ドローンジャーナル

国内全ドクターヘリが動態管理システムを導入

~ドローンを含む多様な機体位置のリアルタイムな一元管理の実現へ~

 2018年06月07日、ウェザーニューズは国内全ドクターヘリに動態管理システム「FOSTER-CoPilot」を導入することを発表した。同年5月には、佐賀・大分・熊本のドクターヘリに対し、運航動態管理サービス(Flight Watch)を開始している。これにより、国内全52機のドクターヘリ運航管理室においてリアルタイムな飛行位置情報の把握が可能になる。ウェザーニューズが開発した動態管理システム「FOSTER-CoPilot」は、2011年の東日本大震災時、東北の上空に集まってきた機体の空域調整や運航管理の混乱をきっかけに、2012年にウェザーニューズが独自に開発した機内持ち込み型のシステムである。平常時からドクターヘリのリアルタイムな飛行位置と気象情報をあわせて確認することができるため、安全性や効率性の向上が期待される。

 ウェザーニューズは、ドクターヘリが誕生した2001年から航空気象コンテンツを提供しており、現在は年間約25,000回の出動の安全運航を支援している。近い将来、ドクターヘリと同じ低空域を飛行するドローンが増加する中で安全運航を確保していくため、「FOSTER-CoPilot」のドローンへの搭載や有人機・無人機を網羅的に監視できる運航管理システムの実用化を目指していく。

気象情報と機体位置の一元管理を全ドクターヘリで実現

 2011年東日本大震災時、東北上空に多数の救援機が到着したものの、無線を使った連絡方法では山を越えると通じないことから空域調整や運航管理が難しく、現場が混乱するという課題があった。当時、航空機の位置情報と気象情報をあわせて活用したいという強い要望を受けて、ウェザーニューズは2012年に無線不感でも位置情報を常時把握できる、イリジウム衛星通信を用いた独自の機内持ち込み型ヘリコプター動態管理システム「FOSTER-CoPilot」を開発した。「FOSTER-CoPilot」は、2012年に宮崎県のドクターヘリに初めて導入され、徐々に各県で広がり、その後熊本地震など災害時の実績が認められ、今年5月には佐賀県・大分県・熊本県でもサービスが始まった。これにより、国内全52機のドクターヘリで動態管理システムの利用が開始された。
 「FOSTER-CoPilot」が導入された機体の位置情報は、運航可否判断支援ツール「FOSTER-GA」上でウェザーニューズの気象情報と重ね合わせて表示される。また、D-NETシステム(JAXA)を搭載した消防防災ヘリや、「FOSTER-CoPilot」を搭載したその他のヘリやドローンなどドクターヘリ以外の機体の位置情報も「FOSTER-GA」上で重ね合わせて一元的に監視することで、大規模災害発生時においても機体位置を網羅的に把握することが可能である。ウェザーニューズの航空気象チームが24時間体制で監視し、最新の気象情報を伝えすることで、安全かつ効率的な運航管理の実現をサポートしていく。

2016年熊本地震時、救援機が集まる様子

 佐賀大学 医学部付属病院 高度救命救急センター センター長 阪本雄一郎 教授は、「ウェザーニューズのヘリ動態監視システムは、我々が救急医療及びドクターヘリ事業をさせていただいている佐賀県においても極めて重要である。現在、佐賀県は福岡県および長崎県とそれぞれ相互乗り入れを行っており、他県への出動も日常的となっている。ここでヘリ動態監視システムがあれば、他県のヘリの出動状況や運航地点に重複要請があった場合の傷病者の状況を鑑みたより効率的な救急医療につながる。また、言うまでもなく災害時での有効活用は過去の災害において実証済みであり本当にありがたい整備だ。」とコメントしている。