FullDepthは、11月8日(木)に自社開発の水中ドローン「FullDepth DiveUnit300」(ROV)によるダム点検の実証試験を花貫ダム(茨城県・高萩市)にて実施した。同実証試験は、茨城県が実施する「いばらきロボット実証試験・実用化支援事業」の一つとして茨城県の支援のもとに行われた。

実証実験概要

同社が開発したROV「FullDepth DiveUnit 300」を用いて、花貫ダム上流側壁面を網羅的に撮影することに成功した。これまでは潜水士やダイバーが、目視で点検作業を行うことが一般的だったが、潜水時間が限られているため、事前に潜水するポイントを絞り込み「点」での点検作業を行なっていた。潜水時間に制限のないROVを活用することで、壁面を網羅的に「面」で撮影することができるため、問題が起きそうな箇所を早期発見することができ、予防策を講じることが可能になる。ROV本体も運搬に重機などを必要とせず、人力での運搬が可能なため、小型ボードさえあればダム湖内部のどこでも点検を行うことができる。また、高地にあるダムの深部など潜水士が潜れない領域での活動も行えるようになり、ダムの長寿命化対策の一環として、効率的な点検作業を安全に実施できる手段としての活用が期待される。

調査中のダム全景
調査中の様子
操作中の様子
ダム水中壁面
ROV操作端末

FullDepth DiveUnit300 について

FullDepth DiveUnit300

FullDepth DiveUnit300はサイズ・重量ともにコンパクトに設計された可搬型のバッテリー駆動ROV。運用に必要なものはROV本体とPC、そしてその二つをつなぐ通信用のテザーケーブルのみで、手軽に水中調査を行うことができる。2018年6月1日よりFullDepth DiveUnit300を用いた「必要な時に必要な期間だけ」ROVを利用することができるロボットサービスの提供を開始している。