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日本オラクル、3月にもB2Bビジネスを開始~年60%の成長見込む
米本社の上級副社長に就いた
日本オラクルの新宅正明社長

  日本オラクル(4716)は25日、米国からスタートしたB2B戦略を2001年3月から日本でも実験的に開始するとともに、同社の新宅正明社長が米オラクルコーポレーションのシニアバイスプレジデント(副社長)に就任したことを明らかにした。業種を問わず、電子カタログによる購買とオークションのインフラを備え、北米ではすでに6カ月間で13億ドルのビジネスが展開されている。日本では今年6月から本サービスを開始して、E-ビジネス市場でのイニシアチブをとりたい考えだ。

  米オラクルが昨年6月から始めたのはB2Bサイト「OracleExchange-com.」。全て自社開発ソフトウェアによって購買、企業間での協調設計開発、サプライチェーン計画、物流計画―など、E-ビジネスにおけるほぼ全ての機能を網羅している。

  日本では「OracleExchange-jp.com(OEX-jp.com)」の名前で事業を実施。単なる売買取引のマーケットプレイスから、異なる企業間で協調して設計を進めるなどが可能なビジネスプレイスなどに至るまで、米国と同様の機能をフルカバーする。

  この戦略を進めるためにOracle Suppliers Network Japan(OSN-J)とOracle Exchange Partner Initiative(OEPI-J)の2つの運営組織を3月までに設立させるほか、製品とパートナー企業のビジネス統合やシステム認証などを目的とするオラクルB2Bコラボレーションセンターも2月には発足させる計画だ。

  同B2B市場に商品やサービスを提供する企業は現時点で決まっているもので、アスクル(2678)、インテリジェンス(4757)、JTB、メイテック(9744)、ワコムなど。さらにEビジネスに共通の実務サービスなどで共同実験などを行うパートナー企業には、三和銀行(8320)、東京三菱銀行(8315)、NTTデータ(9613)などが名前を連ねている。

  新宅社長は「企業間取引インフラであるマーケットプレイスでも、年内に10件の成約を目指したい」とし、「今後は毎年60%以上の伸び率がB2B事業で期待できる」と見通しを述べた。

■URL
・日本オラクル
http://www.oracle.co.jp/
・日本オラクル、サービス部門をコア事業に位置付け~需要急増に対応
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/01/16/doc1674.htm

(市川徹)
2001/01/25 14:46