ビデオ未発売や日本での版権が切れてしま う作品なども多いので、この機会にお見逃しのないように。期間は2月15日まで。 ◆ハイビジョン国際映像祭開催 ────────────────────────────────────── 「ハイビジョン国際映像祭ちば=モントルー1998」(同映像祭日本委員会主催)が、6 月10日から15日までの6日間、千葉市の幕張メッセ国際会議場コンベンションホールで 開催される。革新的メディアとして、映像製作関係者から大きな期待が寄せられてい るHDTV(高精細度テレビジョン)だが、同映像祭の趣旨は、スイスのモントルー市で 開催されている国際エレクトロニック・シネマ・フェスティバルと連携をとり、毎年 の交互開催を通じて新しい映像表現の開発と発展に寄与することにある。6月10日開会 式、11~14日公開審査、15日表彰式と入賞作品の上映会が行われる模様。 ・モントルーのハイビジョン国際映像祭ホームページ。 http://www.montreux.ch/symposia/IECF/iecf98_index.html ・幕張メッセ、イベントカレンダー。 http://www.m-messe.co.jp/event-j.html ・同映像祭開催趣旨。 http://www.city.chiba.jp/iecf/shushi.html ◆ゆうばり国際映画祭'98開催 ────────────────────────────────────── 「ゆうばり国際冒険・ファンタスティック映画祭'98」が、2月13日から17日までの5 日間、夕張市民会館、ゆうばりホテルシューパロ・ホールなどで、夕張市開基110年 ・市制施行55周年記念を兼ねて開催される。公式部門(招待作品部門12本、ヤング・ ファンタスティック・グランプリ部門6本)、協賛部門(ファンタスティック・オフ シアター・コンペ部門12本、ファンタスティック・ビデオ・フェスティバル部門7本) で構成され、スペシャルイベントとして、『岡本喜八劇場』『大誘拐/RAINBOW KIDS』 『EAST MEETS WEST』『ジャズ大名』上映と、山下洋輔、高野恵雄カルテットによる、 ジャズセッション(生演奏)が予定されている。 ・ゆうばり国際映画祭'98 ゆうばり国際冒険・ファンタスティック映画祭'98ホームページ。 期間限定の映画祭伝言板あり。 http://www.dolphin.co.jp/hpr/yubari/cine98.htm ◆007最新作『トゥモロー・ネバー・ダイ』早くも新記録 ────────────────────────────────────── UIP配給のユナイト映画『トゥモロー・ネバー・ダイ』が、全米および世界19カ国公 開で早くも興行収入6,100万ドルに達し、シリーズ中で最も早い興収記録を樹立。199 5年公開の前作『ゴールデン・アイ』の記録を今後さらに更新し続けることになる。 ・OFFICIAL SITE http://www.tomorrowneverdies.com/ ──●ザ・ランキング●── 『メン・イン・ブラック』、公開3週目の『タイタニック』を振り切り首位奪還! 3~5位は順当かと思うが、26週目突入の『もののけ姫』の再浮上には驚愕。お 正月シーズンとあって、観客層の変化が反映されたか。来週の予想順位は、ピー スメーカー→タイタニック→メン→セブン→エア。 【配収】 1↑(2)メン・イン・ブラック (5週) 2↓(1)タイタニック (3週) 3→(3)セブン・イヤーズ・イン・チベット (4週) 4→(4)エアフォース・ワン (6週) 5→(5)虹をつかむ男/南国奮斗篇 (2週) 6↑(7)もののけ姫 (26週) 7↑(8)金田一少年の事件簿・上海魚人伝説 (4週) 8↓(6)北京原人 (3週) 9↑(10)フェイク (8週) 10↓(9)るろうに剣心 維新志士への鎮魂歌 (3週) 興行通信社調べ 1998/1/3~1998/1/4(銀座・新宿・渋谷3地区代表館集計) ──●オススメVIDEO●── ◇ オススメできる作品はどれも年末にかけこんで、今週は息切れ気味。 ◇ ◇ 自信を持って紹介できるものがないので、ちょっと先ですが、ディズ ◇ ◇ ニーの『ヘラクレス』を。廉価版発売ですから、買っちゃいましょう!