2018年9月13日、ヤマハ発動機はAIコンピューティング企業であるNVIDIAと協業することを発表した。

 研究開発中の製品群のインテリジェント化を目的とし、この協業を通じて同社は、NVIDIAのGPU※1コンピューティングシステム「NVIDIA® Jetson™ AGX Xavier™」※2を採用する。
 Jetson AGX XavierはAI、ロボティクス、エッジコンピューティング向けに開発された世界初のコンピューターであり、果樹栽培などの農業の自動化を支援するUGV(Unmanned Ground Vehicle)、ラストワンマイルの旅客・運搬での活用が期待されるラストマイルビークル(ゴルフカーベースの低速走行車両等)、産業用ロボット、産業用ドローンなど同社の幅広い製品群に搭載することで、知能化による自動化を進めていく、としている。

※1:GPU (Graphic Processing Unit)
NVIDIAが提供する、高度な画像処理を行うためのプロセッサのこと。1999年、同社が世界ではじめて開発した。高度な並列演算性能を備えた点が特徴でAI(ディープラーニング)や科学シミュレーションに活用され、近年では、世界を認識して理解できるコンピュータ、ロボット、自走車などの頭脳として機能している。

※2:NVIDIA® Jetson™ AGX Xavier™
GPUを搭載し、高度なAIを実行する組み込みモジュールのこと。ロボティクス、エッジコンピューティング、自律型マシン向けに広く活用される。

NVIDIAの製品/サービスの採用を想定している製品群

1. UGV(無人農業用車両、Unmanned Grand Vehicle)
 農業用車両の知能化による自動化を進めることで、農業人口の減少、農作業の自動化、精密農業化の進行といった農業分野の課題解決に貢献することを目指す。

2. ゴルフカーをベースとしたラストマイルビークル
 自動運転技術の進化、MaaSとの親和性向上などを通じて、中山間部等の過疎地、観光地や都市部における新しい交通手段の社会実装を目指す。

3. 産業用ロボット/産業用ドローン/マリン製品/その他の製品群
 これら製品群と共通のプラットフォーム上でAI基盤構築を進め、知能化による自動化で社会課題に応える。

【NVIDIA】
設立年1993年
本社所在地カリフォルニア州サンタクララ
代表者約12,000名
売上高約97億1,000万USD(2018年1月期)