2018年6月13日、ロシアのロシアARDN Technology、は2020年までに欧州でのドローン量産を目指し、重貨物向け産業用“SKYFドローン”の小規模量産を開始するため生産拠点を3倍に拡張にしたことを発表した。

SKYFドローンユースケース

 この体制で生産される最初のSKYFドローンは、既に契約済みの顧客での運搬を含むテスト運航に使用される。そのテスト結果は開発チームで検討され、2020年までに欧州で量産体制を開始する予定である。

 ARDN Technology及びSKYFchain CEOのアレクサンドル・ティモフェエフ氏は、「カザン(ロシア)の生産拠点を拡張し、現在は月に3~4機のドローンが生産可能になった。初期のドローンは、様々な分野でのテスト運航に使用される。例えばドローン運航におけるデータ収集及び処理、貨物運搬、消火作業などだ。テスト運航の第一段階としては関連する条件や課題を見分けることが必要となる。これにより完全版ドローンの設計、開発が加速するだろう。既に開発・デザインオフィスは拡張し、人員も増やす予定だ。今回の生産拠点拡張により1,000立方メートルの広さのユニークなテストセンターを開設し、将来的に必要になると想定されるオペレーション用の練習スタンドも設置した。」とコメントしている。

 また、SKYFドローンは"ハルク"とも呼ばれる重貨物向けに特化した産業用ドローンで最大400kgの貨物運搬、最長350kmの運航が可能である。農薬世界最大手のSyngentaやロシア郵便事業などをクライアントとし、既に一部テストフライトを成功させている。
 さらに2018年からはSKYFchainという世界初のBtoR(Business to Robots)ドローンオペレーティングプラットフォームの開発を進めている。SKYFchainはブロックチェーンに基づくスマートコントラクトを活用することでドローン管理者、クライアント、保険会社などの金融機関、規制当局などの市場参加者間における利用契約、許認可手続きの自動締結、自動実行を実現する。2018年4月には日本の航空宇宙防衛コンサルタンティングファーム CARCIEL(東京)と共同開発契約を締結した。
(SKYFchain: https://www.skyfchain.io)

SKYFドローンの特徴

 タスク、気候、規制それぞれに合わせたドローンのモディフィケーションが容易にできるユニバーサルデザインで、リフトアップローターとステアリングローターの機能が分離することで、ドローンを浮上させるためにガソリンエンジンのエネルギーを直接利用するというハイブリッド機構を採用している。

SKYFchain概要

所在地 :リトアニア
代表者 :アレクサンドル・ティモフェエフ
事業内容:ドローン及びオペレーションプラットフォームの開発、設計