◇ ────────────────────────────────────── 『ヘラクレス』──'97年夏のディズニー・アニメがスピードリリース ────────────────────────────────────── かつての大ヒット作『アラジン』のスタッフ再結集で、大きな期待とともに生まれ た『ヘラクレス』。多方面のプロモーションにもかかわらず動員が伸びず、上映期間 が切り上げられ、神戸事件のあおりで上映中止されていた『スクリーム』(MOVIE Watch'97年12/12号参照)が急きょ上映されるという不思議な話題も提供したが、作 品の出来はとてもいい。大傑作『アラジン』のスタッフで作ったものがつまらないわ けはないのである。今回のリリースは今年いっぱいの限定生産で3,600円(税抜き)。 藤井フミヤが歌う主題歌プロモも収録。 【ストーリー】 ギリシャ神話の大神ゼウスの子として生まれたヘラクレスが、人間の子として育てら れながら愛と勇気に目覚め成長してゆくラブ・アドベンチャー。 ◇1月23日発売 '97年/アメリカ/1時間34分 発売元:ブエナ・ビスタ・ホームエンターテイメント 監督・脚本・製作:ジョン・マスカー(『アラジン』)、ロン・クレメンツ(『リト ル・マーメイド』) 吹替版声の出演:松岡昌宏、工藤静香ほか ・『ヘラクレス』 http://www.inter.co.jp/CINEMA/hercules.html ・ディズニーストアジャパンのホームページ(ビデオ情報) http://www.disney.co.jp/store/merchandise2.html [Written by 唯よーじゅ] ──●BS&CSチェック●── ◆今日の1本 今週のセレクター:八子 真寿美 ────────────────────────────────────── 1/10(土) 『マネキン2』 CSN1ムービーチャンネル(10:30) ────────────────────────────────────── アンドリュー・マッカーシー主演で一世を風靡した映画『マネキン』の2作目。魔法 をかけられマネキンにされてしまった娘が、目覚めたところはデパートの倉庫。目の 前には愛しい王子そっくりの青年がいた。キャストは変わっているが、ストーリーは 変わらず、ロマンチックなラブ・ストーリー。寂しい夜に心温まる1本。 ────────────────────────────────────── 1/11(日) 『可愛いだけじゃダメかしら』 パワームービー(21:00) ────────────────────────────────────── 突然彼にこっぴどく振られた女の子(イザベル・アジャーニ)の荒れ狂う様が切なく もおかしい。お先真っ暗、絶望のどん底から少しずつ立ち直っていく姿はやけにリア ル。女性にしかわからないであろう、この心理。振られて落ち込んでいる方ぜひ。 ────────────────────────────────────── 1/12(月) 『マイアミ・ラプソディー』 WOWOW(朝8:00) ────────────────────────────────────── アントニオ・バンデラスが相変わらずモテモテ役にて出演。ストーリーは、結婚式が 迫っている1人の女性が、身近な人妻たちの不倫や心理を聞いていくうちに、本当の 愛について目覚めていくというラブ・コメディー。 ────────────────────────────────────── 1/13(火) 『ハート・オブ・ダークネス』 CSN1ムービーチャンネル(14:00) ────────────────────────────────────── フランシス・フォード・コッポラが監督した『地獄の黙示録』の製作現場をとらえた ドキュメンタリー。マーロン・ブランドの化け物ぶりもすごいけど、コッポラ監督の 映画作りへの情熱は狂気の沙汰。映画製作の夢を持つ人は、ぜひこれを見て、ああ、 自分はとてもコッポラのようにはなれっこないと、1回絶望しておきましょう。 ────────────────────────────────────── 1/14(水) 『バグダッド・カフェ完全版』 CSN1ムービーチャンネル ────────────────────────────────────── 自立をめざす1人の女性の姿が1軒のカフェを舞台に描かれていく。