ドローンジャーナル

ヤンマーとコニカミノルタ、ドローンを活用した農業リモートセンシング事業を開始

ICT農業サービスの合併会社を設立

 ヤンマー株式会社とコニカミノルタ株式会社は、2017年10月1日(日)に、農業リモートセンシングのサービス事業会社として、新たに合併会社ファームアイ株式会社を設立することを発表した。

(左)ヤンマーの鈴木岳人氏、(中)ファームアイの吉田博氏、(右)コニカミノルタの市村雄二氏

 今回の会社設立の背景には、農業就業人口が2005年から2015年の10年間に40%減少し、農家の高齢化が進み、経験値やノウハウの継承が大きな課題になっているという日本の農業の現状がある。

 このような状況を打破するため、ヤンマー株式会社とコニカミノルタ株式会社はこれまでにも協力的に事業を展開してきた。

 両社は、平成26年度農林水産省「農業界と経済界の連携による先端モデル農業確立実証事業」に採択されたプロジェクト「ISSA山形」に参画し、2014年より共同研究を行っている。稲作における「大幅な農作業の省力化・効率化」「勘と経験の科学的アプローチによる継承」の課題解決を目指した事業だ。

 三年間にわたる実証実験において、1反あたりの平均収益が、普及米が14.5%増、高品質米が33%増という結果となり、本事業が農家の収益向上に繋がることが証明された。両社の保有する技術とノウハウを利用することは、農業現場の課題解決に貢献することを確信したという。今後、両社は合併会社の設立を決定し、本サービスの事業化を加速していく。

 今回設立したファームアイでは、農業における圃場のセンシングおよび画像解析サービス、農作物の生育状況の診断および処方改善提案を行う農業コンサルティング事業を行う。農作物の生育状況を、ドローンを活用した撮影や分析でデータ化することにより、農業現場での作業効率化、省力化を目指す。価格は1ヘクタールあたり1万2000円。農家が毎年リピートして利用できる価格を設定した。

 今後、日本では2023年度に担い手が担う水田面積の30%(約4,000件)でリモートセンシングを展開。小麦や大豆、サトウキビといった他作物への展開も予定している。また、海外での実証実験を行い、東南アジア諸国を中心に拡大していくとしている。2023年度には機器の販売等も含めて100億円の事業規模を目指すとしている。

 これまで、ヤンマーは、これまで農業機械の提供による農業現場との接点を通じて、多種多様な営農支援の技術やノウハウを蓄積してきた。一方で、コニカミノルタは、葉緑素計を通じて磨かれてき生育状況の把握や追肥料管理といったセンシング技術に、特殊カメラでの撮影画像処理技術を組み合わせ、圃場全体の葉色測定に加えて、今まで把握できなかった「地力(※1)」と「植物の窒素吸収量(稲の育ち具合)」の算出を可能にした。
※1:土地の肥沃度

 施肥料マップのデータ提供までがフォームアイのサービスだが、顧客が希望すれば、ヤンマーヘリ&アグリの農薬散布サービスを紹介する。地力のばらつきに応じた基肥料設計や稲の育成のばらつきに応じた追肥料設計を実施し、肥料の量を自動抑制する無人ヘリによる空中からの可変施肥を提供する。また、ヤンマーが提供するスマートアシストを通して、圃場単位のデータや作業記録を蓄積し、農家の収益向上に貢献していくという。

可変施肥による窒素吸収量の均一化

 ヤンマーとコニカミノルタは、リモートセンシングの技術を受け、「その他にも准肥散布や土壌医による土質改善など、お客様のニーズにあった農業コンサルティング、ソリューションを提供することができる」と、今後の事業展開に積極的な姿勢を見せている。