2018年11月13日、システム計画研究所(以下ISP)は、センシンロボティクスが同年10月31日にβ版の提供を開始した、ドローンを用いた鉄塔点検パッケージ「TOWER CHECK(タワーチェック)」向けに AI/Deep Learning を応用した独自の画像解析エンジンの提供を開始したことを発表した。

 センシンロボティクスとISPは2018年10月に業務提携契約を結び、センシンロボティクスのドローン自動航行技術とISP独自のAI/Deep Learning による画像解析エンジンを組み合わせ、鋼構造物の点検作業を大幅に効率化する新たなソリューションの開発を協働で進めている。

鉄塔点検パッケージ「TOWER CHECK(タワーチェック)」

 センシンロボティクスが提供する TOWER CHECK は、飛行ルートの簡易な設定により鉄塔を自動航行で撮影し、その撮影データに基づいた錆・腐食個所の検知からレポーティングまでを自動実施するワンストップ型の鉄塔点検パッケージである。ISPの画像解析エンジンを活用することで、精度の高い錆・腐食の検出が可能となっている。

ISP画像解析エンジンの特徴

 ISPの独自技術により、通常は大量の学習データを必要とするDeep Learningの手法において、少量データによる学習を実現する。「TOWER CHECK」では、撮影画像から錆や腐食の特徴を捉え、発生個所の抽出を行う。大量データの蓄積を待たずに錆や腐食の検出が開始でき、点検データの蓄積に応じた短いサイクルで検知性能を向上する。

 同社ではこの技術を、製造業向けAI外観検査ソフトウェア「gLupe™」や、点検対象に応じた個別の学習を柔軟に行えるコンクリートのひび割れ検出ソフトウェア「ひびここ™」などに展開している。同社はソフトウェア開発技術、画像処理技術、ビッグデータ解析技術、AI技術を駆使し、ユーザーに新たな付加価値を提供していくとの方針を示した。