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Square、Felica対応の新決済端末で日本の中小事業者をキャッシュレス化

Squareは26日、NFC TypeA/BとFelicaに対応した小型のクレジットカード決済端末「Square Reader」とiPadと連携するPOSレジ「Square Stand」を発表した。Square Readerは7,980円(税込)、Square Standは32,980円(税込)。

Square Stand(左)とSquare Reader

新Square Readerの日本展開にあわせて、Square CEOで、Twitterの創業者でもあるジャック・ドーシー氏が日本における中小企業のキャッシュレス化に取り組む方針を説明。また、三井住友カードとの提携強化も発表し、中小事業者のキャッシュレス促進で協力。Square Readerを無償で提供するキャンペーンを実施するほか、30万円までの売上に対する決済手数料も無料化するなど、キャッシュレス決済の普及に向けて共同展開する。

Squareのジャック・ドーシーCEO

シンプルな新Square Reader。決済も高速化

Squareは、スマートフォンやタブレットを利用した店舗向けの決済サービスとして2013年から国内で事業展開。iPadなどに接続したリーダーと、Squareレジアプリを利用する点は、今回のSquare Readerも共通だが、リーダーはイヤフォンジャックに接続するのではなく、Bluetoothでスマートフォンやタブレットと接続する。

新Square Reader

Square Readerは、iOS/Androidに対応。カードブランドは、VISA、MasterCard、American Express、JCB、DinersClub、Discover。また、NFC Type A/BとFelicaに対応し、日本の電子マネーの受付にも対応予定。

SquareがFelica搭載したリーダーを提供するのは今回が初。なお、Felica対応は今年後半を予定しているが、どの電子マネーに対応するかは、まだ決定していない。

クレジットカードで支払い、サインを書くまでの利用フローは従来と共通だが、従来のリーダーよりカードの読み取りを高速化。「ざっくり従来の半分程度」で決済が行なえるという。

ジャック・ドーシーCEOがSquare Readerをデモ。一瞬で決済をアピール

なお、従来のリーダーは、ICチップと磁気の双方に対応していたが、新リーダーでは、ICチップのみの対応。磁気カードの読み取りのための専用リーダーが付属する。

磁気カード専用のリーダーが付属

また、バッテリ駆動時間も長時間化。屋外でのイベント利用などでも安心して利用できるという。さらに、別売のドックとSquare Readerを組み合わせた場合はUSBによる給電も行なえる。Square Readerの外形寸法は66×66×10mm。重量は56g。

Square Standは、iPadをセットして、簡単にPOSレジを構築できるシステム。アプリのSquare POSレジを使って、カード決済や売上分析、在庫管理、請求書の発行などが可能。Square Readerが付属するほか、レシートプリンター、バーコードスキャナーなどと組み合わせて、POSレジとして利用可能になる。

Square Stand。キャッシュドロアーなどは別売

Square Readerで将来的には電子マネー決済に対応。Square Standの外形寸法は255×196×239mm、重量は2,240g。対応iPadは、iPad(2017、2018)とiPad Pro 9.7、iPad Air(1/2)。

ジャック・ドーシーCEOは、「世界は現金から離れ始めている」と切り出し、「これまでの日本、および世界の、中小事業者は、それぞれが切断され、手動で行なわれ、テクノロジーによる変化の余地がなかった」とし、中小事業者におけるキャッシュレス化をSquare ReaderとSquare Standで進める方針を強調。デザイン・使い勝手がよく、ポータブルで、登録・入金も早く、わかりやすい料金体系などのSquareの特徴を説明した。

日本の中小事業者のレジのイメージ
六本木ミッドタウンに1日限りのキャッシュレスマルシェ「SAKURA MARCHE」

中小事業者のキャッシュレスをSquareで後押し

Squareと三井住友カードとの提携を強化し、中小事業者のキャッシュレス促進で協力。三井住友カードは、Square Readerを無償で提供するキャンペーンを実施する。

さらに、30万円までの売上に対する決済手数料も無料化。6月30日に新規アカウントを登録し、60日以内、もしくはカード決済額が30万円を超えるまでは、手数料がゼロとなる。

三井住友カードは、地域密着型の事業者や地域金融機関などとも協働し、Squareを推進。全国の三井住友銀行の支店において、4月1日からSquareの紹介を開始し、特に小規模事業者の「はじめてのキャッシュレス」を狙い、展開していく。そのために100名規模のサポートチームを準備しているという。

三井住友カードの大西幸彦 代表取締役社長は、昨年12月のSquareとの会合でこの施策を決めたことを紹介。「新端末は日本の利用者にいちばん身近な、カードや電子マネーに対応する」と語り、特に中小規模事業者向けの主力のキャッシュレスソリューションとして提案する方針を示した。

左からSquareハードウェア担当責任者ジェシー・ドロガスカー氏、ジャック・ドーシーCEO、三井住友カード 大西幸彦社長、三井住友銀行 山下剛史 常務執行役員

なお、Squareの決済手数料は、多くのクレジットカードの場合は3.25%。ただし、JCBが3.95%となるなど、決済方法の違いにより3.25%より高くなることもある。一方、10月から予定されている消費増税に伴う、政府のポイント還元施策で還元の対象となるのは、決済手数料3.25%以下のものに限定される。ポイント還元への対応について、ドーシーCEOは、「今日の時点で話せることはない」とした。

また、日本や中国で進むQR/バーコード決済への対応については、「日本におけるトランザクションのほとんどはクレジットカード。今後もクレジッドカードベースで進むと考えているが、ソフトウェア側で対応できることはある」(Squareハードウェア担当責任者ジェシー・ドロガスカー氏)と語った。