Uber Technologiesは2020年からカリフォルニア州ロサンゼルスで「uberAIR」の飛行試験を実施すると発表した。2017年11月6日から9日にポルトガル・リスボンで開催された「Global Web Summit」での発表となった。Uber Technologiesは、テキサス州ダラスでも2020年からuberAIRの飛行試験を実施することを明らかにしており、ロサンゼルスは2都市目となった。同社は2028年のロサンゼルス・オリンピック開催時に、uberAIRの商業運航を開始することを目指すとしている。

 また、無人航空機を対象とした新しいUTM(Unmanned Aerial System Traffic Management)システムと、無人航空システム(Unmanned Aircraft Systems)の開発に向けて、アメリカ航空宇宙局(NASA:National Aeronautics and Space Administration)と航空宇宙契約(SAA:Space Act Agreement)を締結したことも明らかにした。

 uberAIRでは、垂直離着陸(VTOL:Vertical Take-Off and Landing)の機能を備えた電動小型飛行機(図1)を使用し、全機体を自動操縦で運行することを予定している。垂直離着陸の離着陸場となる場所をロサンゼルスに20カ所以上保有しているSandstone Properties社と提携し、ロサンゼルス国際空港、ロサンゼルスのダウンタウン、サンタモニカ、シャーマンオークスなどの間で運航する予定。今後も不動産事業者と関係を構築し、離着陸拠点の増加とさらなる旅客ルートの開拓を目指すとしている。

図1:uberAIRで使用する機体のイメージ

 Uber Technologiesは、uberAIRの商業運航が始まればロサンゼルス市内の移動時間が大幅に短くなると予測している。例えばラッシュアワーにロサンゼルス国際空港からステイプルズ・センターに移動すると、自動車では1時間20分以上かかるが、uberAIRなら離着陸場までの自動車移動の時間も合わせて27分で移動できるという(図2)。

図2:ロサンゼルス国際空港からステイプルズ・センターへの移動経路、uberAIRならラッシュアワーでも27分程度で移動できる

 Uber Technologiesは今回航空宇宙契約を締結したNASAと協力して、uberAIRの聖教運行に必要なシステムの開発や、空域運用の制度設計などを進めていくとしている。