ドローンジャーナル

「AIRWORKS 2018」で DJI のエコシステムを拡充する新製品とパートナーシップを発表

-企業や政府機関をはじめとする産業ユーザーにDJIプラットフォームを提供-

 2018年10月31日、DJIは、年次開催のエンタープライズ ドローン カンファレンス「AIRWORKS 2018」において、ハードウェアとソフトウェアの新製品と戦略的パートナーシップを発表した。DJIのエコシステムを世界規模で拡充することで、さらに多くの企業へ空撮による生産性向上のメリットを提供するとした。

 AirWorks 2018の基調講演で、DJIのプラットフォームの有用性をより強化する下記について発表した。

携帯性に優れた産業用高性能ドローン「MAVIC 2 ENTERPRISE」
 Mavic 2 Enterprise は、ドローンを業務に活用する企業ユーザーのために、ズーム撮影、専用アクセサリーと高度なセキュリティ機能を備えている。

実践的な飛行シミュレーションを行える「DJI FLIGHT SIMULATOR」
 経験の少ないパイロットも、これにより、業務に必要とされるスキルを身に着けることができる。また、プロユーザー向けの操縦アプリ「DJI PILOT」の公式バージョンと、ドローンフリートを管理する「DJI GS PRO (Ground Station Pro)」ソフトウェアのアップグレード版を発表した。

DJI のプラットフォームを業務に活用しているパートナー企業が、空撮事例をデモンストレーションし、その有益性について説明
 Union Pacific社と AutoModality 社は鉄道橋、American Airlines社は旅客機、Southern Company社は送電線を、DJI プラットフォームを用いて点検業務に使用している。また、マイクロソフトの Windows ソフトウェア開発キット(SDK)により、カスタムドローン用のアプリケーションとペイロードを、Windows 10 がインストールされたPCで制御できるようになる。

革新的なツール

 ・12MP カメラは、光学 2 倍ズームおよびデジタル 3 倍ズームを搭載し、危険な現場や遠く離れた場所、オペレーションが困難なタスクでも、高精度なモニタリングが可能である。
 ・AirSense技術は、近くを飛行する航空機やヘリコプターからのADS-B信号を、パイロットに自動で警告し、混雑する空域や複雑なオペレーションに高水準の安全性を提供する。
 ・機密性が求められるミッションに、データセキュリティ機能を内蔵。内蔵データストレージをパスワードで保護し、撮影映像にGPSタイムスタンプを付与する。さらに、インターネットによるデータ送信を停止するローカルデータモードを搭載している。

 Mavic 2 Enterpriseには、夜間のオペレーションを明るく照らすパワフルなスポットライト、重要な指示や情報を大音量で伝達するスピーカー、他のオペレーターが遠く離れた場所からでもドローンを視認することができるビーコン(白色閃光灯)の業務の可能性を拡張する専用アクセサリーを提供する。

 AirWorks 2018では、Mavic 2 Enterpriseのデモンストレーションとともに、世界最大規模の航空会社である American Airlines社が、ドローンを活用した格納庫内での航空機の点検業務に関する映像を紹介した。アメリカン航空では、点検業務にドローンを導入することで、従来の調査方法と比べてより安全で効率的に点検を行えるようになった。

Mavic 2 Enterprise の詳細情報(https://www.dji.com/jp/mavic-2-enterprise

エンタープライズのワークフローにドローンを導入

 DJIは、データの収集から管理、共有、保護までを業務に簡単に実装できるように、プラットフォームの機能性を拡張した。これらの新しいソフトウェアは、ドローン操作とデータ管理のシステムが、ドローンと同様に重要なシステムだと認識し、企業やビジネスに付加価値を提供する。

DJI Flight Simulator - 新時代のためのトレーニングシステム
 さまざまな企業がドローンを業務用途に採用している。ドローンフリート(航空隊)を管理、運営するためには、新人パイロットを訓練し、管理基準の策定が必要である。DJI Flight Simulator は、リアリティあふれる飛行を疑似体験でき、実際の飛行トレーニングで生じる可能性のあるリスクや損害を回避し、パイロットとしての実践的なスキルを学べる。

 DJI Flight Simulatorは、PCで起動し、DJIドローンの送信機で制御できる。シミュレーターでは、風の状態や天候、照度や視界を実際の状況に合わせて、離着陸や飛行を体験できる。実際の飛行と同様のフィードバックを受けられるので、複雑な飛行状況の管理やタスクを安全に実行する方法などを学べる。
 DJI Flight Simulatorで、パイロットは島や都市部、特定の分野向けのミッション(送電線点検や捜索救援活動)など様々な環境で飛行訓練を行える。また、それぞれの必要条件にあわせ、トレーニングコースをカスタマイズできる。シミュレーターは、Mavic 2 Enterprise、Phantom 4 Pro、Inspire2 や Matrice 210 RTK を含む DJI ドローンに対応している。

