テラドローンは、 ドローンによる風力発電向けブレード点検サービスを開始したことを3月19日(火)に発表した。

今回開発したアタッチメントを取り付けたドローンが撮影している様子

 現在、 風力発電機のブレード点検を行う際、 重機やロープを使った点検が主流となっている。しかし、立地条件によっては重機を使用することができない・ロープ点検には高所作業をするための特別な資格が必要となるなど、点検へのハードルが高いという課題があった。

 今回テラドローンが開始するドローンサービスを使用することで、立地条件や資格の有無に関わらず、目視点検を行うことが可能となる。

 本システムでは、DJI製ドローンに取りつけたアタッチメントからのレーザー照射により自己位置推定を行うことで自律飛行を実現。さらに、撮影した画像は、専用のソフトウェアを介してクラウド上で管理ができ、AIによる画像処理によって、表面の損傷度合いを分類することが可能だ。

 こうした技術を利用したテラドローンの新しいドローン点検サービス。大きな3つのメリットは以下の通りである。

1)時間短縮

 従来の重機点検やロープ点検では1日2機の点検が限界であったが、 本サービスにおいてはブレード1枚当たり約8分で点検が完了。 従って1日に約7、8機の点検が可能となる。

2)安全性の向上

 ドローンを使用することで、作業員が高所に登る必要がなくなり、安全に点検することができる。また、自律飛行が行えるため、人的な操作ミスが生じず、誤ってブレードに衝突する危険はほとんどない。専門スキルや資格がなくても、約1週間の訓練で、誰でも安全にドローン点検を行うことができる。

3)点検クオリティの向上

 自律飛行が可能なため、ブレることなく近距離で撮影ができ、平均0.4mm/pixの高画質なレポートを得ることができる。撮影した画像は、専用のソフトウェアを介してクラウド上で管理ができ、AIによる画像処理によって、 表面の損傷度合いを分類することができる。また、ソフトウェア上で撮影した画像を拡大でき、ミリ単位の傷を見ることも可能だ。

ドローン点検から得られる高画質レポート
ドローン点検から得られる高画質レポート(破損の大きさは約30cm)

 テラドローンは、以下のようなコメントを残し、ドローンによる課題解決に積極的な姿勢を示している。「現在、 国内では点検作業員の不足が深刻化する一方、 発電機の稼働率の向上が課題となっています。 特に、 落雷被害のような不測の事態に対しては、 速やかな点検が早期の原状回復のために何より重要となります。 テラドローンは、 このような課題をドローンソリューションにより解消し、 風力発電機の点検に貢献してまいります。」