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松井証券が信用取引の仕組みを使いオンライン外国為替取引

  松井証券は1日、オンライントレード「ネットストック」において4月2日から一般投資家が手軽に取り引きできる外国為替取引サービス「NetFx(ネット・エフ・エックス)」を開始すると発表した。

  外国為替取引は、これまで業者間によるインターバンク取引がメインで一般投資家は主に外貨預金や外国債券の売買などを通じて間接的に取引を行うことしかできなかったが、1998年4月の改正外為法の施行により完全自由化された。これにより、直接投資が期待されたが、施行後も売り・買いのスプレッドが大きい(売買手数料が高い)などの理由から一般投資家は手を出しにくかった。

  そこで、「NetFx」では外国為替取引に信用取引の制度を導入した。これにより、比較的少額の資金で手数料も抑えたかたちでの取引を実現したという。具体的には、業者間インターバンク取引に終始していた「外国為替直物取引」に保証金制度とロールオーバー(受渡日自動延長方式)を取り入れた。

  為替直物取引は、実際に受け渡しを行う取引のため本来は交換する通貨の総額に相当する資金が必要となるが、「NetFx」では差金決済で売買ポジションを解消する取引となるため一定の保証金を預託すれば売買が可能になるわけだ。

  また、為替直物取引は原則として取引の2日後に総取引金額の受払いにより決済するが、「NetFx」では翌日に為替直物の契約を自動的にロールオーバー(延長)することで決済期日を延ばす(未決済でポジションとして残す)仕組みになっている。「NetFx」取引の決済期限は1カ月。

  取引単位は100万USドル単位(1注文上限は500万USドル)で、価格は1ドルあたりの日本円相当額を0.01円刻みで表示する。ここでの価格(取引レート)はインターバンクレートそのものではなく、それに近いレートを「参考気配値」として会員画面内に表示。

  委託保証金率は約定代金の10%、最低保証金率は7%としているが為替レートの水準によっては保証金の要件を変更する場合がある。売買手数料は1ドルあたり0.05円。

  この取引により、これまでよりは為替の直接売買が身近なものになりそうだが、本来、相場の変動が激しく投機性も強いためリスクが大きく、取引には十分な知識と資金が必要となろう。

■URL
・松井証券
http://www.matsui.co.jp/
・松井証券、法人の口座基本料を個人と同一に変更
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/02/22/doc2084.htm

(別井貴志)
2001/03/01 18:39