経済産業省関東経済産業局 精密計測・微細加工分野プラットフォーム事務局(事業名:平成30 年度地域中核企業創出・支援事業)のナインシグマ・アジアパシフィック(以下 ナインシグマ)は、山九(以下 山九)の高所作業の安全化に関しての技術提案募集を開始した。10月11日に東京、18日に大阪で説明会を開催し、締め切りは10月31日である。書類選考を経て最終選考された組織は山九の資金供与を受け、デモ発表に向けた試作開発に臨む。

コンテストの背景

社会課題の解決を、日本の中小企業の技術力でー第3弾
 日本の基幹産業の工場には多くの煙突が存在し、メンテナンスや解体工事の際は人による高所作業が避けられない。今後さらに需要が増す作業であるにもかかわらず、少子高齢化による労働人口の減少で、より安全性・生産性に優れた手法の開発が課題となっている。経済産業省 関東経済産業局は、日本の中小企業の成長を支援するために2016年に立ち上げた精密計測・微細加工プラットフォームにおいて、社会課題を解決する技術探索型コンテストを開催してきた。事務局は2017年のロボットコンテスト以来、ナインシグマが運営している。

コンテストの概要

 山九が、煙突・鉄塔工事において危険を伴わざる得ない作業を安全に行う手法を確立するため、オープンイノベーションを活用した募集である。ロボットやドローンにより高所において無人で最初に命綱を張る(親綱初期展張)技術の実現を目指し、共同開発パートナーを選考する。提案締め切りは10月31日。その後、書類・プレゼンテーション選考を経て2019年3月までに試作機の開発を行う予定である。コンテストの詳細(求める技術、要件、スケジュール等)は、以下事務局のURLを参照。(https://ninesigma.co.jp/keisoku-kakou/contest-2018-sankyu/

募集の概要

 煙突・鉄塔の点検や工事において高所に親綱を初期展張する際の作業を自動またはリモートで行う手法確立を目指す山九の共同開発パートナー募集。ロボットやドローンによる親綱結束を想定しているが、これらに限らず幅広いアプローチを求めている。

山九について

 1918年創業の山九は、物流・機工・構内操業支援を融合させた独自の事業展開により、世界各地で日本の技と現地の力を融合させることを目指してきた。山九の社名の由来は「ありがとう」の感謝の気持ちで、「人を大切にすること」を基本理念にかかげている。
http://www.sankyu.co.jp/

精密計測・微細加工プラットフォームについて

 精密計測・微細加工プラットフォームは、経済産業省 関東経済産業局により、ものづくりの基盤技術である精密計測・微細加工分野において優れた技術を有する中小企業と、オープンイノベーションに取り組む大手・中堅企業との共創型のマッチングを促進するために2016年に創設された。地域経済を牽引する中核企業の創出と育成を支援し、ニーズプル型(技術課題解決型)オープンイノベーション 精密計測・微細加工等の国内の中小企業の強みを活かせる技術領域において、大手企業からの具体的な技術ニーズの収集を行い、地域支援機関等のコーディネータ-を活用したマッチングを実施している。
http://www.kanto.meti.go.jp/annai/hodo/data/20160801seimitsu_bisai_platform.pdf

ナインシグマ・アジアパシフィックについて

 ナインシグマ・アジアパシフィックは、オープンイノベーションを通じて誰もが幸せに暮らせる社会の実現を目指し、2006年に設立された。ナインシグマグループは現在、世界105か国で5000件、国内では1200件以上の、オープンイノベーション支援実績があるグローバル企業だ。世界中の主要研究機関、研究者との信頼関係を基に、海洋プラスチック汚染問題はじめとした社会的重要課題の解決に繋がる革新的な発想と技術を発掘し、先端技術と企業とのマッチングを推進している。