FINANCE Watch
ニコン、光通信部品やナノテク事業に進出~3カ年経営計画を策定

  ニコン(7731)は7日、連結売上高6,700億円、有利子負債比率の10%程度への圧縮などを目標とした2003年度までの3カ年経営計画を発表した。2000年度から10年間の“ビジョンNikon21”や2001年度から6年間の“ニコングループ6年構想”のスタート3年間に関わるもので、光通信関連など新規参入事業も掲げてデジタル新時代におけるニコンの青写真を描いている。

  まず新規事業は、今年4月以降に本格化するCMP(ケミカル・メカニカル・ポリッシング)装置開発製造を挙げた。LSI表面を平坦化する研磨装置のことで、ステッパーと呼ばれる縮小投影型露出装置開発での高い技術力を生かす。2005年には世界で2,000億円以上の需要があると見込まれ、ニコンでも商業化を急ぐ。また光関連技術やナノテクノロジーを基本とする光通信部品事業、ライフサイエンス関連事業への進出を検討。2003年度にはこれらの新規事業だけで年間200億円のビジネスに育てる。

  これらのための研究開発費はニコン単独の売上高のおよそ6%を想定。設備投資については今後3年間に1,000億円を計画している。

  世界的には欧米の持ち株会社への地域ごとの金融機能を集約したり、債権流動化の拡大による有利子負債圧縮、資産の運用管理強化、金融費用削減などを進めて財務体質の強化を実現。有利子負債比率は2000年度見込みの33%から2003年度には10%以上へ大幅に圧縮し、連結ROA(総資産利益率)5%以上、ROE(株主資本利益率)12%以上をそれぞれめざす。

■URL
・ニュースリリース
http://www.nikon.co.jp/main/jpn/whatsnew/2001/3kanen_01.htm
・高集積化半導体デバイス対応のLSI検査自動化顕微鏡を開発~ニコン
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2000/10/30/doc858.htm
・ニコン、オランダに欧州事業統括の持ち株会社~米国に2販社も設立
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2000/09/04/doc321.htm

(市川徹)
2001/03/07 11:35