2019年1月30日、フリアーシステムズは、世界の軍隊、公共安全、基幹的インフラの市場向けに高性能な無人航空機システム(UAS)を開発する企業であるエリヨン・ラブズ(Aeryon Labs)を、2億ドルで買収したと発表した。エリヨンの垂直離着陸クアッドコプターの機体は、フリアーのサーマル技術を含む複数のセンサーを搭載しており、ユーザーに高解像度の迅速な諜報・監視・偵察(ISR)機能を提供する。

 2007年に設立されたエリヨン・ラブズは、カナダのウオータールーを本拠とし、デンバーとソルトレークシティーに事業所を構えており、重量が20ポンド未満の航空機を中心に構成したミッション重視のグループ1 UASソリューションの設計・製造を手がける企業である。エリヨンのUASファミリーは米国防総省など、世界30カ国以上、20軍隊に導入されている。エリヨンは、ハードウエア、組み込みソフトウエア、地上制御ステーション、センサー、飛行業務向けソフトウエアに加え、世界各地の顧客向けのサポートサービスを含むUASソリューションを開発している。

 フリアーシステムズの社長兼最高経営責任者(CEO)のジム・キャノンは、「エリヨン・ラブズの買収により、センサーの提供にとどまらず、人命や生活手段を守るための包括的ソリューションの開発へと動く当社の長期的戦略を強化できる。この買収と、2016年のプロックス・ダイナミクスの買収が相まって、当社の無人システムソリューションの能力を大幅に高め、当社事業をナノUASから軍隊向けのグループ1 UASソリューションへと拡張できる。無人/自律ソリューションは今後、有機的に成長するための重要な機会だと考えているため、当社は今後もこの事業分野へ投資して事業を築き、当社能力の拡大に取り組んでいきたいと思う。」と述べた。

 堅牢で信頼性に優れ、現場で実績あるエリヨンのSkyRanger UASは、リュックで携行でき、単独の操縦者が数分で配備できる。SkyRanger UASは、高地、突風、雨や雪など、過酷な環境や悪天候でも操縦可能なことで定評がある。このSkyRanger航空機ファミリーの最新製品は、小型UASの性能と信頼性で新基準を打ち立てている。今日ではモジュール式のオープンアーキテクチャーにより、エンドユーザーやサードパーティー開発者はSkyRangerプラットフォームにしっかりと組み込むことのできるペイロードやソフトウエアシステムを開発し、迅速なソリューション開発、オンボードの人工知能、自律操作を実現できる。

 エリヨン・ラブズの共同設立者で最高技術責任者(CTO)のDave Kroetschは、「私たちはフリアーのファミリーに加わり、大規模な成長指向の技術企業を新たな住処とすることに、大きな期待を感じている。ドローンの技術とその市場が発展している中で、お客さまはより大きなソリューションのまさに1つの要素としてのUASを求めるようになっている。エリヨンは数年前からそうした方向で発展してきたが、フリアーシステムズに加わることで、これまで当社だけでは実現不可能だった大型ソリューションへと、当社のハードウエア/ソフトウエア技術を組み込むための道が開けける。」と語った。

 エリヨン・ラブズは、フリアーの政府・防衛事業部門の無人システム&統合ソリューション事業部門の傘下に入る。買収取引によって、製品開発への投資が伴い、その後も徐々に増加することが予想されるため、2019年のフリアーシステムズの利益は0.02ドルの希薄化が見込まれる。フリアーシステムズの経営陣より、2月13日午前9時(東部標準時間)に計画している2018年第4四半期業績の遠隔報告会で、この戦略的買収について説明される。