FINANCE Watch
東証理事長、大発会で「改革」を訴え~株価は下落スタート

  恒例の大発会が4日午前、東証2階のアローズで開かれた。意表を突いた米国の緊急利下げに対しても、日本の株式市場は冷たくあしらい、同日は2000年末終値比94円20銭安の1万3691円49銭で取引を終了した。大発会では土田正顕理事長が「改革路線」を改めて標榜したが、会員各社の視線は株価同様、冷ややかだった。

  21世紀最初の取引を前に、土田正顕理事長は「わが国のセントラル・マーケットとしての地歩を固め、アジアの中核市場としての地位を目指す」とあいさつし、大証ナスダックジャパンへの対抗意識をむき出しにした。東証マザーズ上場のリキッドオーディオ・ジャパン(4740)をめぐる暴力事件などを念頭に、「従前にも増して上場適格性に配慮」としたものの、「魅力ある商品の提供に全力で取り組む」と強調、新興市場の拡大に不退転の決意を表明した。

  昨年来、株式会社化や夜間取引市場の創設をめぐり、東証と会員証券会社の対立が先鋭化しているが、土田理事長は「証券取引所が情報産業としての色彩を濃くしていく中、より一層柔軟で即応性に優れたシステムの構築や情報提供サービスの拡充など、利便性の向上に努める」と慎重に言葉を選びながらも、新たな施策に理解を求めた。

  壇上、土田氏の隣でこれを聞いていた野村証券(8604)の氏家純一社長がニヤリと笑った。同社長は東証の理事会議長とともに株式会社化を検討する特別委員会委員長にも就任した。「取引所の生殺与奪権はオレが握る」と言わんばかりに見えたが・・・。大納会終了後、証券各社のトップに取り囲まれたのは土田理事長ではなく、氏家社長だった。

■URL
・利下げで米ナスダック指数が過去最大の上げに
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/01/04/doc1581.htm

(兜太郎)
2001/01/04 12:53