2019年2月25日、GITAIは、商用宇宙ステーション内の宇宙飛行士の作業を代替する遠隔操作ロボットのプロトタイプ6号機を開発したことを発表した。

GITAI : Prototype Unit6 (2018.11)

GITAI プロトタイプ6号機について

 同社はインターネットを経由して超遠距離間でも細かい作業が可能な人型遠隔操作ロボットを実現した。
 専用OS、360°映像データの低遅延通信技術、360°映像データの削減・圧縮技術、負荷低減技術、NAT越え技術、Robotics Software、Haptics、Sound(音声同期)、Motion Capture、Robotics Hardwareの全てを自社開発することで、宇宙での限定的なネットワークインフラ上でも宇宙ステーション内で作業可能な高性能のロボットを実現する。

GITAIについて

 近年の世界における宇宙開発競争の激化に伴い、宇宙での作業の需要が急増している。特に、ISSに代表される地球低軌道宇宙ステーションは、2025年までにISSの民営化が決定され、米国民間企業を中心に宇宙ホテルや科学実験用宇宙ステーション等の商用宇宙ステーションも複数建設される等、作業の需要が急増している。

 しかし、現状唯一宇宙での作業が可能な宇宙飛行士は宇宙放射線等の安全性のリスクから1回の滞在で約3ヶ月程度しか宇宙に滞在できず、また水や食料等の補給物資も必要となることから頻繁にロケットを打ち上げる必要があり、現状では、ロケット打ち上げコストを含めた宇宙飛行士のコストは1人あたり年間438億円程度かかる。

 同社は宇宙ステーション内の作業を宇宙飛行士の代わりに長期間現地で作業可能なロボットで実施できるようにすることでロケットの打ち上げ回数を減らし、宇宙での作業コストを10分の1にすることを目指している。