レビュー
バランスの良いテレワーク/モバイル向けPC「mouse B4-i5」
2023年1月17日 08:20
マウスコンピューターが発売している14型モバイルノートPC「mouse B4-i5」は、オフィスや自宅で利用するメインPCとしてだけでなく、テレワーク、エンタメ用途など幅広い用途に柔軟に対応できる点が魅力の製品だ。筆者は先日東京を離れ、実家のある香川県に拠点を構え、リモートを中心に仕事をこなしているが、mouse B4-i5を使って特にテレワークやモバイルでの利用を中心としてチェックした。
第12世代Coreプロセッサー搭載で優れた性能。スペックも充実
はじめに、mouse B4-i5の仕様を簡単に紹介しよう。主な仕様は以下の表にまとめたとおりだ。
特筆したいのが、メモリを16GB、内蔵ストレージに容量512GBのPCIe SSDをそれぞれ標準で搭載している点だ。一般的にコストパフォーマンスに優れるノートPCでは、メモリは8GB、内蔵ストレージは256GB程度の製品が多い中、ともに余裕の容量となっている点は大きな魅力だ。もちろん、購入時のカスタマイズでさらなる大容量化も可能なので、自分が必要とするスペックも柔軟に実現できる。
Thunderbolt 4を含めUSB Type-Cを2ポート、USB 3.0 Type-Aを2ポート、HDMI出力、SDカードスロットなど豊富なポートを用意する点も嬉しい部分。USB Type-C×2とHDMIを活用することで、内蔵の14型ディスプレイを含めた4画面表示も可能となっているため、多画面を利用した快適な作業環境が構築可能な点も魅力的だ。
また、Thunderbolt 4とUSB Type-CはいずれもUSB PD対応。付属の標準ACアダプタに加えて、オプションで用意されているUSB PD対応ACアダプタを利用した給電も可能。そちらを利用すれば、mouse B4-i5だけでなくスマホの充電も可能で、持ち出す荷物を減らせることにもなる。
サイズは320×215×19mm、重量は約1.38kg。ディスプレイサイズが14型と大きいことを考えると、サイズは比較的コンパクト。一方重量は、1kg切りのモバイルノートPCが多く存在する今としてはやや重い部類といえる。
本体カラーは、オリーブブラックとシャンパンゴールドの2色を用意。今回の試用機のオリーブブラックは全体的に落ち着いた印象だったが、シャンパンゴールドはより上質でシックな印象が強くなる。個性を求めるなら、シャンパンゴールドをお勧めしたい。
Intel Core i5-1240P
Pコア:4コア/ブースト時最大4.40GHz
Eコア:8コア/ブースト時最大3.30GHz
スレッド数:16
DDR4-3200 16GB(8GB×2)、最大64GB
512GB PCIe SSD、最大4TB
14型液晶、1,920×1,080ドット、ノングレア
IEEE 802.11ax 2x2(Wi-Fi 6)
Bluetooth 5.0
日本語、約19mmフルピッチ、キーストローク約1.2mm、キーボードバックライト
約100万画素Webカメラ
顔認証IRカメラ
Thunderbolt 4×1、USB 3.1 Gen2 Typa-C×1、USB 3.0 Type-A×2、HDMI、SDカードスロット(UHS-I)、3.5mmオーディオジャック
Windows 11 Home 64bit
約10時間
320×215×19mm/約1.38kg
やはり大型のディスプレイは快適
現在筆者は、東京を離れて実家のある香川県に拠点を構え、リモートに加え、1カ月に1回ほど東京に行くなどして仕事をこなしている。そのため、基本的に仕事で使うPCは持ち運びに便利なモバイルノートPCを利用している。
今回、実際にmouse B4-i5を試用するにあたっては、普段利用しているノートPCと同様に、自宅でメインPC同様に使い、外に持ち出すなど、様々な場面で利用してみた。その中で強く感じたのが、「14型のディスプレイは非常に快適」という点だ。パネルの種類は非公開ながら、視点を大きく移動させても色合いや明るさの変化は少なく、IPSパネル同等の申し分ない視野角を確保。発色性能も申し分ない。