DJI Pilot - 公式リリース
 DJI Pilot は、業務向けの飛行制御アプリで Android およびiOSデバイスで公式版を提供する。DJI Pilotは、DJIの産業用ドローンやペイロードとシームレスに対応し、パイロットは最も効率的に作業を実行でき、ドローンを活用したオペレーションで最高の利便性を提供する。
 DJI Pilotは、企業ユーザーが求める直観的な機能性を備えている。パイロットは、飛行プランに詳細なオペレーションを構築でき、セミオートマチックに点検を実施できる。また、飛行パラメーターの生成と制御を行い、写真と動画のオペレーションをいつでも実行できる。DJI Pilot は、Zenmuse XT2、Zenmuse Z30、Mavic 2 EnterpriseのアクセサリーやDJI Payload SDKに組み込まれたサードパーティ製ペイロードなど、さまざまな業務用ペイロードで使用できる。
 また、DJI Pilotは、他のDJIソフトウェアシステムとも統合できる。フリート管理ソフトウェア「DJI FLIGHTHUB」を使用して、ドローンからのライブ映像伝送とフライトデータのリアルタイム共有を可能にする。ローカルデータモードのオペレーションも対応し、すべてのインターネット接続を遮断し、顧客データの安全性を確保する。また、Mavic 2 Enterpriseまたは Matrice 200シリーズのドローンが近くを飛行する航空機やヘリコプターからの信号を検知した場合、DJI AirSenseシステムから警告が表示される。

GS Pro (Ground Station Pro) - バージョン 2.0
 アップグレードされた GS Pro は、重要なミッションにさらなる精度と信頼性を提供する、パワフルな自動飛行の制御と計画用のソフトウェアである。今回のバージョンで、企業はドローンフリートとパイロットの管理や飛行ミッションとミッションで作成されるデータの管理を行える。
 今回のアップデートで、クラウドデータの保存とバックアップに加え、堅牢なデータ共有を実現し、必要な権限を持つチームメンバーだけが関連する飛行ミッションを確認、操作できる。ユーザーは、DJIのアカウント認証情報を使用し、アプリで生成されるデータを保存し追跡できる。
 また、直観的なインターフェースにより、数回のタップで自動飛行ミッションの計画を立て、実行できる。パイロットと管理者は、反復可能なミッションを作成し、飛行オペレーションの信頼性と精度を強化し、過去の飛行を見直して、今後のミッションを改善できる。

業界のリーディングカンパニーと連携し、エコシステムを強化

 AirWorks 2018 では、企業や行政機関、教育機関、NPO ユーザーが、ドローン技術をそれぞれの分野でいかに活用できるかを、ドローンでのイノベーションを率先するパートナーより紹介された。

 Southern Company社は、DJIと、ユーティリティ産業のカスタムソリューションを共同開発し、試験を実施する予定である。今後は、重荷重物の空輸や電柱の定期的な保守調査業務といったさまざまな用途に、ドローンを活用する方法を研究する。

 Microsoft社は、Azure IoT、エッジ コンピューティング、AIクラウドサービスや開発者ツールを、DJIのドローンと統合する方法を開発している。これにより、さまざまな高付加価値のある IoT シナリオが実現する。マイクロソフトとDJIは、DJI Windows SDKのパブリックプレビュー版を公開し、ドローンソリューションの開発者は、Windows アプリを介して迅速にエッジコンピューティングアーキテクチャを構築し、サードパーティ製のペイロードを統合・制御し、DJIドローンからの映像にリアルタイムAIとマシンラーニング機能を追加できる。企業における、ドローンの活用が増え、その手段も飛躍的に増大していく。

 北米最大の鉄道フランチャイズであるUnion Pacific社は、自動飛行制御技術のリーディングカンパニーであるAutoModalityと連携し、北米で2番目に長い橋であるサンフランシスコ北部のマーティネッツ・ベニシア橋の自動化した点検業務にDJIのドローンプラットフォームを導入し、その事例を発表した。

 Propeller Aero社は、Phantom 4 RTKを最大限に活用できるソフトウェアとハードウェアを統合するソリューションPropeller PPKを発表した。Trimble’s SITECHを始めとするPropeller Aero社の販売代理店より提供するソリューションは、測量や採掘を始めとする調査においてやく 70%の効率性を実現する。

 Skycatch社は、同日よりDJIが製造するSkycatch Edge 1 GNSSベースステーションを発表した。Edge1は、30分以内でセンチメートル単位のデータ出力を効率的に行える。ユーザーは、インターネットや携帯端末の接続の必要せずに、データの送受信が可能になる。