流れる音楽と映 像の美しさは圧巻。人間はいくつになっても、本当の自分の姿を探し始めるのに遅い ということはないのかもしれない。 ────────────────────────────────────── 1/15(木)、1/16(金) 『フェノミナン』 パーフェクトチョイス CH113/114(2日間で16回放映) ────────────────────────────────────── ある日突然、不思議な超能力を持った男が、その力を人々のために役立てようとする。 だが友人さえも、彼の力を気味悪がって離れていってしまう。根底には人間肯定が流 れているが、ちょっと辛口のヒューマン・ドラマ。ジョン・トラボルタ主演。 (ペーパー・ビュー方式なので、495円かかります) ────────────────────────────────────── 1/16(金) 『アポロ13』 スターチャンネル(14:00) ────────────────────────────────────── トム・ハンクス、ケビン・ベーコン、エド・ハリスの豪華キャスティング。月面探査 船アポロ13号は宇宙空間で事故が起き、絶体絶命のピンチに陥る。宇宙飛行士たちの 帰還のために、さまざまな人々が協力し支え合って戦う……。感動的な人間ドラマ。 ◆今週の1本 ────────────────────────────────────── 絶対見逃したくない!……『ハート・オブ・ダークネス』 ──●REVIEW●── ────────────────────────────────────── 『セブン・イヤーズ・イン・チベット』 ──歴史の狭間に聖なる地で起こった、数奇にして高貴なる出会い ────────────────────────────────────── 少年は仏教の経典に熟達し、先人が示した生きる道を知り、そして子供らしい無邪 気さと寂しさを、胸の底にたたえていた。男は山を登り、生き抜く術を身体で知り、 もって生まれた純粋さを隠しながら、強く自分を守っていた。 ストーリーは第二次世界大戦をはさむ7年間。ナチスの国威発揚のためにヒマラヤ をめざした登山隊は悪天候で下山し、折しも大戦勃発で敵国となったイギリスの捕虜 としてインドの収容所に入れられる。集団脱走し隊長と2人で山を越えた男、ハイン リッヒ・ハラーは、高山の聖地にたどり着き、やがて年若い少年・ダライ=ラマ14世 との運命の出会いを果たす。 前半で自分勝手なハラーを延々と演じたブラッド・ピット。のちの伏線とはいえ、 彼だからこそ保てる「間」でもあったとすれば、おそらくこれは彼自身にとっても映 画界にとっても最高の仕事の1本となったのではないか。この伏線は同時に、隊長と の信頼のドラマをも演出する。隊長役のデビッド・シューリスがまたいい眼をする。 これだけでもジンとくる。思えば私はこの隊長と同化して、主人公の男の成長を見つ め続けていたのかもしれない。 悪夢に涙する少年に、男は純粋に応える。少年を助け出そうとした男の気持ちを精 一杯受けとめながら、少年は歴史の中に戻っていった。ふたりのはかなくも濃密な時 間は、いかなるラブ・ストーリーよりも熱く、いかなる歴史よりも重く、いかなる家 族にもまして温かく、そしてチベットの乾いた風のように極めてドライに、私の胸を 今でも締めつけている。 ・Seven Years In Tibet Matinee Room http://www.filmscouts.com/matinee/sev-yea/ [Written by 唯よーじゅ] ──●COLUMN●── ────────────────────────────────────── 【城戸朱理のシネマ・クローゼット(2)】 ──『MIB』は、アメリカ的じゃない!? ────────────────────────────────────── ===映画のノリは正真正銘アメリカもの=== 『MIB』、黒いスーツを着た男。それはUFOの目撃者をめぐる都市伝説だ。UFOと遭 遇した人間のもとを訪れる、どこか非人間的でぎこちなく、あまりに怪しい男たち。 