この冬、ナナオの「ColorEdge CS230」がアツい!!

 今年リニューアルしたナナオ謹製新型「ColorEdge」シリーズ3モデル。「ColorEdge」は、ナナオの一般向けモニターとしては最高品位ラインですな。プロフォトや印刷やCG、プリプレスやデザイン全般、そしてハイアマチュアユースまで、その表示品位ゆえ多くの分野にて高い定評を得ているシリーズだ。

 で、そのシリーズに新型3モデルが加わる。具体的には、「ColorEdge CG276」、「ColorEdge CX270」、「ColorEdge CS230」となる。

 各シリーズとも非常に魅力的っていうかテッパン的な超高い表示品位を誇るが、スゴ〜く注目されているのが「ColorEdge CS230」だ。「ColorEdge CS230」はセット構成の違いにより、「CS230-CNX」「CS230-CN」「CS230」の3機種があるが、このうち一番シンプルな構成の「CS230」がヒッジョーにアツい。

 ナゼ? それは、その価格。「CS230」のEIZOダイレクト価格は5万9800円♪ ナナオのハイエンドモニターラインにある機種がこの価格で買えるのは「魅力的」とかいう生半可なレベルを超えて「衝撃的」ですらある。

ということで、今回はこの「ColorEdge CS230」の魅力に迫る!

 以前は多くの人にとって「高嶺の花」であったナナオ「ColorEdge」シリーズ。「いつかは、ColorEdgeを」と熱望していた人も多いはず。俺もそうっす。てのは、プロも納得する非常に高い表示品位があり、長期間使う道具としての信頼性も高いからだ。しかし、価格もかな〜り高かった。

 そんな「ColorEdge」シリーズだが、近年では徐々に徐々に値段が下がってきた。「ええっあの『ColorEdge』シリーズが20万円を切った!?」なんて驚いたのも、つい最近のことだ。

 ところがこの「CS230」、イッキナリの5万9800円とは何事かーッ!! てゅーかその値段なら超欲しい。その値段であのド高い表示品位を手に入れられるなんて興奮モノである。

 てな感じで、「ColorEdge」シリーズを羨望の眼差しで見ていた多くの人を興奮させる「CS230」。以降、その魅力にじっくり迫ってみたい。

「ColorEdge」シリーズの違いは?

プロフェッショナル、業務用途向けのハイエンドモニターとなる「ColorEdge CG276」 3DCGやウェブデザイン、アマチュアフォト用途などに向く「ColorEdge CX270」 上位モデルの基本性能を受け継ぎつつ、価格を抑えた「ColorEdge CS230」

 注目の「CS230」を見ていく前に、「ColorEdge」シリーズ新製品3モデルの位置づけをザッと見ていこう。「ColorEdge CG276」、「ColorEdge CX270」、「ColorEdge CS230」の大雑把な違いですな。

 まず「ColorEdge CG276」。これは「ColorEdge」の最高峰機種で、単体でキャリブレーションできる高精度なセンサーを内蔵しているのが特徴的。モニター自身が自動で「セルフキャリブレーション」を行い、常に高精度な色を表現できる。映像関連のプロフェッショナル、業務用途向けにも信頼の厚いハイエンドモニターだ。EIZOダイレクト価格は、18万9800円。

 それから「ColorEdge CX270」。基本性能・機能は「ColorEdge CG276」に肉薄するが、キャリブレーションセンサーを外付けにするなどして、よりリーズナブルな価格設定としている。なんといっても高解像度2560×1440の27.0型大画面なので、3DCGやウェブなどのデザイン、アマチュアフォト用途にもよく向く機種ですな。EIZOダイレクト価格は、12万4800円〜。

 そして「ColorEdge CS230」。EIZOダイレクト価格は5万9800円〜で、「ヒッジョーに買いやすいColorEdgeモニター」であることは前述のとおり。ただ、「安いからモニターとしての性能も低い」と思ってしまいがちだが、これは大きな間違いだ。

 というのは、「ColorEdge CS230」にも、より価格の高い「ColorEdge」機種群と同じ基本性能が備わっているからだ。たとえば「デジタルユニフォミティ補正回路」による輝度ムラ・色度ムラ補正、バックライト輝度低下を回路内に搭載したセンサーで検知しての色度変化・ガンマ値変化の補正等々。また、これら処理を担う独自開発のASICも、より高価な「ColorEdge」機種群とほぼ同じものを採用している。

 それ以前に、使ってみれば一目瞭然の表示性能がある。たとえば最も安い「CS230」。sRGB表示モードでデジカメ写真なんか表示させるとアナタ、ビシィィッと痛快なほど清く正しく美しい発色&階調を持つ映像が現れる。

 ほか、たとえば「ColorEdge」シリーズ全てにおいて、工場で1台ごとにRGB各色0〜255の全階調を調整している。これにより、モニターごとにバラツキのない階調表現を実現している。非常に手間と時間のかかる工程だが、これが「ColorEdge」の高画質を支えるヒミツのひとつだという。

