2018年7月19日、ドローン長距離飛行・運航管理の世界初の試験拠点として、経済産業省と福島県が整備を進めている福島ロボットテストフィールド(RTF)が、7月20日に一部を開所すると発表した。またNEDOは、福島県と締結したロボット・ドローンの実証に関する協力協定のもと、一部開所したRTFにおける試験の第1弾として、8月9日にドローンの運航管理の試験を行うとしている。

概要

 経済産業省と福島県が南相馬市と浪江町に整備する福島ロボットテストフィールド(RTF)は、災害対応ロボット、水中探査ロボット、物流やインフラ点検、災害対応などに活用できるドローンといった陸・海・空のフィールドロボットを主な対象に、RTF内で実際の使用環境を再現しながら研究開発、実証試験、性能評価、操縦訓練を行うことができる研究開発拠点である。

 7月20日には、ドローンの安全な飛行を支える機能(区域一帯でのドローンとの長距離通信の確保、気象情報の収集、他機の監視)を集約した「通信塔」が開所する。これは、RTFにおいて最初に開所する試験施設であり、併せて、福島県はこれまで福島浜通りロボット実証区域で80件以上の飛行試験を仲介した実績と、地域住民の皆様のご理解に基づき、RTFが立地する福島県南相馬市と浪江町の間の約13kmを「広域飛行区域」に設定し、円滑に試験ができる環境を整えていく。

公開試験の開催予定

 8月9日に、RTFの利用第1号として、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のドローンの運航管理の試験を行う。

 本プロジェクトでは、多数のドローンが安心・安全に空を飛び交う世界を実現するため、ドローンの運航を管理するシステムの研究開発を進めている。今回、本プロジェクトの一環で、日本電気株式会社、株式会社NTTデータ、株式会社日立製作所、株式会社NTTドコモ、楽天株式会社が、通信塔の設備を活用して、「物流」、「災害調査」、「点検」の3つの利用シーンの同時飛行試験を実施する。

 近接した範囲で複数のドローンが飛行する場合、それぞれが安全な飛行経路を設定し、離発着場の利用時間を調整するなどの必要がある。今回の実証試験では、運航管理システムが3機の飛行計画を管理収集し、通信塔に設置されている気象観測装置の情報などを精査することで、飛行経路変更や離発着タイミングの最適化を図る。