これまでは証拠隠滅をはかる宇宙人の手先だとか、さまざまな説がささやかれてきた が、その正体は不明。ちなみに、この謎のMIB、日本でもいくつもの目撃例がある。 こんな怪しげな話を映画化しようというのだから、さすがスティーブン・スピル バーグ、目のつけどころが鋭い。 ストーリーは単純明快。地球には1500種ものエイリアンがすでに人間に混じって 住んでおり、その出入国をはじめ、さまざまな管理や犯罪者を取り締まる組織がMIB。 しかも、この秘密組織、政府がひそかに運営しているわけではなく、エイリアンのハ イパーテクノロジーを利用した特許のあがりで維持されている、いわば民間の地球防 衛軍。それらしくもあり、ズッコけてもいるが、そのノリはいかにもアメリカっぽい。 昨今のハリウッド的パニックもの大作に比べて、ややヤマ場に欠けるキライはあるが、 十分にノリ1本で楽しめる。だいたい、怪しげな組織のヘンなエージェントにトミー・ リー・ジョーンズとウィル・スミスという似合いそうもない2人を配して、ギャップ を演出するあたりも心憎い。 ===メン・イン・グレイフランネル!?=== ところで、ちっともアメリカ的じゃないのが、黒のスーツ。日本なら「なにかご不 幸が……」と神妙な顔で尋ねられそうなスタイルで、ウィル・スミスのセリフを借り るなら「クールじゃない」。いかに民営とはいえ、地球防衛軍の制服としては、あま りに情けない。そもそもアメリカでは黒は特殊な色。トラディショナルな洋服を扱う ブルックス・ブラザースあたりをのぞいてみればわかるが、黒はスーツはおろかカ ジュアルなアイテムにもほとんど見あたらない。夜間の略礼装のタキシードくらいの もの。ちなみに正装のテイルコートは、さすがに着られることが少なくなってしまっ たようだが、パーティの招待状にブラックタイ着用とあったらタキシードを、ホワイ トタイ着用ならばテイルコートをさす。というわけで、黒のスーツなんていうものは マトモなヤツの着るものじゃなくて、よっぽどスノッブでヨーロッパのブランドの愛 用者か、イタリア系マフィアかチンピラにしか見受けられない。ちっともクールじゃ ないスタイルなのだ。 ダサいカッコでエイリアン退治。このあたりも『MIB』のおかしさ。もし、「メン・ イン・グレイフランネル」、グレイのフランネル地のスーツを着た男だと、毛並みや 育ちがいい男という意味で、ロバート・レッドフォードが演じた『華麗なるギャツ ビー』の世界になって、途方もないギャップが生まれたのだけど。さすがにこれじゃ 映画にならないか。 ──●占星映画術(1/10~1/16)●── ◆THE DAY OF BIRTH ────────────────────────────────────── 占星術ではASC.なるものがあって外見に大きく影響するとされます。このASC.はほぼ 1日で一周するため、同じ日に生まれても昼か夜かで外見は大きく違ってきます。14 日のにぎわいは、顔で説明しようとすると「まゆ毛濃いい?」なんて話になりますが、 性格でいえば、「頑固な上に人のウラをかくのが好き」といったとこでしょうか。 1/10 長門浩之(1934)、ウォルター・ヒル(1942)、小松政夫(1942)、 あおい輝彦(1948)、財前直見(1966)、吉田真由子(1974) 1/11 日野陽仁(1956)、深津絵里(1973)、宮下直紀(1972) 1/12 ウェイン・ワン(1949)、中谷美紀(1976) 1/13 伊藤蘭(1955)、秋本奈緒美(1963)、CHARA(1968) 1/14 三島由紀夫(1925)、フェイ・ダナウェイ(1941)、 ローレンス・カスダン(1949)、萩尾みどり(1954)、ルー大柴(1954)、 石田純一(1955)、スティーブン・ソダーバーグ(1963)、 エミリー・ワトソン(1967)、立河宣子(1970)、新山千春(1981) 1/15 新珠三千代(1930)、富士眞奈美(1938)、高橋元太郎(1941)、 樹木希林(1943)、田中真弓(1955)、石井聰亙(1957) 1/16 ジョン・カーペンター(1948)、池上季実子(1959)、ケイト・モス(1974) ◆星座別オススメ映画 ────────────────────────────────────── 占い協力:TAROT-ASTROLOGY OF THE WEEK http://www.cup.com/yoge/tarot/astro/ ○おひつじ座(3/21~4/20 生まれ) オススメ映画は『フル・モンティ』。