 こういう「多数ある超高画質のためのテクノロジー」が、惜しげも無く一番安い「CS230」にも投入されている。「CS230」も歴とした「ColorEdge」モニターであり、「一度使えば即わかる表示性能の高さ」を持っているのだ。

「CS230」にsRGB表示モードでデジカメ写真などを表示させると、すばらしい表示品質が体感できる! 表示をコントロールする自社開発の制御ICチップASICもColorEdge専用にカスタマイズされている 「CS230」も歴とした「ColorEdge」なので、もちろん工場で1台ごとにRGB各色0〜255の全階調を調整している

かつて無い「お得感」の「CS230」

 さて、「ColorEdge CS230」は、「CS230-CNX」「CS230-CN」「CS230」の3機種がある。それぞれの違いは表のとおり、付属品の違いですな。

<付属品> CS230 CS230-CN CS230-CNX
ColorNavigator Elements ○ (※1) × (※2) × (※2)
ColorNavigator × (※3)
専用センサーEX2 × × (※4)
EIZOダイレクト販売価格(税込) 5万9800円 6万4800円 6万9800円
※1 付属は2013年1月から予定。11/22から、EIZOウェブサイトで無償ダウンロードできます。
※2 付属しませんが、ウェブダウンロードで使用可能。
※3 「ColorNavigator」使用には有償ライセンスの購入が必要。
※4 「ColorNavigator」を使用したキャリブレーションにはセンサーが別途必要。

 まず「CS230-CNX」には、外付けキャリブレーションセンサーの「EX2」および専用カラーマネージメントソフトウェア「ColorNavigator」が付属する。EIZOダイレクト価格は6万9800円。

 それから「CS230-CN」には、専用カラーマネージメントソフトウェア「ColorNavigator」のみが付属する。既に「ColorNavigator」対応の外付けキャリブレーションセンサーを持っている人向けですな。EIZOダイレクト価格は6万4800円。

 そして「CS230」。専用カラーマッチングソフトウェア「ColorNavigator Elements」付属で、EIZOダイレクト価格は「ColorEdge」シリーズ中最安の5万9800円。「ColorNavigator Elements」は新規ソフトウェアのため、製品への付属は1月末からとなる。それまでの間は、EIZOサイトから無償ダウンロードで使用できる。

 こういった違いがあるが、モニター本体は同じモノ。主なスペックは、23型のIPS液晶を採用し、解像度は1920×1080ドット。入力端子は、DisplayPort×1(HDCP対応)、DVI-I 29ピン×1(HDCP対応)、HDMI×1(HDCP対応)。ほか、モニターコントロール用USB2.0ポート×2ポート、USBハブ×2ポートを内蔵している。

「CS230」は、23型で1920×1080ドット表示のIPS液晶を採用 入力端子は、DisplayPort×1(HDCP対応)、DVI-I 29ピン×1(HDCP対応)、HDMI×1(HDCP対応)。そのほか、モニターコントロール用USB2.0ポート×2ポート、USBハブ×2ポートを備える
調整範囲の広いスタンドを採用しており、上下の昇降、前後のチルト、左右のスウィーベルが可能 画面の縦回転にも対応し、ポートレート写真の表示やWeb制作などに便利♪
外付けキャリブレーションセンサー「EX2」

 モニター本体は同じモノとなると、気になるのは、これら「付属品でデキることの違い」ですな。

 まず、外付けキャリブレーションセンサー「EX2」と専用カラーマネージメントソフトウェア「ColorNavigator」を使うと、モニターを直接調整する高精度な「ハードウェア・キャリブレーション」を行える。モニターの用途に応じた適切な表示設定が可能。設定は複数保存でき、ボタン一押しで簡単に切り替えられる。「CS230」の性能を出し切れるってわけですな。

 一方、「CS230」には「ColorNavigator Elements」というフォトカラーマッチングソフトウェアが付属する。これはモニター表示と写真プリントのカラーマッチングを行うもので、「画面で見たままの色や階調で写真をプリントアウト」するときに有用なソフト。たとえば「オリジナル写真で年賀状をデザインしたけど、印刷したら色がヘン〜」みたいなコトあるでしょ? ああいった問題を解消できるのだ。

 また、繰り返して言うが、重要なのは、これらが「ColorEdge」であること。「CS230」シリーズは、価格は安いものの、ナナオの最高峰モニター「ColorEdge」であり、基本性能がヒッジョーに高いんである。

 私見ではあるが、ぶちゃけた話、そうとう凝ったコトこだわったコトをしない限り、「CS230」にはキャリブレーションとかそーゆーコトは不要だと思う。初期設定の表示モードで使っていれば、バッチリ正しい色調&階調が得られまくり。

