FINANCE Watch
ダブルクリックなど3社が4月25日ナスダックJに上場へ

  大阪証券取引所ナスダックジャパン市場にインターネット広告のダブルクリック(4841)、ソフトウェア開発・販売のドリームテクノロジーズ(4840)、放送・カラオケ関連の有線ブロードネットワークス(4842)の3社が4月25日に新規上場する。

●ダブルクリック
  スタンダード基準で、上場に伴い2万3,456株を公募する。米国DoubleClickのネットワーク型広告配信・管理技術「DART(Dynamic Advertising Reporting and Targeting)」のライセンス契約に基づくインターネット広告配信事業を日本で行うため1997年9月に設立された。株主は、米国DoubleClickが保有比率43.23%、トランス・コスモス(9715)が同41.23%、NTT東日本が同5.55%、NTTアドが同5.55%、インプレス(9479)が同2.44%。

  同社の事業は大きく二つに分かれる。メディア事業(2000年3月期売上比率96.5%)は、Webサイトの広告配信と広告代理店販売を行うメディアレップを展開。ダブルクリックジャパンネットワーク(DCJ)は、厳選した約100のWebサイトをコンテンツの特徴により9カテゴリーに分類し、ユーザーが関心のある広告を配信する。また、世界22カ国、1,650以上Webサイトがメンバーとなっているグローバルネットワークの広告や、メール広告も取り扱っている。

  もう一つは、Webサイトに広告配信技術のライセンス供与するテクノロジーライセンス事業(同売上比率3.5%)で、ASP型のモデルである広告配信・管理技術「DART」と、ソフトウェアライセンス型の「AdServer」の二つのサービスがある。

  2000年3月期決算は、売上高が12億6,800万円(前期比2.5倍増)、経常利益が1億4,400万円の損失(前期8,600万円の損失)、純利益が1億4,900万円の損失(同8,600万円の損失)と、創業以来の赤字決算で損失額も増加している。今3月期の9カ月間(4-12月)の実績は、売上高が23億2,900万円、経常利益が2億9,500万円の損失。

 ダブルクリック
URL
市場
 大阪証券取引所ナスダック・ジャパン市場スタンダード
上場予定日
 2001年4月25日
コード番号
 4841
事業内容

 インターネット広告配信事業等

設立年月日
 1997年9月1日
公募
 2万3,456株
売り出し
 なし
仮条件決定日
 4月5日
ブックビルディング
 4月9日~4月13日
公募価格決定日
 4月16日
申し込み期間
 4月17日~4月19日
主幹事証券
 日興ソロモン・スミス・バーニー証券

●ドリームテクノロジーズ
  グロース基準で、上場に伴い1,000株を公募する。社長は元ソフマップ(2690)社長の鈴木慶氏で、保有株比率16.5%で第2位の大株主となっている。筆頭株主はマップグループ(旧ソフマップ総合研究所)で32.5%保有。そのほかの株主としては、ゼンリン(9474)が同11.3%、ソフトバンク・インターネットファンドが同5.6%、ソフトバンク・インベストメントが同4.5%、マップグループ・ドットコムが同1.8%、プラザクリエイト(7502)が同1.5%、大塚商会(4768)が同1.5%。

  独自開発のアルゴリズムである「デジタル・セル・テクノロジー(DCT)」をベースにソフトウェアを開発・販売している。ブラウザーやメーラー、ワープロなどの画面上に表示される文字列をマウスでなぞるだけで簡単にWebからキーワード検索が行える「WordLinker」、複数の画面とコンテンツを1台のパソコンでコントロールするソフトで、コンサルティング会社のプライスウォーターハウスクーパースコンサルタントと共同開発した「ImpactViewer」、地図にさまざまな情報表示を付加したインターネット地図配信システム「NexusMap」、画像や動画、音声などあらゆるコンテンツを自由自在に統合・レイアウトすることのできるビジュアルデータベース・エンジン「QUOVIS」が主力製品。

  2000年2月期決算は、売上高が4億5,700万円(前期比30.6%増)、経常利益が1億700万円の損失(前期1億3,200万円の損失)、純利益が7億9,600万円(同7億9,900万円の損失)。今2月期決算の9カ月間(3-11月)の実績は、売上高が6億3,800万円、経常利益が8億4,000万円の損失。

 ドリームテクノロジーズ
URL
市場
 大阪証券取引所ナスダック・ジャパン市場グロース
上場予定日
 2001年4月25日
コード番号
 4840
事業内容

 ソフトウェアの開発・設計・販売

設立年月日
 1995年3月16日
公募
 1,000株
売り出し
 なし
仮条件決定日
 4月4日
ブックビルディング
 4月6日~4月12日
公募価格決定日
 4月13日
申し込み期間
 4月17日~4月20日
主幹事証券
 野村證券

●有線ブロードネットワークス
  スタンダード基準で、上場に伴い国内外で公募・売り出しを行う。国内では18万9,000株を公募し2万7,000株を売り出し、海外では2万7,000株をそれぞれ公募、売り出しする。1961年6月に「大阪有線放送」として設立されたが、2000年4月に現社名に変更し本社も東京になった。音楽・情報番組の企画・制作、440チャンネルステレオによる有線放送の配信、通信カラオケ「U-kara」、カラオケボックス「ゆー坊」、メール・ホームページサービスの「siteserve」、個人向けプロバイダーの「PUON」などを展開している。

  2000年8月期の売上比率は、有線放送事業が78.3%、「ゆー坊」など店舗展開事業が12.6%、通信カラオケ事業が7.4%、インターネット事業が1.0%、その他事業が0.7%。2000年8月期連結決算は、売上高が949億8,400万円、経常利益が30億6,400万円、純利益が181億4,600万円の損失。

 有線ブロードネットワークス
URL
市場
 大阪証券取引所ナスダック・ジャパン市場スタンダード
上場予定日
 2001年4月25日
コード番号
 4842
事業内容

放送事業、カラオケボックス等の運営、カラオケ機器の販売、ブロードバンド事業等

設立年月日
 1964年9月7日
公募
 21万6,000株(そのうち海外2万7,000株)
売り出し
 5万4,000株(同2万7,000株)
仮条件決定日
 4月2日
ブックビルディング
 4月3日~4月11日
公募価格決定日
 4月12日
申し込み期間
 4月16日~4月20日
主幹事証券
 未定
■URL
・ダブルクリック
http://www2.doubleclick.net/jp/
・ドリームテクノロジーズ
http://www.dreamtechnologies.co.jp/
・有線ブロードネットワークス
http://www.usen.co.jp/

(別井貴志)
2001/03/26 17:48