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NEC、スーパーコンで米クレイと全面提携~ダンピング課税撤回狙う

  NEC(6701)は28日、米クレイ社とスーパーコンピューター分野に関する提携に合意し、契約書に調印したと発表した。NECが主力機種「SX-5」シリーズをOEM供給するとともに、クレイの無議決権優先株を2,500万ドル(約28億円)取得する。かつては両社の販売競争が日米経済摩擦の火種ともなったが、クレイがNECの経営支援を受ける形となった。NEC側には、米国でのスーパーコンに対するダンピング課税の解除につなげる狙いもある。

  両社の契約によると、(1)NECは「SX-5」シリーズとその後継機をクレイにOEM供給、クレイは北米とメキシコで独占的に販売(2)両社は「SX-5」シリーズおよび後継機の販売促進で協力(3)NECがクレイ株を取得する―ことになった。

  クレイのNEC製品の販売は、独占禁止法上の問題がないことを確認したうえで、当初の北米・メキシコから欧州、その他地域にも非独占の形で拡大するする。また、これらの合意の実行は、現在、米国で課せられている日本製ベクトル型スーパーコンに関するダンピング課税が撤回されることが条件となっている。

  契約を受け、NECは販売・サポートの米国法人であるHNSX Supercomputers社の事業を1年以内にクレイに統合する。クレイは、事業不振からSGIによる合併を経て、2000年にはTera社が買収し、現在のクレイ社となっている。

■URL
・ニュースリリース
http://www.nec.co.jp/japanese/today/newsrel/0102/2801.html
・米クレイ
http://www.cray.com/
・NEC、国立天文台野辺山から電波へリオグラフのシステムを受注
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/02/16/doc2020.htm

(池原照雄)
2001/02/28 17:41