 ただ、モニターとプリンタとのカラーマッチングは必要。どうしても表示と印刷の色にズレが起きてしまうものである。超高品位モニターを使うなら、最低限この問題は解消したい……わけだが、最安価の「ColorEdge」である「CS230」に付属する「ColorNavigator Elements」を使えば、ソレができる♪

 じゃあ、とりあえず「CS230」でイイじゃん。さらなるキャリブレーションとかが必要になったら、専用ハードウェアなどを買い増すという手もあるし。てなわけで、俺的には「CS230」にかつて無いコストパフォーマンスとお得感を感じまくっているのだ。

お手軽簡単♪ 「CS230」とプリンタのカラーマッチング

 さてここで、実際に「ColorNavigator Elements」を使って、「CS230」と手持ちのプリンタのカラーマッチングを行ってみた。「わずか4ステップの簡単操作」だそうだが、どうなのか?

 各ステップは……
 【1】モニターの基本設定を行う
 【2】色合わせしたい写真をプリントする
 【3】その写真表示を取り込む
 【4】プリントした写真に合うように画面を調整する

となる。印刷した写真にモニターの表示を歩み寄らせるタイプのカラーマッチングですな。

 試してみたところ、【4】の「プリントした写真に合うように画面を調整する」以外は、ほとんど手間と感じられないステップだった。ササッと超手軽に完了。

 そして、【4】の「プリントした写真に合うように画面を調整する」も、プリントアウトと画面表示を見比べながら「これならだいたい同じ」と思える表示(色合いや明るさ)を選ぶ程度なので、これも手軽な感じ。非常に短時間でモニターとプリンタのカラーマッチングを完了できた。

【1】まず、「ColorNavigator Elements」を起動し、[スタートする]をクリック後、画面の指示に従いモニター名を選択。調整メニューで[1.基本設定]をクリックしたら、画面の指示に従い[OK][次へ]をクリックしていくと、とくに何も考える必要ナシで、モニターが自動で写真表示に適した表示に調整する
【2】次に色合わせしたい写真をプリント。『EIZO推奨のマッチングサンプル』を使うか、『手持ちの写真』を使うかを選び、普段写真をプリントするアプリケーションで写真データを開き、プリントする
【3】プリント後もさきほどのアプリケーションで写真データを表示したまま、「ColorNavigator Elements」に戻り、上部の[取り込み]ボタンをクリック。アプリケーション上に表示される枠を写真の範囲に合うように拡大し、[取り込み]をクリックする
【4】取り込んだ写真が「ColorNavigator Elements」にプレビュー表示されるので、【2】でプリントした写真と見比べながら、画面右中央の25枚のサンプル表示の中から近いものを選択。色合わせが完了したら、右上の[微調整の完了]ボタンをクリックすると、なんとモニター上部から内蔵のコレクションセンサーが出現し、調整結果を記憶してくれるのだ! これでモニターの調整が完了♪ 楽ちんですな
モニター額縁上部に組み込まれている「コレクションセンサー」。「ColorNavigator Elements」での調整完了後、記憶した結果に定期的に表示を自動で補正してくれるスグレモノなのだ!

 以降、たとえばデジカメ画像のレタッチ〜プリントをする場合、設定どおりに気持ちよく色が合ってくれる。デジカメ画像の表示イメージどおり、プリントアウトが得られる。やはり色が合っていると美しいし、喜びも大きいし、何より画像を扱うのが楽しくなってくる。

 そしてもうヒトツ。なんと、「CS230」は「内蔵センサーが自動的に色管理」をしてくれるのだ。

 具体的には、「ColorNavigator Elements」を使って調整した結果を、モニターに内蔵のコレクションセンサーが記憶する。その後、200時間経過(時間は変更可)するごとに1回、コレクションセンサーが自動で表示を補正するようにはじめから設定されているのだ。結果、調整結果を長期間、手間をかけずに保てる。あら便利♪

 ちなみに、コレクションセンサーは「CS230」のモニター額縁上部に組み込まれていて、「ColorNavigator Elements」の調整値記憶時や再調整時などに自動的に出現。画面上には補正のための測定パッチが自動的に表示されたりもする。こういう自動補正動作を見ていると「さすがハイエンドラインのモニター!!」とか嬉しくなっちゃうんですけど、そうだ、「CS230」、5万9800円。やっぱり安いんである。

 てな感じで、どう考えても買い度が超高い「CS230」。完璧なハードウェアキャリブレーションまでは必要ないけど、基本性能がなるべく高いモニターが欲しい、と言うなら「CS230」。5万9800円でナナオの最高峰ラインのモニターが手に入るなんて、いい時代になっちゃいましたな♪

プロフィール

スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称 衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。

今回紹介したモニター

ColorNavigator Elements &ColorEdge CS230 ColorEdge CS230クリエイティブワークを楽しむためのColorEdgeエントリーモニター
販売価格:¥59,800(税込)ご購入はこちら

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