財布のヒモは固くして、でも積極的な人づ きあいも大事。新しい出会いよりは古い知人・友人との再会がツキを呼びます。 ○おうし座(4/21~5/21 生まれ) オススメ映画は『ピースメーカー』。対人運は恋愛よりも仕事関係や友人との間 でよくなります。性別を意識しない関係・立場での行動に徹すると運が開けます。 ○ふたご座(5/22~6/21 生まれ) オススメ映画は『この森で、天使はバスを降りた』。運勢の落ちついた1週間。 過去や未来に思いめぐらし、今の自分のまわりの流れを見つめるといいでしょう。 ○かに座(6/22~7/22 生まれ) オススメ映画は『世界中がアイ・ラヴ・ユー』。安定に向かう人には朗報あり。 家族や友人関係において、よい関係を保っていくためのいい機会があります。 ○しし座(7/23~8/22 生まれ) オススメ映画は『ラブ&ポップ』。焦らず人間関係を大切にしましょう。 損得や職務にこだわらず相手の気持ちに応えていけば株が上がっていきます。 ○おとめ座(8/23~9/23 生まれ) オススメ映画は『CURE/キュア』。能力をフルに発揮したい人には希望あり。 めざす目的がはっきりしているのなら、覚悟して自分本位で突き進みましょう。 ○てんびん座(9/24~10/23 生まれ) オススメ映画は『ブラス!』。にぎやかなのにちょっと寂しげ。でも運勢は上り 坂。仕事も恋愛もさりげなくポイントを稼いでいけるでしょう。 ○さそり座(10/24~11/22 生まれ) オススメ映画は『タイタニック』。妥協を余儀なくされたとしても、最後は目的 を果たすことができて満足も得られるでしょう。ですから途中で投げ出さないで。 ○いて座(11/23~12/21 生まれ) オススメ映画は『用心棒』『椿三十郎』など黒澤&三船作品。細かい面倒な思案 はなるべく週末か月曜日までに終わらせておくといいでしょう。 ○やぎ座(12/22~1/20 生まれ) オススメ映画は『メン・イン・ブラック』。たくさんの小さな問題も楽しみなが ら片づけるくらいの余裕が必要。地道にリズムのある生活を続けてみましょう。 ○みずがめ座(1/21~2/18 生まれ) オススメ映画は『北京原人 Who are you?』。自分としては珍しい、初めての体 験をするかも。状況を知らない人に相談しても迷惑をかけるだけなので注意。 ○うお座(2/19~3/20 生まれ) オススメ映画は『草原とボタン』。恋愛関係は残念ながら除外されますが、仕事 や友人関係では望ましい結果や成果が現れるでしょう。 ▼問い合わせ先 ────────────────────────────── movie-watch-info@impress.co.jp :記事内容 ウォッチ編集部 ad-sales@impress.co.jp :広告関連 インプレス A&D sales@ips.co.jp :配信先等 インプレス販売 ▼購読申込み・購読中止・配信先変更 ──────────────────── ──購読申込み 下記のURLから案内にしたがってお申し込みください ◎ http://www.ips.co.jp/tana/watch.htm#muryo ──購読中止、配信先変更 下記のURLから、ポイントアップシステムのメンバーIDとパスワードを入力して、案 内にしたがって、中止・変更をしてください。なお、メンバーID等が不明なときは、 sales@ips.co.jpまでご連絡ください。 ◎ http://www.ips.co.jp/pointup/fpchg.htm ────────────────────────────────────── 発行人 塚本慶一郎/編集人 井芹昌信/編集長 山下憲治 発行 株式会社インプレス 〒102 東京都千代田区三番町20 編集 デラ・ジャパン株式会社(紺野美樹、服部弘一郎、今祥枝、菊池朋子) Copyright(C), 1997-1998 Impress Corporation. ムービー・ウォッチに掲載された記事を許可なく転載することを禁じます ──────────────────────────────────────