筆者がメインで使っているのは13.3型のノートPC。サイズの違いはわずか0.7型かもしれないが、それでも14型のほうが圧倒的に文字が見やすく、作業効率が高まったと感じる。同時に、長時間の利用でも目の疲れが少ないと感じた。これは、ディスプレイサイズが大きいことで文字などの視認性が高まったことによるものだと思うが、毎日のようにPCを長時間使う人にとって大きな魅力となるだろう。
キーボードもなかなか扱いやすい。搭載するキーボードは約19mmフルピッチを確保し、配列も標準的なので、問題なくタッチタイプが可能。ストロークが約1.2mmとやや浅いものの、堅すぎず柔らかすぎない適度な打鍵感で良好なタイピングが可能だった。
なにより気に入ったのがタイピング時の打鍵音の静かさだ。個人的にカチャカチャとうるさい打鍵音のキーボードが好みではないこともあるが、これだけ打鍵音が静かなら、会議や講義の最中はもちろん、図書館などでも気兼ねなく利用できそうだ。これは、スペック表からはなかなか判断できない部分だが、見逃せない特徴と言える。
もうひとつ魅力的と感じたのが内蔵スピーカーから再生されるサウンドだ。通常モバイルノートPCの内蔵スピーカーはあまり音質が良くないことが多いが、mouse B4-i5はなかなか迫力のあるサウンドを再生できる。Dolby Atmosに対応していることが大きく影響していると思うが、音質がいいのはもちろん、3Dサウンドも迫力がある。映像コンテンツや音楽を楽しむ場合でもかなり魅力的だ。
そして、性能面にも納得だった。試用機はCore i5-1240Pを搭載していたが、16GBと余裕のあるメモリと合わせて、通常の作業だけでなく、Web会議や写真の編集などのやや重い作業も非常に快適だった。快適に利用できるPCは、使っていてストレスが溜まらず作業効率も大きく高まるので、これも大きなポイントと言える。
よくまとまった魅力的な製品
快適に利用できた一方、少し気になる部分もある。そのひとつは「重量」だ。
普段筆者は、800g台の軽量モバイルノートPCを利用していることもあって、mouse B4-i5を手に持つと、どうしてもずっしり重く感じてしまう。カバンに収納して持ち運んでみても、普段より荷物が重くなったと実感できる。重量はモバイルノートPCとしてぎりぎり許容範囲内というところだが、できればもう少し軽いと良かった。
バッテリ駆動時間も少し短い印象だ。公称の駆動時間は約10時間だが、外出先でいつも通りに原稿を書いたり写真の編集を行なってみると、3時間ほどで40%ほどのバッテリを消費した。このペースだと8時間弱でバッテリが尽きる計算。まずまず使えるという気もするが、モバイルノートPCならもう少し駆動時間が長いほうが安心だ。
また、顔認証カメラの標準搭載は嬉しいものの、モバイルノートPCでは指紋認証センサーも同時に搭載できるとありがたい。外出先では、まだマスクを付けなければならない場面が多く、顔認証カメラを使いにくいことが多々ある。指紋認証センサーならマスクをつけていても簡単に認証が可能なので、オプションでも構わないので指紋認証センサーの搭載も選択できるようにしてほしい。
このように、細かな気になる点はあるが、実際に使ってみると、全体的に非常に良くまとまった製品ということがよく伝わってくる。スペック面は全く不満がないし、14型ディスプレイの利便性も優れる。比較的コンパクトボディなので、カバンなどへの収納性は申し分なく、カフェなどのやや狭いテーブルでの利用も問題がない。
また、ボディはしっかりとした剛性がある。堅牢性について特に言及はないものの、ディスプレイ部や本体をひねってみても十分な強さを実感できる。ボディの堅牢性は、モバイルノートPCにとって重要な要素であり、mouse B4-i5は安心して毎日持ち運べると言っていいだろう。
そして、なによりの魅力が価格で、今回試用した仕様で価格は139,800円と、かなり安価に抑えられている。同等の仕様を備えるモバイルノートPCでは20万円近い価格の製品も多く、mouse B4-i5のコストパフォーマンスは非常に高い。ビジネスシーンでの利用はもちろん、学生が利用するモバイルノートPCとしてもお勧めしたい。