FINANCE Watch
NTTデータとNRIが初の共同事業~個人金融情報をWebで一覧するサービス

  NTTデータ(9613)と野村総合研究所(NRI)、米国7・24ソリューションズは13日、ひとつのID、パスワードを利用するだけで複数に渡る自分の金融機関の口座情報などをWebページで一覧表示させることを可能にする「アグリゲーションサービス」を共同で開始することで合意したと発表した。今年6月から試行的にサービスを開始し、9月から正式にスタートさせる計画。NTTデータとNRIが共同で事業を行うのは初めてのことで、6月までに今回のサービスを行う共同出資会社を2社で設立する。

  アグリゲーションサービスは、エンドユーザーが保有する複数サイトのID・パスワードをアグリゲーションセンターに預け、センターがユーザーの代理人として情報を収集することで、ユーザーが希望する個人情報や興味があったり知りたい情報などを1画面に編集、一括表示することのできるサービス。

  具体的なサービスとしては、(1)銀行や証券口座の情報、クレジットカードの取引情報などが一覧できる「口座アグリゲーション」(2)インターネット上のさまざまなWebページのなかで自分の必要とする部分・情報だけを切り取って、ひとつの自分専用Webページを作ることができる「コンテンツ・アグリゲーション」(Webクリッピング)(3)オークションサイトで自分の希望する商品が出店されたら通知させるなど、Web上の情報をモニターさせ自分の設定した条件が変更されたときに電子メールや携帯電話などに通知させることができる「アラート・メール」がある。

  これらのサービス・機能は、7・24ソリューションズのアプリケーション「LiveClips」やアラート(通告)技術をライセンス供与を受けて利用する。

  アグリゲーションサービスは、米国で1999年の初め頃に登場し、現在のユーザー数は約60万人、2003年には600万人を超えると予想されているという。しかし、米国の場合はWeb上の情報を無断で収集するサービスが多い。今回の日本でのサービスでは、こういったやり方ではなく、パートナーシップをとるかたちで進める。

  例えば、「コンテンツ・アグリゲーション」では、米国の場合ユーザーが好きなWebページをクリッピングできるが、今回のサービスでは情報提供でパートナーとなっている企業の情報しかクリッピングすることはできない。つまり、パートナーシップをとっていない企業やWebサイトの情報は一切利用することができない方式をとるわけだ。

  現在、参画を検討している金融機関は、あさひ銀行(8322)、オリエントコーポレーション(8585)、クレディセゾン(8353)、さくら銀行(8314)、住友銀行(8318)、ジェーシービー、住友クレジットサービス、大和銀行(8319)、ディーシーカード、東海銀行(8321)、東京三菱銀行(8315)、日本信販(8583)、野村証券(8604)、みずほフィナンシャルグループ、ミリオンカード・サービス、郵便貯金の16機関。このほか、エムタームやフィナンシャルワンなどとも交渉しており、1年以内に30~50の金融機関・グループの参画を見込んでいる。

アグリゲーションサービスの概要
開発中のデモ画面集はこちらへ

背景


サービス


方針


ビジネスモデル


セキュリティ1


セキュリティ2


米国では1


米国では2

■URL
・ニュースリリース
http://www.nri.co.jp/news/2001/010313.html
・NTTデータ
http://www.nttdata.co.jp/
・野村総合研究所
http://www.nri.co.jp/

(別井貴志)
2001/03/13 18:59