Windows 8 ナビゲーター

タブレット端末は、実はキッチンとの相性がかなりいい。棚にたてかけたりできる大きさと薄さだし、防水の機種も発売されている。料理中にレシピを確認するにも、スマホの小さな画面をのぞきこむよりも、タッチパネルの大画面で見て、操作するほうが楽しさもやる気も倍増する。また、Windows 8はマルチタスク性能が高いので、「○○しながら料理をしたい」という要望にも応えてくれる。今回は、思わず料理したくなる、おすすめのWindows ストアアプリをご紹介しよう。

今回のお品書き

  • クックパッド
  • iFood.tv Recipe Videos
  • Kitchen Scene
  • 定規8

定番レシピサイトのアプリはもちろん、ユニークな動画レシピも

クックパッド株式会社による、言わずとしれた日本最大の料理レシピサイト「クックパッド」。142万品を超えるレシピが登録され、1,200万人が利用する巨大サイトだ。もちろんスマホ向けのアプリも提供されているが、このWindows ストアアプリの使い勝手はそれとかなり違う。

できること自体は、「レシピカテゴリ」からの選択と「検索」、「話題のレシピ」や「人気の検索キーワード」の参照とシンプル。クックパッドのIDを持っていればログインすることで「MYフォルダ」の利用もできる。また、月294円のプレミアムサービスに登録しているユーザーなら、検索結果の「人気順」の並べ替えも可能だ。

ただ、機能はシンプルなのに快適。サムネイル表示される料理の写真が大きく、何を作ろうか迷っているときにはとても楽しく選べて、料理をしたい気分にさせてくれる。インターネットブラウザーでホームページを表示しているときとも違い、紙の本を見ているときの感覚に近い。スマホのアプリだと、あらかじめ作りたい料理や使いたい食材が決まっているときには便利なのだが、Windows 8のタブレットで見ているときのようになんとなく探す、という使い方には実はあまり向いていない。クックパッド愛好者にとって、また新しい使い方が増えたといえるだろう。

レシピカテゴリがずらりと並んで選ぶのも楽しい 各レシピは、ヨコに置くとスーパーで配られている「レシピカード」のような作り
タテに置くとスクロールせずに作り方全体が見られるレシピが多い プレミアムサービス登録ユーザーは「人気順」の並べ替えができる

ところで、Windows ストアのトップから「グルメ」カテゴリーを選ぶと、思ったよりソフトの本数が少ないと感じるかもしれないが、実はデフォルトでは日本語アプリに限定して表示されている。ちょっと物足りなく感じたら、[設定]→[基本設定]→[選んだ言語のアプリを見つけやすくする]で[いいえ]を選んでみよう。日本語ソフトだけに限定すると20個程度のアプリだが、言語の設定を外すと一気に700個以上が表示される。

英語のレシピなんて読みにくいし、食材や調味料をはかる単位も違うと思うかもしれないが、やってみるとこれが意外に楽しいし役に立つ。とくにアメリカのFutureToday Inc.による「iFood.tv Recipe Videos」がおすすめだ。作り方が動画で紹介されているので、英語がわからなくてもほぼ理解できる。700個から探すのも大変なので、検索から「ifood」を入力して探してみよう。iFood.tvのカテゴリごとに「Healthy」「Cake」「Kids」などカテゴリに分けたアプリも提供されているので、興味のあるものを選んでもいい。

[設定]→[基本設定]→[選んだ言語のアプリを見つけやすくする]を[いいえ]を選ぶと日本語ソフト意外も表示される 「iFood」関連だけで24種類もアプリがある

起動すると「Breakfast」「Dessert」などのカテゴリ別にブラウズできるほか、右上の「HOME」メニューや下部に表示されるメニューから、「Healthy」「Method(煮る、焼くなどの料理方法)」などのいろいろなカテゴリから選択することもできる。ビデオ数も35,000件以上あるので詳細なカテゴリ別に見ていっても十分見応えがある。もちろん検索から食材を入力してレシピを探すことも可能だ。右上の「SignUp」からユーザー登録すると「Favorites」フォルダにお気に入りレシピもまとめられる。

