FINANCE Watch
ビジネス情報提供のNNAが株式公開へ向け戦略的提携

  アジアを中心に各国・地域の情報を提供しているエヌ・エヌ・エー(NNA)は24日、昨年末までに戦略的提携を伴う第3者割当て増資を実施すると同時に、2001年夏をめどに日本の新興企業向け市場での株式公開を目指すと発表した。

  資本提携したのは、サイバー・コミュニケーションズ(4788)、伊藤忠商事(8001)、住友商事(8053)、小学館、バンダイネットワークスなど18社と個人。増資によって得た資金は総額4億3,500万円で、拠点網の拡充やシステム構築費などに充てる。

  NNAは1989年に香港で創業、東京や北京、ソウル、マニラ、バンコク、シンガポール、ロンドンなど16の現地法人や事務所を開設し、毎日200~250本のの現地発ビジネスニュースを日本語で配信している。日本企業の関心に沿ったニュースを選択し、顧客は官公庁、一般企業会わせて国内外におよそ4,600社ある。

  これまでは、主に企業向けに配信し購読料を得るビジネスを展開してきたが、今回の提携企業などとも協力しながら一般やツーリスト、駐在員家族などを対象とした情報やWebサイトのツールなども提供していく計画で、総合的な国際コミュニティを構築していく方針。

  Webサイトなどでの情報提供は、基本的に有料会員制をとっているが、すでに@niftyのビジネス向けサイト「Business@nifty」にニュースを配信、同サイトでは無料で一部記事の本文を読むことができる。

資本提携各社との取り組み
サイバー・
コミュニケーションズ
メディア・レップとしてNNAの運営するウェブサイトを取り扱う。NNAはこれまでサイトの利用料収入が利益の過半を占めており、通常のサイトとは異なり、広告収入がほとんどなかった。事業の収益改善に広告は不可欠と考えるNNAと、インターネット・メディアの育成を事業分野の1つとしているサイバー・コミュニケーションズとの思惑が一致したもの。当面、月額1000万円の広告収入を目指す。
伊藤忠商事 同社が展開する鉄鋼サイト、地球の歩き方等各種サイトに対し、NNAがアジア地域を中心とした各種情報の提供を行う。特に、ビジネス系サイトへの情報供給に力を入れる考え。
住友商事 同社の持つ日本最大のケーブルテレビネットワークに、NNAが今後各地で撮影制作する観光案内を流す計画。従来、アジア地域の観光案内番組を制作する場合、日本からスタッフを送り込まなければならず、1時間程度の番組でも1000万円程度の費用がかかった。現地に拠点を持つNNAがビデオキャスターを常駐させ、毎週番組を制作することで10分の1程度にコストダウンが可能と考えている。これらに関わる人材についてはクリーク&リバーに派遣を要請する。
小学館 同社が立ち上げる各種データベースサービスにNNAの記事データベースとの連携が必要と判断し、また活字メディアとネットとの連携を模索する。
共立印刷 NNAが計画しているアジア情報の週刊誌について企画段階から参加。同社のデジタル印刷技術がNNAの要求に合致しており、アジア各地から送られるデジタル情報を管理し、製本化する役割を担う。
日本興業銀行 中国関連情報に強く、従来から同行の持つ情報をNNAのサイトに提供していたが、これをさらに進め、コンサルティング業務受注の窓口として機能を充実させる方針。
クリーク&リバー  
ノジマ  
新光証券  
ぱど  
エー・アイ・エス アジア各地のNNA利用者からのリスク管理に関する不安とサポートの要求に対し、大手金融機関等へのコンサルティング実績を持つ同社がそれらに応えることで、NNAのサービス拡充に寄与すると同時に双方の事業拡大を図る。
バンダイネットワークス すでにアジア情報のiモード配信で提携しているが、これを一歩進め、アジア地域での事業提携を進める予定。
光栄キャピタル  
ベンチャー・
イノベーションズ
 
興銀インベストメント  
東京都民銀行  
あおぞら
インベストメント
 
富士銀キャピタル  

■URL
・NNA
http://nna.asia.ne.jp/
・ビジネスライフをサポート~ニフティが企業人向けサイト
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2000/12/11/doc1338.htm

(別井貴志)
2001/01/24 18:07