ちょっと変わったお菓子作りから、アボガドなど使い道に困る食材の活用方法を調べたりするのにも便利。とりあえず「Best」カテゴリに登録されているものをサムネイルで選んでいくつか見てみても楽しい。「Healthy」や「Low Calorie」、「Vegetarian」などのメニューも豊富で、カロリー制限があって似たようなメニューに飽きたときにも参考になるだろう。

ビデオに登場するのはプロのコックから料理自慢の主婦までさまざま。テンション高く調味料の量もあまり正確に量らずざっくり作っている姿を見ると、普段の小さじ1/3をはかるのに神経を使う日々から解放されて、「ああ、こんな感じでもいいんだ」とちょっと勇気ももらえる。

さまざまな料理作りの動画が35,000件! カテゴリも豊富 料理のレシピは、上部に動画、下部にテキストで表示される。動画は全画面にすることも可能
だいたいteaspoon(tsp)が小さじ、tablespoon(tbs)が大さじぐらい

料理しながら使うと便利なアプリいろいろ。スナップも大活用

最後に、料理に便利なアプリと、“ながら”に最適なアプリをご紹介したい。

まずはタイマーやメジャーなどのツール類だ。タイマーやストップウォッチはWindows ストアアプリにも豊富なので、好きなものを選べるが、techGarageの「Kitchen Scene」は「ケーキカット」「キッチンタイマー」「パスタメジャー」の3つのツールがひとつになった便利アプリ。エンジニアの育成を行うtechGarageの学生が主導で、マイクロソフトとの共同プロジェクトとして作成されたWindows ストアアプリだ。

キッチンタイマーは、トマト型のビジュアルで表現された見やすいタイマー。左右にドラッグして最長99分まで設定できる。パスタメジャーもゆでる前のパスタがはかれる定番キッチンツールだ。ただ、解像度の問題か私の環境ではずいぶん大きくスケールが表示されるのでこれに関しては使えていない。おもしろいのがケーキカットだ。カメラ機能を使って、「円」「長方形」「正方形」のものを等分にするガイドを画面に表示してくれる。カメラでリアルタイムに切っている状態が見られるので、真上から片手で写して、もう片方で包丁で印をつける、というような使い方ができる。ケーキやピザを「5等分」「7等分」など難易度の高い取り分けを公平に行いたいときにとても便利だ。

「Kitchen Scene」のトマト型のキッチンタイマー。音もアナログそのまま 「ケーキカット」はカメラで写しながら画面上にめやすを表示。これは5等分

もうひとつ、U6による「定規8」もおすすめ。料理のレシピでは、材料を「3cm程度に切る」「5mmの厚さにそろえる」などサイズが指定されているが、「だいたいこのぐらいかな」と切ってみても、念のためはかってみると結構サイズが違ったりする。定規8は画面に定規を実寸表示するツールで、画面のタテヨコ比や解像度を設定することで、センチやインチの表示を画面周囲に表示してくれる。レシピのアプリのヨコにスナップしておくと便利だ。

「定規8」はモニターの比率とサイズを指定すると実寸表示ができる 「定規8」をクックパッドのレシピヨコにスナップさせると、「5mm幅に切るって、どのくらい……?」というときにも安心

また、料理中は地味で時間がかかる作業の連続。Windows 8ならスナップで複数の画面が使えるので、たとえば「YouTube Play」を表示させてビデオクリップを聞きながら作業するとか、「J-WAVE PODCAST STATION」でラジオ番組を聴きながら作業するなんて作業もラクラク。デスクトップ上で、IPサイマルラジオの「radiko.jp」を使ってバックグラウンドで再生しても十分だ。Windows 8タブレットなら、1台でレシピからキッチンツール、ラジオやテレビの役目までしてくれて、キッチンでマルチに活躍してくれる。

「J-WAVE PODCAST STATION」では人気コンテンツを選んで再生できる 動画をスナップさせてながら見しながらレシピ確認

(Reported by 西村敦子)